公開された点数を先生に言い見せてもらった結果、テストの点数は須藤が1点プラスされていた。
つまり、須藤を退学から救ったのは堀北さんか綾小路のどちらかということになる。
そして、テストが終わり、また新しい月が始まった。
「小佐内さん、今日ポイントは振り込まれた?」
「ううん、振り込まれてない」
トラブルが起きたのか、もしくはCPがなかったのか。先生に聞けばいい話だけど。
「おはよう諸君。今日はいつにも増して落ち着かない様子だな」
茶柱先生はホームルームと同時に教室のドアを開いた。
「佐枝ちゃん先生!今月もDクラスは0ポイントだったんですか!?」
「話は聞け。ではさっそく今月のポイントを発表する」
えっと、Dクラスは。87ポイント0ポイントって訳じゃなさそうだね。じゃあトラブルで今のところ渡せないのかな?
茶柱先生からいくつか報告があるらしい。
「先日トラブルがあった。そこの須藤とCクラスの生徒の間でトラブルがあったようだ。端的に言えば喧嘩だな」
これがDクラスにポイントが振り込まれなかった理由ね。
先生が言うには互いに相手に非があると言い合っているらしい。証拠がないからまだどうにも判断が出来ないね。
ダメだ。今回Dクラス自身の話とはいえ結局の所ぼくは部外者だ。関わる理由がないし、小市民としても望ましい訳じゃない。
周りも須藤をつるし上げるのに精一杯で自らかかわり合いになろうとしている人はいない。
「はぁ!?相手が悪いんだよ!!」
須藤は自分が悪くないと自己弁護を始める。
周りは須藤を一切信用しようとは思わない。
そんな時平田くんが話し始める。
「僕は信じたい。精一杯協力するべきだと僕は思う」
「あたしもさんせー」
「みんなも協力して欲しい」
平田、軽井沢、櫛田の発言力がある人の手によってクラス内は一応のまとまりを見せる。
「私、部活の友達に聞いてみるね!」
放課後
「小鳩くん?今回はどうするの?」
「どうしてぼくにそう聞いたのかな?」
「今回の話は小鳩くん向けだと思ったから」
「そうだね。こっちから首を突っ込むのは小市民的じゃないと思う。でも今回はあちら側から協力を求めてきたから協力をするのが小市民的…だと思うんだ」
「いいと思うよ。このままだとせっかくのCPもなくなっちゃいそうだし…」
「でもどうするの?」
「多分解決するにあたって須藤が頼れるのは勉強を一緒にやったグループぐらいだと思う。だからそこにお願いして僕たちにも手伝わせて欲しいって言えばいいんじゃないかな?窓口が1番広そうなのは櫛田さんだし今度お願いしてみようか」
「とりあえず今は僕たちに出来ることから始めよう」
須藤の話を知っているのは誰か?それはまず喧嘩したCクラスの生徒だろう。何人いるか分からないけれど、先生は生徒たちからと行っていた複数人だろう。目撃者がいない。いた場合もっと噂になっていてもおかしくないから人気のない場所だろうね。そして先生方がすぐに対処出来ていないつまり監視カメラの存在しない場所。それに須藤もしくはCクラスの人は呼び出されたと考えられる。つまり関係性があったと考えられる。急にがん付けられてついて行ったというのも考えられなくはないけどその場合もうどうしようもないから除外。
別クラスとかかわり合いになるのは芸術科目及びに部活動。芸術科目は同じクラスゆえ除外。
つまり部活動が同じ人との喧嘩だろうね。つまり男子バスケ。
体育館の使用日時はまあ簡単に調べられる。そこの部活の人に話を聞ければいいんだけど。
「先に須藤君たちと協力関係を結ぶべきなんだろうね」
「…それは嫌?」
「………そうだね。僕たちは余計なお世話をしてしまったわけで、今回だってそうなってしまうかもしれない。あっちで動いている以上こちらの動きは余計かもしれない」
「でも、相手がどう動きたいかもわからないのに勝手に動き回るのも余計になっちゃうんじゃないかな?」
「…そうだよね。やっぱり協力したいって言ったほうが良いのかな」
実際どうだろう?相手に迷惑にならないだろうか?助けを求めている以上ある程度はありがたがってくれるとは思うけど。
「でも、関係性もないのに助けてあげるよ。というのはダメなんじゃないかな?」
「私ね。思っていたことがあるの。この学校では狐と狼が尊ばれる。ならね。私たちは狐と狼になってもいいと思うの」
「小佐内さん、でもそれは小市民を目指すという目標から外れることじゃ?」
「うん。でもね。この学校では私たち以上の狐と狼がいるかもしれないじゃない?だったらその人にあなたたちは調子に乗ってるねって言われるまで私たちは狐と狼でいいと思うの。だってそうでしょ。私たちが本気で倒そうとすればあなたたちは倒されるってほうって思う方が傲慢だとおもうの」
「…そうだね。いつかあなたたちは傲慢でしたと言われるまで狐と狼に戻ってもいいかもしれない」
櫛田さんに連絡をする。僕は狐に戻ることを知りながら。
「櫛田さん?須藤君のことで手伝えることはあるかな?」
「小鳩くん?ありがとう!もちろんあるよ!」
「私たちは目撃者を探そうとしてるの!小鳩君も手伝ってくれたら嬉しいな!」
「わかったよ。じゃあバスケ部か一緒に体育館を使っている部活の人に聞いてみるね。いくつか聞きたいことがあるんだけど大丈夫かな?」
「うん!もちろんだよ!何が聞きたいの?」
「それじゃあ喧嘩した日時と相手の名前が知りたいな?」
「6月29日だよ。名前は小宮くん、近藤くん、石崎くんだよ!」
「ありがとう。助かったよ」
「それじゃ、小佐内さん。行こうか」
「そうね」
えっと時間表は体育館に書いてるね。その日はバトミントン部ね。えっと、うん今日もやってるみたいだね。運がよかった。
「少しいいですか?」
「ん?一年がどうした?」
「はい、お聞きしたいことがあるのですが29日の日バトミントン部にいましたか?」
「いたけど」
「それではその日バスケ部の赤髪の人が特別棟に行ったのを見ませんでしたか?」
「いいや、見てないな。どうしたの?」
「実はバスケ部の人達が喧嘩したんです。なので情報を集めていて」
「わかった。そういうことなら俺も軽く協力するよ。同じ部活の奴らに聞いてみる。なんか分かったら連絡するから連絡先教えて」
「はい」
そのまま連絡先を交換して体育館から出る。
「することが無くなっちゃったね…Cクラスの小宮くんと近藤くんと石崎くんを見に行く?」
「危険かもしれないしやめておこうか」
「場所はあの特別棟なんだよね。少し見に行ってみようか」
近くだしすぐにたどり着く
「ここが現場なのかな?…うん。監視カメラもないしここで会ってそうだね」
「それにしても暑い。ここだと端末もすぐ熱くなっちゃうね。写真を撮るのもやめた方がよさそうだね…?あ、連絡が来てる。先輩がこんなに早くやってくれるなんてありがたいね」
見ている人はいないね
「…残念だったね。小鳩くん」
見た人がいない。運が悪く見られていない可能性も十分あるけれど、多分部活が終わってから呼ばれたのかな?心理的ハードル的にも人が多そうな時間に呼び出すのは嫌だろうし、須藤はバスケに結構真剣そうだった。練習時間にあまりほかのことをしたくないかもしれないからね。
「この場所に痕跡も残ってなさそうだね」
「今回の件、小鳩くん向けじゃないのかも。今回どちらが悪いかなんてわからないよ。ただ水掛け論になっちゃうだけで」
「………そうだね」
「ねえ、小鳩くんがしたいのはどっちなの?」
「どっちって?」
「CPをゼロポイントにしないことなの?それとも真相を解き明かすこと?」
「………それはもちろんCPがゼロポイントにならないことだよ」
「嘘ばっかり、絶対にCPが減ってしまう事なんてわかってるでしょ?」
「そうだね。うん。知ってる。あそこまで大げさな以上怪我があったんだろうね。須藤くんに見えなかった以上Cクラスの人が怪我したんだと思う。そしてそうある以上、須藤が無罪になることはないだろうから」
「だからね、今回は私向けなんだと思うの」
「小佐内さん向け?」
「うん、私なら今回CPが減らないようにできると思うの」
「そうなんだね。それじゃあ今回は僕が小佐内さんの道具として動かさせてもらうよ」
「まず相手はどうしたら裁判に勝利したことになるかな?」
「まず、こちらのCPを減らすことが出来たら相手の勝ちだろうね。そうすればDクラスの人はPPがないしバイトができない以上PP獲得のために動くという人が増えるだろうね。そうすればCクラスの勝ちなんじゃないかな?」
「そうなるね。絶対合理的に動くと仮定した場合、そうでもない限り相手に得はそんな無いと思うの。それにしたってPPが多いAクラスが一番有利にもなる。他のPP獲得方法。特に莫大なPPが獲得できない以上価値にはなりえない。
でも、どれだけダーティな選択肢を取ることが出来るのかという試金石になら大丈夫だと思う。公平性を重視する場合、こちらは最大87までしか減らない以上相手も過失割合が同じなら同じ以上減る可能性も高いと考えるのが自然だと思う。
感情的に動いた場合も動き方は変わらないから考えないで大丈夫だよ。
合理的に動くにしてもどちらにしてもダメージを大きくすればいいの。
例えばどっちも退学になった場合、こちらのダメージは須藤くん一人とクラスポイント87。それに対して相手のダメージは小宮くん、近藤くん、石崎くんの三人とクラスポイント87以上。Cクラスはダメージは許容できなくなると思うの。
だから今回実行犯になってしまった人を全員退学にするほど大きくするように動くことが大事なの」
「そんなことをしたら僕たちのポイントは0になってしまうし、今回の原告はCクラス。だからCクラスの動きで須藤が退学するかどうかが決まってしまう。あまりに不安定じゃないかな?それに割合が50:50になるとも思わないし」
「0ポイントになる前に裁判を取り消させればいいの。それにそうなってもいいんだよ?それに今回負けてしまったらクラス内での須藤くんに対する反感は大きくなってしまう。そうなってしまったらいつか問題を起こして退学になっちゃうよ?それと50:50じゃなくてもいいんだよ?たとえ30:70の割合になっても私たちが受けることのできるクラスポイントは87までだからたとえば1000消さないといけない過失割合でも、私たちは87、相手は300減ることになるの。」
「…だからって問題が大きくなれば反感も大きくなるんじゃないかな?成功しても退学になるほど大きな喧嘩になってしまったら同じクラスに居たくないって思われるんじゃないかな?」
「そうだね…。確かに問題はある。今回の事件を無くしたとしても須藤自身に対して反感が大きくなってしまうね。そんなに大きな事件をおこしたって噂が流れるともっと嫌われると思う」
「それは仕方ないと思う。怪我をさせてしまった以上もうすでに反感は大きいし、消すことは難しいと思う。だけど反感が大きくなって人から嫌われれば逆に都合がいいこともあるの」
「都合がいいこと?」
「そう、反感が多くなれば自己肯定感が薄くなる。そうなると認めてくれない人が一人もいないといけないことをするとは思うけれど認めてくれる人がいれば逆にその人の言うことを聞くようになってくれる。だからそうだね。うん。いうなればメンタルケア要因がいればいい」
「誰に任せるの?」
「そうだね。今のところは櫛田さんかな?彼女なら勝手にメンタルケアをしようとすると思う」
「そうだね。彼女は優しいからね」
「………………。とりあえずケアは櫛田さんに任せて私たちはこの問題を大事にすることが大事なの」
「それに、嫌われるにしたって、噂と実害だと流石に実害の方が致命的だもの」
「…うん。分かった。僕もその方向性で動くよ」
Dクラス外でおびえられているならばそれはそれで使い道があるという事か。須藤も退学になるよりはましだよね。
「とはいえ、これは確実に須藤君には嫌われるだろうね。だから私たちがしているとばれてはいけない」
「私たちが有名になるのも嫌だしね」
「わかった。なら僕はどうすればいいかな?」
「そうだね。まだどういう手段を使って退学になるのかはわからないから、裁判がどのように行われるのかを探る必要があるね。私がそういったことを探すから小鳩君はCクラスの人たちがどんな人なのかを軽くでいいから調べてほしいな」
「わかった。まかせて」
Cクラスの小宮、近藤、石崎の3人の怪我の具合にクラス内でどうだったのかを調べるべきだね。
でもどうやって調べよう?小佐内さんの話を聞いてそれから考えてみると、Cクラスの3人は指示役がいると考えるべきなんだろうね。
それはCクラス内を牛耳っている可能性だってある。ならCクラスから聞くのはリスクが高い。
そもそも僕たちが動いているとばれること自体が問題という点もある。
僕ができるのはせいぜい考えることだけ。どうすれば情報を得られるか考えてから動こうか。
まず、あの3人は自らの意志で怪我をしたわけではないだろう。さすがにそんな人を陥れるためだけの為に怪我をしようとは普通考えない、それも須藤の言い分を信じるにレギュラーに選ばれたのがむかついたかららしい。
まあ元々不良グループだから喧嘩っ早いとか喧嘩好きとかあるのかもしれないけれど。だからこそ須藤は一切怪我を負わずに相手だけ怪我したのはおかしい。
つまり喧嘩は起きなかった。相手が煽ったのに対し、こうコツンと手が出てしまった。
当たり所が悪くてCクラスの生徒が怪我をした。
どれくらいの怪我なのかそれを知りたい。
どうやって調べれば…
いや、Cクラスが大体的に宣伝しているはず。
相手のクラスは須藤を徹底的な悪者にしたいはずだから。
学校掲示板を見てみるとすぐに怪我の度合がわかった。
思った以上にボロボロだ。
そんなこんなで調べていると連絡が来た。
「ねぇ、こっちはある程度わかったよ。そっちは大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。あって話をしよう。ラロッシュでいい?」
「もちろんだよ。じゃあ18時にね」
そう言って僕はラロッシュに向かう。
「ここはね。ケーキがとっても美味しいの。何食べようかな?やっぱりマンゴーかな?それともベリータルト?でもうーん。」
「僕はえっと1番人気の旬の果実のロールケーキにしようかな。」
「!旬の果実!?今ならブルーベリーとかか。よし!私もそれにする!」
小佐内さんはそう言ってロールケーキを2つ注文する。注文が入ってから作られるというタイプではなく作り置きを取っていくというタイプなのですぐにロールケーキが届く。
「それで裁判はどう行われるかはわかった?」
「うん、ある程度は、生徒会の人の立ち会いの元審査会を作成してそこでどちらの言い分も聞いて最終的に判断するって形みたい。」
「先生ではなくて生徒会が開催するんだ。あまり聞かないね。」
「そうだね。この学校は学生の主体性を求めているからかな?ある程度生徒会の人も調べたけれどこれは1度置いておくね。小鳩くんの方は何か分かった?」
「そうだね。喧嘩したという人を調べてみたよ。軽く写真撮ってみたんだ。思っている以上にボコボコにされているよ。」
「…うん、これは驚いたよ。ここまで怪我しているなんて思わなかった…」
「そうなんだよね。ここまで怪我をしているのに喧嘩をしていない。つまり一方的に殴ったということになる。密室という訳では無いから逃げることも簡単だろうね。なのに一切逃げなかった。少なくとも監視カメラの映らない位置だけでの喧嘩だったということになるね。教師側が泳がせてもいない限り。」
「それだけでここまで顔が腫れるほどの喧嘩、いや一方的な蹂躙が起きるかな?」
「起きる可能性はあるけれど、その場合後々に先生に言うってことはできないと思う、けれど今回は生徒からの申し立てによるものらしいから…怪しい」
「そう、そうなった場合喧嘩があったとしてもそこまで強く怪我をすることは無い。つまりあの怪我は後ほどから怪我が増えたことになるだろうね。」
「つまり、あの怪我はCクラスの人間につけられたものと言える。」
「小佐内さん、もし怪我を受け入れるとしてどのような状況が考えられるかな?」
「分かりやすく考えれば、飴か鞭、つまりppなどのポイントなどが、それとも逆らったら更に怪我をさせられるからという恐怖心この2択と言えるね。」
「ありがとう、小鳩くん。あなたの考えのおかげで策が思いついたよ。」
「どうするの?」
「そこまで難しくないよ。4月の頃CPのことを口を滑らせた先輩がいるでしょ?あれは学校側から口止めされていたのに口に出してしまったつまりペナルティがあってもおかしくない。だから先輩に手伝ってもらって情報を流すの」
「Cクラスの悪評を。」
「それからDクラスを使用して須藤くんへの悪感情を強める。そして退学要求を大きくするの。そうすれば審議会もその退学要求を無視できなくなる。こうすれば事件の概要は大きくなるの。そこで彼らは審議から撤退する賢い作戦を取るかそれとも泥沼の報復戦を行うか。撤退させたら最初の要求的に勝ちになるし、泥沼の報復戦になればCクラスの方がダメージが大きくなるの。そうすればCクラスはあまり大きく動けなくなる。私たちDクラスがAクラスに上がれなくなってしまうかもしれないし、PPも貰えなくなってしまう。でも、喧嘩ばかりである程度PPがあるのよりはPPは現状ほとんどないけれど喧嘩がない平穏な生活なら後者の方がいい。そうでしょ?」
「そうだね。成功したらCPは減らない。泥沼になっても未来のリスクを一気に減らせる。いい手だと思う。」
そう言って彼女はロールケーキをとても美味しそうに食べている。
次遅れるかもです。書き溜めなくなりました。小佐内ゆきを書くのがとても難しい。