真木姉弟にはご用心   作:リゼロッテ

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11話 防衛任務は仲良くやりたい

 

 防衛任務。それはボーダーがボーダーであるために必要不可欠な仕事だ。ランク戦とか遠征とかで惑わされがちだが、防衛こそボーダーの基本業務で最重要任務である。

 

 なので隊には所属せず防衛任務のみを請け負うB級のソロ隊員も存在する。防衛任務はB級以上の正隊員しか参加出来ない。そしてここで狩ったトリオン兵の数に応じて出来高で報酬が支払われるのだ。

 

 防衛任務はある程度のローテーションで組むことになる。なので東西南北で担当が違うし、近いなら合同で任務に当たることも多い。

 

 今日の夜は合同での防衛任務、東と南側を担当する。なので所定の時間に俺たち冬島隊は待機していた、していたのだが。

 

「──遅い、時間も守れないとはとことん見下げた奴らだな。」

 

「まあまあ真木ちゃん、まだ交代の時間過ぎた訳じゃないんだし。」

 

「甘やかすな当真。合同で任務に当たるんだ。詰めるべき点、確認しておく点があるという考えに至らないのか。」

 

「──すいません真木先輩。」

「染井が謝ることじゃない。悪いのは遅れてる馬鹿共だ。」

 

 今日は香取隊と合同任務なのだが、香取隊が遅刻しているらしい。理佐は数分前行動を徹底するタイプで時間にはかなり厳しい。別に時間とか関係なく厳しいやつだが、遅刻は最も避けなければならない案件だ。

 

 というかよりによって香取隊かよ。この間のランク戦実況以来、どうにも敵意の目を向けられるんだよなぁ、主に香取に。

 

 理佐は相手にもしないし、俺は面倒だからのらりくらりと躱している。とはいえ不仲だから同村拒否とかアホらしいから上には言わない。そもそもそっちがやたらと敵意向けてくるだけでこっちには然したる敵意はない。

 

「お前がウダウダやってたから遅れただろうが!今日は冬島隊と合同──」

 

 任務用の待機室に既に揃っている冬島隊の面々にこちらを明らかに睨み付けている真木理佐、控えめに言って帰りたくなるような空気が若村を襲った。

 

「開口一番それか。遅れておいて良い度胸だな?」

 

「ま、真木……!」

「──なによ、別に時間過ぎた訳じゃないでしょ?」

 

「初顔合わせの合同任務で事前の打ち合わせがあるだろうと考えられないらしいなコイツは。」

 

「なんですって!?」

「ま、まあ二人共落ち着けって。」

 

初っ端からこれかよ、先が思いやられるぜ。

 

「どうでも良いが、交代の連中が帰って来るまで後1分だぞ。引き継ぎしようぜ。」

 

「──そうだな、こんな馬鹿共に付き合っている時間が惜しい。」

 

「さっきから聞いてりゃ何なのよあんた!」

「葉子ちゃんストップストップ!」

 

 

 

「──交代の時間だが、なんだ言い争いか?今から防衛任務だ、切り替えろ。」

 

「すみません風間さん。もう終わってます、防衛任務お疲れ様でした。」

 

「こっちは終わってないわよ!」

 

交代で風間隊が帰って来た。そっか、俺たちの前の任務は風間隊か。てことは菊地原と三上さんが居るのか。

 

「弱い奴ほどよく吠えるって言うよね。」

「おい菊地原!すまん香取、悪気はないんだ。」

「歌川、吠えたのを香取と断定してる時点でフォローになってないぞ。」

 

 若村か三浦かもしれないだろが。え?理佐の可能性?ある訳ないだろ。あいつの場合、吠える前に噛みちぎってるし。

 

「あ、真木ちゃんお疲れ!」

「あぁお疲れ三上。引き継ぎ案件はこれで全てか?」

「うん!問題ないよ。じゃあまたね、理央くんも頑張ってね。」

 

そう言って足早に帰ってしまった。というかあ理佐を一瞬でニュートラルに戻せる三上さんやっぱ凄いわ。理佐のついでに俺にも挨拶してくれてるし優しい人だな。

 

「よし、ならさっさと始めるぞ。拙い連携は悪手を生むだけだからな、基本こちらから細かい指示は出さない。お前らの対処はこちらが援護する。お前らは東側を中心に当たれ、こっちは南側を見る。以上だ、持ち場に付け。」

 

「さぁてとやりますかねぇ。」

 

当真先輩はダルそうに身体を起こすとそのまま扉の外へ出ていった。香取は未だに「勝手に決めるな」とキレ散らかしているが、若村と三浦が半ば強制的に連れて行った。ようやく静かになったな、さて俺も行くか。

 

「ん?隊長、さっきから空気だったが大丈夫か?」

「いやお前らの雰囲気が怖すぎてずっと魂抜けてた。」

「それは何というか、すまん。」

 

 隊長の冬島さんは女子高生がそもそも苦手だ。香取も当然苦手の対象だが、香取は女子の中でも棘というかアクが強い。理佐もう説明不要だが、そんな二人が険悪に言い争いしてたら冬島さんの霊圧が消えても不思議ではない。

 

 

 

 

─────────

 

 防衛任務といっても四六時中戦っている訳ではない。トリオン兵が現れるまでは待機、現れたら戦うというシンプルなものだ。ようは任務時間の大半は待機でやることがない。

 

 とはいえ堂々と本を読んでる訳にもいかないので大体は当真先輩と他愛のない話をするか他の隊の知り合いと話すかの2択である。

 

「……………。」

 

なんか気まずくね。偶々担当区域が被ってるから二人で待機してるのに会話が何も生まれん。流石に暇すぎるから若村でも良いから喋りたいんだが……こいつとの接点があまりにもない。まあランク戦の解説をしたくらいの接点はあるが、向こうがどう思ってるかなんて知りたくもない。

 

 

「──なぁ真木。チームがもっと上に行くにはどうしたら良い?」

 

 話しかけて来たと思ったらチームが上に行くにはだと?それを他人に聞いてどうすんだよ、それを考えろよ隊員なら。いや他人に聞かないといかんくらい追い詰められてるのか?

 

「お前と三浦を抜いて犬飼先輩と辻を入れる。」

「は!?お前こっちは真剣に聞いてんだぞ、もう少し真面目に──」

 

「大真面目だ。少なくとも今のお前らのままで上に行くのはまず無理だ。香取の独断専行も問題ではあるが、戦略も見えてるものも何一つ噛み合っていない。」

 

 作戦を立てないとか不真面目とかそういう次元取っ払っても根本的な土台が出来てないんだよ香取隊は。香取が強すぎて土台が無くてもある程度勝ててしまったからだろうが、それを理解出来てなそうなのもダメな点だな。

 

「犬飼先輩を入れるとかが極論だとしても主体性が無さすぎる。──いっそ自分で隊率いてみたら良いんじゃね?」

 

「!?お、俺が隊を……?無理だ!そんなの!」

「一体いつ無理と決まったんだ?」

 

「………………。」

 

「まあ良い。少しでも上に上がりたいなら近道をしようとするな。階段の踏み外しは目も当てられん。──敵影補足か、行くぞ。」

 

「あ、ああ。」

 

 この日は然程強いトリオン兵も現れずかなり穏やかに終わった。毎回これくらい静かなら良いんだが。若村はと言うとあの後めっちゃ黙り込んでしまった。まあ活かすも活かさないもあいつ次第だ、俺にはもうこれ以上どうしようもないな。

 

 




原作のマキリッサが若村に対して当たり強いんですこれくらいの当たりはしてそうと判断しました。強すぎて不快ならごめんなさい
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