そういや出してなかったプルクラさん、常識人枠に入ってても違和感はないのか……?
ブレイズウッドの中心に佇む飲食店、チートピア。店の外をころころと転がるタンブルウィードをぼーっと眺めながら、俺はつぶやいた。
「最近、俺の交友関係がおかしいんじゃないかと思うんですけど、どう思います?」
「んな事アタシに聞かれても困るんだけど……」
俺を見下ろすように隣に立っていたのは、プルクラさん。初対面とは思えないぐらい、俺は普通に彼女と話していた。
どうしてこうなったのか、時は数十分ほど遡る。『Random Play』内で、アキラとリンは突然言い出した。
『プルクラさんの信頼度がまだ低いんだ』
『ブレイズウッドかリバーブ・アリーナでよく見かけるって聞いたから、サクも行くよ!』
『俺行く必要ある?』
案の定、俺の意見は聞かずに連行された。そこまではまだよかった。しかし問題はこの後である。
「まさか、ブレイズウッドで置き去りにされるとはね……」
アキラとリンはブレイズウッドから車でリバーブ・アリーナへと向かい、プルクラさんに会うまで張り込みを開始すると言っていた。その際に、俺を忘れていってしまったのである。控えめに言って絶許。
生憎俺にワープ機能は無いので、迎えが来るまでチートピアで時間を潰そう。そう思い店内でぼーっとしていた。すると、思わぬ客が俺に話しかけてきたのだ。
『……酷い面だね。まるでくたびれた中年サラリーマンだよ』
『え、そんなひどいです?』
なんと、プルクラさんがブレイズウッドの方にいたのだ。パエトーンが居るときは身を隠していたらしい。彼女曰く、『尾けられたら撒く、仕事の基本だろう?』との事。そんな基本は知らないです。
元々フリーの傭兵だったというプルクラさん。俺の事は既に知っていたらしい。会う前に素性調べ上げられているケース、慣れはしたけど認めてはないからね?
「それにしても、何で隠れてたんですか? 2人とも会いたがってましたよ?」
「……友好的に近づいてくる奴の相手に、アタシがまだ慣れてないんだよ」
「それは……ちょっとだけ、わかります」
新エリー都で生きている中で、あそこまでの善人でいられるのは本当に稀なケースだと思う。俺もバイト初日はまー戸惑ったし。
「まあ、2人を取り囲んでいる人たちが強すぎて、ある種怖いんですけど」
「アタシも一応怖がられる側になると思うんだけどね……、アンタはそういうのとは無縁だったんだろ? アタシが怖くないのかい?」
「まあ、そうなんですけど……」
パエトーン絡みで会って怖いと思った人は、実際何人かいた。但し、大方変態的な意味で。俺の中でプルクラさんはそのうちには入らなかった。
「プルクラさんも巻き込まれる側の人なのかなーと思ったら、特に怖くはないですね」
「……否定はできないよ。ここに来てからは、いろいろと狂わされっぱなしだからね」
そう、プルクラさんも苦労人側な気がしたからである。話した感じも、すごくまともだし。
「バーニスは言わずもがな、ライトもマシかと思いきや喧嘩っ早い。ボスにお嬢、パイパーもアタシの言う事全然聞かずに突撃しちまう。正直、仕事相手としちゃあ最悪だね」
……それになんか、意外と世話焼きな感じがするし。絶対良い人だよこの傭兵。
「でも、一緒にいるんですね」
「まぁ、ね。信頼はしてるよ。……恥ずかしいから、本人には絶対に言わないけどさ」
目を逸らしているプルクラさん。信頼関係は確からしい。こういう関係も、少し羨ましく思える。思わず顔がにやけてしまったのが良くなかったのか、プルクラさんに睨まれてしまった。
「……告げ口したらアンタをニトロフューエル漬けにするからね」
「罪重くないですか!?」
照れ隠しがエグい。猫系シリオンの彼女から放たれる目つきからは、本当にしてやるぞという凄みがあった。
目が本気だった軽口を言い終えたプルクラさんは、俺の向かいの席に座って一息ついた。
「はぁ……なんだか久々に、普通に話せる相手と会えた気がするよ」
普通、普通かぁ……。
「普通って、なんなんですかね……」
「アンタ本当に学生かい……?」
ちょっと発言を撤回したくなったプルクラさんに、怪訝な目を向けられたのだった。なんでよ、俺普通じゃん。
「なんだいサク~、置いてかれちまったのかい? よ~し、アイアンタスクでかっとばしてやるぜぃ」
「パイパーの運転とサクの耐久じゃ、ミンチになっちまうだろ……」
パイパーさん、お気持ちだけ頂戴しておきます。いや、本当に気持ちだけでいいんで、マジで。
パエトーンに直接連絡すれば、とお思いかもしれませんが、パエトーンは時間をも超越できるので連絡はつきませんでした。
パイパーの口調エミュに疑心暗鬼になりまくっている問題。プルクラのも合ってるかわかんないけど。
ただ、ライトが一番わかんないんですよね……。秘話も見たのにキャラが掴めてないというふがいなし。