Re:トリガーには無限の可能性があるんだ!   作:アルピ交通事務局

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第18話

 

 迅さんが勝手に玉狛第二を作って俺を隊長に登録していた。

 あの人は多少の好き勝手が過ぎるんじゃないのかと思ったが、そのおかげで今に繋がっているからなんとも言えない。

 それはさておき最速でB級に上がった……B級に上がったのならばなにをするか?ランク戦?否……防衛任務である。割と忘れがちかもしれないが防衛任務が主なボーダーの仕事である。

 

「貴方、また噂になっていたわね」

 

「緑川にボコボコにされた側の方です」

 

 

 本日の防衛任務、加古隊、玉狛第二、那須隊、柿崎隊……後はフリーのB級とか。

 加古隊の隊長である加古さんが噂になっている玉狛の新人と面白そうなものを見る目で見るが緑川をボコったのではなく緑川にボコられた方だ。それを言えば少しだけ期待の眼差しが消えるがそれはそれで面白そうだと言う笑みを浮かべている。

 

「加古さん、変にハードル上げないでください……迅から話は聞いてる。他の奴等がまだB級に上がる前に勝手に部隊登録されていたのはな……」

 

「その件に関しては一度文句を言いましたけど『メガネくんならなんか色々と出来るでしょ?』と言われましてね……」

 

「迅さんらしいと言えばらしいけど……大丈夫、なの?」

 

 柿崎隊の柿崎さんが無理にハードルを上げないでとフォローしてくれる。

 迅さんから色々と話を聞いているみたいなのだが一応は文句を言っている事について言えば那須隊の熊谷さんに心配される。

 まぁ、緑川にボコボコにされた方だとなればそれ=弱いと言う印象は嫌でもついているものだろう。

 

「まぁ、やれそうな事は色々とやってますよ……無いもの強請りせずに、あるもので最強を探し続けないといけないので」

 

 一応はやれることはやっている。

 それでも無理ならば無理で諦めるという選択肢も普通にある。諦めないことと同時に諦めることも学ぶ。片方だけだと意味が無いからな。

 

「初日だから緊張してるかと思ったら肝が座ってるわね」

 

「いや、割と内心ビクビクですよ」

 

 加古さんがもうちょっと怯えたりテンパったりしているかと思ったがそうでもないという。

 顔に出さないだけで割と内心ビクビクと怯えている。確実にミスをするだろうなと思っている。

 

『大丈夫だって、修くん!失敗しても他の人達がフォローしてくれるから!』

 

『失敗するの前提なんですね』

 

『大抵の人は通る道だからね』

 

 宇佐美さんがやらかしても尻拭いは他の人達がしてくれると言ってくれる。

 失敗する人は失敗するものだと宇佐美さんはネガティブなアドバイスを入れてくれる……

 

「それで、なにか面白いトリガーを持ち込んでるのかしら?」

 

「……それ、聞きますか?」

 

「玉狛支部と言えば玉狛トリガーじゃない」

 

 出来れば出てくるなと思っていると加古さんが面白いトリガーを持ち込んでいないのかを聞いてくる。

 堂々と聞いてきたなと思えば玉狛と言えば玉狛トリガー、ランク戦に出禁の火力重視のトリガーだ。面白いトリガーなのは知っており、加古隊はA級のトリガー開発権を色々と行使している……多分だがA級で1番トリガー開発権を使ってるんじゃないか?

 

「まぁ、幾つかは用意していますけど……殆どが使う状況は起きないですよ」

 

 複数の匣を持ち込んでいるが、使う状況は起きない。

 起きるというのならば迅さんが色々と横槍を入れてくるだろうし、その規模の出来事は迅さん個人で解決出来ることじゃない。

 幾つか用意しているので匣を見せればコレがトリガー?と疑問を抱いている。

 

「中に色々入ってるんです……まぁ、今回は使う機会は……あってもコレぐらいか……」

 

 火力重視のトリガーは一応はあるにはあるが、それは千佳のトリオンを借りて作っている。

 1回使ってトリオンが空になればまた1から千佳のトリオンを借りないといけないので常時使うことが出来ない。

 俺のトリオン能力や俺の戦闘スタイルから考慮して使っても精々、この1つ……多分だが使いこなすのが色々とややこしい匣だ……結局のところ、戦神丸で戦う、近距離戦闘は戦神丸に任せた方が圧倒的に効率が良い……ただ1つの問題点、俺のトリオンが足りないという事を除けば、近距離戦主体のパイセンの足止めは数分間は出来た。

 

「取り敢えず出すか」

 

 色々と用意しているが、使うのはこの匣だけだろう。

 リングを指に装着し匣の中にある凹みにリングの鉱石を装填、パカッと匣が開けば……眼鏡が出てきた。

 トリオン体になった際に付属している眼鏡を外し、中から出てきた眼鏡を装備……普段遣いの眼鏡じゃないから若干の違和感があるが、トリオン体なので伊達メガネみたいなところがあるからな。

 

「……眼鏡?」

 

「見ての通り眼鏡型のトリガーですよ」

 

 那須隊の那須さんが出てきたのが眼鏡だったのでなんで?と疑問を抱く。

 特に仕掛けらしい仕掛けはない眼鏡型のトリガー……この眼鏡型のトリガーは多分だけども大抵の人は使いこなすことは出来ないだろう。

 

「メガネキャラだけにメガネですか?」

 

「いや、元々はモノクル眼鏡にする予定だったんだけど宇佐美さんが眼鏡が良いって」

 

 ボーダーの人達にも使うことが出来るトリガー開発をしている段階でバレた。

 本来ならばモノクル眼鏡になる予定だったが宇佐美さんが眼鏡にしろとしつこくて眼鏡になった。

 加古隊の黒江が何故に眼鏡?メガネキャラだからメガネ型のトリガー?と疑問を抱いている。その効果を発揮する事が出来るのは……敵が来た時だろう。

 

「こういう時に限って来ないわね」

 

「来なくていいじゃないですか」

 

 入れ替えた謎の眼鏡がなんなのか気になる加古さん。

 特にスゴいというわけではない。この眼鏡はただのサポートアイテム……使い続けるのは割としんどかったりする。

 出来れば今日は誰も来ないで何事もなく終わってほしい、そう思っているが世の中そんなに甘くはない。

 

『修くん、10時の方向に!』

 

「了解です」

 

 門を開いてトリオン兵が送り込まれてきた。

 宇佐美さんがどの方向に出てきたのか教えて頭の中で地図を送り込んでくれる。仕事である以上はしっかりとしないといけない。

 トリオン兵が送り込まれてきた……馬みたいな見た目のトリオン兵、確か原作で一番最初に修がB級に上がって対峙したトリオン兵だったか?

 

「威力32以上、装甲58以上……メテオラ!」

 

 眼鏡にデータが色々と送り込まれてきた。

 トリオン兵に使われているトリオン量、残りのトリオン量、装甲等を破壊するのに必要なメテオラの威力、他にも色々なデータが眼鏡に送り込まれ……最適解が生まれる。今回装備している弾系のトリガー、炸裂弾(メテオラ)を使う……メテオラは分割しない。塊でぶつける。ボン!とメテオラは爆発し……トリオン兵は破壊されて動かなくなった。

 

「あら、フォローの必要は無かったみたいね」

 

「いや、ミスってたらどうしようって内心ビクビクですよ」

 

「……その眼鏡はなんなんだ?」

 

 加古さんと柿崎さんが失敗した時を想定して俺をフォローしようと考えてくれていた。

 無事にトリオン兵を倒すことが出来たので加古さんはフォローの必要が無くて良かったと微笑んでおり、俺の内心はビクビク……柿崎さんが装備している眼鏡に注目をしている。

 

「コレは相手のトリオン残量とかトリオン兵に割かれているトリオンの装甲の硬度とかそういうのをチェックしたり、どういう弾道処理が最適解なのかを教えてくれる解析眼鏡です」

 

「解析眼鏡?……トリオン体に仕込むのはダメなの?」

 

「トリオン体に仕込んだら頭にダイレクトに情報が流れ込んできてパニックを起こします。コンタクトとか眼鏡とかにして今の空気の流れとか起きている事象とかそういうのを確認する……感覚でやる人は向いてないトリガーです」

 

 空間認識能力が強かったりなんとなくでやっている人が多い射手。

 理論よりも天性の才能や感覚なんかで走っているから他人に教えることとかそういうのが出来ない。俺も試しに射手系のトリガーを使ったが感覚の世界、理論よりも理屈とかで動いている感じだった。

 

「普通に使えそうなトリガーだな……」

 

「一度に流れる大量の情報を処理する事が出来るのならば使えますよ……感覚派の人には向いてないですし、即決即断もしないといけないので一度でもパニクったら終わりです」

 

 眼鏡型のトリガーが強いトリガーだと柿崎さんは認識するが、コレは色々な情報が流れ込んでいる。

 その情報を正確に確かに処理することが出来る頭を持っていないといけない……体で覚えると同時に頭で考えるも出来ないといけない。だから1回でもパニックを起こしたらトリオンを無駄に消費してしまう。

 

「那須さん、核の目玉の装甲は変化弾(バイパー)の威力37で削れます」

 

「ありがとう、三雲くん」

 

 解析眼鏡は使うのに頭が必要だ、だが逆を言えば使える頭さえあればどうにでもなる。

 今回はメテオラ搭載だからどうにもならないが、バイパーとか色々と使おうと思えば使える。

 リアルタイムで弾道処理をする事が出来る那須さんに威力が幾つで破壊出来るかを言えば那須さんは変化弾を弾道処理し、破壊した。

 

「何体かポンって来たけど、こういう時は相手はトリオン兵を送り込んでこない……少しの休憩だ」

 

「そうですか……はぁ……疲れた……」

 

「おいおい、まだ終わってないぞ。肩の力は抜いていいが何時でも力を入れれるようにしないと」

 

 何体かトリオン兵が送り込まれてきたがなんとか倒せた。

 こうして見れば自分の素の戦闘能力が足りないのが嫌でも分かる。装備しているレイガストで倒していないからホントに弱いと痛感するが俺の弱さは今に始まったことじゃない。

 柿崎さんが一旦休憩だと言うので肩の力を抜くがホッとしすぎ、脱力は程よくするように言われる……難しいな。

 

「休憩がてらに頭の運動をお願いします」

 

『了解了解……Aの部屋に3つの電球があります。Bの部屋に3つの電球をつける3つのスイッチがあります。1つの電球につき1つのスイッチで対応しており、どのスイッチがどの電球を灯すのか分かりません。Bの部屋のスイッチを操作し、Aの部屋にある3つの電球がどの電球なのか、Bの部屋からAの部屋に1回だけ移動して3つの電球がどのスイッチなのか当てる方法はあるでしょうか?』

 

「……どれでも良いから1時間ぐらい電球を灯す。その後にその電球のスイッチを切って別の電球を灯してAの部屋に入る。Aの部屋には既に灯りがついている電球、少し前まで電気の熱で温められた電球、冷たくない電球の3つがある」

 

『お〜……じゃあ……412は43,588は66,261は27、じゃあ934は?』

 

「97」

 

「……なにをしているんだ?」

 

「頭の体操です……自分で考えて動けないとダメで、閃きとかそういうのが必要なので」

 

 宇佐美さんに問題を出してもらい、それを軽々と答える。

 一応は内線が入っているので宇佐美さんがなにを言っているのかが聞こえている。柿崎さんがなにをしているのかを聞いてくるので頭の体操をしていると答える。

 

「自分で考えないとダメ、か……しっかりしてるんだな」

 

「逆ですよ……既にこの壁にぶち当たっている、しっかりとしていないから普通の人ならばぶち当たらない壁に多くぶつかっているんです」

 

 自分で考えて色々としている。

 閃きとかそういうのは大事な事だと言うのは理解しているので柿崎さんがしっかりしていると言うが、この壁に直ぐにぶち当たっている。本来であれば自分の旨味、強さを武器にして色々と生かす事が出来るだろうが俺にはその武器が無いし作るのに時間が掛かる。

 

「もっと才能があれば、色々と出来る……皆が思う王道的なバトルは俺には不可能だ」

 

「不可能って、まだ入って浅いにもほどがあるんだから」

 

「トリオンが足りない……俺のスタイルに合わせた場合、トリオンとかが必要になる。出水さんや加古さんレベルなんて贅沢は言わない、柿崎さんみたいな平均的なレベルで充分……だから他を模索して、一応は答えは出ています」

 

「あら、そうなの?」

 

 トリオンという才能をどうにか出来ないのかを色々と試行錯誤を繰り返しているが、中々に成長しない。

 後はトリオンさえあれば問題無く戦える。だが逆を言えば、トリオンが無ければ戦えない。他所からトリオンを持っていくとかそういうのをした。その結果がアレとかだったが、常時使うことが出来る物なのかと聞かれれば話は別だ。色々と作っているが大抵は俺のトリオンがカスだから使えないが多い。

 

「鎖、弓、牙、槍、刀、斧の6つの順番で俺には適合している……もし他の人達と真正面から戦うには鎖系統の近接武器と弓の様な中距離系の武器を組み合わせて使うのが一番良いんです」

 

 武器の方も色々な試行錯誤を繰り返している。

 今はレイガストがしっくりと来ているが、自分にとって最も適合している武器は鎖系の武器、次に弓、なにかを投げたりする系の武器……自分にとって最も適した武器が鎖系の武器……なんともまぁ、情けないと言うか……いや、そっちの方が俺らしいか。

 ホントのホントに近距離戦をどうにかしたいというのならば戦神丸がある。幻王丸や邪虎丸だってある。無いならば無いなりに色々と工夫をする。考える事が出来るのが俺の武器だ。

 

「鎖系の武器ね……」

 

「レイジさんがスラスターパンチをしていたので打撃系の攻撃はしっかりと意味があります」

 

 鎖系の武器と言われてもあまり加古さんはピンと来ていない。

 レイジさんがスラスターでレイガストパンチをしている。遊真のトリガーは色々とあるが火力ゴリ押しのグーパンチだ。

 だから、打撃系の武器が効果は無いというわけではない。打撃系の武器でなにかないかと模索した結果、鎖系の武器に辿り着いた。

 

 俺の運動能力は低い、だがそれでもトリオン体になれば超人的な運動能力を手に入れれる。

 トリオン体の高い運動能力を使いこなせない。遊真の様にトリオン体での戦闘が当たり前とかなら使えていただろうが、そんな時間は何処にもない。そうなると鎖系の武器が意外と相性が良い。

 

「鎖系の武器は扱いは少し難しいですけど、コツさえ掴めば充分な武器になります」

 

「……イメージが湧かないわね……」

 

 鎖系の武器と言われても那須さんはピンと来ていない。

 

「鎖って言ってますが、鞭とかもそれに入ってます……遠心力が加われば鞭の先端部分は瞬間的な最高速度はマッハを越えます。サイドエフェクトとかが無い限りは大抵は攻撃を理解し反応し回避する事が出来ません」

 

 鎖系の武器の1番の売りは圧倒的なまでの速度から生まれる威力だ。

 モーニングスターみたいなのも使おうと思えば使えるが俺に合うのは鞭とかだ。モーニングスターも出来るには出来るんだがな。

 

「マッハを越える速度が出なくても数百kmは出ていてシールドで防いでも大抵はパリンと割れます……ただし、上手く当てればですが」

 

 鎖系の武器の1番の問題は当てることが出来るかどうかだ。

 先端部分に当てれれば大ダメージになるが手元の方とかは遠心力があんまり加わらないから……剣が届かない近距離戦の間合いを開く、そこで鎖系の武器や弓系の武器を使う……それが俺の1番の最適解、1番しっくりと来る武器だ。

 

 この後に何体かトリオン兵が来た。

 だが、特にヤバい奴とかそういうのは来なくて解析眼鏡ですトリオン兵のスペックを確認、弾系のトリガーで削っていく。

 このスタイルは一応はしっくりと来ている……ただ、このスタイルはランク戦では使えないと壁を感じている……俺のスペックがゴミ過ぎる。





 解析眼鏡

 その名の通り解析能力に特化したトリガー
 起ききている出来事や使われているトリオン量等を計測する事が出来る眼鏡。強度は皆無でトリオン体に解析機能をつければ良いんじゃね?となるがその場合だとその解析機能で解析した全ての情報が頭に流れ込むのでサイドエフェクトで演算処理能力等がバフかかってないとまず処理出来ない。眼鏡経由で視界に映る情報から色々と解析する。

 元々はモノクルタイプの眼鏡にしようとしたが宇佐美の手によって眼鏡になった。

 元ネタはD・スペードの魔レンズ

 この修に適合する武器

 鎖系の武器が最もで2番目が弓、その次が牙、それ以降は槍、刀と大して変わらない相性で斧とは最も相性が悪い。
 鎖系の武器は扱いが難しいが使えるようになれば最大でマッハの速度が出たりするので意外と相性が良かった。
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