綾辻遥の幼馴染な男のボーダーライフ(旧題:太刀川隊万能手の男のボーダーライフ) 作:アーステロイド
最近ワートリ読み返して思ったのですが、オッサムってメンタルが色々とヤバない?
守ってるのアマトリチャーナじゃないのに自分の命かけたり、試験の結果に不満があるとはいえペンチ片手にボーダー本部に向かおうとしたり。
……そのうち戦闘にトリオン回す為にベイルアウト機能外しそうだから怖い。
それでは本編をどうぞ!
俺、
今から俺はこの隊の隊長である親友に、とある重要な相談を持ち掛けに来ていた。
その相談の結果次第では、俺の今後を左右すると言っても過言ではないだろう。
と、いうわけで。
「秀次頼む。どうやったら遥の機嫌が直るのか教えてくれ」
「帰れ」
おっとぉ?秀次さん。流石にそんな”僕と付き合ってください”!って告白して2秒で”ごめんなさい”って言われるみたいなノリで即答しないでもらえません?
俺傷つくよ?年甲斐もなくお前の隊室の中でぎゃん泣きするよ?
せめてもう数秒は悩むとか色々と葛藤しようよ。
「勝手に傷つけ、そして泣くなら自分の隊室で泣け」
「頼む!もうお前しか頼れる奴が居ないんだ!」
嵐山隊の人達は普段から広報活動で忙しいから迷惑はかけられないし、陽キャの代表格と言っても過言じゃ無い玉バカは今太刀川さんのレポート全面的に押し付けて逃げてきたから頼れないし、イコさんには「リア充爆発しろや!」とか言われるしオペレーターの人達はなんか面白がってるだけで特にアドバイスらしいアドバイスくれないし。
二宮さんに至っては話す前に隊室から追い出すし。本当にもうお前しか頼れる奴が残ってないんだよ!
「一部は分かるが、何で生駒さんや二宮さんにまで聞こうとしたんだ」
「いや、イコさんって日頃から女の子にモテようと脳内で色々妄想してそうじゃん?
二宮さんに関しては常にポケインしたり隊服スーツにしたり天然属性が何気に強いから何か参考になるんじゃないかと」
「お前…それバレたら二宮さんにまた蜂の巣にされるぞ…。生駒さんはどうかは知らんが」
いや~イコさんなら素直に謝れば許してくれそうだけど。
って、今はそんな事ぁどうでも良い!
「なぁ頼むって!俺達親友だろ⁉︎」
「こんな時だけ親友を強調するな気持ち悪い。大体、あの綾辻が不機嫌になるとは、お前何した?」
あの、そんな呆れた目で俺を見ないでください。
というか真っ先に俺が原因って決めつけやがったなコイツ。まあ俺が原因だから何も間違ってはないんだけどさ。
「実は、この間遥に買い物に誘われたから一緒に行ったんだよ」
「ほう」
「そんでその時偶然通りかかった場所に新しくカラオケボックスが出来てたんだ」
「…おい、まさか」
「まあ待て聞いてくれ」
どうやら秀次は何が原因か察してくれたみたいだがここまで来たら全部言わせてほしい。
「それでアイツ案の定歌いたいって言いだしたんだ。だけどアイツの音痴ぶりというか音響兵器級の破壊力の歌なんて流石に至近距離で聞き続けたらこっちの身がもたないと思ったんだよ。
それで、その時とにかく必死だったからうっかりアイツの音痴指摘しちまって…」
「もう良い分かった。ようするにそれが原因で綾辻と喧嘩し、恐らくそれ以来口も聞いてないといったところか」
「Exactly」
「日本語で言え。オマケに無駄に発音が良いのが余計にムカつく」
「すみません…」
知らない奴の為に一応説明しておくと、俺の幼馴染こと綾辻遥は成績も優秀であり俺と通っている学校が違うから詳しくは知らないが生徒の副会長会長も務め、更には幼馴染の俺から見てもかなりの美少女な為、ボーダーのマドンナと呼ばれるほどの人気を誇っている。
しかし、アイツはそれを帳消しにする程音楽と美術の成績が絶望的である。
特にこと音楽に関して言えば、どこから声出してんだと言いたくなるくらいに酷い。聞いた話によればあまりの酷さに音楽美術の課題は提出が免除される程である。
色々な方面に助けを求めたが結果誰も助けてくれず、頼れるのは本当にもう秀次しか残っていないのだ。
「しかし話を聞けばそれはお前の自業自得だ。俺を巻き込むな」
「いやいやいやいや自業自得とは言うが秀次。じゃあお前は遥の、あの”〇〇〇アン”級の音響攻撃を聞き続けて耐える自信があるってのか?
良いか?アレはお前が経験した事があるもので言えば加古さんの炒飯みたいなものだ。お前はあの炒飯を例えおかわり無しだとしても平気な顔をして食いきれるってのか⁉」
「……ちっ。俺は案を出すだけだ、その後は自分でどうにかしろ」
「秀次…!」
どうしよう。俺の目には今アイツの背中からクッソに合わない天使の羽や神の輪が見える。
仏のような人は来馬さんくらいだと思ってたのに…。神は意外と身近に居るのかもしれない。
「機嫌を取りたいと言うのなら、綾辻の好物なんかを渡せば良いんじゃないか?」
「俺も最初にソレ思いついたからアイツの好きなグミ渡したんだけど、物だけ取られてその後もずっと不機嫌なままです」
「なら何か身の回りでも何でも手伝いしてやれ」
「アイツ、家事とかそういうのはしっかりしてるからそもそも手伝える事が無いんだよ。
それに学校も違うから手伝える事が更に限られてくる」
「だったら綾辻が好きな歌手のCDでもグッズでもプレゼントしてやれば」
「音痴指摘してから、アイツにしばらく音楽関係の話題はタブーになっちゃってます…」
「…なら何でも良いから誉めてやれば」
「全部お世辞に聞こえて嫌みたいだ」
「八方塞がりじゃねえか」
「ホントすみません…」
アイツとはよく喧嘩するけど、今回に関してはアイツの好きな(腕前はともかく)音楽関係だから普段より不機嫌な期間が長い。
昔なら時間が解決してくれてたけど、流石に嵐山さん達にまで迷惑かけちまいそうだからなんとか早く解決したい。
「…使い古された手だが、もう綾辻の命令をしばらくは聞いてやるしかないだろ」
「ッ⁉…やっぱ、それしかないかな…」
「どうした?」
「いや。実は1番最初にその案自体は出たんだよ」
「なら何故実行しない」
ラノベとかアニメとかのラブコメであれば、しばらく相手の言う事を何でも聞くというのは鉄板だろう。
だが、こと遥に対してそれは正に命とりになりかねない。
「いやアイツ皆の前じゃ優等生で通してるけど昔から頑固なところはあるわ我儘になる時はあるわでもう大変なんだよ。しかもこっちが怒ると泣くしあと蹴るし。
オマケにアイツは昔から音楽美術を除いた勉学は優秀だったからよく分からない課題を手伝ってもらったりテスト対策に協力してもらったりしてたから実はアイツに対して貸しがかなりあるから、そんなアイツに命令権なんて渡したら何を命令されるか分かったもんじゃn
「へぇ。昔から色々教えてあげた幼馴染に対してそんな事思ってたんだぁ」
「「ッ」」
な…何だこれは…!
俺の後ろから聞き覚えのある声と今まで感じたこともない謎の圧が…。目の前の秀次なんて俺の方見て冷や汗流してるし。
……より正確に言うと、俺の後ろに立っているであろう奴を見て。
「シンくん。ちょっと後ろ向こうか」
「…は、遥さん。どうして此処に?それにいつのまに俺の後ろに」
「えっとね。流石に1週間も過ぎたからそろそろ許してあげようかな~って思ったからシンくんを探してたの。
そしたらここに来る前にオペレーターの人達が三輪隊の隊室に向かったって教えてくれたから来てみたの」
「へ、へぇそうなんだ」
よ、よし。ここまではまだ大丈夫。遥の声の感じからしてまだ怒っていると確定した訳じゃ無い。
さっきの言葉だって俺たちの話を断片的に聞いただけで怒ってたとしてもそこまでは怒ってないかもしれない!
「ところでさ遥。今の話、どこまで聞いてた?」
「今の話?」
「い、いや聞いてないなら別に良いんだ」
よし耐えた!どうやら俺はまだ生きる事ができr
「あぁ。シンくんが三輪くんを説得するのに何故か私の歌と加古さんの炒飯を引き合いに出した辺りからかな~」
はい死んだ!それつまり話の内容はほぼ全部聞いてたみたいなもんじゃん!というか最初の発言でもう察しちまってたよ!
というかその時から聞いてたって事は俺が散々コイツの歌声を音痴だったり音響兵器って言ってたところも聞かれてたんじゃ…。
「ち、違うんです”綾辻”さん」
「あれ?どうしたの”古谷”くん。私別に”この前の件”はもう怒ってないよ?それにどうして苗字呼びなのかな」
それはそっちもなのではというツッコミは言える筈もなかった。だってとても言える状況では無いからである。
それにこの前の件はって言ってる時点で現在進行形で別の事に怒ってる事は確定してるじゃん!
ってそうだ。今の俺には誰よりも頼りになる親友兼神である御方がいらっしゃるんだ!
「なあ、助けてくれしゅ…あれ秀次は?」
助けを求めようとした俺だったが、さっきまで目の前に立っていた筈の親友がちょっと後ろの綾辻さんに視線と意識を向けている間に姿が見えなくなっていた。
「三輪くんなら古谷くんに見つからない様に古谷くんが見ているのとは反対側から出て行ったよ」
秀次あの野郎!!!
本格的に巻き込まれる前に逃げやがった!しかも目の前の人間に気づかれない様に逃げるっていうギャグ補正(メタい)をフルに使いやがって!
天使や神に見えていた俺の目はどうやら節穴だったらしい。アイツの招待は悪魔とかそういう類の魔物だったに違いない!
「それより今面白い話してたよね?私のお願いは何でも聞いてくれるんだ」
「い、いえ。アレは、そのですね…」
「それじゃあ”ちょっと”付き合ってもらっちゃおうかな~」
あの、綾辻さん?どうして俺の服の襟を掴んで俺を何処かへ連れて行こうとしてるのでしょうか…。
「あれだけ言われちゃったから、流石に歌の練習はしないといけないなって思ったの」
「そうか。それは、良い事だな…」
「でも私”音痴”みたいだしさ、練習に付き合って指摘してくれる人が必要なんだ」
「付き合ってくれるよね?」
「ひっ⁉」
こ、怖えぇぇぇぇぇっ!
アレ?遥ってこんな邪悪な笑顔なんて出来たっけ?正直今の遥なら素手でトリオン兵倒せそうなんだけど…。
「ま、待ってくれ。実は太刀川さんのレポート手伝ってくれって頼まれてるんだ。だからそろそろ太刀川隊の隊室に戻らないと…」
「そこは大丈夫。出水くんが『古谷の分も今日は引き受けるんで好きなだけ練習に付き合わせてあげてくれ』って言ってたから」
あんの玉バカあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
あの野郎、俺がレポートの手伝いから逃げたってこんなところで仕返しに来るか普通⁉
いや、今アイツの事は後回しだ。何とかしないと俺の命が…!
「ねぇ、古谷くん」
「あっはい」
「歌の練習。付き合ってくれるよね?」
「……はいっ」
あぁ。どうしてだろう。
今目の前で微笑んでいる筈の幼馴染に、悪魔みたいな角や羽が生えてまるで魔王の様に見える。
この後、俺は結局遥に逆らう事が出来ないまま連行され、向かった先のカラオケボックスの中でアイツが好きな曲を1時間以上は聞かされ、アイツが満足に歌えなかったと思った曲はアイツが納得するまで何度も最初から歌い続けていた。
全てが終わった後の俺の顔は、恐らくやっと解放された事に対する安堵や音響兵器を聞き続けた事に対する疲労など様々な感情がグチャグチャになっていた事であろう。
個室から出てきた俺の顔を見た店員さんの驚いた顔がその証拠である。
そしてその後も数週間程、俺は遥の命令に絶対服従するしかなかったのであった。
俺、一応この作品の主人公の筈なのに、どうして第1話始まって早々に命の危機に陥らなければならないのだろう。
それはそれとして秀次と玉バカの野郎は今度絶対ランク戦でポイント根こそぎ奪うまでボコボコにしてやる…。
本作主人公の簡単な設定
名前:古谷新一(ふるやしんいち)
年齢:17歳
性別:男
所属部隊:太刀川隊
ポジション:オールラウンダー
好きな物・人:綾辻、ボーダーの仲間、ランク戦
嫌いな物:太刀川のレポートの手伝い、加古炒飯
怖い人:怒った綾辻
今回はこんなところです。
それではまた次回。