虹を咲かせたい!   作:さかなヒロシ

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夏なのに鼻水ツライ・・・


一勝負を終えて

初日の勝負が終わり、俺たちは部室に戻ってきた。帰り道は負け越したことで暗くなると思ったけどそんなことはなく、むしろμ'sの凄かったところについて盛り上がっていた。

 

「残りの勝負は来週なんだよね」

 

「ああ、ひとまずエマ、果林、しずくの3人はお疲れ」

 

「もしかして、もしかすると私たちならμ'sに勝てるかなって思ったんですけど、μ'sはさすがですね〜」

 

「それでもエマさんは勝っちゃったからすごいね」

 

「あはは。花陽ちゃんのごはん戦法があったからこそ勝てたんだけどね」

 

「どんな勝ち方であれこの1勝は同好会にとって大きいですよ。十分に逆転できる可能性が残ってるんですから」

 

今後の勝負の内容がまだ明かされていない以上、一つでも勝ち星はあった方が気持ちの面でも楽になれるはずだ。まぁ、勝負内容が全てにこさんによって決められてる時点で公平性のかけらもないとは思うが今更だろう。

 

「大食い対決なんてスクールアイドルとは関係ないと思ってたけど、なかなかいい勝負になるもんだね〜」

 

「よし、これから虹ヶ咲は大食いで頂点をめざそう〜っ」

 

「めざしませんっ!」

 

彼方さんの発言は冗談だと思うがせつ菜は根が真面目だからか食いつくように否定した。

 

「目指すのは勝手だが自己責任だからな。体重が増えてもオレと秋介に泣きつくなよー」

 

「だからめざしませんって!冬樹さんも乗っからないでください!」

 

冬樹の言葉はもちろん冗談だがせつ菜って意外と真に受けやすいタイプだったのか・・・・・・

 

「せつ菜、揶揄われてることに気付きな」

 

「へ?」

 

俺に言われてようやく状況を理解したようで、勢いよく冬樹の方に体を向きなおし詰め寄っていった。

 

「冬樹さん私のこと揶揄ってたんですか!?」

 

「そんなことするわけないだろ?せつ菜はオレがそういうやつに見えるのか?今まで一緒にやってきたのにショックだな・・・・・・」

 

「そういうつもりじゃ・・・・・・」

 

「・・・・・・ククッ、ハハハ!」

 

「冬樹さん?・・・・・・まさか!また私を揶揄いましたね!?」

 

「せつ菜の反応があまりにも面白くて、ごめんな」

 

そう言ってせつ菜の頭に手を乗せ撫で始める。せつ菜も顔を赤くはしているが満更でもない表情をしている。ラブコメは他所でやってくれ。

 

「・・・・・・あの二人は無視して話続けるぞー」

 

「そうしよっか〜」

 

「ダンス対決は見応えたっぷりでしたね」

 

「絵里ちゃんのダンスが忘れられないわ・・・・・・完成度だけじゃなくて、見ている人たちを盛り上げるパフォーマンス」

 

「果林ちゃんのダンスもすごくよかったよ!点数は絵里ちゃんと一緒だったもんね」

 

「ふふ、ギャラリーはそういう反応じゃなかったけどね・・・・・・ありがと、エマ」

 

「そういえば・・・・・・秋介先輩、絵里さんの方に拍手してましたよね?」

 

ふと思い出したようにしずくが俺に聞いてきた。

 

「えー!?なんでですか!」

 

「画面とにらめっこしてた果林さんより、ギャラリーに見てもらえるようなパフォーマンスをしてた絵里さんに称賛を送るのは普通でしょ。俺は公正に判断をしているだけ、贔屓してもらって得るものにその先の価値はない。それに・・・・・・」

 

情けで拍手をされるのを果林さんは望んでない。

 

「・・・・・・いや、なんでもない」

 

これは他人に言う話でもないな。

 

「私は海未先輩としず子のボーカル対決が暑くてよかったなあっ」

 

「勝てたらもっとよかったんだけど・・・・・・でも、楽しかったね」

 

「海未さんはあんなにノリノリで歌ってたのに、終わった途端に恥ずかしがってた、不思議」

 

「本人の中で何かしらスイッチみたいなのがあるんだろう。せつ菜みたいにな」

 

二人の時間は終わったのか冬樹が会話に入ってきた。せつ菜の方にも視線を写すが、彼女はどこかをボーッと見つめているだけだ。この調子じゃ会話に戻ってくるのは無理そうだな。

 

「とにかく、残りの勝負を頑張るしかない」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「歩夢?どうかしたか?」

 

「やっぱりスクールアイドルとしてμ'sはホントにすごいなあって思っちゃう」

 

「ええ、μ'sはたくさんステージをやって経験が豊富だから・・・・・・その差が大きいのかもしれないわね」

 

「うちらも善戦に次ぐ善戦って感じだったし、まだまだいけるっしょ!」

 

「そうだ、今後の勝負でもチャンスがないわけじゃない」

 

エマさんは勝ち星をあげ、果林さんは点数勝負だけなら引き分けてる。しずくに関しても、カラオケの特性上点数に差があるがそこまで悲観するようなものでもない。

 

「出来れば勝ち越したいけど・・・・・・勝負できること自体、すごいことなのよね」

 

「うん、一緒に戦えるだけで嬉しい」

 

「・・・・・・みんな、聞いてくれ。確かにμ'sは凄く存在だし、勝負することができただけでも幸運なことだと思う。もしかしたら勝てるかも、なんて甘い考えもあった。経験は少なくても、それぞれがなりたいスクールアイドルを目指して毎日練習してるのを知ってるから。無謀だと思うかもしれない。それでも。少しでも可能性があるのなら、オレは勝ちたい!」

 

「そうだよね・・・・・・!やるからには、私も勝ちたいっ」

 

「私もそう思います!」

 

「そう来なくっちゃ♪」

 

冬樹の勝負にかける想い。俺には無い人の心を動かす熱意は暗い空気を塗り替えみんなに伝わっていく。

 

「秋介くんからも一言欲しいな」

 

「エマさん、俺はいいですよ」

 

「そんなこと言わずに、ほらほら〜」

 

彼方さんにも促されるように言われ、他のみんなも俺に注目をしている。

 

「俺は正直勝敗には興味ない。元々こっちが不利な条件でやってるわけだしね。それでも勝ちたいって言うなら俺はそれに従うだけ」

 

「お前なぁ、もうちょっと何かないのかよ・・・・・・」

 

「そうですよ〜っ、もっとかすみんが頑張れるようなのないんですか〜?」

 

「秋介さんらしいともいえますね」

 

「確かに」

 

俺に対する変な理解はあるけど特に間違ってないし別にいいか。

 

「次の勝負は一週間後よね?だったら、特訓しましょうよ♪」

 

「仕方ないですね〜っ、かすみんがみんなの代わりに大勝利をおさめてあげますよっ♡」

 

「やってみる。璃奈ちゃんボード『むんっ』」

 

「当たってくだけろ〜っ」

 

「オレたちは挑戦者なんだ、μ'sの胸を借りるつもりで全力でやろうぜ!」

 

「そうと決まれば、さっそく何を練習するか考えなくっちゃ!」

 

「はいっ!」

 

そのままμ'sとの次なる勝負に向けて特訓内容を話し合った。とりあえずみんなやる気になったようで何よりと言うべきかな。この後の勝負が一体どんなものになるかははっきり言って読めないが、今のみんなならなんとかなるだろう。




ちょっと短いけど投稿スパンを開けすぎないことが大事
次も頑張る
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