米花町でちんちん出したら逮捕された件について。   作:ひつまぶし太郎

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ほのぼの回です。


第五話。平和な学校生活

 

 

さて。

最近意味のわからない怪人が米花町に出没しているらしいが、とりあえず僕の日常に大きな影響はない。

たまに噂話が流れてくるくらいだ。

 

…どっかでお前誰だよ、みたいな反応をされてる気がするけど、僕はアルビノ美少女な見た目をした前作主人公の合法ショタで、幼馴染のために命をかけて戦った過去があり、安室透という人気の高そうな男性と同棲している者だ。

…おっかしいなぁ。

要素だけ羅列すると結構人気出そうな組み合わせだと思うんだけど、なんでちんちん怪人より反応悪いんだろうか。

まぁ名無しのモブの扱いなんてこんなもんか。

 

「ねぇねぇ、リョウくんはどう思う?」

「え。ごめん。なにが?」

「今日元太くんの靴箱に入ってた依頼のことよ!」

 

あ、すみません。

申し遅れました。

現在僕の名前は小清水涼になっております。

この名前は、あむぴが僕を拾ったその日に考えてくれた。

 

小清水も涼もどちらも清流をイメージする名前で、ようは闇とは無縁であってほしいという願いが込められているらしい。

血溜まりで泣くことすら出来ずに意識を失っていた僕を抱き上げた時に、この名前を思いついたと教えてくれた。

親の生存はないとすぐに調べがついたらしい。

まぁそれもそうか。

うちの元保護者たちが立ち去ったあとホテルに生きてる人間なんて一人も残っていなかったわけだし、一般人は全員無事。

 

しかも、本来組織に歯向かった13歳の子どもの遺体があるはずの屋上に意味深に捨てられたサイズの違う服を身に纏った赤子。

 

何かあると思わないほうが変だ。

 

やーほんと、うちの元保護者には頭上がりませんよ。

だって、遺体だけでも持ち帰ってりゃバラして揃えて、いくらでも研究できたただろうに。

置いていってくれたお陰で研究所で目が覚めるとかいう最悪のバッドエンドは迎えなかったわけだし。

 

まぁあとから聞いた話、父の遺体で試して再生能力が完全に消失した経験かららしいけど。

うちの父親ってほんと運ないな。

トッポの逆かよ。

 

「で、依頼がなんだっけ。うんこ探す依頼?」

「もう!リョウくんのえっち!もう知らない!」

「うんこってえっちかなぁ?」

 

ぷりぷりと怒りながら僕の席を離れていく歩美ちゃんを眺めながら、僕はため息をつく。

幸せのため息だ。

学校楽しい。

普通に楽しい。

こないだも少年探偵団のみんなで夜の学校に潜り込んだし。

 

でもなー、しーちゃんいないと物足んないなぁ。

 

「おい、どうしたんだよお前…いつにもましてぼーっとしてないか?」

「いつもしてない?なんせ僕、入学式から1ヶ月間普通に学校サボってたやつだぜ?」

「いや、うん…それはまぁ…親が忙しかったんだししかたねーんじゃねーか?」

「お互い実の親が近くにいないと大変だな、コナン」

 

現在5月。

よくもまぁ誰も指摘しなかったしバレなかったもんである。

入学祝いだ!楽しめよ!ってめっちゃ無邪気に贈られていたランドセル君可哀想。

 

奇跡のすれ違いと言うか、怪盗キッドの再始動に爆弾事件、春になって急増し始めた殺人事件等々。

あむぴがマジで忙しそうだったのもあるだろう。

あとシンプルに聞いてなかった僕が悪い。

 

「で、依頼って何さ」

「人探しだよ。お兄さんがいなくなったんだと」

「ふーん…」

 

ま、彼女の家にでも行ったんじゃないだろうか。

それか自室でカマドウマになってるとか。

ふんもっふ!

 

そんな風に誰にも伝わらないハルヒネタを脳内で垂れ流して油断していた僕は、依頼者であるその子の家に行き、話を聞いていたら『黒尽くめの女』が急に出てきて、耳を疑った。

 

 

 

 

「おい、この近くでお兄さんが行きそーな場所に案内してくれ!サイフも通学用の定期も机の中、自転車の鍵も玄関にあった!つまり…お兄さんはこの近くに呼び出されて連れ去られた可能性が高い!」

「そうか…なら近くを調べれば…」

「何かわかるかも…」

「さぁ、早く!急いで!」

「待ってよ、コナン君!」

 

コナンが血相を変えて走り出し、それに続くように少年探偵団たちが部屋から去っていく。

…変だな、なんで僕よりも黒尽くめに反応している子どもがいるんだろう。

まさか…。

まさか、ね。

 

「〝アホ〟トキシンか…若返りの代償に知能が下がるらしいから違うか。ていうか若返ったのは薬のもとになった僕特有のやつだし…はは、ないない」

 

そんなことより電話電話。

 

「あ、あむぴ?今暇?」

『暇じゃないが…』

「…じゃあ端的に。あのさ、組織って偽札作りのために一般人誘拐するほど人手足りてないと思う?」

『……そんな話は聞いたことないが。なにか気になることでもあったのか?』

「んー、黒尽くめの女が偽札作りのために人を誘拐したかもしれなくて。…あいつらだったら家族が普通にまだ生きてんのおかしいんだけど、念の為」

『おそらく奴らじゃないな。少なくともそんな話は聞いていないし…』

「ほーん、ありがと。ちなみになんでそんな忙しいの?」

『いや、探偵の方の依頼で今引越し業者に潜入中で…あ、お疲れ様でーす!はい、今行きます!』

「あー…お仕事頑張って。早く帰れたら夕飯僕が作るよ」

『お、なら一緒に作るか!…とりあえず、首を突っ込むなら気をつけてくれよ?上は動いてなくても下が勝手に動いてる可能性もあるから』

「ういうい」

 

ほな行きますかね。

 

「なんで付いてきてんだよ…」

 

で。

合流後、何かに気づいた感じのコナンが子どもたちを置いて走り出したのを見て、普通についてきた俺に向かってコナンが呆れたように振り返る。

 

「えー、無茶をしがちって噂の名探偵のボディーガード的な?見た目もいいしお得でしょ?僕結構やるんだぜ」

「自分で言うか、それ?」

「いやもう見た目に関しては開き直ることにしたんだよね。いちいち苛ついてた結果ちんちん出して捕まったし…」

「その話本当なのかよ…」

「僕基本ほんとのことしか言わないぜ」

「嘘つきの常套句じゃねえかそれ?」

 

まぁ、その後何があったってこともない。

隠れて偽札を作るのは得意でも、たかがちょっと動ける素人数人では相手にならんよ。

 

普通にパンチキックでノックアウトよ。

 

「いったろ?僕結構強いって」

「お、おお…」

 

真っ白でダボッとしたリネンシャツに汚れ一つつけることなくピースサインを出す僕にコナンがドン引きしたような顔をしているが、当たり前の話なのだ。

 

「僕世界最強の男に弟子入りしてっから」

「世界最強?」

「うん。ハンカチ王子…みたいなあだ名の空手家」

「もしかして蹴撃の貴公子の話ししてる?」

「そうそれ。京極さん」

「なるほどね…」

 

元保護者に牙を研がれ、あむぴに健康的な食生活と自己メンテナンスの方法を学び、京極師匠に鍛えてもらう。

僕は戦闘能力って意味じゃ考えられる完璧な環境で育てられ、それこそ、再生能力に頼らずともウォッカくらいなら制圧できるくらいには強くなっている。

 

しゅっしゅと、シャドーボクシングしながら僕は改めてコナンに向かって笑った。

 

「もう、取りこぼしたりしないから」

「よくわかんねーけど…ありがとう?」

 

 

 

 

 

「ああ、悪い。結局奴らじゃなかった…」

『いえ、いいのよ。予想はしてたことだし。それより最近あなたの周りでなにか変なことはない?』

 

コナンは志保と暗号通信を使って連絡を取っていた。

言われて思い返すのは、直近の出来事たち。

 

「変なこと…局部出して捕まったっていう同級生が学校来るようになったのと、歩く猥褻物みたいな存在が最近米花町に出現してるってところかな…」

『…………』

「や、すみませんはい。特に問題は起こってないです…蘭やおっちゃんが狙われてる様子もねーし」

 

『…まさか』

「まさか?なんか心当たりあるのか?」

『いえ、うーん…気にしないでちょうだい。たぶん…うん、気の所為だから』

「はぁ?なんだよ、勿体ぶるな…奴らの情報になにかつながるなら『それはないわ』…なんで」

『奴らに関わる人間がちんちん出すわけ無いでしょう。バカなの?』

「…お前、女の子がちんちんとか言うなよ…」

 

少し顔を赤らめるコナンとは対象的に、志保の声は冷めたものだ。

ただ、その脳裏には一人の少年が思い浮かんでいた。

昔、本当に一度だけ。

腫れ物扱いのされ始めの頃に、いじめっ子の挑発にあの幼馴染がちんを出したことがあった。

その後お前らも出せおら、と6人まとめてズボン強奪していたが。

 

出身校には今なお七人のちんちん侍という伝説が残っていると言うが…まぁ、全部気のせいだろう。

あの幼馴染が生きていたら、なんて都合のいい夢のみ過ぎだ。

しかもちんちん出して捕まった?

それが本当ならもはや説教とその後に子どもができるまで耐久───

 

『それより、その不審者情報って噂になってる自称ヒーロー?』

「あ、ああ…そうだよ。え、裏社会でも噂になってんの?」

『まぁね。あの見た目だし、あれのせいでパトロールが強化されてるから犯罪者たちは迷惑してるのよ』

「へー…意外といいやつなんだ」

『…ほんと、許せないわ。ヒーローをなんだと思ってるのかしら。今度暇があったら潰しとくのもありかしらね…』

「ヒーローね。あんたも最初言ってたよな、ヒーローも楽じゃないって」

『遺言なのよ。誰も彼も助けろって意味じゃなくて、幸せになるために突き進む勇気ある人のことだけどね。…だからこそふざけた格好でヒーローを名乗ってる不審者は許せない』

 

ちんちん出して、ちんちんの皮被ってヒーローを自称する怪人と化した出来損ない幼馴染との再会は、案外近い。

 

「うわぁやべー!トマトが爆発した!なんでだ!あむぴ驚かせたくて一人で料理したらとんでもないことに!」

 

だが、出来損ないの弾丸は自分の人生の墓場(ブチギレ監禁奴隷犬エンド)へのカウントダウンが始まっていることに、気づいてるわけもなかった。

 

 




この作品まーたオレンジになってるよ。
つまりこれが正当な評価ってことなのさ。
そんなことはさておき、今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。
ところでこの作品っていつ灰原哀ちゃんはでてくるんですか?
ずっと裏主人公みたいなムーブしてるんですけど…。
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