Re:トリガーには無限の可能性があるんだ! 作:アルピ交通事務局
吾輩は三雲修……転生者である。
ワールドトリガーと言うアニメはもちろんのこと2,5次元になったりゲームになったりと色々と持て囃されている大人気のジャンプ漫画の主人公に転生した。転生するか?と聞かれてただの夢だと思い適当に返事をしたら同人誌や二次小説の様に主人公に転生していた。転生特典を貰ってだ。その事に関しては後悔しているかと聞かれればなんとも言えない。
ワールドトリガーがどういうお話かと言えば異世界からの侵略者、
地球が舞台だが異世界の存在が当たり前の如く認知されており民間企業の界境防衛機関ボーダーが近界民がこちらの世界にやってきた時に開く次元の裂け目的なものこと
三門市を防衛拠点にし日夜戦っている……そして俺は主人公の三雲修になった。勿論、二次小説あるあるの転生特典を貰ってだ。
ここでワールドトリガーの用語を幾つか解説しよう。
ワールドトリガーにはトリオンと言う生体エネルギーが登場する。具体的にそれはなにかと聞かれれば生体エネルギーとしか答えられない。その生体エネルギーで出来たロボットや生体エネルギーのみで構築したトリオン体を使っての超人的な運動神経で剣を持ったりパルクール顔負けの動きをして戦う。当然ビームとかも出る。
呪術廻戦で言うところの呪力、ブラッククローバーで言うところの魔力、MPとHPが一緒になった物だと思えば良い。
さて、ここで問題なのだが……三雲修のトリオン能力、ホントに残念な事に1から10段階評価で言うところの2である。三雲修は才能とかそういうのよりも知恵と工夫で戦う珍しいタイプの主人公、史上最強の弟子ケンイチのケンイチの様に最強クラスの人達が技を伝授させる基礎を鍛え上げるとかそういうのはない。
近界民との戦闘においてトリオンは絶対に必須である。
火薬を用いた近代兵器は通じない。普通に走っている車に即死するレベルの直撃をしてもトリオン体には全くダメージを受けない。
三雲修は知恵と工夫と仲間ガチャのおかげでなんとか上手く立ち回っているが、ぶっちゃけた話それは三雲修の人望があってこそだろう。真面目を通り越しての真面目なメガネで俺には無理なので何とかしないといけない。
え、お前は転生特典を貰っているだろう?それを使ってオレTueeeeeeしろと?
いや、それがね……チートと言えばチートなんだがちょっと方向性がおかしい感じのチートを貰っているんだ。
近界民に対抗する兵器兼近界民の文明を根底から支えるこの世界で言う家電とか車みたいな科学製品、トリガーに関するトリガー工学を物凄く与えられている。それぐらいしか戦闘で使えそうなのは持っていない。
考え方によってはぶっ壊れな転生特典があるのだが戦闘において殆ど使い道が無い。
もっとこう、他に仮面ライダーのベルトとかがあっただろうと言えばそれは既に仮面ライダー斬月セットを別の世界線の別の子に渡してるとかなんとか言いやがったので貰えなかった……しかしまぁ、とにかく見る人が見ればぶっ壊れな転生特典だったりする。
「くがゆうまです!」
そしてなんだかんだあり原作が開始した。
三雲修の活躍が無ければ詰むポイントが序盤に有ったりするし出来たら美少女な原作キャラに関わりたいという下心がある。とりあえず頑張れるところまで頑張ってみるかの精神でいる。
ワールドトリガーの物語の開始、15歳の中学3年生の12月という物凄く受験シーズンに空閑遊真が転校してきた。遅刻してだ。空閑は指輪をしている。その事をクラスのゴミどもが指摘するので俺が何かしらの事情があるんじゃないですかと言えば親の形見ですと言われたのでなんだかんだで通った。
「ありがとう、メガネくん」
「気にするな」
空閑を庇ったので空閑からは好印象だ。
クラスのカス共は空閑にゴミを当てる。挨拶だと言われるがナメられているのが丸分かりなのでやり返す。
「ああいうのはやり返すんじゃなくて無視した方が良いぞ」
「なんで?ああいうのはやり返して痛い目に遭わないとなんも終わらないよ?」
「手を出したらこっちが悪くなるんだ」
空閑に対してああいう人種とは関わり合いを持つことそのものをしないように言うが空閑はああいう人種こそ痛い目に遭わないと意味が無い。自分もどちらかと言うと痛い目に遭ってからはじめて反省するタイプなのでそれは分かっているが手を出したらこっちが悪くなる。それを聞いた空閑は不思議そうにする。
「どう見ても向こう側が喧嘩を売ってるのに?」
「物事には段階がある。言葉の暴力から物理的な暴力に切り替わればそれを先に行った奴が悪いとかいう考えが……痛い目に遭っても全く改心しない手遅れなクズも普通に存在しているからな……」
「おい、ちょっと面を貸せよ」
ほら、現にこうして空閑が少しだけやり返したら多勢に無勢だ。
空閑が売られた喧嘩なので空閑が買う。ただし空閑には度が過ぎる暴力行為だとこっちが悪くなるから程良く痛い目に遭わせたらいいんじゃないかと言っておいた。
「お前、強いな」
「まぁ、鍛えてたからな……」
「お前等、多勢に無勢でコレなんだから潔く諦めろ……と言うか受験シーズンに揉め事を起こすな」
「っ、舐めやがって!!」
っちょ、武器はアカン!
ボコられた不良の1人が鉄パイプを手に取ったのだがその時、警報音が鳴り響いた。
『門発生!門発生!直ちに避難を』
「っ、近界民!?」
「う、うわぁ!?」
門が発生する立入禁止区域で喧嘩をするからこういうことになるんだ。
門が発生した。俺達のところにピンポイントで出現した。不良達はまさかホントに近界民が出てくるとは思ってもおらず慌てている。
「う、うぉお!!」
鉄パイプを持っていた不良が鉄パイプで殴り倒すが鉄パイプは簡単に曲がる。
コレが自動車ならば大ダメージだがトリオン兵にはトリオンを用いた兵器じゃないと通じない。
トリオン兵が出てきて化け物だと思っていて意識を失いそうになっているから仕方がないと鞄の中からスーパーボールを出して目玉と思わしきところにぶつけると爆発をしトリオン兵は動かなくなった。
「あ、あぁ……」
「気絶したか……身から出た錆と言うのがよく似合うな……」
「やるじゃん、メガネくん……さっき投げたの近界民にも効果がある爆弾だろ?」
「……その格好は?」
「助太刀をしようと思いまして」
不良達は気絶した。
空閑が俺が投げたスーパーボールがトリオン兵を破壊するのに使う爆弾だと見抜いてやるじゃんと言っているが空閑は学生服でなく別の姿、戦闘体に換装をしており澄まし顔で助太刀云々を言う。
「……………一応は聞いておこう。お前は近界民、と言うか向こうの世界から来た人間か?」
「……なんで分かった?」
「この受験真っ只中な時に三門市の転校生、普通ならばボーダーを予想されるが学校側はその辺の情報を知らなかった……他にも色々と理由があるが、お前がそのトリガーを使った時にある戦闘体になる格好をしている=ボーダー関係者か向こう側の世界の住人のどちらかで学校側の対応から向こう側の住人と言う仮説とかは立てられる……まぁ、色々と見抜かれる理由があったとだけ」
「……嘘じゃないな……」
「とりあえずこのまま行けばボーダー隊員が来る。お前はなにしに来たんだ?撤退するか?」
「ああ、流石に見られるわけにはいかないからな」
「じゃあ、ちょっと待ってろ」
青色のスーパーボールを取り出して投げると破裂した。
空閑がビクッと反応するかと思ったがそんな事は無くなにをしているんだ?と言う顔をしている。
「複数人のトリオンをごちゃ混ぜして作り上げた足跡を残さないだけの煙玉みたいな物だ……少しでも特定のトリオンが残留していたら怪しまれるだろう?」
「……意外としっかりとしているんだな。メガネくん」
「メガネくんじゃない、三雲修だ」
「じゃあ、オサム……逃げるか」
ボーダー隊員が来るまでの間に逃げておく。
警戒区域の外に出れば足跡は残っても足取りは追えない……警備が物凄くザルとかそういう事は言っちゃいけない。
「それで……オサムはボーダーの人間なのか?」
「いや、俺はトリガー工学云々を知っている人間でボーダーの人間じゃない……空閑、お前もお前で目的があったんだろう。だからここは交渉だ。俺がトリガー工学云々を知っている人間なんかを特に周りに言い触らさない、どうしてトリガー工学云々を知っているなんかも詮索しないのを条件にそっちの話を聞こう」
「そっちの話を聞こうって随分と上からだな」
「空閑、向こうの世界は複数の国があるか?国と国で、場合によっては違う地域に移動する時にややこしい手続きがあるか?お前はそういうのを無視して密入国したのと同じだからな」
「む……確かにそうか……じゃあ、それでいこう。おれの親父の知り合いがこっちの世界でボーダーって組織をやってるから親父になにかがあったら行けって言われて親父が死んだからこっちに来たんだ」
「通信機器による連絡手段は?」
「いや、名前だけしか知らない」
空閑がこちらに対して深く詮索してこない事について交渉を飲み込んでくれる。
親父の知り合いのボーダー隊員に頼れ、通信機器等の連絡手段は一切無くて名前だけしか知らない……そこそこ酷いな。
「オサムはボーダーに知り合いとか居ないの?居るんだったら上手く繋いでほしいんだけど」
「居ないな……だが、なにも出来ないというわけではない。ボーダーに対してその人の名前とお前の親父さんの名前を出したら反応する人は居るだろうから休みの日にそれとなく探りを入れて無理ならばボーダーの窓口とかに……最終手段で俺が一旦間に入って交渉する」
「む?オサム、そこまでする必要は無いだろう?」
「乗りかかった船なのもあるが、お前は見る人が見れば
「それをすればおれの印象が悪くなるんだが……」
「どちらにせよ近界民と言う理由だけで最低な奴は沢山居る」
空閑と今後の事を打ち合わせしたりしながらも一緒に帰る。
途中で腹が減ったから買い食いをしようとなったので万札の札束を出したのでそれの価値を教えるのが割と大変だった。
*
「こちら三輪隊、ただいま現着した」
「おいおい、破壊されてんぞ?」
修達が去っていった後にトリオン兵が現れた現場に駆けつけたボーダーが誇るA級部隊、A級7位の三輪隊が現場に到着した。
三輪隊の隊長の三輪が現場に現着した事を報告するのだが三輪隊の米屋が既にトリオン兵が破壊されていることに関して直ぐに気付く。
「俺達が一番最初だろ?なんでだ?非番の奴か?」
「……一般市民を発見、立入禁止区域のテープを破った事から勝手に入った模様。至急本部にお送りしますので記憶封印の準備を」
どうなってるんだ?となっている米屋を横に三輪は色々と考えながらも行動する。
勝手に入った不良達はボーダーに回収されて記憶封印措置がされるのだが、それよりも何故かトリオン兵が倒されていた。トリオン反応が多数残されており明らかに足跡を隠そうとしている。何かおかしな事が起きているとなったがそれ以上はなにも分からなかった。
*
「ふむふむ……親父の言ってたボーダーと周りの奴等が言ってるボーダーは結構違うな」
「空閑、こっちの世界というかこの星は大抵のところは犯罪履歴が無かったら金を積めば観光と言えば行くことが出来る。未開の地や立入禁止区域は普通にあるが殆どは網羅している。そんな中で未知の大陸、自分達とは異なる異世界が発見された……その異世界をどういうふうに牛耳るか汚い大人達が色々とするから世間的にはそういう事だと認識させている……何時かはツケが回ってくるが今はそういうことって認識でいいと思う」
翌日も学校があるので普通に登校、空閑はそれとなくボーダーについて聞いたが親父さんから聞いているボーダーと違うと思っている。世間的には上手い具合に誤魔化しておかないといけない、じゃないと確実に汚い大人が動いてくるから深く考えさせない、もしくはコレはそういうものだという認識をさせている。
「クラスのやつにモガミソウイチってボーダーの人を知らないかって聞いたけど知らない、ボーダー通って言ってた奴も知らない」
「考えられるのは戦闘員以外の仕事をしている、お前の親父さんの知り合いなのを考えればボーダーが秘密の組織だった頃からのボーダーの人間だろう。年老いたから最前線を退いたか……死んでいる。ボーダーは命懸けの仕事で秘密の組織だった頃のボーダーは少数だった。本物の戦争をしているのならば確実に何処かで死人が出ていてそこで死んだ」
「………………その線を考えていなかったな……」
「死んでたらどうする?」
「そうだな…………………………」
「やることが無いのならばこちらの世界に留まればいい。三門市から離れた地域に住めば戦闘行為を行わなくて済む……飯も美味いし治安もそれなりに良いからな。やりたいことを無理に見つけろとは言わないし、無いなら無いで小さな目標を立てる。例えばこちらの世界の文字を覚えよう。覚えたらこちらの世界の美味しい食べ物を食べよう、そういう小さな目標で1歩ずつ歩くのも悪くはない」
「…………」
俺はなにかを強要したくないし、出来るほどに賢い人間じゃない。
やっぱり人間、心の思うがままに動いていくのが大事なんだと思う。空閑はどうすればいいのかわからない、と言うよりもなにもないポッカリと胸に穴が開いている感覚だろう。それを無理に埋めることはしない。
『緊急警報!緊急警報!イレギュラー門発生!イレギュラー門発生!市民は直ちに地下のシェルターに避難を!』
「む?」
「一応は聞くがお前がやったのか?」
「いやいや、やるならもっと上手くやるよ」
どうすればいいのかを考えていれば警報音が鳴り響いて学校にイレギュラー門が発生した。
こんなのは今まで一度も無かったので空閑に一応は聞いてみたが空閑は犯人じゃない……犯人は知っているが嘘を見抜くサイドエフェクト持ちの前で言葉を選ぶのはキツいな。
「とりあえず、助けてくる……この学校にはボーダー隊員が居ないし今からどの隊の隊員が来ても間に合わない」
「オサム……死ぬぞ?」
「ん?」
「昨日のトリオン兵はバムスターって言って人を拉致する用のトリオン兵だ。でも今日のはモールモッド、戦闘用のトリオン兵だ。昨日みたいな爆弾を投げて破壊しようって考えてるならやめとけ。あの威力じゃ破壊出来ないしぶつけるまでにオサムは死ぬ」
「安心しろ、それぐらい俺も重々承知だ……昨日の爆弾はホントのホントに追い詰められた時の時間稼ぎでちゃんと戦闘する手は持っている」
空閑が空閑なりに気遣ってくれているが、俺はと言うか三雲修のスペックがクソ低いのは分かっている。
一応は入隊試験を受けたが落とされた……ボーダーの強みはやり直しが出来る戦闘訓練を何度も出来る事だが俺はそこにすら辿り着かない。貰った転生特典もチートと言えばチートだが戦闘において使えそうなのはトリガー工学に関する知識ぐらいだ。
俺は携帯を取り出した。
「1000−10−0……あ、もしもし戦ちゃん?修だ。今すぐに来てくれ」