Re:トリガーには無限の可能性があるんだ! 作:アルピ交通事務局
「あのメガネが噂の」
1日だぞ……たった1日だぞ。正隊員になったら嫌でも見られるのは覚悟していたがたった1日で噂が広まった。
風間さんを相手に勝ったとか実は黒トリガーを持っているとか尋常じゃない程のトリオンを持っているとか迅さんのサイドエフェクト並にチートなサイドエフェクトを持っているとかそういう噂が広まっている。
たった1日でそれとは人の噂の広まり方とかが尋常じゃない。
「ねぇねぇ、風間さんに勝ったってホント?」
「いや、それは」
「あ!」
風間さんに勝った噂が流れている中で1人の男が声をかけてきた。
風間さんが反則行為を行ったから負けたと言おうとするがそれより前に遮られる。
「玉狛支部の人じゃん!え、なんで?玉狛支部になんで居るの?」
「……迅さんからスカウトがあったんだよ」
「へぇ…………迅さんからスカウトされたってことはスゴいんだろ?ちょっと勝負しようよ!」
周りの視線が風間さんを倒した噂のメガネがあの男に戦う!そうなった。
まぁ、コレはコレでありとしか言えない……めんどくさいことになってるだろうなと思いながらも、ランク戦のブースに入り10本勝負をする。ここでの最適解は……2本ぐらい死ぬ気で取りに行くことぐらいだが、さらに先を見据えているのならば1本も取らない事だ。
どうにかする方法はあるにはあるが、それは虎の子、緊急時に使う。
その辺に落ちている石を投げるとかでも充分な武器になるのは分かっているが、あえて負ける。
「なんだ、この程度なのか……もういいよ」
「ああ、そうか」
「こらぁ!おさむ!なにをしている!勝てる試合があっただろ!」
負ければ俺の噂はデマだった等が更に噂される。
俺に勝負を挑んできた男、緑川もこんなもんかと興味のないゲームを見るような目で見ている。向こう側が終わればそれで終わりだと思えば陽太郎と三輪隊の米屋さんと遊真が来た。
「無理に勝ちを急いだら痛い目に遭うからやらないって……どうもっす」
「まぁ、緑川相手だからしゃあないわ……A級4位草壁隊のエースだからな」
「ふ〜ん……ミドリカワだっけ?次はおれとやろうよ」
「……遊真」
「悪いけど、おれにも限界があるから」
遊真は緑川と今度は自分とという。今の緑川はスッキリしているが遊真のトリオン体の玉狛支部のマークを見て反応する。
コイツも迅さんにスカウトされた玉狛支部の人間か、だったらコイツも同じ目にと……考えが短絡的だが遊真は容赦はしない。
「メガネボーイ……勝てたんだろ?」
「なにがですか?」
「とぼけなくてもいい……緑川から9本捨てて1本奪うつもりなら奪えただろ?」
米屋さんがその気になれば1本ぐらいは緑川から勝利をもぎ取れたか聞いてきた。
緑川は単純だったが米屋さんは流石に気付く……と言うか考えてるんだろうな。
「メガネボーイは考えて動くタイプだ。予想外のアドリブも対応出来るがメガネボーイの運動能力とか経験値の問題で実際にそれが出来てない。メガネボーイみたいなタイプは迅さんと同じでホントのホントに大事な時になにかを隠しておくタイプ……あの状況で具体的になにをするかは分からねえがな」
「……ま、出来たかどうかは結果論とかになりますし最初から警戒心マックスの緑川なら無理でしたとだけ」
「おっと、冗談半分で言ったがマジだったか」
米屋さんの勘は当たりだ、1本を取るだけに集中すればどうにかなる。
でもそれはしない……あんまりやりすぎるとレギュレーション違反とか反則とか汚いとか色々と言われるから。
遊真も俺が周りからバカにされる、そっちの方がなにかとお得だからいい。正当な評価を手に入れる場所はしっかりと存在しているからと言っているがそれでも限界があると緑川をボコる。
「すみませんでした、三雲先輩……迅さんにスカウトされたって事がムカついて」
「俺の戦闘員としての能力は低い、それ以外の能力とかを迅さんは見てると思う」
「いやいや、メガネくんも何れは駿レベルの実力者になってもらわないと」
遊真がボコって緑川は嫉妬していたことを謝る。俺の戦闘員としての能力は低いからその辺は特に気にしていない。
そう言えば迅さんが現れた。それを見た緑川は犬のようにテンションを上げた。
「メガネくん、今から会議だから遊真と一緒に来てくれ」
「わかりました」
会議があるからと会議室の1つに向かう。
そこには有吾さん、鬼怒田さん、林藤支部長、根付さん、城戸司令、忍田本部長、宇佐美さん、三輪さんが居た。
「む!何故お前がいる!」
「気にするな、ポン吉」
「まぁまぁ……」
「さて、大規模な侵攻に対する会議を行う」
遊真と俺と陽太郎が来たら陽太郎が居ることを鬼怒田さんが指摘する。
迅さんは気にしないでとなるので城戸司令は気にせずに会議を行うと言う。
忍田本部長が迅さんが予知で大規模な侵攻があると予知をした。だから遊真の持っている情報を寄越せという。
「おれじゃなくて親父に聞いたほうが早いんじゃないの?」
「いや、レプリカに色々と記録しているから……流石に1から10まで全ては覚えてない」
「人間の記憶は穴の開いたバケツですからね……」
「じゃ、レプリカ、任せた」
『ああ、後は任せてくれ』
有吾さんは1から10まで全ては覚えていない。
人間の記憶は穴の開いたバケツである程度は入るけれども一定量を越えれば何処かが漏れる。タンスに入れていると言う教師も居るが穴が空いているの方が合っていると思っている。既に遊真の身の安全は俺が手に入れているし、レプリカは向こうの世界の映像を見せる。
向こうの世界、
メルヘヴンみたいに1つの異世界があってそこに無数の大陸があって幾つもの国があるんじゃない。
夜空に輝く星々の様に1つの星=1つの国の星間国家みたいな感じであり、星自体が特定の周回軌道を持っている。勿論稀に周回軌道が無い星もあるが……だからこそ、俺の転生特典が冗談抜きでチートになる。
「メガネくん……なにを作れる?」
来そうな国とかをレプリカから情報提供される。
当時のことをザックリと記憶している有吾さんはこういう感じだったなと補足をしてくれる。そこから対策であり、視線は俺に向いた。大規模な侵攻があるからなにかしらの便利なトリガーを作れという話。
「トリオン兵だけが出てくるならそれはボーダーがなにかしらの強化合宿的なのを行って全体の底上げ、それが最善です。新しいトリガーを開発して使いこなす云々は勿体無い」
「……トリガー使いは?」
「トリガー使い捕獲用のトリガーは作れますけど完全な一品物で製作コストとかメンテナンスとかが多分、俺にしか出来ないと思います……で、黒トリガー使い撃退用のトリガーも作れと言えば作れます」
「迅、やっぱりコイツは本部のエンジニアの方が」
「それするとメガネくん、千佳ちゃんと遊真を連れて勝手に向こうに行くんで無理です!」
言っとくが迅さんの言っていることはマジである。
レプリカから遠征艇の設計図を売ってもらっているのでいざという時は普通に作れる……ボーダーが色々とやりすぎた場合を想定はしているからな。
「トリガー使い捕獲用のトリガーは多分1個しか作れないです……近界民の目的が優秀なトリオン能力者を前提にするならば千佳に持たせます」
「なにをバカな事を!千佳ちゃんはまだC級だぞ!」
「ボーダーの訓練内容とか基本的に戦闘特化で避難誘導云々の仕事無いに等しいじゃないですか……そういうのにボーダーの顔の嵐山隊を使えない。那須隊の那須さんみたいな顔面偏差値高い人とか使うって手もありますけども普通に戦力下がるじゃないですか……そうなると暇なC級に避難誘導云々が1番でしょう」
「っぐ……言っていることは一応は筋が通っているが……」
千佳にトリガー使い捕獲用のトリガーを持たせると言えば鬼怒田さんが危険なことをさせるなと言う。
しかしC級は出ないといけない。避難誘導云々をさせないといけない。それは分かるがとなる。
「C級無しの未来じゃ……あ〜悪い未来ばっかですね。嵐山達にそういうのさせれば嫌でも戦力下がりますし」
「と言うかスカウト旅に行ってる人を呼び戻さないんですか?」
「戦力増えても場合によっては意味が無い未来が結構あるんだよ」
「…………じゃ、黒トリガー撃退用のトリガー……コレは……ちょっとめんどくさいです」
色々と実験をしている中で見つけた黒トリガーを撃退するのに特化したトリガーがある。
しかしまぁ、シンプルにめんどくさい性能というか能力というか……うん、多分めんどくさい性能だろう。
「めんどくさいとは?」
「それを仮に使った場合、高確率で黒トリガー使いを使い物にならない様には出来ます。ただ、1つ条件があって最初に攻撃を当てないとダメなんです」
「……その攻撃で撃墜すればいいのでは?」
「アキレウスみたいにアキレス腱以外不死身とかあったらどうするんですか?」
めんどくさいと言えばどういう意味でのめんどくさいと本部長が聞いてくる。
まず大前提に一撃を当てないといけない。その一撃で倒せばいいんじゃと言う正論があるがアキレス腱以外不死身とかもある。
「それを当てる事に成功したら当てた人はもうそこから次の戦いは出来ないです。黒トリガーなんで嫌でも強い。だから風間さんみたいな強い人がそれを使う。それを使って黒トリガー使いをどうにかする事は出来てもそこから先、次の現場とか後処理とかが一切出来ない感じですね」
「既に頭に構想が出来ているのならば具体的な内容を教えてくれ」
「黒トリガーを使っている人に攻撃を当てて……で……強制解除出来ないようにして……的な感じなのでガス欠になります」
林藤支部長が具体的にどんな感じのトリガーなのかを聞いた。
黒トリガーを使っている人に攻撃を当ててどうするかどうなるのかと言えばそんな手があるのかと鬼怒田さんは驚いた。
「成る程……システム上、嫌でも使った奴が倒れる感じか」
「じゃが、倒れても代わりがいる、例えば米屋辺りに装備させれば」
「作れるのが俺で1回ごとにメンテナンスとか必要になりますし基礎的な戦闘能力も必要になりますし……戦闘不能になった際の
黒トリガー使いをどうにかするのに特化したトリガーは意外とトリオンを食う。
それを弾丸にして放つのも……
「一応は作っといた方がいいんじゃないか?反則的な能力が多い黒トリガーを撃退に特化してるし」
「メンテナンス云々は置いておいて完成したのならば設計図は寄越せ……それは普通に強いトリガーだ。1人で黒トリガー使いを1人を撃退させる事も可能だ」
単独で黒トリガー使いを撃破する可能性を秘めているトリガーだ。
林藤支部長や鬼怒田さんも使い所があるかどうかは置いておいて作っておけと命じられた……仕事が増えるし、多分使うタイミングが出てくるだろうから……1個だけ作って持っておこう。
「ところで…………いいんですか?」
「……なにがだ?」
「レプリカと有吾さんの情報を照らし合わせたら……4年半前に襲ってきた連中を予測出来るかどうか」
「っ!?」
4年半前に三門市に襲来した近界民、コレは撃墜する。
理性ある大人達が子供に人殺しや戦争後の略奪行為はさせない云々をするのであれば俺はなにも言わない。俺は被害者じゃないから。
三輪さんはそんな事が可能なのか!?と驚いてレプリカや有吾さんを見る。
「修……」
「俺は近界民とは仲良く出来るって言うよりは文明や文化が違うけどしないと無理だって認識ですからね……復讐したいなら勝手にすればいい。ただ、それをするのならば襲ってきた国で生まれた赤ん坊だからという理由だけで生まれて間もない過去の出来事と関係無い赤ん坊を殺せるようになれの話ですが」
「…………」
「何時か芽を出す可能性があるかもしれないのならば、赤ん坊であろうが生まれてきた事が罪であると殺さないと」
「メガネくん」
「オサム」
「悪いですけどそこはキッチリとしないといけないですよ……少なくとも俺はなにかあった時にそういう事を平気な顔をして出来るようには訓練してますから。お陰様で俺の中のナニかが欠けましたが」
言っていることは分からなくもないが言い過ぎである。
迅さんや遊真はそう思ったから注意するつもりで呼んだんだろうが、俺はその辺はキッチリとしているよ。
「向こう側が同盟なんかを結びに来ない……そちらの方が色々と利益がある……既にトリオン工学を手に入れてるから後で色々と好き勝手に出来る俺はその辺はどうでもいいけど」
俺は俺と俺の周りがそれなりに幸せならばそれで構わない。
証明写真を撮る機械の使い方が分からない人に証明写真の撮り方を教えるぐらいの善性は持ち合わせているけれども、それぐらいだ。
「城戸司令、貴方の狙いがなんなのかは知りませんけど……復讐心なんかの憎悪を利用するならするでそこはキッチリと精算してくださいね。1人の大人として復讐行為が間違いとか都合の良い言葉で殺すことを無しでホルマリン漬けとかは俺好みじゃない。殺るなら殺るでその辺はしっかりとしないといけないから」
「……現在は大規模な侵攻に備える。特定は出来ない」
「そうですか」
聞き出したい情報とかそういうのは一応は聞き出せた。
コレから開発をしておかないといけない2つのトリガーもある。まぁ、普通に便利だから何時か作れたらなとは思っていたトリガーだ。聞くべき情報は聞いてその上でシフト管理とかそういうのをすると言い会議は終了する。
「三雲くん……三輪があの場に居たからああいう発言は」
「嫌です」
「無理にそういうのに触れるのは」
「嫌です」
「気持ちの整理を」
「嫌です」
忍田本部長が遊真をB級にとかを話しに来た。そっちがメインだろうけれども、俺を注意する。
三輪さんをはじめとする近界民に対して憎悪を抱く人達の憎悪を煽る真似とかそういうのはしないようにと言っているが嫌だね。
「俺はプリキュアやスーパー戦隊みたいな勧善懲悪な戦いはしてないんです。かと言って仮面ライダーみたいなドロドロだけど正義を貫こうとする事もしないです。絶対的な正義と完全な悪なんて考えを持ったら人間は荒廃する。近界民=悪だと思い込んでる人達も居て、その人達の憎悪を利用しているから何処かで向き合わないといけない。あの人達は言葉で伝わらない物を抱えている。言葉を使い尽くしても尚伝わらない思いが」
「……それは……」
「昔のボーダーの人も一緒って言われても俺は知らない……俺が面白いから作ってるところもあるトリガーは結局は兵器だ、抑止力じゃなくて兵器だ。ダイナマイトを抑止力として作った人も結局は利用されている。人間はそういう一面を多く持っている。でもそれは否定しない。それを含めても人間だ……だから戒めとして自分に言い聞かせている。自分なら大丈夫だとも思わない。人間の善性を完全に信じない。人間の悪性を完全に信じない。素晴らしい信念や理念を貫こうなんて思わない。信念は過ちが愚行を正当化させる醜い物でもあるから……」
便利な物だけども負の側面もある……それを何処かで受け入れないといけない。
受け入れて対策しないといけない。素晴らしい信念を貫こうとする事なんてしない。それは時には醜い物でもあるから。
「こんな考えをしてたら何時か破滅するのは自覚してますよ。でもそれがなんだ?誰しもが生きる権利があるって言うなら誰しもが死ぬ義務もあるんだ。俺は俺の個性や長所で成功する。俺の短所で失敗して破滅する。全部俺の器量の問題だ。だからなんにも問題無い。それでもなにかあるって言うならばいざという時に自分をぶん殴ってくれるバックアップを用意する。俺にとっての不霊夢がそれだ」
「……君は君自身が間違うのも理解しているのだね……」
「信念を持てば世界が変わることでその信念が間違い、頑固者、偏屈者になる……世界も人も常に変化するんだから、どうしようもない」
だからそういう信念は、三雲修のホントに土壇場な時に逃げないようにする精神は俺には持てない。
俺が出来るのは人を信じるよりも疑うこと、許さないこと、現実を見ないようにして妄想すること……ああ、実に使えない物ばかり。
「まぁ、給料をだしてくれる相手にはそれなりの義理をはたさないといけないので頑張りますよ」
俺はそう言うと玉狛支部に向かう。
「オサム、闇が深いな……」
「迅さんよりはマシだ……あの人は常にトロッコ問題を挑んでる。何が最悪かって選ばなかった方の答えもしっかりと知っている。誰かに頼まれたわけじゃないし自分自身で望んだわけでもないのに、そうしなきゃいけないとかそういうのを思っている……流石にそれは発狂する」
だから心の中に闇があっても大丈夫だ。
遊真は俺を心配そうに見るのだが俺は俺でホントに無理なら無理で音を上げるし愚痴を零すから問題は無いと思う。