何で自分が何の為に背負いたくない期待を
何度背負って何度逃げて分かり始めていた
言い訳がまた上手くなってく理由の
言い訳はもうきっと出来ない
You know we are free; so fly with me
ここじゃない未来まで
We'll reach our dreams straight through the haze
掴み取れこの手に
Glory Days
One day we will see; we're meant to be
もう今迷わない
We'll rise to shine and feel the praise
駆け抜けろ僕らの
Glory Days
-尾崎裕哉 「Glory Days」-
※
それはまるで、胸の真ん中に、重たい石ころが一個、ずっと居座っているみたいだった。
昨日の電話を切ってから、あんまり眠れなかった。
一度目覚めた視界。
それをふと閉じても、耳の奥に春樹くんの「ありがとな。……そう言ってもらえるのは、すごく、嬉しい」というあの声と、そのすぐ後に滲んだ沈黙だけが、すぐに何度も何度もリピートされてしまう。
泣き疲れて、夢を見ることすら出来ず、そうして気付けば────夜明け前に私は目が覚めていた。
朝、五時三十二分。スズメの声だけが、まだ明るくもなっていない窓の向こうから聞こえてくる。
「…………」
ぼぅっ、とする頭。
練習すらまともに出来ず、それどころか三年間の積み重ねすらも、全部ショックで消し飛んだ気がした。現実逃避の果てには、何一つ何も残りはしない。そんな自分自身に堪らなく嫌悪する。
そして、ただひたすらに重い身体を起こした。
頭を抑えながら、虚無の赴くがままに薄目を開く。何となく、横にあったスタンドミラーを見つめる。
「………………………」
酷い顔だった。
光の伴わない瞳。目元には涙の跡が残っていて、泣き腫らした瞼はまだ微かに腫れ上がっているままだった。
(……嫌われた、のかな)
考えないようにしよう、とすればするほど、そこだけ蛍光ペンで塗りつぶしたみたいに、意識の真ん中に浮かび上がってくる。
スマホの画面には、寝る直前に届いていた文字がひとつあった。泣き通しでまともに見れていなかった通知にやっと気づいた。
『また明日、ちゃんと話そう』
それは、いつもと同じ、春樹くんの優しい言い回しだ。
だけどどうしても「ちゃんと話さなきゃいけないくらい、何かを悪くしてしまったんだ」という意味にしか、今の私には思えなかった。
枕をぎゅっと抱きしめて、何度も読み返しながら、また胸の奥で「ごめんなさい」が渦を巻く。
話すべきなのは、私の方なのに。
そんなことをただひたすらに思う。
(……言わなきゃいけないこと、ちゃんと話さなきゃいけないこと、いっぱいあるのに)
“動画、やってほしいです” なんて。
“たくさんの人に届くと思います” なんて。
そんな、ふざけたことを言ってしまったこと。それら全部を、謝りたいということ。
だって、だって私は。
あの人の知らないところで、自分だけ選ばれて、救われてきたくせに。
目を開いて、仰向けになる。天井の木目がぐにゃぐにゃと歪んで見える。まぶたの裏側には、昨日見た水色のピックと、あの時の春樹くんの息が詰まった気配が、何度も焼き付いては浮かんできた。
そうして迎えた、土曜日の朝。十月十五日。今日は朝から私達結束バンドはSTARRYでバイトが入っていて、それに加えて練習もすることになっていた。正直なことを言うと、全く行ける気がしなかった。
でも、今日突然休んだりなんて出来る訳もなかった。
そんな事をいきなりやれるくらいなら十五年陰キャをやってないし、そもそも虹夏ちゃん達にも大きな心配を掛けてしまう。
ましてや、このタイミングでそれをしようものなら、きっと。
きっと、もう────私は、春樹くんに会えなくなってしまう。
そんな気がしたから。
だから、あまりにも重い身体を無理矢理引きずって、私はいつものピンクジャージの袖に腕を通した。お父さんは今日は仕事は休みだし、お母さんやふたりも流石に今日は寝てるはず。
足音を立てないように静かに階段を降りて、冷たい水で顔を洗う。水滴が頬に張り付く程に、心までもがハッキリとその形を示していく。
そうして二時間掛けて、また私はいつもの乗り換えのルートで下北沢駅まで電車で向かうことにした。
「─────…………………」
タタン、タタンと響く始発の電車。私の乗る先頭車両には珍しくほとんど人が乗っていなくて、私一人だけが取り残されたみたいだった。
席に座ったら逆にしんどくなりそうで、敢えて立ったまま車窓を眺める。
『また明日、ちゃんと話そう』というそれだけの文。
LOINEのその文を最後に、今朝は一度もメッセージが来ていなかった。『おはよう』の一言すらも。いつもなら、春樹くんの方から来るのに、今日は来なかった。
私からも、送りたかった。むしろ、私から本来は送るべきだったと思う。でも、とてもじゃないけど送れる勇気が出なかった。
トーク画面だけをずっと開いたまま、私はそれを見つめる事しかできなかった。何度もフリック入力をして、何度も消して、何度も打っては繰り返す。だけど結局駄目だった。恐かった。
その度に目に入る、春樹くんの昨夜のその言葉。
それは何度読み返しても、まるで「判決」の宣告みたいに重く胸に落ち続けるんだ。
(ちゃんと……って、なんなんだろう)
(これで、私、嫌われちゃったのかな)
私のしたことを、怒るのかもしれない。どれだけ、私はあの人を傷つけてしまったんだろう。苦しめてしまったんだろう。私のせいで。私なんかのせいで。
「届かないことだってあるんだよ」って、あの人の声で言われるのかもしれない。むしろ、言われる方がマシかもしれないと思った。言われて当然の、罰だと思ったから。
(私、春樹くんと、もう、一緒にいられないのかな)
そう考えると、目尻が堪らなく熱くなって、胸がまた抉られるように痛んだ。細く開いたままの瞳から、勝手に涙が出てきて、周りの人に見られないように何度も何度もピンクの袖で目元を拭った。
この期に及んで、と思う。
この期に及んで、まだ私は嫌われないかどうかを気にしている。
最低だ。でも、耐えられない。春樹くんが居なくなってしまったら、私は。
私は、どうしたらいいか分からない。怖い。内側から全てが壊れそうで、考えたくもなかった。
胸の奥に、昨夜の自分の言葉が刺さったまま、抜けやしない。
『いつか、その……春樹くんの演奏も、オーチューブで……聴いてみたい、です……私』
あの言葉を、言った瞬間の沈黙も、そのあと震えた声で「今日は、ちょっとだけ疲れてる」って言われたことも、全部、鮮明に残っている。
あれはきっと、傷口に塩どころか、熱湯ぶっかけたみたいなこと。
昨日、STARRYで「なんでも出来ちゃいますよね」なんて、安易に言ってしまった自分も含めて、当然だ、なんて思う。
当然なんだ。
嫌われて、こんな、最低で、自分のことしかこの期に及んで考えてしまう私なんて。
嫌われて、置いていかれて、当然なんだ。
(……全部、私が踏みにじった。もう、おしまいなんだ)
ギターの夢も。
画面の向こうで戦っていた誰かのプライドも。
そして、今こうして隣にいてくれる「吉沢 春樹」という人の心も。
全部を踏み
ドア横に立ちながら、ふと視界に映る車窓。
電車の揺れと一緒に、心臓もぐらぐら揺れているみたいだった。
そうだ、そうだよ。
そもそも、陰キャの私には、こんな私なんかには、こんなにも幸せな日々、やっぱり分不相応過ぎたんだ。夢だったんだ。
だから、戻るだけ。また、前の私に。
最初の頃に思ったように─────目が覚めて、少し泣いて、それでおしまい。全部、なかったことにしてしまおう。
積もってしまった未来を、『夢』だと思えば、きっと、きっと私は─────
「…………………」
「………………………ぅ………っ、ぁ……ううっ……」
無理、だった。
そんなこと、思えるわけなかった。
乗車扉横の手すりを掴んだまま、私はズルズルと屈み込む。
嗚咽が、溢れてくる。喉奥から湧き出てくる叫び出したいほどの声が、痛みが、私を内側から刺し続けていく。
左手で口元を抑えて、泣き叫びそうになるのを必死に、必死に堪える。次々と目尻から熱が溢れては、ぽたぽたと床に落ちていく。
「うぅ、ぅ、ぅ、ぁ…………う、ぁ…………」
いやだ。
いやだよ、いやだ。春樹くんと、一緒に居られないなんて、いやだ。
きらわれたくない、きらいにならないで、はなれないで、すてないで。
今の時間帯、この始発車両にほとんど誰も乗っていなくて良かったとおもった。こんな姿、誰にも見られたくなかった。
辛くて、苦しくて、この身を裂きそうなその痛みを、抑えるのに精一杯だったから。
次の駅、人が大勢乗ってくるまで、ほんの少しの間でもいい。
もう少しだけ、どうかこのまま居させて欲しいとつよく思った。
※
STARRYのドア前で、私は深呼吸をひとつ、ふたつ。
駅のトイレで何度も顔と目元をすすいだ。多分、目元は腫れてない。涙の跡もしっかりと拭った、と思う。
集合時間には随分早かった。何せ、始発に乗って金沢から下北沢まで来てしまったから。
秋の空気はひんやりしているのに、手のひらの中だけじっとり汗ばんでいた。駅の周囲を、ギターケースを背負いながら重い足取りでただひたすら歩いた。
そうでもしないと、何かをしていないと、春樹くんのことばかり考えてしまって。─────ただどうしようもなく、つらかった。
そのまま時間を潰して、約三時間。そろそろ、皆も集まってる頃だと思って、いつもの道を歩く。
やがて辿り着いた、STARRYの玄関に通じる階段をゆっくりと降りていく。
そうして、一息。逃げたくなるのを必死に抑えて、ギュッと目蓋を閉じ、トートバッグとギターケースの肩紐を固く握り締める。いつも通りを装って扉を開いた。
「……お、おはようございます」
「ぼっち。おはよ」
「あっおはよー! ぼっちちゃん!」
「あぁ、ぼっちちゃんか。おはよ。今日もよろしく」
いつも通り、正面扉のドアを開けて中に入ると、まだ準備が残る店内には皆の姿が揃っていた。
虹夏ちゃんはカウンターの内側でグラスを拭いていて、その横でリョウさんがテーブルにもたれたまま、何かの書類か楽譜を読み込みつつ、あくびを噛み殺しながらこちらを見つめてきた。
玄関近くのバーカウンターの前の丸椅子には、店長さんがいつもの通りノートPCを開いていた。いつものどこか無愛想ぎみな挨拶をされ、私は慌ててペコペコ頭を下げる。
腕を組んで座っている彼女のその近くには喜多ちゃん。掃除用具を抱えて、入口付近の床をモップ掛けに取り組んでいる。
「……あっ……」
そうして。
白いシャツの袖を少し捲りながら、春樹くんも、その間際に立っていた。
私と目が合った瞬間。
一瞬だけ、彼の喉仏がこくん、と上下するのが見える。
「お、おはよう……ひとり」
「っ、あっ、その、お、おはよう、ございます。春樹、くん」
「…………」
「…………」
たったそれだけの挨拶。
なのに昨日までは当たり前みたいに交わしてたはずのそれが、耳に届いた瞬間、どこかよそよそしく響いた気がして、心臓がきゅっと縮む。僅かな無言すらも、怖くて仕方がない。
(違う……)
(これは、きっと、私が勝手に怖がってるだけ、だ)
分かってる。
分かってるのに。
でもそれでも「また明日、ちゃんと話そう」という文字が、頭の片隅で点滅し続ける。話さなきゃ、話さないと────例え、どんな結果になったとしても。
その時。
喜多ちゃんも掃除が落ち着いたからか、私の様子を見てはいつもの笑顔で片手を上げて駆け寄ってきてくれた。
「おはよ、ひとりちゃん!」
「あっおはようございます……あっあの、掃除、手伝います」
「うん! ありがとう、ひとりちゃん。じゃあステージの上の掃除機がけとモップがけ、お願いしていいかしら」
「あっはい」
私は皆が荷物をまとめている場所へトートバッグを置く前に、喜多ちゃんへぎこちなく頭を小さく下げる。
その時、彼女はほんの僅かにこちらをじっと見つめてくる。微かに首を傾げて、少しだけ心配してくるような顔を向けてきた。
「………ねぇ。ひとりちゃん? 大丈夫?」
「え?」
「………顔色、少し、悪いように見えるわ。目元……」
「ッ!」
さっきまで泣いていたのが喜多ちゃんにバレたんじゃないかと思って、私は全身が硬直する。慌てて誤魔化すように目をそらす。
「あっ、だ、大丈夫です。す、すみません」
「そ、そう? なら良いけど………」
その時だった。
「吉沢春樹」
「!!」
店長さんの低い声が、突然店内の空気を一気に締め付けた。
思わず、私は背筋がぴん、と伸びる。喜多ちゃんも目を見開いては一緒に動揺した様子でバーカウンターの方へ目線を向けて振り向く。
見ると、椅子に腰掛けたまま、店長さんが腕を組んで、正面に立つ春樹くんを真っ直ぐに見上げていた。その瞳の色は冗談や軽口の時のそれとは違って、何かを測るみたいに静かで鋭い。
「お前にひとつ、聞きたいことがある」
「え、えっと……なんでしょう?」
春樹くんも、少しだけ肩を強張らせているのが分かる。
私はトートバッグを持ったまま。喜多ちゃんは、モップを握ったまま、つい足を止めてその光景を見つめてしまう。
「どっどうしたのかしら」
「さ、さぁ……」
(な、なんだろう……。店長さん、すごく、怒ってる……?)
胸の鼓動がまた早くなる。
昨日の電話のことまで頭をよぎって、関係ないはずなのに、なぜか自分が怒られているみたいな気分になった。
虹夏ちゃんは、どこか含みのある顔で黙って様子を見守っている。店長さんはそのまま続けた。
「……お前、父親が音楽をやった事のある人間だと言ってたな」
「…………はい。そう、ですけど」
「────話がある。重要な話だ」
「………?」
「その人物の名前は?」
「え?」
「その父親の名前。一応、言ってみろ」
「───────ッ!!」
彼女の声音は淡々としていたけれど、その奥に何か確信めいたものを隠しているのが分かる。春樹くんの表情が、ぴたりと固まった。
「……っ、な、何で……ですか。父は、関係ないはずです」
「……関係ない、ね」
微かにその返答に対し、どこか寂しそうな笑みを浮かべる店長さん。その後、彼女はポケットからスマホを取り出す。
「じゃあ、聞き方を変えようか。……ここに載ってる、吉沢
差し出された画面。
そこに浮かんだ文字列を目にした瞬間、春樹くんの目が、大きく見開かれる。
「!!」
その変化は、カウンターの少し横に立っていた私からでもはっきり分かるほどの、露骨な動転。
(吉沢……正樹……?)
聞いたことのあるような、ないような、名前。
私は首を傾げながら、その横で小さく息を呑んだ喜多ちゃんの顔を見る。そして見ると、虹夏ちゃん以外の三人────私と喜多ちゃん、リョウさんの視線が、同時に店長さんの手元へ吸い寄せられていく。
特にリョウ先輩の方は、さっきまで眠そうにしていたのが嘘みたいに、目の奥だけ真剣な光を帯びている。加えて、珍しく動揺したように目蓋を僅かに見開いて、微かな汗を垂らす。
あのリョウ先輩がそんな顔をしていること。それ自体が余計に私の不安を誘う。
「……ど、どういう……」
何か言いかけた私より先に、隣に立ったリョウさんが、ゆっくりと口を開く。
「……ぼっち、『Quartet Bind』聞いたことない? 多分名前くらいは知ってるでしょ」
「………………カルテット、バインド?」
そのバンド名を耳にした瞬間。心臓が嫌な音を奏でる。
頭のどこかで、数日前に布団の中で聴いていたプレイリストの一曲が、ぱちん、と灯りを点ける。そして同時に昨日も見かけた、春樹くんがかつて弾き語りで披露していた、カバーアーティストの名称。
画面の小さなジャケット。
タイトルの横に、小さく表示されていたアーティスト名。それら全てが。
(……『転がる岩、君に朝が降る』。この前、聴いていた……その、アーティスト名……)
(……うそ)
(───────まさか)
一致していく。記憶の中で見た、その単語。
心臓がもう一度、大きく跳ねた。
その、名前は──────そう。
Quartet Bind。
背筋を冷たいものが、一気に這い上がる。
そう。それは私もずっと何度も聴いていた、聞いたことのあったバンドのひとつ。そんな、本当に────?
「……っ!」
「……わ、私も、名前くらいは見た事があります! で、でも、よくある苗字ですし……た、たまたまじゃないですか?」
隣に立つ喜多ちゃんが焦った様子で店長さんへ声をあげる。その言葉に私も縋りつきたくなった。けれど、彼女はゆっくりと首を振る。
「いいや。間違いない。根拠ならある」
「……今はメンバー同士の方向性の違いから、二〇一八年の三月に解散した。その中で、ギターとボーカルをやっていた吉沢。同じ年の五月に離婚をしていたことが、週刊誌にすっぱ抜かれた」
淡々と、けれど一言一言を確かめるように、店長さんは続ける。
「その時、子どもがいる事も明らかになったんだよ。そもそも結婚すら公表されてなかったから、それも含めて少し話題になったけど……本人が一切のインタビューを拒んだもんで、詳細は不明のままさ」
リョウさんも、小さく息を吸ってから言葉を重ねた。目元を伏せつつ、呟く。
「………………その子どもがどうなったかは、分からずじまい。その後、吉沢は完全に音楽業界から姿を消した」
「………………」
「……結婚自体は、二〇〇七年にしていたらしい。当時は誰にも知られなかったらしいけどね。徹底してメディアには出さなかったらしいが、その頃に子どもも生まれたんじゃないかって話もリークに上がってる」
店長さんの言葉に、喜多ちゃんがぽつりと呟く。
「………二〇〇七年……」
「……その時に、子どもが生まれていたなら……時期的には、その人は、私達とほぼ同い年、ですよね」
ひんやりした空気が、足首を掴む。
カルテットバインド。
教科書みたいに綺麗な音じゃないかもしれない。
だけどそのバンドのロックは、どうしてか胸の奥に真っ直ぐ刺さってきた。何度も、何度も。
二日前の春樹くんとの通話の後も、イヤホン越しに震えながら聴いていたバンド。
そう。
誰かに似ていると、思った声。
そのボーカルの人の苗字は──── “吉沢” で。
その人に子どもがいて。
年齢が、私たちと同じくらいで─────
「……………」
ぐ、と何かを飲み込む音が店内に落ちる。
視線の先で、春樹くんは拳を握り締めて、星歌さんを鋭い目で見つめていた。
しん、と空気が静まり返る。全ての辻褄と、線と線が繋がり、それは沈黙をもたらす。冷蔵庫のモーター音だけが、やけに大きく聞こえた。
「……そろそろ話してくれるか」
店長さんが、ふう、と細い息を吐き出す。
「……あんまり人の経歴を無神経に漁るのも気が引けるし、本当はやりたくないんだが、ここまで私の知ってた事と偶然が重なるとね」
「…………よくそこまで調べましたね」
春樹くんは、曇った顔で視線を伏せたまま、そう静かに呟く。
目元は、長い前髪でこちらからは垣間見えない。だけどその横顔と声色には、はっきりとした嫌悪……というより、それ以上に複雑な感情が入り混じっているように感じた。
それか、怒りや呆れ、そして何よりも、知られたくなかったかのような、そんな色。
「……悪いけど、うちのハコで働く以上、出来る限りの身元調査はしなきゃいけない。それに、まだ履歴書とかも貰ってるわけでもないしな」
店長さんは苦い顔で目を逸らし、少しだけ肩を竦める。
「加えて、どこの馬の骨とも知れない奴に、うちのバンドを任せるわけにもいかないのも実情。お前を雇うにあたっては、特にしっかりとやらせてもらった。……ただ」
「……ただ、なんですか」
「……申し訳ないとは、思ってる。悪かった」
そう言って、彼女は椅子から立ち上がり、静かに頭を下げた。
「……!」
春樹くんの目が、少しだけ見開かれるのが見えた。
店長さんが頭を下げるのも見つめて、私の中でまた何かがぐにゃりと歪む。いつも豪快で、ちょっとやそっとじゃ謝ったりしなさそうな人が、真剣に頭を下げている。
それだけ、重い話なんだ。彼女は続ける。
「実の所、私もバンドやってた頃、カルテットバインドは大ファンだった。バンドをやるキッカケになった一つと言ってもいい。……個人的興味が無かったとは言えない。すまない」
「…………………」
春樹くんは、ほんの一瞬だけ睨むような目をした後、ゆっくりと瞳を伏せた。
「…………別に、構いませんよ。いずれはバレてもおかしくないとは思ったんで」
低く落とした声。
その言葉の中には、僅かな嫌悪と、どこか諦めにも似た響きが混じっている。
「本当に申し訳ないとは思ってる。だからと言ってはなんだけどさ……うちで働きながら音楽もやってもらっても構わない。むしろこっちからお願いしたいくらいだ。その上で聞かせて欲しいんだけど───」
「待ってください。誤解があります」
ばっさりと、春樹くんは彼女の言葉を遮った。
怪訝な顔立ちで、店長さんは表を上げる。
「……?」
「音楽をやって貰っても、って言いましたけど……俺はそもそも、バンドとかを個人的にするつもりは一切無いです」
「ッ…………!」
胸の奥が、びくん、と跳ねた。
(やっぱり……昨日、私が言ったこと……すごく、嫌だったんだ)
“動画、とか”。“演奏を聴きたい” とか。
あんなこと、軽々しく言っていい話じゃなかったのに。
「……それは、何で? ウチのマネージャーをやろうと言い出したのは、少なからずバンドに興味があったからじゃないの?」
店長さんが眉を寄せる。
それに対して春樹くんは、少しだけ顎を上げて言う。
「逆に聞きますが。……なんでカエルの子がカエルになると思うんですか?」
それは、あの優しい彼から発せられたとは思えないほど、ひやりとした皮肉の温度。私はその言葉の意味を飲み込むのに、数秒かかる。店長さんは怪訝な顔を向け、春樹くんはどこか虚ろな瞳を彼女へ向けていた。
「……………お前、音楽は一応やった事はあったんだよな。それなりに弾けるとも」
「えぇ、言いました」
「お前自身は、バンドをやりたくて、興味自体はあって。どんな形でも音楽をやりたくて、わざわざ虹夏達に絡んできたんじゃないのか? そうじゃなきゃ普通、マネージャーやろうなんて発想にはならないだろ」
「それとこれは全く話が別です」
淡々と切り捨てるみたいに、春樹くんは続ける。
「音楽をやるのと、バンド組む事ってまた違うんじゃ無いでしょうか? それに俺は自分の人生設計があって、バンドを組むつもりなんか……無いんです」
そう言って、視線をそらした。
その横顔には、昨夜、電話越しに感じたあの “距離” と同じものが見えた気がして、喉が堪らなくまた細くなる。
「言いましたよね、俺。俺には、才能なんか無い、って」
ぽつりと零れたその言葉に、胸の奥がきゅうっと痛んだ。
「ッ………」
(そんなこと……ないのに)
本当は、何度でも否定したかった。拳を強く握り、胸元で抑えつける。
だって、私は事実────春樹くんのギターの動画のおかげで、頑張れていたのに。
昨日も、何度も言いかけて、結局ちゃんと伝えられなかった言葉。
それらが、何度もまた喉の奥でつかえていく。店長さんは腕を組んだまま、しばらく難しい顔をしていた。
「……才能、ね。じゃあ聞くけど、お前が言う人生設計って何? 具体的に教えてくれないか。それとウチのマネージャーをやりたいと思うことに、どう関係が?」
「そんなに大したことじゃないです。俺はただ、見たいって思っただけです」
「見たい……? 何をさ?」
その問いに、春樹くんは一瞬だけ遠くを見るような目をして─────それから、ゆっくりと口を開く。
「あの日、初めてライブを見た時から───結束バンドのこいつらの……ひとりの、姿を、ずっと見ていたいって思った」
「!」
思わず、息が止まる。
私の、姿。
「あの輝きは、本物だ。才能なんかない。親の……親父の七光りにすらなれない俺なんかとは違う」
胸の中で、言葉をなぞる。
“違う”って、どうして。そんなこと、そんなことないのに。
「……俺とは違う、ひとりたちの姿を見ていたいって、ただそう思ったんです」
店長さんはじっとその顔を見つめていた。
そんな様子を、私たちも息を詰めて見ていることしかできない。無論、私もその空気を割いて間に入ることも出来るわけなかった。ただ黙って、その様子を見つめ続ける。
「何度だって言います。俺は……」
「俺は、天才なんかじゃない」
「加えて、見てきたんです。音楽の神様に愛されていたはずの存在が、どんどんたくさんのものを喪う姿を」
「!」
その一言に、空気が少し震えたような気がした。
「……どういう、ことですか?」
思わず小さく呟いた私の代わりに、リョウさんが静かに顔を上げる。
「……これは真偽は不確かで、本当かは分からないけど」
いつもより低く、信じられないほど真面目なリョウ先輩の声。それが、現実を突きつけてくる。
「吉沢正樹は、バンドメンバーと揉める前から、指が動かなくなりかけていた、って話を聞いたことがある」
「え……」
鳥肌が、一気に腕を駆け上がる。
「…… “フォーカルジストニア” 」
「確か、完治するのは難しいって言われてる難病だったはず。実際、関連の遺伝性ジストニアは国の指定難病にもなってる程、原因不明の病気って話、だったかな」
「な、なんなんですか、その難病って……?」
声が震える。疑問の答えを求めて、私はリョウさんへ問い掛ける。
気付いたら、喜多ちゃんも同時に私と一緒に彼女を見つめていた。
「バイオリニスト。ピアニスト、スポーツ選手……それから、バンドマン」
リョウさんは視線を床に落としながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「………そういう人達がなりやすい、神経疾患の難病のひとつだよ。簡単に言えば、同じ動きを反復しまくることで、身体の一部だけおかしくなっていく、みたいなタイプの……原因不明の病気」
「しかも……基本、そう簡単に治らない。人によっては生涯付き合ってる人もいるって、聞いたことある」
「そん、な……」
私は、リョウ先輩のその言葉を聞いて、声を失う。原因不明。どうしてなるかも分からない。しかも、下手をすれば、一生治らない。
仮に。
仮に、春樹くんのお父さんが本当にその病を患っているとして。
その人は、私と同じギタリストで。
─────だとするなら。
その結果、味わう事になる絶望なんて。
考えたくもない、想像すら絶するほどの痛みだって事だけは理解出来た。
私が、もしそんなことになったら。
それは、他人事なんかで割りきれるものなんかじゃない。
「ッ……………ぁ」
喉がカラカラに乾いて、舌から水分が消し飛ぶ。下目蓋が痙攣して、俯く。リョウさんは目線を下ろしたまま、ただ静かに続ける。
「……調べた記事や、ファンの情報を集めた限り、ほぼそれだと思う。多分、私の知る知識の範囲で言えば、恐らく遺伝性の方ではないはず」
「────まあでも、音楽家としての人生を殺すには、どちらにせよ十分だろうけどね」
やがて彼女は最後にそう一言だけ付け加えては顔を上げ、淡々とそう呟いた。
「─────………………」
言葉が、出てこない。
喉から、声が出なくなる。私は、動揺しきったまま、店長さんへ目を向けた。そんな。嘘。
そんな、春樹くんの、お父さんが─────。
見ると、店長さんの表情も、僅かに揺れていた。
「……吉沢。お前の父親のその話は、本当か?」
「……………」
春樹くんは目を細めて、数秒間の沈黙の後、小さく息を吐く。
「……そうです。殆ど、当たってます」
それは、酷く乾いた声。
色を無くした、虚ろな示し方そのもの。
「俺の親父は、バンドをすることこそが生きがいで、バンドメンバーを心から大事にしていた。でも、演奏の時だけ、どんどん思う通りに指が動かなくなっていく」
その光景が目に浮かぶようだった。
ステージの上でギターを抱えて、それでも上手く指が動かない人の姿。
それを、袖の影から見ている、小さな男の子の姿。
「そして、親父のことを大事に想うバンドメンバーと、親父の間で摩擦が起きた」
「……」
「あれほどまで、誰かを見ていられなくなった瞬間もない。その頃から親父はお袋とどうしても揉める機会が増えました。本来親父は優しい奴で、自分への怒りを他人にぶつけるようなことはしなかった。でも……どうしようもなく意固地だった。こと、バンドの事だけは」
その瞬間、とうとう喉の奥が、潰れたような気になった。
そのときの、幼い男の子の姿を、想像した。イメージして、冷や汗が頬を伝う。
私には想像することしかできない。
だけど、その “意固地さ” の向こうにあるものが、なんとなく分かる気がしてしまうのは─────私も、ギターヒーローとして、何度も逃げたくなった夜を思い出すからかもしれない。
「それに、お袋はついていけなくなった。それが、さっき話してた離婚云々の出来事です」
言葉が落ちるたびに、店内の色が一段階ずつ暗くなっていく。
誰も、軽い冗談で空気を変えようとしない。ただ静かに、受け止めるしかなかった。
「……そうか。大変だったな」
店長さんは、照明の方を一度見上げてから、ふっと息を吐く。
「……私と虹夏も、今は片親の身だからさ。親が片方居なくなる苦労ってのは、分かる」
そう言ってから、もう一度春樹くんを見つめる。その視線は、さっきまでより少しだけ柔らかくなっていた。
「……話を戻しましょう」
春樹くんは、まっすぐに彼女を見返して呟く。
「俺の本心は、親父のことは関係ないです。俺は俺の意思で、好きな女の為に、そしてその好きな女を支えて、自分なりに……バラバラでも輝こうとしてるヤツらを……目の前で支えたいと思った」
「!」
頭の中が、真っ白になる。
(す、好きな、女って……)
反射的に、自分の胸元を掴まれた気分になる。
顔から火が出そうだった。嬉しいなどと、この場に場違いな気持ちを抱いてしまう。
でも同時にすぐ、その “好き” に込められた重さも、ひしひしと伝わってくる。
「それが一番の理由です。それ以上でも、それ以下でもない。俺個人、バンドをやる気はありません。絶対に」
その “絶対” は、昨日の電話の最後にあった沈黙と同じ種類の固さを持っていた。
(……私が、揺らしちゃいけない場所なんだ)
分かっていた、つもりだった。
それでも “演奏、聴いてみたいです” なんて、簡単に言ってしまった自分の愚かさが、また胸の奥で牙を剥く。
店長さんは、しばらく黙ってから、ゆっくりと頷いた。
「……そうか。お前の気持ちはよく分かったよ。本当に悪かったね、詮索するような真似してさ。…………ただ二日前も言ったが、口だけじゃこっちとしても困る。当初の話通り、今日が最終日。働きは見せてもらうから。覚悟は出来てるよな?」
「分かってます。最初からそのつもりです」
真っ直ぐな眼差し。
それを見た店長さんも、深く頷き返した。
「じゃあ改めて……よろしく、吉沢。……と、その前に、お前らもいい加減そんなとこに突っ立ってねーで、仕事しろ?」
やっと、空気に少しだけ緩みが混じる。
喜多ちゃんが「はっ、はいっ」と慌てて掃除道具庫に走っていき、リョウさんや虹夏ちゃんも無言でテーブルを動かし始めた。虹夏ちゃんと一緒に机を運びながら、リョウさんが小さく囁くのが、立ち尽くす私の耳に入る。
「……どこまで知ってたの? 春樹のこの話」
「…………あたしも、お姉ちゃんからその話を聞かせてもらうまでは、全然知らなかったよ」
虹夏ちゃんが真面目な顔のまま、小さく首を振るのが視界の端に映り込む。
「昨日家に戻る最中に、急にお姉ちゃんが思い出したみたいに焦って調べ始めてさ。あたしだってビックリしたくらいだもん」
そう言いながら、ちらりと、カウンターの近くで立つ私の方を見てきた。「! ぼっちちゃん」
「え?」
(あ……)
その掛け声と視線に気付いた瞬間、自分が泣いていることに、ようやく気付いた。
頬を伝っていたものが、ぽたり、とジャージの袖口に落ちる。
「……ぼっち」
リョウさんの声。それを聞いて、私は慌てて両手で顔を拭う。鼻の奥がツンとして、言葉が途切れそうになる。
「っご、ごめんなさい……っ」
「……謝る必要無いよ。無理もないよね」
虹夏ちゃんがそう言ってそっと近づいてきて、ピンクのジャージの肩口に、そっと手を置いてくれた。
「……春樹くん、複雑だったんだろうね、ずっと今まで。お父さんが、そんなすごい人だったなら。……どんな事を、思いながら今まで生きてきたんだろう。周りには絶対言わなかったろうし、彼の性格なら」
「………………」
また胸の中で、何かがぎゅっと捻じ曲がる。
(私は、その “すごい人” の……動画に、何度も助けられて。その裏で、数字に折られていった人のことなんて、何も知らないまま……)
昨日、自分がどれだけ無邪気に「オーチューブで」なんて言葉を出したか。何度でもその一つ一つが、刃物みたいに自分に突き刺さってくる。
「……親の七光り、か」
「少なくとも、あの感じ、春樹にとってそれは幸せなものじゃなかったんだろうね」
「リョウ?」
虹夏ちゃんは、どこか切なそうにリョウ先輩へ顔を向ける。
「……それどころか、春樹の人生にずっと影を落としてたものなんだと思う。私でも……似た状況になったら同じように思ってもおかしくない」
テーブルを運び終えたリョウさんは、事務室の方へ歩いていく春樹くんの背中を見ながら、そうしてぽつりと呟く。だからこそ、と。
「─────本人のみぞ知るところだろうけど……少なくとも、春樹には感謝しなきゃいけないよね。親がどうこう関係なく、まだデビューすらしてない私達が上にいけるって、本気で信じてくれてるんだからさ」
「…………」
「そう、だね」
私と一緒に微かに無言になったあと、虹夏ちゃんはぎゅっと拳を握って小さく頷く。
その視線の先で、事務室の扉が静かに閉まる。
「……さ、ぼっちちゃん、仕事しよ。もうすぐ営業だよ。今日もぼっちちゃんはドリンクの担当だし、春樹くんにも最後、三日目の仕事、教えないとだからさ。……行こ?」
「……にっ、虹夏ちゃん……」
名前を呼ぶだけで、声が震えてしまう。虹夏ちゃんは少しだけ切なげな笑みを私にも向けてきては、そうして誘ってくれる。
ここで立ち止まり続ける訳にもいかない。私は、私のやるべきことがある。
その時、喜多ちゃんも、モップを抱えたまま心配そうに近づいてきた。
「……ひとりちゃん、大丈夫?」
「! ……きっ、喜多ちゃん……はっ……はい……」
涙を袖で拭って、無理やり口角を引き上げる。
「……ごめんなさい、少し考え込んじゃってて……。私も仕事します、がっ頑張りましゅ、から……」
握った拳にまだ微かに震えが残っていたけれど、それでも足を前に出す。
ドリンクカウンターへ向かう自分の背中に、喜多ちゃんやリョウ先輩の視線が刺さっている気がした。
振り返る勇気は出なかったけれど、その視線に混ざっているであろう想いだけは、痛いほど分かった。
(……春樹くん)
ふと、思う。
あなたの時間は、どこで止まってしまったんだろう、と。
あんな哀しくて、苦しそうな表情をする彼を、初めて見た。見ているだけで、苦しくて、辛かった。
今、あなたの背中にくっついている “期待” と “傷” は、どんな重さなんだろう。私なんかには、微塵も想像できない過酷さ。そして、痛みだったはず。
私なんかには、分かるはずもない、痛み。苦しみ。
だけど。
それでも、と考えてしまう。────そんなあなたの隣に立ちたいと願ってしまった、愚かな私の「業」は、一体どこまで続いていくんだろう、って。
そんな資格はどこにあるんだろう。こんな私の、一体どこに。
ステンレスのカウンターに、私の映った顔がぼんやりと歪んで揺れ動く。
そして地面にも映る、ステージからの光源による小さな影を見つめながら、私は深く息を吸って、レモンスライスに手を伸ばす。
「………ひとり」
「────春樹、くん」
荷物を置き終えた春樹くんが、ドリンクカウンターの方へやってきた。思わず、スライスを摘んでいた指を止めてしまう。
そうして私達は互いにどこか気まずげに、目線を合わせたあと、隣に立つ。彼は呟く。
「………話があるんだ。聞いて、くれるか?」
「ッ………」
ここから先の会話は、きっと、逃げちゃいけない。
「───────はい」
まだ、“明日ちゃんと話そう” の意味も。
吉沢 正樹って人の残した音も。
カルテット バインドの名前の重さも。
まだ、なにひとつとして貴方から聞けてないから。
だから、ちゃんと聴きたい。
貴方の言葉を、貴方の口から。
たとえ、これで私達の関係が、もしも終わってしまうとしても───それでも。
ちゃんと、今度こそ、今度こそ私は、あなたに謝らないといけないんだ。
全部ひっくるめて、ちゃんと見なきゃいけないんだ。
私はただひたすら、そう強く、つよく思った。
次回。
#04『リライト』────最終回。
前書きにお借りする形で掲載しましたが尾崎裕哉さんって、かの有名な尾崎豊さんの息子さんなんですよね。
皮肉にも、春樹とほぼまんまやんけ、という。
元々『Glory Days』は「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 1」という作品の主題歌であり、その作品の主人公も「父親」という存在に葛藤する有り様が描かれています。
その気持ちとリンクするような形で今回、このエピソードを執筆しています。宜しければぜひ、元ネタの曲を聴いてみてください。
ご感想など、いつでも気軽にお待ちしております。