Re:トリガーには無限の可能性があるんだ!   作:アルピ交通事務局

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第13話

 

「オサム、それはなんだ?」

 

「鰹節だ。迅さんの口止め料のぼんち揚げを作るのに出汁醤油が必要だからな」

 

 間もなくクリスマスが迫っているがそれは置いといて、玉狛支部に鰹節を持ち込む。

 鉋を片手にスッスッスと鰹節を削っており遊真が興味深そうに見てくるので鰹節を見せるとコンコンコンと人差し指の第二関節で叩く。

 

「コレ、かなり硬いな」

 

「こっちの世界で1番硬い食べ物で鋼鉄ぐらいの硬さだからな」

 

「ほぉほぉ……それもオサムが作ったのか?」

 

「まあな」

 

「修、それも手作りなのか……そのレベルはちょっとやり過ぎなんじゃないか?」

 

 鰹節を鉋で削っているとレイジさんが料理に拘りすぎていると言ってくる。

 

「でしょうね」

 

「鰹節ならちゃんとあるし」

 

「いや、コレがなんだかんだで自分に美味しい未来になるんですよ……ガチの鰹節作るとなればカビとか用意しないといけないですけど普通の簡単な鰹節ぐらいは作りたいし」

 

 スッスッスと鰹節を削っていると烏丸さんが鰹節ならあるぞと削っているのが置いてある場所を教えようとする。

 鰹節は作れた方がお得、ガチの鰹節はカビから用意しないといけないけれども俺の作ったのは燻製しまくって水分を除いた簡単な鰹節だから。

 

「酒と味醂と醤油を入れた物を煮詰めてアルコールを飛ばして……鰹節で出汁を取って……迅さんに作るって決めた日に余ったご飯を餅状にして2日間掛けて乾かした物を1口サイズにして、米油で揚げる……」

 

 ジュワ〜っと米油でお米を揚げる。コレを完成品の出汁醤油に通して砂糖をまぶせばぼんち揚げっぽいおかきの完成だ。

 スマホのメモ機能に搭載しているレシピ通りに作っている……一応は出汁醤油の味を確認したりしているが……

 

「……ダメだな……」

 

「修、拘りすぎるな。レイジさんがそれで」

 

「京介」

 

「いや、そうじゃなくて普通に美味しいというか美味しすぎるんです」

 

 とりあえずぼんち揚げが完成した。試しに食べてみれば美味すぎた。

 烏丸さんが拘るのはいいが拘りを徹底したらロクな目に遭わない。レイジさんがとある人物への贈り物に物凄く拘りを入れているせいで色々と大変な目に遭っているらしく、その事について指摘しようとすればレイジさんがなにを言うんだ!とリアクションを取るのでそういうことじゃないと取り敢えず完成品のぼんち揚げを口に突っ込む。

 

「美味いな……普通のぼんち揚げより」

 

「普通のよりおいしいならそれでいいんじゃ?」

 

「いや……美味しすぎて舌が肥えたら後で大変になる」

 

「それは分かる」

 

 普通のぼんち揚げよりも美味しい……出汁醤油を手作りしているからな。

 醤油はアミノ酸の塊、鰹節もアミノ酸の塊、アミノ酸は旨味成分の塊でただただそれだけで人は美味いと言う感覚を味わう。

 美味しい物に慣れ過ぎたら依存する。向こうの世界に何年も居た有吾さんが舌が肥えたら後で痛い目に遭うのを理解する。

 

「色々と断つべきものを断ち切ったけど、飯関係だけはな……毎日摂取する物で、美味しい物を知っているからどうしても物足りない。最終的には落ち着くとこに落ち着いたけど、それまではマジでしんどかった」

 

「……親父でそのレベルか。でも、このレベルが当たり前で食事レベルが向こう基準になれば……モチベーションが下がるな」

 

「大丈夫大丈夫、メガネくんが居るからなんとかなるよ」

 

「……迅さん……」

 

 飯が美味いか不味いかで意識は変化する。

 遊真は大人な親父な有吾さんでもかなりの時間をかけたらしいし、向こうの世界の料理の味をハッキリと知っているのでそれだけで全体の意識が低下する。SFとかでよくある1粒飲めば1日分の栄養を摂取出来るとかのタブレット錠剤での生活とか割と地獄だな。

 

「メガネくんがぼんち揚げを作ってくれるからね、仮にオレが遠征に行くことになったらモチベーションとか高いよ」

 

「だったら余計な事は言わないでください」

 

「オレはなにも余計な事は言ってないさ。遠征にメガネくんが行けば美味しいご飯を食べれるからな」

 

「ふむ……嘘じゃないな」

 

「それが余計な事だって……サイドエフェクトで視えてるなら言わないでください」

 

「いやいや、今視えてるのはメガネくんのクリスマスデートだよ」

 

 おい、ふざけんなよ実力派エリート。デートをすると素知らぬ顔でサラッと語れば空気が固まった。

 迅さんはニヤニヤしている。面白い未来が視えているのだろうが、覗き見は悪い趣味としか言えない。

 

「デート、だと……オサム、おれ達とクリスマスパーティをしてくれるんじゃないのか?」

 

「……いや……まぁ、色々とな……大丈夫だ。クリスマスプレゼントは用意しておくから」

 

「メガネくん色々と言ってる割に色々と自分でやらかしてるよね…………いやぁ…………メガネくん、スゴいね」

 

「……千佳とデートか」

 

「いや、京介、千佳ちゃんじゃないんだ。メガネくん、戦神丸の修理ついでにオペレーターをナンパしたんだ」

 

「人聞きの悪いことを言うのはやめてくれませんか!」

 

 烏丸さんが千佳とデートかと考えるが、迅さんが千佳ではないと言う。

 千佳じゃないとなれば流石のシュッとしたイケメンである烏丸さんも動揺を隠せないみたいであり驚いた後にコチラをジッと見つめてくる。具体的にはどういう感じの相手なのか、それを聞きたいと思っている。

 

「こらこら、そういう話は色々と茶化すんじゃない」

 

 一応は既婚者である有吾さんは茶化すんじゃないのだと言う。

 言いたいことは分からなくもないのだが、そういう事に対して余計な首を突っ込むな。幾らサイドエフェクトで便利な未来が視えて面白そうな展開になろうとも腕組後方彼氏面で温かく見守る。陽太郎を除けば歳下の部類に入るので余計な事はしない。

 有吾さんは既に結婚していて遊真と言う子供が居る。ヤるべき事をヤッたりしているし、恋愛関係についてはなんやかんやで全てが終わっている人だ。遊真も見た目で忘れがちだが15歳で勉強はともかく精神性についてはなんだかんだでしっかりとしている。

 

「メガネくんって作ろうと思えば惚れ薬作れるらしいからね」

 

「間違いとは否定出来ないですけどももうちょっと言い方をチョイスしてください」

 

 アルケイデスを使えば人を惚れさせることが可能だ。

 性フェロモンとかそういうのを使えば発情してエロに展開を持ち込むことが出来る。本能的に子供を残そうとかそういうのがある。

 ここに居る面々は恋愛方面に関しては無頓着、もしくは好きな人が居るから他の人に対しては異性として意識しないとかそういう感じなのがある。

 

「惚れ薬……」

 

(コイツ)がそれなんで」

 

 惚れ薬なんて今時の恋愛漫画でも見ないオーパーツだ。

 そんな物が作れるのかと驚くがヘラクレスオオカブトことアルケイデスが惚れ薬で俺の生体データから俺の体液の成分とフェロモンを掛け合わせた感じである。

 

「修……惚れ薬を使ったのか?」

 

「向こう側が使ってみろ的な効果なので……でも、コレが本来の正しい使い道なんで」

 

 アルケイデスはペットでもなければ害虫でもない。色々と手を尽くして作り上げた性能が割と洒落にならない匣兵器なんだ。

 アルケイデスが入っている匣を懐に戻せば出来上がったぼんち揚げを全員でバリボリと食べる。市販のぼんち揚げも美味いがこのぼんち揚げも揚げ油は米油で出汁醤油も手作りの鰹節からなのでこのぼんち揚げも普通に美味かった。

 

「……惚れ薬……」

 

「アルケイデスの量産はしませんよ。扱いが難しいですし作る際にスゴい手間がかかるので」

 

 俺みたいなのが女性が口説き落とせるのでそれは凄まじい物だとレイジさんはアルケイデスが入っている匣を見つめる。

 流石にそれに頼るとなれば色々と問題がある。自分だけが良いと自分だけがエラッタもナーフもされないクソゲーをすることが可能であるのは文句言われそうだが……まぁ、なんとかなるだろう。

 

「まぁ、とにかく女性陣には言わない方向性で」

 

 パイセンとか千佳とか宇佐美さんが居ない男性陣のみなので割と奇跡に近い。

 3人の内の誰かが知れば連鎖的に3人に広まりパイセンとかがポロッと零しそうで、パイセンとか絶対にJK同士でなんか言う。

 コレは奇跡的なこと……と言いたいが純粋に迅さんが裏で上手い具合に絶妙に絡み合う感じで居ない様に仕向けた感じである。

 

「チョコレートとコーラの原液を渡せば喜ぶ」

 

「最初から物で釣るのはやめなさいと母さんに言われるので、最初のスタートラインを踏み出してから……」

 

「コーラの原液って作れるのか?」

 

「蜂蜜とレモンとパクチーがあれば出来ます。しかしそれは市販品の皆が知っているコーラだ!な味なので、もうちょっと……生姜とかシナモンとかそういうのを入れた大人の味の後は炭酸水で割ればいいだけのを……チョコレートになる場合はカカオや大豆から作らないといけなくてスゴい手間なんで」

 

「……その辺の市販品じゃダメなのか……」

 

「京介、そういうのは出来る限り拘りを持った方がいい」

 

 その辺の市販品のチョコを溶かして云々でチョコレートのプレゼントを済ませればとなるがそこは拘る。

 レイジさんも作るんだったら一切の手抜きはしないと思っている。まぁ、それでもカカオからチョコを作るのは色々と大変だが。

 とりあえず初手で食べ物とかを使わずに親密度を高めなさいとかそういう事を言われている。

 

「しかし、オサムの匣は便利なアイテムだな」

 

「今のところ皆に見せてるのはアニマルタイプの匣兵器だけどな」

 

 狙撃をしていた千佳が戻ってきて匣兵器の性能が色々と強いと話題になる頃。

 まだ全員の前で見せたのがアニマルタイプの匣兵器で武器としての匣兵器を見せていない。

 とは言え武器としての匣兵器は色々と少なかったり扱いが難しかったりするのだが。

 

「量産とか出来ないのか?」

 

「結局のところコレはトリオン兵作成装置を小型化した感じなので……陽太郎」

 

「なんだ?」

 

「試しにアルケイデスを出してみてくれ」

 

 色々と便利なアイテムだなと見る有吾さん。量産も不可能ではないがトリオンのところで詰んでしまう。

 ぶっちゃけそこを気にしない、死ぬ気の炎みたいに出し放題ならばもうちょっと上手く作り上げている。

 色々とあるが1番厄介なところが他にもあると陽太郎にリングと匣を渡す。陽太郎は指に装備してアルケイデスの匣を開けば……パリンとリングが壊れた。

 

「陽太郎」

 

「お、おれはなにもしてない!!おさむの言う通りにしたら」

 

 何を壊しているんだとレイジさんが慌てる。陽太郎は俺の言う通りにやったら壊れただけだと弁明する。

 

「大丈夫だよ、それは修くん以外が使えばそうなるから」

 

「……どういう事だ?」

 

「リングに搭載されているのがトリオンに反応する鉱石で、1から5段階評価で言えば1の最低品質の鉱石で……俺よりも陽太郎の方がトリオン能力に優れてて一度に流し込むトリオンが多くて鉱石がそれに耐えきれずに壊れるんですよ」

 

 千佳はこの光景を何度か見ているので俺以外が使えばそうなる、と言うか千佳自身も壊したことがある。

 予備は幾つかあるのだと他のリングを見せるが中には悪趣味な見た目、人間の目玉みたいなのが付いているリングもある。

 

「ちかちゃんもリングは持ってるのか?」

 

「うん……だけど、その……」

 

「どうした?」

 

「私のトリオンがスゴすぎるせいで物凄く貴重な鉱石を加工してるみたいで……修くんが言うには彫金師に細工を含めてもらっても値段が結構バカに出来なくて……使うことに対して罪悪感が」

 

 千佳も千佳でリングと匣兵器は持っている。

 しかし知っての通り千佳のトリオン能力はおかしな性能をしているので、それに耐えきれる鉱石探しに手間取った。

 リングに使われる鉱石じゃないし彫金師に加工して貰ったりしたので普通に結婚指輪の数倍の値段はする。割と笑えない金額であり、一応は小市民なのでこんなバカ高い物を使っていいの?と言う罪悪感がある。

 

「ちかちゃんのボックスを見たい!」

 

「……修くん」

 

「別にいいけれども、愛玩動物じゃないからな」

 

 他の人に見せたことがない千佳の匣兵器。

 陽太郎が見てみたいと言えば千佳は使ってもいいかの確認を俺にしてくるのだが一応は言っておく。

 家庭教師ヒットマンREBORN!では愛玩動物とかマスコットとかそういう感じがあったが、一応は兵器だからその辺を忘れたらダメだ。千佳は匣とリングを取り出し、開匣する。

 

『なんや、千佳ちゃんピンチなんか?』

 

「あ、ううん。ボーダーの人達が見たいって言うから」

 

『千佳ちゃん、困るで。ワシ、愛玩動物やないんやで』

 

 中から出てきたのは流星のロックマンに出てくるペガサス・マジックに似ているペガサス。

 なにかが出てくるとは思っていたけれどもペガサスとは思っていなかったので陽太郎はスゴい!となる。陽太郎だけでなく、烏丸さんやレイジさんも興味深そうに見ている。

 

『千佳ちゃん、ワシは修ちゃんに千佳ちゃんになんかあった時に作られてアドバイスとか送る為に高い知能と喋れる機能を搭載してもろとうけど、愛玩動物になったつもりは無いんやで……コレでも千佳ちゃん守る兵器としてのプライドあるんやで』

 

「ディーニ、ごめん……」

 

『別に謝るレベルでは怒っとらんからエエねんけど、その辺忘れたらアカンで……なんやパッと見、女は千佳ちゃんしかおらんし、ワシより他の奴等の方が、アルケイデス辺りとか空王丸の方がええやろ?なんやったら修の』

 

「ディーニが1番だからそれでいいんじゃね?」

 

『……褒められて悪い気はせえへんわな……はじめましてやな、ワシはペガサス型のトリオン兵や。機体名で言えばマジックホースやけど千佳ちゃんからディーニって名前をもろたからディーニで頼みますわ。あ、見た目が流星のロックマンに出てくるペガサス・マジックに似とるんは修ちゃんが予算のデザインとかケチったからそうなっとんよ』

 

 正確に言えば流星のロックマンに出てくるペガサス・マジックではなくペガサス・マジックの黒いモヤバージョンだが。

 ディーニを見て興味深そうにしている男性陣……やはりウケ狙いだけでいけばディーニよりも空王丸とか……でも、このメンツはロボットに興味を抱くタイプじゃないからな。

 

『……修ちゃん、修ちゃん』

 

「なんだ?」

 

『あの白くてちっこい子の隣におる炊飯器みたいなん、トリオン兵?』

 

「そうだと思うがどうした?」

 

『アレ、絶対に不霊夢とキャラ被っとるやん。あいつ、あの炊飯器みたいなん見たらキャラ被りしてるじゃないか!ってキレるんちゃん?知らんけど』

 

『炊飯器みたいなのとは失礼な。私にはレプリカという名前がある』

 

『ワシにはディーニっちゅう名前があるわ……』

 

「コレが私の匣、ペガサスのディーニです」

 

「千佳のトリオンと言う予算がスゴいあるからクソ強く設定してます……木虎辺りなら簡単に倒せます」

 

 千佳の匣兵器、ディーニ……ディーニ自体にはそこまで予算がかかっていない。

 なにが1番予算がかかっているかと言う話になれば匣を開くためのリング……ホントに稀少な鉱石で出来ているので量産が出来ない。

 俺みたいなトリオン貧乏ならば低品質ので開けれる。陽太郎レベルならば1から5段階で言えば3以上のランクのリングがオススメである。

 

「安価で量産出来そうなのは無いの?」

 

「出来なくもないけど、エンジニアチーフレベルの知識を求められるんで」

 

「あ〜そっちか」

 

「後、リングの素材が……俺も1から5段階で言うところの5のリングを1個だけ持ってますけど千佳のとは違って曰く付きの呪物を加工した物でちょっと扱いが厄介だったりで」

 

 色々と便利なアイテムで迅さんはディーニから色々な未来が視える。

 コレは千佳のトリオンに物を言わせているなと認識しているのでもうちょっと普通のボーダー隊員が使うことが出来る感じのは無いのかを聞けば最低でもエンジニアチーフクラスの知識を求められる。作れる人手がシンプルに居ないので作れない。

 レイジさんクラスのトリオン能力になれば五つ星の高性能なリングが必要……にはならないか。トリオン体を経由してトリオンを流し込める様にすればリングは要らないから。





 マジックホース

 匣兵器の1つでペガサス型のトリオン兵。
 修がデザインの予算と手間をケチったので見た目は黒色のモヤがかかっている流星のロックマンのペガサス・マジック。
 エネルギー弾を放つ、遠隔操作のブレード、翼の羽根を突き刺してトリオンを乱す、ラジコン爆弾、相手を凍らせると色々と機能がある。千佳のトリオンに物を言わせたところがある一品物で、二宮レベルのトリオンでも使用不可能。

 ある程度の人工知能と喋る機能を搭載しており威厳のある見た目に反して気の良いおっちゃんな性格をしている。
 マジックホース、マジック=手品=フーディー二と連想した千佳はディーニと名付けている。

 尚、コレを作るよりもコレを開けるリングの方が予算がかかっている

 元ネタは流星のロックマンのペガサス・マジック
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