Re:トリガーには無限の可能性があるんだ! 作:アルピ交通事務局
「()がついている時は先に計算するんだ」
魔神に関してオペレーターに説明をした翌日、玉狛支部にいる。
有吾さんが空閑に四則演算を教えている。空閑は計算とかレプリカ任せだったのか()がつく計算のやり方も分かっていない、もしくは向こうとやり方が違うのどちらかだろう。
「有吾さんを蘇らせて良かった……自分の時間を作れる……」
「オサム、おれに勉強を教えるの嫌だったのか?」
「違う……俺の勉強の時間が無かったりする、俺自身色々とやらないといけないんだ……」
「オサムの勉強か……なんかスゴいトリガーの開発か」
「違う……医学部の勉強だ」
「ほぉ、医者を目指してるのか。しっかりとしてるな」
「違いますよ。医者じゃなくて薬剤師と漢方薬の薬剤師ととある資格を求めてるんです……政府の偉い人にそれを取得しないとダメって言われてるんですよ」
自分の勉強をする事が出来るとホッとする。空閑は嫌だったのかとショックを受けるが、自分の勉強が出来ないのが困っていた。
空閑は物凄い計算とかをイメージしているが俺が勉強しているのは医学関係で有吾さんは医者を目指してるのかと感心してくれるが医者でなく薬剤師を目指している。
「普通の薬剤師、漢方薬の薬剤師、そしてとある資格……その資格の取得に薬剤師とかが必要だって言われたんです」
「薬関係の資格か……薬品とかは色々と資格が必要だからな……でもそれはありがたいな。遠征で医術に心得がある奴が居るのは……大航海時代の遠征と違って壊血病とかを気にしなくていいが医術の心得があるのはそれだけでお得だ」
とある資格についてなんなのかは言わない。
割と洒落にならない資格なので上の偉い人も許可は簡単に出すけれども、それを正式に使えるようになる資格はしっかりと取得してくれ。普通の薬剤師の資格、漢方薬の薬剤師資格を取れと言われた。緊急事態なら医学の心得がある人が施術していいらしいが、薬を扱うので話は別である。
「っと、夕飯の準備をしないと」
烏丸さんは防衛任務、居るのはパイセンと千佳と空閑と宇佐美さんと林藤支部長と陽太郎、レイジさんは風間さんに遠征おつかれと飲みに行くらしい。
「夕飯はなんだ?と言うか早くないか?」
「冷やさないといけないから……鶏肉のハンバーグだ。つなぎにオカラを使うし、みそ汁を作るので豆腐を作らないと」
「……そのレベルから作るのか?豆腐なんてその辺のスーパーで売ってるだろ?」
夕飯はオカラをつなぎに使った鶏肉のハンバーグだ。
オカラが必要なので豆腐も当然作るのだが有吾さんがそのレベルから?その辺のスーパーで買えばいいじゃんと有吾さんは呆れている。
「いや、コレは後で有利になるんですよ」
「……どういうことだ?」
「向こうの世界に豆があれば豆腐を作れるようになります……遠征をする上で限られた食料でとなるのは確実なので今の間に豆腐や鰹節を手作り出来るように」
「……オサム」
「なんだ?」
「なんでそんな嘘をつくんだ?」
豆腐を大豆から手作りする理由は後々有利になるから。
そこは嘘が無いのだが、とあるところは嘘……と言うか嘘になると思っている。だからこそ空閑が反応し、どうしてそんなつまらない嘘をついているのか?と疑問を抱いた。
「遊真、どの辺りが」
「教えるよりもなんでそれが嘘になるのか……なんかあるんだろ?」
「……コレばかりは遠征試験の時まで話さない……千佳は知っていますけど、千佳にも絶対に言わないようにと釘を刺してます……空閑、有吾さん。コレはホントに洒落にならないんです。この情報を握られていたらホントに洒落にならない……だから、その時が来るまで黙ってください」
「…………まぁ、なにかあるんだなとは考察はするぞ」
「はい、でも言わないでください」
「嫌だ」
俺が隠しているとある事について黙っていてほしいと言えば有吾さんは何かがあるとは頭に入れるだけで終わる。
しかし空閑がなんか嫌って言った……どうしよう……
「どうしても黙ってほしいならおれの事を空閑じゃなくて遊真と呼べ」
「遊真、お前」
「親父が有吾さんでおれが空閑なのがムカつく」
「……分かったよ。とにかくその時が来れば教えるけれども黙っておいてくれ……遊真、ホントに洒落にならないから」
空閑は空閑呼びを意外と気にしていた。遊真呼びにするならば黙っていてくれと言い出すので遊真呼びに変える。
そして釘を刺す。ホントに洒落にならない、転生特典だけどもホントに洒落にならない。
「まぁ、とにかく豆腐を作れるようになれば今後の遠征や向こうの世界で豆腐という食べ物を作り出すのに……味噌も醤油も豆腐も作れる様になればその技術を売るってだけで交渉に使えるから」
「美味い飯が作れる=食の文化が豊か=様々な食材が栽培されているって方程式が出来るな……向こうの世界はな……どうしても飯が限られてるからな、俺も色々と頑張ったけどアレがないとか無性にアレが食べたいとか稀にあった」
『コナミの作ったチキンカレー辺りは向こうの世界では最高級な料理になるだろうな』
ルーは市販のカレールーだけどな。香辛料の塊であるカレーは高級品……レプリカは面白いことを言うが間違いではない。
有吾さんも向こうの世界の仕組み上は飯が不味くて仕方がないと思っている……カカオレーションが好物な人が居るから食文化が豊かじゃないと言いたいが日本人がイカれているのが正しいんだろう。
前日に水につけていた大豆をミキサーにかけて茹でて絞って絞った汁とにがりを混ぜる。
「豆腐の味噌汁と冷奴でも多くないか?」
「ああ、豆乳プリンを作るんで」
豆腐っぽいのが出来ているが、明らかに多くないかとなるので豆乳の方を多く残している。
豆乳のプリンは至ってシンプル、卵と砂糖と豆乳を混ぜて容器に入れてアルミホイルの蓋をしてオーブンで160℃で16分蒸し焼きにする。
「くそ……食えないってのがキツい……そういうのを絶ったつもりだったんだがな」
後は焼くだけのオカラハンバーグ、温めればいい豆腐の味噌汁、レタス、きゅうり、トマトのサラダ、デザートに豆乳プリン
ここに居る有吾さんは有吾さんじゃなくて有吾さんの人格と記憶を引き継いだトリオン兵なので食事は出来ない……
「今度から空閑のトリオン体の反応を経由して味を伝える様にしましょうか?」
「ああ、頼む」
「なんか悪いな、親父」
「流石にコレに関しては本気で恨むぞ」
限られた食糧事情云々から飽食の世界になった。
健康面に重視したりとか俺の料理の腕を上げるとか色々とあるが、美味しい料理には変わりはない。有吾さんは向こうの世界の食糧事情は知っているがそれと同時にこちらの世界の食事についても知っている。だから知らないから問題無いでなく過去の味を思い出してしまう。
「お〜……修……」
「なんですか?」
「今度からハンバーグは無しにしてくれ」
「……え?」
「いや、俺はハンバーグしか作れないんだ」
後は焼くだけ、温めるだけ、冷蔵庫から取り出すだけ、米は炊飯器で炊けるのを待っている。
林藤支部長が現れたので夕飯はハンバーグだと言えば林藤支部長がハンバーグは無しでとなった。林藤支部長の栄養面とかでなく林藤支部長はハンバーグしか作れないから自分が料理当番の日に被ると苦情が来そうだかららしい。
「おれは毎日ハンバーグでもかまわんぞ!」
陽太郎はハンバーグで構わないという。
「そんなことをしたらレイジから色々と小言を言われるからダメだ……あ、小南はカレーしか作れないからカレーも無しで。とんかつは京介の奴がめっちゃ喜ぶからその辺りで」
「……そういうのは先に言っといてくださいよ……ハンバーグの肉ダネ余ったんで小分けして鶏肉の一口メンチカツにしてメンチカツサンドとかをってやってたんですよ……」
「それに関してはホントすまん……しかしお前、豆腐を手作りってレイジでもそこまでしないぞ」
「巡り巡ってコレが俺の利益になるんですよ」
「ああ、遠征先で飯が美味いってやつか。それがあるかないかで大分変わるもんだよな……そういう細かいのに気付くか」
「宇宙飛行士の楽しみは食事でカップラーメンを食べててそれが最高!って話は割と有名ですよ」
「なるほど……ガチの遠征について知ってるのか」
林藤支部長も豆腐が手作りはスゲエなとなる。如何に料理上手!とか言っても大豆から豆腐を作る人はそんなにいないだろう。
千佳も一休みだと訓練室から出てきた。ついでだから千佳にハンバーグとカレーライスは作ってはいけない事を言う。
「チカ、トーフを1から作るのってやっぱスゴいのか?」
「うん……修くんは食事に関しては拘りは凄いよ。米粉パンとか自家製バターとか味噌とか……油とかも自分で用意してるよね」
「拘ってるんじゃなくて、上手く利用しているだけだ……俺はパンはその辺の100円ショップで売ってるレベルで充分なんだよ。今から入れようと思っているコーヒーだって豆を焙煎するんじゃなくて市販のやつでいいんだよ……」
「……そのレベルで充分ならそうすれば……いや、美味いコーヒーが飲めるのは良いことだが……ブラックで頼むわ」
「分かりました」
安いコーヒーミルでコーヒー豆を砕き、コーヒーを淹れる。
林藤支部長はブラック、俺は砂糖2つとコーヒーフレッシュ1つ、千佳はコーヒー牛乳、遊真はブラックに挑戦して砂糖を入れて最終的にコーヒー牛乳でなんとか飲めた。
「あ、美味しい!美味しいよ修くん!」
「ま……まぁ、やるじゃない」
そんなこんなで夕飯になったので小南パイセンや宇佐美さんにハンバーグを焼いた。
美味しい!と宇佐美さんは言ってくれるがパイセンは悔しそうにしている。カレーしか作れないのになにを虚勢しているんだろう。
「あ、修くん、この前の使い切ったから……お母さんもよかったって言ってたよ」
「そうか。じゃあ、新作も頼む」
「新作?」
「修くんはシャンプーとかリンスとかヘアオイルとかも作ってるんです」
「……そんな物も作れるの?」
シャンプーとか自力で作れるの?とパイセンは驚く。
「作れますよ……と言うか覚えましたよ。向こうの世界に何時かは行かないとヤバいなと思っているんで、そういう物の作り方を……確実に役立つと思いますので」
「……あんた、戦闘以外では色々と役立つわね」
「結構気にしてるんで言わないでください!」
「修くん、その新作私も使ってもいい?」
「あ、アタシも使ってみてもいい?」
「いいですけど、ハズレを引いても知りませんよ……千佳も2回ぐらいハズレてますし、俺も3回ぐらいハズレてますし」
「ただいま〜……豆腐ハンバーグか」
「お、ナイスタイミング!」
裏で暗躍しているのかそれとも純粋にランク戦をしているかは不明だが迅さんが帰ってきた。
宇佐美さんはそれを見てナイスタイミングで来てくれたとなる。
「どうした?」
「修くんが手作りのシャンプーとかリンスとかヘアオイルを作ってきてさ、私達の髪に合うとかそういうのを」
「え、メガネくんそんな物まで作れるの!?…………ふぁっ!?」
「迅?」
迅さんが帰ってきたので髪に合うかどうかを聞いてくる。
迅さんは俺がそういうのを作れるのを知って驚いたが、それに加えて余計な物まで見えたっぽい。なにかを言い出す前に釘を刺す。
「っちょ、メガネくん」
「迅さん、言う時が来ればちゃんと言いますから!!だから見逃してください!」
「いやでもメガネくん、コレは」
「ホント勘弁してください!コレに関してはホントに洒落にならない物なんです!!迅さんも予知があるなら大丈夫!って慢心してた時とかありますよね!俺はそれに関しては基本的には触れない方向性なんです!ドラえもんのひみつ道具ぐらいの感覚なんです!勘弁してください!今は見逃してください!」
「でも、コレは結構使ってる感じだよね?」
「そういわれると、そうなんですが……」
「あの、迅さん……修くんから見えてるなら言わないでください!ホントに知られると大変なんです!」
何時かはその日が来ると思っていたが迅さんに見られた。もうちょっと粘れるかと思ったがそんなに世の中は甘くはない。
千佳も見られたんだなと気付いたので迅さんに頭を下げた。今それを知られたり見られたりするのはホントに厄介なんだと。
「迅、なにが見えたのよ?」
「あ〜……メガネくんが遠征に行ったら色々とお得になる?……あ、でもコレ下手したら……普通に重犯罪だ!メガネくんが警察に逮捕……え、そうなの?……そうなんだ」
「俺もいけるかなってやったらいけたんです!ちゃんと国家試験を受けて正規の手続きで手に入れるんで!政府の偉い人にもそれで話を通して返さなくていいからと大学の学費とかの支援を受けてるんです!お願いしますから、ボーダーからガチの犯罪者を出したら洒落にならないでしょう!そして手元に一切無いからセーフ!」
「まぁ、うん……それを言えば何処も痛手を受けるっぽいからオレの胸の内に入れておくよ……メガネくんが今まで悪用してなくて良かったよ」
「迅、なに?なんなの?いったいなにが見えてるって言うのよ!?修が警察に逮捕されるってどういうわけよ!?」
「小南……コレはマジであんまり深く根掘り葉掘りしたら大変な事になるから……メガネくん……ホントになんて物を持ってるんだ……言うと洒落にならないから黙るけど、オレにもなんかちょうだい!メガネくんが用意したヘアオイルとかオレと相性が悪いっぽいし」
「じゃあ、歌舞伎揚げ作りますね」
「よっし!メガネくんの歌舞伎揚げだ!」
その言い方はちょっと嫌だな。
ともかく迅さんに知られた。迅さんも洒落にならない物だから根掘り葉掘り調べれば大変な事になるので聞かない……ホントにぶっ壊れた性能だ。