真木姉弟にはご用心   作:リゼロッテ

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時系列が基本ガバガバです。なるべく原作に寄せますが、そういう設定ということにして下さい。


2話 A級への道

 

 俺の名前は真木理央。ボーダーでスナイパーをしている一般B級隊員だ。どうやらスナイパーでB級に上がるのは結構難しいらしくスナイパーの正隊員は貴重との事で割と最速でB級に上がった俺は色々な隊から勧誘を受けた。だが俺は既に形の出来た隊に入り込むのは苦手だ。コミュ障とかそういうんじゃない。単に俺をラストピース代わりに使おうという魂胆が気に食わないだけだ。

 

 一緒に新しい隊を組もうとする連中も声を掛けて来た。

正直弱いチームではやりたくない。ありきたりな戦術で真っ当な戦い方しか出来ない面白味を欠いた戦いをするくらいならフリーのままで良い。防衛任務である程度の給料は得てるしこのままで……なんて考えは見事に崩れ去った。

 

 原因は俺の姉だ。名前は真木理佐。姉は姉なのでもちろん女な訳だが、一般的に思い描く女の想像図から逸脱した化け物だ。ボーダーに入ったのも姉に「お前も入れ」と言われたからだ。そんな姉の弟を15年もやった結果、俺もまたそういう化け物扱いされることが偶にある。非常に解せない、ふざけんな。

 

 双子の弟がフリーのままなのは姉として心配、なんて姉心はこいつにはない。単に怠け者が嫌いというだけだ。思えば突然振ってきたあの話で言質を取られたのは俺の最大のミスだ。しかも俺が読書をしている時間に聞くとは何処までも強かでムカつく。

 

 そして一緒に隊を組むというメンバーを見せられて唖然とした。俺と同じフリー同盟の当真先輩とどう見てもおっさんな冬島さんを従える姉はやはり恐ろしい。そもそも冬島さんは一回り以上は歳下の女に隊長やらされるって不憫にもほどがある。まあ理佐が隊長とか俺的に絶対無理だから助かるけど。

 

 

 

 

 冬島隊として本格始動した最初のシーズンはB級3位と普通なら上々の結果に終わったがそこは俺の姉、満足どころから不満タラタラで試合後の反省会は空気が息苦しい。

 

 冬島隊は隊長の冬島さんが特殊工作兵(トラッパー)で罠を仕掛けたり、俺や当真先輩をワープさせることでスナイパーの弱点である狙撃で位置が割れることを緩和しつつ常に狙撃ポイントを変えられるメリットを活かして戦う。

 

 実際に動いて見ると確かに真似できない戦法で面白いし、ボーダーの中で最上位クラスのスナイパーが居ないと成立しないのも事実だ。ただ戦法が割れてからは冬島さんが世界の敵、親の仇の如く狙われるようになり、彼が早々に落とされるとスナイパー二人でどうにかするという戦略もクソもない個人技大会に成り下がる。

 

『おっさん真っ先に落とされちまったけど、どうするよ理央。』

『奈良坂と古寺の狙撃弾に当てるゲームしない?』

『お、めっちゃ面白そうじゃん。これ古寺の方が難易度高いの新鮮だな。』

『奈良坂の狙撃は正確過ぎて逆に読みやすいからな。古寺はまだまだ甘いし。』

 

『お前ら実際にやったら殺すからな。』

 

 ランク戦中にこんな会話をして理佐がキレ散らかすこともあった。この試合は他の隊にポイントを与えたくないという理由だけで奈良坂の撃った狙撃弾に本当に命中させた。あとは位置の割れた奈良坂を当真先輩が撃ち抜き、俺は自発的ベイルアウトとか冬島さんが居ないとめちゃくちゃやってる印象が強かった。そして反省会とか会議ってのはさっさと終わらせるに限る。面倒臭いなのは勘弁したい。

 

 

「──てことで、うちが更に上へ行くための案を出せ。」

「俺がスイッチボックス持てば良いんじゃね?」

「「「は?」」」

 

 俺以外の三人の疑問が降りかかる。てか理佐、意見出せって言ったのはお前だろ。何故お前まで驚く。

 

「どういうことか説明しろ。」

「隊長が狙われるなんて今更な話だ。だったら俺が特殊工作兵(トラッパー)を兼任する。隊長が落ちても俺と当真先輩で戦線は維持できる。色々あって俺が落ちても隊長と当真先輩でどうにかなる。罠の数も二倍に増えるで一石三鳥だろ?」

 

「──確かにそうだ。お前がスイッチボックスを持てば根本的な作戦から組み直せる。ワープが増えるから生存率も上がる。何で今まで言わなかった?」

 

「聞かれなかったから。そもそもスイッチボックスにしても今思い付いたんだ。前からちょっと試したかったこともあったしな。」

 

 理佐はなんだそれは問いてくる。さっきから顔がこえー。その笑みを隠し切れない邪悪な顔は本当に心臓に悪い。

 

「スイッチボックスを経由して射線の無いところから狙撃の弾を飛ばす。理論上は可能だろ?人が通れるなら弾も行けんだろ。」

 

「「「!?」」」

 

よくよく考えてみれば最初からそうすりゃ良かったんだ。人間サイズが通れるワープが銃弾を通さない道理はない。

 

「スイッチボックスの起動タイミングが難しいな。ボックスを小さくすればトリオン消費を抑えられるし、その分を起動範囲に使えば離れていても起動できるな……。」

 

「それに小さかろうと当真先輩と俺の技術なら行けんだろ。射線の通らない場所に無理矢理弾丸をお見舞いするクソゲーの始まりだぜ。」

 

「言ってくれんじゃねぇか理央〜。そうだよな、俺たちなら訳ねぇよなぁ。」

 

 リーゼントが肩を抱いて高校生ノリをしてくる。そして理佐がやっぱり笑みを浮かべてる。余計なこと言っちまったと後悔しても後の祭りだ。多分俺の気ままなボーダー生活は本格的に終了のお知らせらしい。

 

「理央。これから特殊工作兵(トラッパー)の技術を取り込め。お前が言い出したんだから出来るよな?やるよな?」

 

「……マジで余計なこと言うんじゃなかった……」

「そんな事言って本当は冬島隊が好きなんだろ理央は。」

「えぇ……そうなの?おじさんなんか感動しちゃう。」

「この髭とリーゼントまじでウゼェ……。」

 

 この戦法を追加した冬島隊は圧倒的な戦績でB級ランク戦を制して昇格試験も無事にパスし、A級部隊へと成り上がったのだった。

 

 

 

 

 

 




スイッチボックスをこういう使い方が出来るかは知りません。それとこの戦略はオリジナルではありません。問題があればご指摘下さい
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