果林さんから謎の宣言があったものの、特別なことは無く一ヶ月後、ついにイベント当日になった。
「あああ、もう少しで出番が来ちゃう・・・・・・」
「璃奈ちゃんボード『ドキドキ・・・・・・』」
わかっていたこととはいえ、やっぱり緊張してるな。そんな中でもしずく、愛、彼方さんの3人はいつもと変わらないように見える。ちなみに璃奈のボード問題はヘッドセットみたいな物を自分で作っていた。フェイス部分はモニターになっており、リアルタイムで表情が変化する優れものだ。
「あれ?果林ちゃん、靴が左右逆になってるよ?」
「え!?」
エマさんに言われて初めて自分の靴が逆になっていることに気づいた果林さん。違和感とか感じなかったのかな?
「まったく・・・・・・みんな緊張しすぎだ。今からそんなになってたらステージに立った時どうすんだ?」
「うう・・・・・・そう言われても・・・・・・」
「そうです!二人はステージに立たないから言えるんですよ!」
「はいはい、そうですよー。はっきり言って俺たちは見てるだけだからな」
「こうは言ってるが秋介は心配なんだよな?」
「そりゃあ、失敗して最悪のデビューになるかもしれないからな」
「え?」
「そんなこと考えてたんですか!?」
「嘘に決まってるでしょ。みんな普段からレッスンを頑張ってんだから、それが出せたら良いライブになるはずだよ」
毎日夜遅くまで残ってたのは俺が一番知ってる。互いに切磋琢磨しながら少しずつ、確実に成長していったのは素人でも感じることができた。
「シュウ性格わるーい!」
「ククっ、全くだ。けどみんな表情が柔らかくなってるぜ」
「あれ、本当だ・・・・・・」
「だからって・・・・・・こっちは本気で焦ったんだから」
「最後に気合入れるために円陣でもやるか!」
冬樹の呼びかけにみんなで頷き円になる。
「オレはみんななら最高のライブができるって信じてる。自分の力を信じてステージを楽しんで来い!」
「俺は・・・・・・さっき言ったからいいか」
「「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!いくぞー!」
「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」
「しずく、せつ菜、おめでとう!!」
「同好会初の出場イベントでいきなり8位入賞なんてすごいよ〜!!二人ともおめ〜!!」
愛が言った通り、しずくとせつ菜が入賞することができた。ブランクがあったとはいえ元々スクールアイドルとして活躍してたせつ菜はともかく、しずくも入賞できたのは正直予想できてなかった。
「ほんと!2人のステージすごかったよ!」
「うんうん、魅せ方の方向性は全然違うのに、どっちも感動しちゃったよ〜!」
「しずくちゃん、ほんと武者修行大成功だったんだね〜。まさかあんな演出があるとは彼方ちゃん思わなかった〜」
「結果が出てなかったら何のための武者修行かわからなくなるところだったけどな」
「冬樹、それは言っちゃダメじゃないか?」
ほら、しずくが少し申し訳ない表情してるじゃないか。せっかくの喜びを無くしてどうするんだ。
「璃奈ちゃんボード『じ〜ん』」
「ま、自分が入賞できなかったのは悔しいけどね」
「むうぅ・・・・・・次は絶対かすみんも上位に食い込んでやるんですからね!首洗って待っ・・・・・・じゃなくて、覚悟しておいてくださいねっ!」
「そうだそうだ、ハングリー精神を持ってこれから活動すればすぐに追いつけるさ」
「みなさん、ありがとうございます。今回は私たちが賞をいただきましたけど、これはみんなで勝ち取ったものだと思ってます」
「ええ、そして・・・・・・、なにもかも、同好会を再始動させてくれた冬樹さん、秋介さんのおかげです」
「・・・・・・いや、俺はただ冬樹に付き合ってただけで大層なことはしてないよ」
「それに、同好会の再始動っていうならかすみのおかげだな」
「私ですか?」
「あぁ、部室を守ってくれてたおかげでオレたちはこうして集まれたんだしな。初めてステージに立った感想はあるか?」
「そ、そ、そんなのサイコーでしたよぉ!かすみん、ずっと憧れてたんですから〜!」
「声裏返ってるよ?風邪かな?キャンディいる?」
「いら・・・・・・いります!!」
「締まらないなぁ・・・・・・」
「「「「「「「「「あははは!」」」」」」」」」
こうして、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のデビューは幕を閉じた。
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初イベントが終わった休み明け。
「いや〜、とりあえずイベント終わって、ひと息つける感じかな〜」
「イベントに向けてみんな頑張ってきたもんね。次に向けての研究とかしてみる?」
「今日くらいはゆっくりしてもいいんじゃない?一度疲労を回復する時間もいるだろうし」
「悪いがそんな暇はないぞ。次のイベントを探してきた。これを見てくれ!」
「どれどれ・・・・・・ええーっ!?みんなココ見て!スクールアイドルフェスティバルのメインステージの出場枠が貰えるんだって!」
スクフェスのメインステージ・・・・・・μ'sとAqoursは出場が決まってるって言ってたところか。意外に早くチャンスが来たな・・・・・・
「スクールアイドルフェスティバルのメインステージといえば、出場するのはトップクラスのスクールアイドルばかりですよ!」
「で、でも、結構すごい人たちがエントリーしてくるんじゃないですか?」
「だろうな」
「璃奈ちゃんボード『くらくら』」
「このあいだのステージだって、あんなに緊張したのに・・・・・・」
「相当レベルが高いってことよね・・・・・・。さすがに、今の私たちが出てどうこうなる・・・・・・ってのは、難しいんじゃない?」
「そんなことねぇよ!この前のイベントでもみんなすげぇライブしてたし!」
「自分がライブしてる時お客さんのことちゃんと見えてた?」
「じ、実はあんまり・・・・・・」
「私も・・・・・・、途中から自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃって・・・・・・」
「スクールアイドルなんだからちゃんと客席意識してパフォーマンスしないと。みんな楽しそうにしてたよ」
「どうせいつかは大きな大会に出るんだ、弱気になってたらいつまで経っても出れないぞ。挑戦しなきゃ始まらないだろ?」
「挑戦・・・・・・。うん、そうだね。やってみたら楽しいことって多いし」
「うーん、君がそう言うならなぁ・・・・・・」
「挑戦、してみましょうか」
「しましょう!なんたって、私たちの部長の提案ですし!」
・・・・・・なんか、この流れは良くない気がするな。
「みんな覚悟はいい〜?」
「璃奈ちゃんボードのバージョンアップ、しなきゃ・・・・・・」
「彼方ちゃん、さらに効率的なお昼寝を考案して、練習時間にあてるぞ〜!」
「よし、メインステージ目指して、頑張っていこー!」
「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」
「・・・・・・っていっても、やっぱり全国の強豪と競い合うんだから、なにか特別な作戦を立てたほうがいいよね」
「私もそう思うわ。でも、どうしたら・・・・・・。一人一人の技術を磨くのは当然として、それ以上ってことよね?」
「そのことなんだが・・・・・・一つ案がある」
「案?」
「なあに?」
「次の大会はグループでやってみないか?」
「は?グループ?冬樹、お前自分で何いってんのかわかってんのか?」
この同好会はソロでやるって決めただろ・・・・・・
「え!?でも、私たち、それぞれ個性を活かしてソロで頑張るって話じゃなかった?」
「グループは・・・・・・不安です」
「かすみんも・・・・・・今のままがいいかなって・・・・・・」
やっぱり、この2人はそう思って当然だな。前の同好会のトラウマが今も残ってるんだろう。
「あ、別にソロをやめるわけじゃなくてだな・・・・・・一時的に組んでみようぜってだけだ。この同好会もμ'sとAqoursみたいなライブができれば可能性があるんじゃないかってこと。それに隣に仲間がいるって思えば緊張とか不安も和らぐだろ?」
「か、かすみん別に不安とかなかったですけどぉ〜」
「うそだ〜。最初だけちょっと声震えてたもん」
「し、しず子〜!」
かすみの強がり、一瞬で看破される。
「・・・・・・グループか・・・・・・。もともと同好会にいたみんなは、やっぱちょっとは抵抗、あるよね。でも、彼方ちゃん、今なら平気かなって思う」
「うん、もう一度、やってみようか。もう前とは違うし」
「でも・・・・・・!」
「大丈夫だ!お前なら同じ轍は踏まないだろう。もちろん、他のみんなもな」
「私、また暴走しちゃうかもしれないですし・・・・・・」
「前に言ったろ?オレがいる、だから心配するな!」
「諦めた方がいいわね、せつ菜。うちの部長は結構頑固よ。もう1人は・・・・・・」
「なんですか」
「・・・・・・いいえ、何でもないわ。秋介はどう思ってるの?」
どう思ってるか・・・・・・
「うまくいかないと思うけどなぁ」
「何か言ったかしら?」
「いや・・・・・・別にどっちでも、実際にやるみんなが決めたらいいんじゃないですか?」
「・・・・・・そうね」
「グループも、いいかも。冬樹さんがスクールアイドルのトリコになっちゃた秘密が、わかるかも」
「むぅ・・・・・・仕方ないですねぇ〜。グループだとしても、かすみん、センター譲りませんよ!」
「まだイベントまで時間があるもんね。いまから頑張れば間に合うよ!」
「そうですね。新しい挑戦、してみましょう!」
「みんなありがとな!グループとしての虹ヶ咲の可能性を見つけようぜ!」
「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」
この後どうなるのやら・・・・・・
次の次くらいで2章が終わるかな?