虹を咲かせたい!   作:さかなヒロシ

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今回は早い!


イベント当日

迎えた翌日、前回のイベントよりも規模は大きいけれどみんなライブを楽しんでる。

 

「やっぱ虹ヶ咲はソロの方が良かったんだな」

 

俺の隣でパフォーマンスを見ている冬樹がそう呟いた。今更だが、みんなの楽曲は冬樹が作曲していたようだ。音楽科の生徒に必死に頼み込んで居残りの時間と家で勉強をしていたという。9人分も短期間で作れるならいっそのこと音楽科に編入しろよ。

 

 

 

 

虹ヶ咲の控え室に入るとすでにライブを終えたメンバーは手応えを感じていたようでスッキリした表情をしている。

 

「みんなすげぇ!これ調子なら、決勝は虹ヶ咲が独占できてもおかしくないくらいだ!」

 

「うんうん、前回より手応えがあるよ〜」

 

「私もです!やっぱりグループレッスンがいい刺激になったと思います」

 

「だね〜。あれでみんなお互いの得意なこと教えあえたもんね。彼方ちゃんは愛ちゃんに教えてもらった煽りを今日やってみよ〜っと」

 

「ゼーったいうまく行くから試してみてよ!」

 

彼方さんが愛のように・・・・・・全く想像できないな。まぁ、本人がやりたいなら何も言うことはないか。自分がやりたいことをやるためのソロなんだし。

 

「決勝に行けるのって何位以上だっけ?」

 

「えーっと、確か・・・・・・」

 

「あっ・・・・・・」

 

突然、歩夢が声をあげた。嫌な予感・・・・・・

 

「どうしたの?」

 

「いたたた・・・・・・、足つっちゃったみたい。緊張してるからかな?えへへ・・・・・・う〜、痛い〜」

 

「た、大変!」

 

「歩夢さん、ここ座ってください!」

 

すぐに歩夢を椅子に座らせ、楽な姿勢を取らせる。歩夢の出番は少し先とはいえ、早めに対処しないとパフォーマンスに影響が出る可能性もあるな・・・・・・

 

「どこやったんだ?」

 

「うう・・・・・・、ふくらはぎ」

 

「すぐに伸ばさないとな・・・・・・ちょっと我慢してくれよ」

 

「ひゃっ!?」

 

冬樹が歩夢の靴を脱がし踵に手を添え、つま先を体の方に引き寄せる。歩夢の衣装はスカートなので横に座ってだ。正面からではスカートの中が見えてしまう恐れがあるし、当然と言えば当然だが歩夢の返事を待たずに行うのはアウトではないだろうか。

 

「い・・・・・・ったたた・・・・・・」

 

「もーちょっと我慢ね」

 

「が、頑張れ歩夢〜!毛ガニ折ったら、ケガ治った!だよ〜!」

 

「今ダジャレいう必要ある?」

 

「ぷはっ、あはははっ、愛ちゃん、笑わせないで〜!痛いのに笑っちゃうよ〜!」

 

歩夢情報では冬樹は笑いのレベルが赤ちゃんって言ってたけど歩夢のことに必死で聞いてない、むしろ歩夢の方が笑ってるくらいだ。

 

「あ、張ってたとこが緩まった。たぶん、治ったはず」

 

「え?あ、ほんとだ」

 

「歩夢ちゃん、お水飲んで。足が攣るのは水分不足もあるんだって。あとは冷えとか緊張もよくないから、ジャージ羽織ってたほうがいいね」

 

「これは・・・・・・もしや愛さんのダジャレが歩夢の怪我に効いた!?」

 

「そんなわけないでしょ」

 

「効いてない効いてない、冬樹のおかげよ」

 

「ただ、緊急事態とはいえいきなり女性の身体に触れるのは良くありませんよ」

 

「そうだな。歩夢、ごめんな」

 

「う、うん・・・・・・心配してくれたんだもんね」

 

冬樹に触られたのを思い出したのか歩夢の顔が赤くなっている。

 

「愛ちゃんも、ダジャレのおかげで痛みから気が逸れたかも」

 

「ほら〜歩夢も効いたって!やっぱダジャレは何にでも効果あるな〜!」

 

「「「「「「「「「「あはは!」」」」」」」」」」

 

そんなわけあるか・・・・・・

 

「っと、そろそろ愛の出番みたいだよ」

 

「よっしゃ、いってきます!今のでめっちゃテンション上がったからね!見ててよ〜!」

 

元気よく控え室を飛び出した愛を見送り、一息つく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「決勝進出の発表まだかな・・・・・・」

 

全出場者のパフォーマンスが終わり、決勝進出の結果待ち。

 

「今度こそ、決勝に行きたいわ!」

 

果林さんは俺の方を見ながら言っている、わざわざこっち見る必要ないでしょ・・・・・・。

 

「決勝の舞台は、予選とは、やっぱり違うのかな?」

 

「せつ菜ちゃん、前回決勝に出たあなたはどう感じた?」

 

「そうですね・・・・・・、やっぱり、空気が違う気がします。見てくれているみんなから、すごい期待を感じるんです」

 

「そういうプレッシャーって気にならないもの?」

 

「ならないですよ!ね、しずくさん!」

 

「はい、全然気になりませんよ。背中を押してもらってる感じなんです」

 

「そっか〜。愛さんもそういうステージに立ちたいな!」

 

「かすみんも、衣装ばっちりだし、決勝に出る準備万端ですよ〜!」

 

「みんな!決勝進出者の発表だ!!」

 

 

 

 

 

 

Finalist is...

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「果林(さん)、おめでとう!!」」」」」」」」」」

 

虹ヶ咲で決勝に進めたのは果林さん一人だ。他のみんなも決勝に行けるだけのパフォーマンスはできていたがこればかりは時の運もある。ただ、自分は悔しいはずなのに素直に賞賛できるのはこの同好会のいいところだな。

 

「ほら、秋介からも何か言ってやれよ!」

 

「肝心の決勝が残ってるのにまだ早いでしょ」

 

スクフェスのメインステージに立つには優勝するしかない、ここはまだ通過点。

 

「そうね、この勢いのまま優勝してみせるわ。だから私のこと、ちゃんと見ててね」

 

「はい」

 

果林さんは決勝の準備のために控え室を出ていく。俺もそれに続くようにある場所に向かうことにしたが冬樹に呼び止められた。

 

「どこ行くんだ?」

 

「ここにいてももう仕事はないから、どうせなら一番ステージが見えるとこ」

 

そう言い残して控え室を後にする。関係者入り口を抜け客席の最後尾に並び、決勝のステージを眺める。こうやって誰かのステージを客席から見るのは初めてだ。前列しか見えないと思っていたけど後ろの方でも結構ステージが見える。何組かした後、ついに果林さんの出番になった。

 

『みんなのこと、私の虜にしてあげるわ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日の宣言通り、果林さんは見事に優勝してみせた。

 

「オレたちの優勝だー!」

 

 「「「「「「「「「やったー!」」」」」」」」」

 

「これでスクフェスのメインステージの資格を得たわけだ。ここは素直におめでとう、って言う他ないね」

 

みんな思い思いに喜びを共有している。その様子を眺めていると

 

「初めて客席から見て感想はあるか?」

 

「凄く・・・・・・いや、これは本人に直接言わないと意味ないな」

 

「それもそうだ」

 

「みんな嬉しそうで何よりってことで、着替えとかもあるだろうし俺たちは先に出て待とうか」

 

「ああ、みんな!オレたちは先に外で待ってるから喜ぶのは程々に帰る準備しろよー」

 

「「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

イベントの間は気にならないけど終わった途端に疲労が体にのしかかるのは何でだろうな・・・・・・。ただ見てるだけだった俺でさえそう感じてるんだからみんなはもっと疲れてるはずなのに、帰り道でも笑顔が絶えなかった。それほどまでに、優勝してスクフェスのメインステージに立てることが嬉しいって事なんだろうな。

 

「なんか嬉しそうね」

 

虹ヶ咲の寮を通り過ぎてるのに俺に着いてきた果林さん。エマさんは寮に戻ってるから二人きりだ。

 

「それはこっちのセリフですよ。優勝した気分はどうですか?」

 

「もちろん嬉しいわ。私のライブ、どうだった?」

 

「どうって、良かったと思いますよ。練習したことがしっかりできてたんですから」

 

「私が聞きたいのはそういうことじゃないってわかって言ってるでしょ」

 

「・・・・・・果林さんから目が離せなかったです。レッスンで何回も見たパフォーマンスなのに、全然違って見えて・・・・・・客席からの声援を受けた果林さんが楽しそうにしてるのが伝わってきて、凄く熱くなりました。これからも今日みたいな熱を感じたい、この熱を冷ましたくないって、そう思ったんです。それくらい、良いライブでした」

 

「秋介がそう言ってくれたのなら、頑張った甲斐があるわね」

 

感想は言うつもりだったけど、思ったより恥ずかしいこと言っちまったな・・・・・・まぁ、たまにはいいか。

 

「ところで・・・・・・」

 

「今度は何ですか?」

 

「秋介からの挑戦状についてなんだけど」

 

「ああ、昨日の・・・・・・それがどうしました?」

 

「優勝したわけだし、何かご褒美があってもいいと思わない?」

 

「全く思いませんね。そもそも、俺が果林さんに興味あるかないかって話だったはずですよ」

 

「あら、さっき『私から目が離せなかった』って言ってわよね?」

 

「それとこれとは話が違うというか」

 

「だったらみんなに判断してもらう?」

 

「それだけは勘弁してください!俺を殺す気ですか!?」

 

「なら・・・・・・」

 

「わかりました!・・・・・・はぁ、言っておきますけど無理なものは無理って言いますからね」

 

「そんなに変なこと言わないから安心して」

 

本当かなぁ・・・・・・

 

「私と動物園に行きましょ」

 

「動物園?なんでまた・・・・・・ああ、パンダか」

 

初めて会った日が結局行けなかったもんな。

 

「そういうこと。明日は休みだしちょうど良いと思って」

 

「明日は休んでください。。今だって、気付いてないだけで疲れは確実にありますよ」

 

「え〜」

 

正論で返されたからって拗ねるのはやめてもらいたい。

 

「しっかり休んで、その後なら一日付き合いますから」

 

「本当に!?」

 

「ここで嘘言ってどうするんですか・・・・・・はい、この話は終わりにして帰りますよ」

 

「ええ、秋介とのデートのために早く帰って体を休めなきゃ」

 

「デートって、定義で言えば間違ってないですけどそんな大層なものじゃないですよ」

 

「どう思うかは自由でしょ?私はそのつもりでいるってことよ」

 

「デートらしいことなんてする気はないですからね。変な噂が立つのも面倒だし」

 

「わかってるわよ」

 

「寮まで送って行きますよ」

 

「来た道を戻る事になるけどいいの?」

 

「迷子になられても困りますし」

 

「それ、どう言う意味かしら?」

 

「深い意味はありませんよ」

 

果林さんからの文句を聞き流しながら寮に送り届け、家路についた。




Aqoursとμ'sのとこどうしようかな・・・・・・
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