優利(・・・ドウシテコウナッタ。)
優利は今、人に見られては、いけない状況にあった。理由はただ一つ。
______悟りと一緒に寝ていたからだ。
~数分前~
優利「ごちそうさま。」
悟り「じゃあ、私はお皿、洗ってくるわね。」
後から聞いたのだが、ここは、地獄の縮小計画によって切り捨てられた地底の土地、旧地獄。 元地獄の都であり、今は地上を追われた荒くれ者達が住まう「旧都」。 「地霊殿」は、その「旧都」の中心にある灼熱地獄跡の真上に建てられた古明地姉妹の屋敷であるらしい。屋敷の主人は今、皿を洗いに行った、古明地さとり。(敬語とさん付けは無しになった)住人はさとりの妹古明地こいしと、残りはさとりがペットとして飼っている大勢の動物や妖怪である。 敷地内の殆どにはペットがおり、動物園のような状態になっている。旧地獄は地獄としての役割を終えているが、未だに蔓延っている怨霊と、使われなくなった灼熱地獄の跡地が残っており、その管理が必要である。 怨霊の心が読めるさとりと、怨霊と会話ができるペットの火焔猫燐(お燐)を筆頭に、灼熱地獄の暑さが平気で温度管理を任されている霊烏路空(お空)など、前述の管理事項全てを地霊殿住人が役割分担をして行っている。(悟り談) あんなに小さいのに、たいしたもんだ。何か手伝えないかと聞いたが。
悟り「じゃあ、その背中の怪我が治ったら、家事をやってくれますか?」
と言われたので、二つ返事で、了承してしまった。今の俺は、背中に大きなあざがあり、脊髄にも影響が出て、下半身が麻痺している。幸い、一週間で直ると聞いた。(永琳さんというらしい。)だが、そこで大きな問題が生じた。
優利「まさか、見知らぬ女子と一緒に寝るとは・・・」
そう、俺は今腰を動かせない。さらにいまは悟りのベットの上だ。なので一緒に寝るしかない。他人に動かしてもらえばいいかもしれないが、下手な事をして、怪我が悪化したら困る。そう思っていると。
「こんにちは。」
優利「おあああ!?」
いきなり、目の様に開いた隙間みたいな所から、覗き込んできたのは、髪は金髪ロング。毛先をいくつか束にしてリボンで結んでいて、瞳の色は紫のきれいな人だ。服装は紫にフリルのついたドレスで、ドアノブを包めそうな、形をした、帽子にリボンを巻いてる。手先には白い手袋をしていた。
「はじめまして、八雲 紫というわ。」
優利「どうも、等向 優利といいます。」
相手が、挨拶をしてきたので、こちらも平常心を取り戻し、挨拶を返す。
紫「・・・あなた、珍しいわね、普通だったら、私が何者か問い詰めるはずだけど。」
優利「いえ、女性にそんな事はしませんよ。」
紫「あらそう、それじゃ、本題に入るけど。」
扇子で優雅に口を隠しながら言う。
紫「あなた、もし自分の体が変わっていたらどうする?」
優利「・・・その言い方だと、俺がもう人間じゃない、と言う風に聞こえるんですが。」
紫「正解、あなたは、すでに妖怪よ。」
扇子を180度回転させると、そこに『正解』と書かれていた。
優利「・・・あまり、実感沸かないですね。」
紫「まあそうでしょうね。自分の体に違和感を覚えないから。」
優利「それで、僕はどんな妖怪なんですか?」
紫「『鏡の妖怪』よ。」
優利「・・・へ?」
思わず声が出る。思っていた事と別の事を言われたのだから。てっきり『優しさの妖怪』と思ったのだが。
紫「あなた、自分が『優しさの妖怪』だと思ったでしょ。」
優利「うっ」
図星だ、この人は相当頭が切れるらしい。
紫「まあいいわ、妖怪は必ず、何かしらの能力を持っているの。だけどあなたは、珍しく、能力を三つ持ってるの。」
優利「三つ?」
紫「ええ、『相手に合わせる程度の能力』と『あらゆるものを壁にする程度の能力』そして『治癒能力を高める程度の能力』よ。効果は、自分で試してみなさい、それじゃ。」
優利「はあ、それじゃあ。」
隙間みたいな物を閉じ帰っていく。
悟り「今のは、紫さん?」
優利「え?うん、そういってたよ。後、俺に能力があるって言ってた。」
悟り「・・・『自分を合わせる能力』と『壁を作る能力』、『回復するスピードを早める能力』ね。もう今日は寝ましょう。」
優利「うん、じゃあ寝よう・・・って。」
悟り「あ・・・。」
次回は2828パートです。
お楽しみに!