虹を咲かせたい!   作:さかなヒロシ

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お待たせしました。ちまちま更新・・・・・・忘れてないよ


9番勝負2

一回戦の大食い対決をエマさんの勝利で納め、食事を済ませた俺たちが連れてこられたのはゲームセンター。その一角を占拠する筐体の前にいる。

 

「スクールアイドル9番勝負!2回戦はダンス対決よ!」

 

「今度はスクールアイドルにぴったりの内容だね」

 

「普通こっちを先にやるべきだと思うんだがなぁ・・・・・・」

 

冬樹も同じことを思ったのか、口に出していた。

 

「もしかして・・・・・・ダンスゲームで対決するんですか?」

 

「その通り♪より高い特典をとった方が勝ちよ」

 

「μ'sからは絵里が出るわ。あなたたちはどうする?」

 

絢瀬絵里さん、昔バレエをやってたんだっけ。音ゲーとは勝手が違うかもしれないけど得意分野なのかもしれない。同好会からは誰が出るべきか・・・・・・

 

「秋介は誰が良いと思う?」

 

「さぁ?今回も立候補でいいんじゃない」

 

「なら私に任せてもらえるかしら?ダンスゲームなら結構自信あるの」

 

「そうか、今回は果林に任せる!」

 

果林さんが出るのか・・・・・・てっきりせつ菜が出たがると思ったんだが違ったようだ。今後衣装系の対決があるかもしれない中で読者モデルの彼女が出れないのは痛手になるかもな。

 

「今日は楽しみましょうね、果林♪」

 

「ええ。よろしくね、絵里ちゃん♪」

 

「あら?どんどんオーディエンスが集まってきてるわね」

 

にこさんのいう通り、俺たちの周りには多くの見物人で賑わっている。対決とか大きい声で言ってりゃ、人も集まってくるか。

 

「ホントだ!楽しそうなことしてる、って思ってくれたのかなあ♪」

 

「そうだ!せっかくだから、ゲームの点数だけじゃなくて、見てくれる人たちにも判定をお願いしてみない?」

 

「いいアイディア!楽しい勝負になりそうだね〜っ」

 

愛はこういったことが好きだからか、自分が勝負をするわけでもないのにノリノリだ。採点方法としてはパフォーマンス後の拍手の大きさで決めるらしい。詳しい原理はよくわからないけど大きい音が出る叩き方で多少の人数差は誤魔化せるんじゃないかと思う・・・・・・いや、真剣勝負にそれは無粋か。

 

「まずは果林、あなたからパフォーマンスしてちょうだい♪」

 

「言われなくても分かってるわ♪絵里ちゃんも素敵だけど、私のダンスはセクシーさがウリなの。ギャラリーを魅了してみせるわ」

 

お金を投入し、果林さんのパフォーマンスが始まった。こういったゲームをやるイメージはなかったけど比較的ミスなく点数を伸ばしているし、集中力も切れてない。そのまま最後のポーズまで見事踊りきった。

 

 

 

 

「ふう・・・・・・どうだったかしら?」

 

「すごい点数!96点だって!」

 

「すごいじゃない!完璧だったわね」

 

「ふふ、絵里ちゃんのダンスも楽しみにしてるわよ♪」

 

「ええ、それじゃあ、はじめるわね!」

 

「これだけ取れればこの勝負も勝てる!秋介もそう思うよな」

 

冬樹が果林さんの勝ちを確信しているように話しかけてくる。確かに点数だけ見れば負けることはないだろうけど・・・・・・

 

「いや、果林さんには申し訳ないけど勝ち目は薄いんじゃないかな。俺の考えが正しければ、絵里さんは果林さんになかったものを見せてくれるはずだ」

 

絵里さんのパフォーマンスが始まった。バレエをしていた経験からか、軽やかなステップで順調に点数を重ねている。それだけじゃない・・・・・・

 

「笑顔が・・・・・・素敵ね」

 

そう、果林さんは点数を取ることだけに意識が向いていたけど、絵里さんはオーディエンスも楽しませるように踊っており。見物人も果林さんの時より楽しそうに見ている。

 

 

 

 

 

「みんな、どうもありがとう!」

 

「絵里さんのダンス楽しかったね・・・・・・!」

 

「そうだな・・・・・・」

 

歩夢の言葉に冬樹は少し悔しそうに返している。

 

「もうすぐ結果が出るよ〜・・・・・・わ〜っ、絵里ちゃんも96点だ!」

 

「へぇ、同点なのか。ということは・・・・・・」

 

「オーディエンスの判定が残ってるわ。これで最終判定といこうじゃないっ」

 

「じゃあ判定してもらおっか。カリンのパフォーマンスがよかったと思う人、はくしゅ〜っ!」

 

愛の声に返事をするようにパチパチと拍手をしてくれている人も多い。絵里さんのを見た後でこれだけもらえれば悪くない結果ではあるのだろう。

 

「まぁ・・・・・・こんなものかしら?」

 

本人も自覚があるのか、想像通りといった反応をしている。

 

「では、次ですね。絵里のパフォーマンスがよかったと思う人は拍手をお願いします!」

 

パチパチ!ピュー!

 

「すっげぇな・・・・・・」

 

果林さんの時とは比べ物にならないほど大きな拍手、中には指笛を鳴らす人もいる。

 

「まぁ・・・・・・ビックリだわ。すごい拍手をありがとう!」

 

「拍手の量は圧倒的・・・・・・みんな、正直なのね」

 

「この勝負、私たちがいただいたわ♪」

 

絵里さんの勝利によって一勝一敗、振り出しに戻ったか。

 

「果林ちゃんのダンスもすごくよかったんだけどね。惜しかったなぁ」

 

「あはは・・・・・・ありがと。もうちょっといい勝負になるんじゃないかと思ったんだけどね」

 

エマさんの労いの言葉に対してなんともいえない表情で答える果林さん、そのまま絵里さんの方に顔を向き直し、

 

「絵里ちゃん、どうもありがとう。間近でパフォーマンスを見ることが出来て、すごく嬉しかったわ」

 

「こちらこそ♪これから、私たちいいライバルになりそうね」

 

互いに勝負のお礼を口にした。

 

「次の勝負はどこでやるんだ?」

 

確かに、勝負が終わったのにいつまでもこの場に留まるわけにもいかない。さっさと移動しないと迷惑になるな。

 

「ごめん、私ちょっとやることあるから、みんな先に行ってて」

 

・・・・・・はぁ。負けず嫌いってのは難儀な性格だ。

 

「でも・・・・・・」

 

負けた後だし心配なのはわかるが察しろバカ。

 

「・・・・・・ほら、いこいこ。彼方ちゃんが連れて行ってあげるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・自信、あったんだけどな。ギャラリーの支持がもらえないなら・・・・・・せめて、点数だけでも上を目指したい。もっと、モッっと頑張らなくちゃ」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「3回戦はカラオケでボーカル対決よ♪」

 

ボーカル対決か。これもスクールアイドルらしい内容だな。それより・・・・・・

 

「わざわざ音ノ木坂(ここ)に戻ってこなくてもカラオケに直行すればよかったんじゃないか?」

 

冬樹が俺も疑問に思っていたことを聞いてくれた。

 

「・・・・・・まぁいいじゃない!」

 

適当だな・・・・・・。まぁエアコン効いてて涼しいからいいか。

 

「そろそろみんなもかすみんの歌を聴きたくなってきた頃じゃないですかぁ?ここはかすみんの出番で決まり━━」

 

「あの・・・・・・私、出てもいいでしょうか?」

 

かすみの声を遮って立候補したしずく。

 

「えーっ!どうして?」

 

「ずっと歌で表現することに力を入れてきたから、ここで成果を出せたらと思って」

 

「しずくちゃん、最近どんどん歌が上手になってきた。すごいと思う。璃奈ちゃんボード『むんっ』」

 

璃奈の言う通り、ここ最近のしずくの成長は凄まじいものだと言える。

 

「まぁ、かすみがいいって言うんならいいんじゃないか?元々俺たちが決めることでもないしね」

 

「だな、9番勝負自体みんなが主役だ。どうしてもって時以外はみんなの意見を尊重する」

 

「仕方ない、今回はしず子に譲ってあげるよ♪」

 

「かすみさん、ありがとう!私、頑張るねっ」

 

かすみが譲ってくれたのでボーカル対決はしずくが出ることになった。対するμ'sはというと・・・・・・

 

「私ですか!?心の準備が・・・・・・それに、弓道対決とかに出た方がいいではありませんか?」

 

海未さんが何かμ'sのみんなに懇願するような口ぶりで断り続けている。μ'sにもこういう人がいるなんて意外だな。ただ、ステージに立っている時とプライベートで全く違う姿なんてのはよくある話だ。

 

「とはいえ、一体どうしたものか・・・・・・」

 

「順番とか変えるか?」

 

「ふふ、心配かけてごめんね。でも、海未ちゃんは大丈夫だから」

 

ことりさんは笑顔でそう言うが本当に大丈夫なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、海未ちゃん行こう♪この勝負は海未ちゃんとしずくちゃんが主役なんだから」

 

「ああっ、引っ張らないでください〜っ」

 

カラオケルームに入ってからも海未さんの調子は変わらなかった。むしろ悪化してるようにも見えるんだが・・・・・・。

 

「あらら・・・・・・海未ちゃん、、大丈夫〜?」

 

だが俺たちの心配は杞憂であった。

 

 

 

 

 

 

「♪〜」

 

楽曲が流れいざ歌い始めるとさっきまでの弱気はどこへ行ったのか、堂々たる歌いっぷりを見せている。本人は気づいてないかもしれないが曲に合わせて体がリズムに合わせて動いている。肝心の歌唱力もトップクラスのスクールアイドルだけあって抜群の安定感だ。

 

「ね、大丈夫って言ったでしょ」

 

「さっきまでとはまるで別人に見えるな」

 

「海未ちゃんは一度スイッチが入れば、もう海未ちゃんの世界に入っていけるんだよ」

 

 

「いぇーい♪」

 

 

 

そして曲が終わり採点画面に移り変わる。

 

「わっ、92点!ちょ〜高得点ですよ〜っ」

 

「ありがとうございます!」

 

普段から歌の練習をしているとはいえ、90点の壁を超えているのは流石と言える。

 

「次はしずくちゃんだね、頑張って♪」

 

「なんだか私が緊張してきた。璃奈ちゃんボード『ドキドキ』」

 

「しずくちゃんは役者さんとしてもスクールアイドルとしても努力を重ねてきたんだもん、絶対大丈夫だよ〜」

 

「うんうん!しずくくらいの役者なら、歌手になりきって歌えるんじゃない?」

 

「そう言うのってオペラとかの方がやってそうなイメージあるけど舞台役者もできるものなのか?」

 

「もしかしたら、出来るかも」

 

「すごい!ここで勝てたら第チャンスだね」

 

「でも、役になりきるお芝居と、自分の個性を表現するスクールアイドルは別物だと思ってて・・・・・・もちろんそれぞれ役に立つこと¥はあるけど・・・・・・でも、今日は歌手になるんじゃなくて、私の歌を歌いたいって思ってるんです。でも、それでも勝ちたい・・・・・・なんて、わがまますぎるでしょうか」

 

「そんなのわがままのうちに入らない、しずくがやりたいって思ったのならオレは全力で応援するだけだ」

 

「冬樹先輩・・・・・・ありがとうございます♪じゃあ・・・・・・歌います!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負けちゃいました」

 

しずくの結果は84点、普通に良い点数ではあるが海未さんとは少し点差がついてしまっている。

 

「もっと正確に歌わないと点数は上がらないですね、ごめんなさい」

 

「ううん!しず子の歌、すーーーっごくよかったから特別に許してあげるっ」

 

「元々しずくの表現方法は役者に近いものがあるし、カラオケの採点では判断が難しかったってことだろうな」

 

「点数上では私が勝っていましたが・・・・・・私はあなたの歌、とても好きですよ」

 

「しずくちゃんの歌ってすごいんだね!感情がそのまま歌声にのってくる感じがしたよ」

 

「心をこめて歌うこと、スクールアイドルにとって、一番大切なことよね」

 

「ありがとうございます・・・・・・嬉しいです!」

 

μ'sのみんなからも大絶賛を受けて、勝負には負けてしまったが、しずくはスッキリした表情をしている。俺も彼女にしか表現できない歌だったと思うしこれからもっと成長するだろう。

 

「確かにしずくの歌は心がこもっててよかったけど・・・・・・勝負は勝負!海未の勝ちよっ」

 

「二人とも、とっても素敵な歌だったね♪」

 

「・・・・・・これでμ'sが2勝、虹ヶ咲が1勝ね」

 

「いい勝負で楽しいなあっ♪やっぱりやってみてよかったぁ!」

 

3戦行ってきりがいい、と今日の勝負はひとまず終わりということで解散となり虹ヶ咲に戻ることとなった。




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