1
否定から入る話なんて大抵つまらないと思うけど僕は思う。探偵なんて要らないのだと。
少し昔話をしよう。
「君の推論には穴があるね。その場合移動経路が勘定に入っていない。こんな初歩的なミスをするなんておかしい。本当に正しい推論は移動経路が変わってくる。平面的に考えるから間違っているんだ。3次元的に考えなくては行けない。高さが存在するからね。この場所から上に上がることは可能だよ。だからコレコレがこうなって犯人は君になるわけだよ。君がどうしてこんなことを起こしてしまったか当ててあげようか?○○でしょ」
と、自分の行ったことを暴かれて心まで言い当てられたらそのような存在なんて疎ましいだけだろう。
他にも、穴のある推論を立てた人も僕のことを疎ましく思うだろう。
だから僕は小市民を目指すだけだ。
2
「小佐内さん、待った?」
小佐内さんは首を少しだけ降った。
「ううん。そんなに待ってないよ」
「それじゃバスに乗ろっか」
僕たちはこれから高度育成高等学校に向かう。僕たちは小学生と中学生のころ僕は狐で小佐内さんは狼だった。そのせいで疎まれてしまったことが何度かあったわけで。僕たちだって疎まれるのは好きじゃない。
だから僕たちは小市民となって、僕たちのことを知らない学校に行くことにしたのだ。
それから数時間が立って高度育成高等学校にたどり着いた。
高度育成高等学校、東京の埋め立て地に建てられた国立の学校、全寮制が取られていて一度入学したが最後、三年間外部との連絡は絶たれてしまうが、希望する進学先、および就職先のほぼ100パーセント答えることで有名な高校だ。
「小佐内さん。やっとついたね」
「うん。そうだね。いろいろな人に見られて嫌だった」
「この制服を着ている人は珍しいからね。しょうがないよ」
そんなことを話しながら教室を目指して歩いていく。
はじめて見るところだから、いろいろと周りを見ちゃうな。これじゃあ、田舎から上京してきた人見たいだ。心持ちはあんまり変わらないだろうけど。街頭や監視カメラなどが道なりにずら〜っと並んでいる。外部との連絡が取れず学校の敷地内から出れないことから予想していたけど、やっぱり監視が強いね。いたるところに監視カメラがあるよ。
「小佐内さんは何クラスだった?僕はDクラスだよ」
「私もDクラス」
「それじゃ同じクラスだね」
小佐内さんは何か気になることがあるようで、周りを絶えずキョロキョロしている。
まあ、小佐内さんも似たようなことを考えているのだろう。
「じゃあいこっか」
「そうだね」
僕たちはクラスに入る。もともとドアが開かれていたこと、早めの時間だったことが幸いしてあまり注目を浴びることはなかった。わざわざ教室に監視カメラが二つも必要かな?少しは窮屈にかんじそうだな。
自分の席を確認する。周りの席の人はあんまり目立つタイプじゃなければいいんだけど。
「小佐内さんが隣の席なんだね」
「そうみたい。これからよろしくね」
周りには人が居ない。することもないし、持ち込んでいた小説を読んで時間を潰していた。
長い黒髪をポニーテールで結んだ女性が教壇に経つ。
「えー新入生諸君。私はDクラスを担当することになった茶柱佐枝だ。日本史を担当している。この学校ではクラス替えはない。卒業までの三年間よろしく。入学式はこれから1時間後だがその前に、この学校における特殊なルールを説明する。資料を回すように」
前の席から資料を渡される。一度見たことがある資料だね。入学前にパンフレットとして渡されたものだ。
いろいろなルールが書かれている。
まず一つ。学校側からの許可なく連絡を取ること、及び敷地内から出ることの厳格化。
そのかわり、娯楽施設も多数置かれている。小さな町といっても過言じゃないね。
そしてもう一つ、それはSシステムだ。
「今から配る学生証カード。それはクレジットカードのようなものだと考えてよい。もちろんポイントは消費するぞ。学校内においてポイントで買えないものはない。なんでも購入可能だ」
独自通貨を発行ね。まあ学校で管理しやすいようにしているのだろう。
「機械にこのカードを通すか、提示することで使用可能だ。それから、ポイントは毎月一日に自動的に振り込まれる。現在全員平等に10万ポイントが振り込まれている。なお、1ポイント1円の価値がある。これらは君たちへの期待と評価が表れている。遠慮せずに使うといい。それと現金化は受け付けていない。貯めたところで得はないぞ」
茶柱先生はざわめきにあふれる教室を見渡しながら
「質問はないようだな。では良い学生ライフを」
ざわめきが止まらない教室に通りのいい声が届く。
「みんな、ちょっといいかな。みんなで自己紹介しないかな?入学式まで時間もあるし。うん、ありがとう、じゃあ僕から平田洋介、趣味は~~」
自己紹介とは一番最初に行われるコミュニケーションだ。そしてここで小市民的かどうかが決まるといっても過言じゃない。目立ちすぎてもだめだし、目立たな過ぎてもだめだから。
考え事をしていたら、つい自己紹介を聞き逃してしまった。しっかりと覚えたほうが良いだろうし、次はちゃんと聞いていたほうが良いだろう。
机を思いっきり叩くような音がした。足をおもいっきり机の上に乗せたらしい。ああいう男性は小佐内さんは苦手だろうな。
彼が教室から出ていくことで何人かの生徒が、退室していく。僕としてはわざわざ波風を立てるなんてとは思うね。
「小佐内ゆきです。趣味は甘いものを食べるもの好きです。よろしくお願いします!」
素晴らしい。素晴らしいよ。小佐内さん、甘いものを食べるのが好きという誘うには十二分の理由をつける。それでいて受けを狙わないことで全生徒から記憶に残らない程度なのが素晴らしい。僕も小佐内さんに続かなくては!
「小鳩常五朗です。漫画や映画を見るのが好きです。みんなと仲良くなれたらうれしいです」
まあこんなものかな?もっとうまい自己紹介があったのかもしれないけど十分及第点だろうね。
それから、みんなの自己紹介を聞いた。顔と名前を一致させるのは大変だろうな。
「ねえ、小鳩くん、入学祝いにあったかいもの食べに行かない?」
小佐内さんが一緒に何か食べないということはたいがいが甘いものを食べに行かないと同義である。
「そうだね。小腹もすいたことだし、そろそろ何か食べに行こっか。でもどの店に行くの?」
「実はね。この教室に来るまでにいい店を見つけたの。いこ」
あの時キョロキョロしていたのは甘いものを見つけたからだったのか。まあ小佐内さんのお墨付きは信用出来る。小佐内さんに案内されてその店へと行く。
アリスという看板の店に着く。
「いらっしゃいませー。カウンター席とボックス席があります。どちらにしますか~」
「ボックス席でお願いします」
言葉尻を伸ばす女性店員にボックス席へ案内される。
「ここは何がオススメなの?」
「いちごタルトが美味しいの」
呼び出しベルを押し店員を呼ぶ。
「いちごタルトを2つお願いします」
それを聞くと店員はキッチンルームへと向かって言った。
「小佐内さんアリスって言う店って有名なの?」
僕は、行きたいお店があると言われてこの店を選んだことを少しだけ気になり小佐内さんに尋ねた。
「ううん。あんまり有名じゃない。何店かいろいろな場所にあるにはあるし、タルトは絶品なんだけどね」
「実はね。小鳩くんを誘ったのは話したいことがあるからなの」
小佐内さんが話したいこと?わざわざ今話すということはこの学校に関して疑問が生じた。または何かしらに気づいたことだろう。1つ僕には心当たりがある。
「もしかして、それは来月配られるポイント10万ではないかもしれないってこと?」
「ううん。そうじゃないの」
違った。自信満々に外すと恥ずかしいな。
「それは後で話すとして、この学校少し変なの」
「変?ポイントが配られるとか外とは一切連絡が取れないとかはあるけど」
「そういうのじゃなくてね。この学校監視カメラが多いじゃない」
確かに学校にも、街並み(便宜上街並みと言っておこう。)にも監視カメラを見つけた。
「そうだね。でも、この学校は結構厳しそうだしそれが理由なんじゃないの?」
「確かにそういう理由で監視カメラがつけられているんだと思う。でもそれにしては変なの。だって監視カメラが存在していない場所が何箇所かあるから」
それを聞いて僕は驚いた。確かにそれはおかしい。この学校はポイントですぐ物品を買えるお店が存在している。お金が足りないということは無いだろう。お金が足りないならば注文制の方がいいからだ。それに配るポイントを減らせばいいのに、半分でも文句はいわれないだろうからね。また、ここまで監視カメラがあること、学校案内で店を見る時に電化製品の店があることからも修理のつてはあるとみていい。それなのに意図的に監視カメラが存在していない場所が何か所かあるのはおかしい。
「監視カメラをつけ忘れただけってことはないのかな?」
「それはないと思う。裏路地に入る通路と裏路地にないって言った感じがするし、わざわざ絶対に映らないように仕切りが置いてある感じがする」
「この学校はいろいろとキナの匂いがするね」
「?きな臭いで1つの慣用句だよ?」
「気にしないでくれ。ちょっと言ってみたかっただけだから。それよりも1度この場所を調べるべきだと思う。僕たちの目標である小市民を目指すには反しているけれどさすがに調べないとまずい気がする」
「うん。私もそう思う。それとこのことを調べるのは小市民らしいよ。自分自身にかかる危険から遠ざかるために調べるんだもの」
この学校はとても危険だ。少なくとも、僕たちに何かしらの隠し事をしているのは間違いないだろう。そんな雰囲気しか感じないのに僕の心臓は高鳴っていた。
「じゃあまずは情報を集める必要があるね。どうやって情報を集めようか」
「たしかに情報を集めるのは大事だと思う。でもまずは目の前の課題から解決するほうが重要だと思うの」
目の前の課題?
「ああ、来月配られるポイントが10万じゃないこと?」
「ううん、甘いお菓子を食べること」
「なるほどね...」
「失礼します」
そういって、店員さんがイチゴタルトを持ってきた。甘いものが好きなのはわかるけど、なんで持ってくるタイミングがわかるんだろう。まあ、小佐内さんの嗅覚とでも思っておくか。
「小鳩くん、今失礼なこと考えなかった?」
「いや?とくには?」
「そう」
小佐内さんは甘いものが大好きだ。ここ最近は、甘いものを食べた時ぐらいしか笑顔にならないからね。
四六時中一緒にいるわけじゃないから、もしかしたらほかにも笑顔になるものはあるかもしれないけど。
さて、僕も前に置かれたいちごタルトを食べよう。
「へえ、結構美味しい」
「よかった」
「うん、実際美味しいよ」
「よかった。このイチゴタルトは期間限定で毎年違うから、三年間食べられないと思っていたの」
そういって、小佐内さんは、イチゴタルトを食べ始める。
これ以上の幸せがないといわんばかりの幸せそうな顔をしている。
そのまま、もくもくと食べつづける。
「ねえ、小鳩くん、来月も10万ポイント振り込まれないってどういうこと?」
「これにはまあ大きな根拠があるわけじゃないからね。快刀乱麻に一刀両断とはいかないけど。ただ、寮生活を初めて最初の月だから、家電や日用品を買うために今月だけ多く、振り込まれているんじゃないかな、って思っただけだよ。それに毎月10万ではなく、10万ポイントあたえられるっていっていたからね」
「確かにそうだね。ねえ、小鳩くんいま、この学校に対して結論を出すのは難しいと思う。だから先に情報を集める必要があると思うの。手伝ってくれない?」
「もちろん構わないよ。僕たちは互恵関係なのだから。でも、いったい何から始めるんだい?」
「うーん、先生を尾行するとか、監視カメラのない位置で、何が行われているか張り込みをするとか?」
小佐内さんは発想が物騒だ。反小市民的すぎる。
「うーん。確かにそれも手段の一つだけど、監視カメラがどこにあってどこにないのかとか、この環境に慣れるのが先決だとおもう」
「そうだね。確かに本筋から攻めすぎていたかも。そもそも私たちには、地理的な理解がないからどのようなお店があるかどうかとかを調べるべきだね。ここには監視カメラがないから密談ができるけど、ほかにも知っておきたいし」
「おっけ。じゃあどうする?」
「余計な諍いに巻き込まれないように私たちがペアであることを印象つけること。いざというときのためにいろいろな道具を買うことを、最初の目標にして動かない?」
「わかった。そうしよう」
「じゃあ、また明日。いろいろなものを買いに行こうね」
これで、今回の会はお開きになった。寮への帰り道の途中、監視カメラを見ながら帰った。確かにこうして監視カメラの位置を見てみるとあまり効率的な置き方をしているようには見えないな。でも小佐内さんは、この学校に来てすぐこの監視カメラの不自然さにきずいたってことになるよね。
3
昨日はいろいろな疲れがあったのか、早めに寝ることができた。早起きは三文の徳とかいうけどあまり信用ならないよね。だって、徹夜して研究した。とか勉強した。ってことを自慢する人はいるけれど、早寝したってあまり自慢する人はいないのだから。
「おはよ。小鳩くん」
「おはよ。小佐内さん。早いね」
進学校という名目だからだろうか、オリエンテーションなんてものはなく、すぐに授業が始まった。始まったのだけど、まじめに受けていない生徒が結構いるな。まだ初日だってのに5分の一くらいはまともに受けていないぞ。これじゃあ、一か月を過ぎたころには、ほとんどまじめに受ける生徒はかなり少なくなるんじゃないのか?先生も一切叱らないし。
まあ、これがこの学校の教育方針と言うならば、一小市民に出来ることなんてひとつもないけどね。
そうこうしているうちに放課後になった。
「じゃあ、小佐内さん行こうか」
「そうだね」
近くのスーパーに向かう。スーパーに行くのはあとでいいんじゃないかな?まあ買い物に付き合うといったのは僕が先だからいいんだけどね。
昨日、部屋を見たけれど最低限必要なものはあったからね。自炊はしない主義の僕はあまり買うものが多いわけじゃない、まあただできないといったほうが正しいかな。そういう僕だからほとんどは学食で済ませるし寮にもいろいろ荷物はあったからね。ほとんど買うものはないんじゃないかな。
小
小佐内さんは、たまにお菓子作りをしているらしいけどね。食べたことはないけど。
「小鳩くんは買わないの?」
「うん、僕は料理しないからね」
「じゃあ、この卵のパック持ってくれる?おひとり様限定で無料なんだって」
無料?こういうのは大特価価格が普通だけど、ポイントがない人への救済措置ってことかな?たまごは万能だからね。小佐内さんはいろいろと買っている。お砂糖とかバニラエッセンスとか。
ドガンッ
大きな音がしたな。ん?小佐内さんが裾を掴んで身を縮こめている。小佐内さんは人見知りを結構するほうだ。さっきの男の子。昨日自己紹介なんてくだらねーって言っていた子だ。名前を知らないし、仮称赤不良とでも思っておこう。
「大丈夫だよ。小佐内さん。もうどっか行ったから」
「うん、ごめんね」
電化製品店にこれから向かっていく。僕が本格的に、買いに行くのはこれからだ。
この電化製品店にはいろいろ悪用ができそうなものが多いね。ボイスレコーダーや隠しカメラ、盗聴器なども。
そこで僕はボイスレコーダーを買っていく。いざというとき証拠になうものは持っておきたい。節制するって決めたし安いのでいいか。カメラは携帯で大丈夫。機能自体はついているし。携帯は配布されたものがあるし。
?これは学校自体につけられている監視カメラ?でも値段が安いな。ダミーカメラってことかな。
ますます怪しくなっていくな。普通こんなことを置いているなんておかしい。型番とかはわからないけど、途中で見た監視カメラと同じものっぽいし。
「いろいろ買っているけど何を買っているの?」
「ボイスレコーダーだよ。監視カメラがないところでも自分の身を守るのは自分だからね」
それを聞いて、小佐内さんは隠しカメラと盗聴器を買っていく。
買い物を終えて帰路に着く。その途中で、櫛田さんと出会った。
「あれー?こんな時期に二人一緒に帰っているなんて仲いいね!もしかして二人って付き合っているのかな?私はね同じクラスの櫛田、櫛田桔梗だよー。私ね、クラスのみんなと友達になりたいって思ってるんだ!一緒に話さない?」
急に話しかけられたからか、小佐内さんが僕の後ろに隠れてしまった。雰囲気的に小佐内さんは小動物的なところがあるから。急に話しかけられて人見知りが発動したんだろうね。
年度初めは、クラスでも友人作りのためにいろいろな戦略が取られる。その中でも一番活発なタイプだろう。
「これからみーちゃんとカフェでお茶するんだ~。他の人を誘ってもいいって言われてるの。小佐内さんと小鳩君もどう?小佐内さん甘いもの好きだったよね一緒にどうかな?」
僕は小佐内さんのほうを見る。僕も誘われているけれど小佐内さんのついでって感じがするし、僕としては小佐内さんの選択に従うよという意味を込めて見る。
でもミーちゃんって誰だろう?
「じゃあ、お邪魔させてもらうね」
まあそうするだろうね。わざわざ孤立したいわけではないのだから今回のこれはいいチャンスだろうし。
「やったー!じゃあ行こ!」
「うん、もちろん行くんだけど一つ聞いてもいいかな?」
「うん。なに?」
「ミーちゃんって誰かな?」
「あ、ごめんね。それじゃわかんないよね。王美雨ちゃんだよ~」
「うん、ありがとう」
まあ、ほかの誰だからと言っていかないという選択肢があるわけじゃないから聞く意味があったかといわれるとなかったわけだが。
「やっほー、みーちゃん。小佐内さんと小鳩くんも連れてきたよ」
この場所には、僕たちも併せて6人いる。男子は、昨日自己紹介しようって言っていた平田だけか。
平田は僕の登場に少しだけ喜んでいるように見える。まあ、女子3男子1は少しつらいか。
カフェに来たわけだし、小佐内さんはいきなりメニューを開いている。パンケーキにするらしい。
僕も同じものを頼むか。始めてくるところでも小佐内さんの味覚?嗅覚?は信用できるし。
「この学校ってすごいよね~。まさかこんな人気のカフェがあるなんて知らなかった」
「うん、私も。話には聞いたことがあるけど地元にはないからいけなかったんだけど、ここにはあったんだ。うれしい」
「小佐内さん。甘いもの好きなんだね。私も大好きだよ」
他愛ない雑談をする。甘いものの話題で盛り上がって少し入りづらいな。平田も同じようだし、平田に話しかける。
「やあ、君はどうしてこの集まりに来たのかな?」
「ああ、それは王さんに誘われてね。僕としてもクラスメイトとは仲良くなりたかったし参加することにしたんだ。そういう小鳩くんは?」
「それは小佐内さんのおまけとしてだね。平田君がいてくれて助かったよ。さすがに女子四人に囲まれたら居心地が悪いしね」
「これもいい機会だし、連絡先交換しない?」
「もちろん」
「Dクラスのことどう思う?」
「個性的な人が多いね。高円寺とか、あの赤毛の…」
「ああ、須藤君ね」
「ねー、平田君、私とも話そうよー」
そのまま僕は話の輪から外されてしまった。平田は女子人気が高いらしいね。いろいろな人に話しかけられても愛想よく話しているところからもモてるだろうなって思う。
それを横目に、パフェを食べ始める。冷たいと甘さを感じにくいらしいからね。暖かくなってきたらあまり美味しくなくなってしまうだろうから早く食べないと。