米花町でちんちん出したら逮捕された件について。   作:ひつまぶし太郎

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お久しぶりです。
体調崩してました。
あと灰原哀さんがなぜあんなにヒーローにこだわってるのかについては0章の最終話を御覧ください。
簡単に言うと主人公の遺書(死んでない)の影響です。


第十話。展開に困ったら正体バレしとけ

 

 

「蘭…俺だ」

「誰だよ」

 

コナンは反射的に突っ込んだが、会話を発生させたことに対してものすごい後悔に襲われていた。

 

ちんちんがいた。

目の前には、流石にそろそろ見慣れてきたちんちんがいた。

だが、そのちんちんの上の方からなぜか工藤新一の顔が生えてきていて、さらには化物の声が工藤新一という状況は理解できなかった。

 

純粋な悪夢すぎる絵面に、ちんちんと対峙しなれたはずのコナンは圧倒され、幼馴染の毛利蘭は白目をむいて立ったまま気絶していた。

そんな二人に気づくこともなく、ドヤ顔の工藤新一フェイスは喋り続ける。

 

「蘭…わかるだろ?なぁ、蘭…蘭?あれ、りんだっけ。いや、ロンだったかな……へっ、バーロー(誤魔化し)。そんな顔すんなよ。俺がお前のキュートな名前を忘れるわけねーだろ?どうした蘭。寝てるのか?おーい?…あれ、気絶してる?ったく、バーロー(天下無双)。しょうがねーやつ。起きろよ、蘭。蘭、会話してくれないと普通に困るんだけど、なぁ。……らあああああああああああああああああああああああああん!!!」

「迫真の叫びじゃ誤魔化しきれねえよ!だらだらだらだら無駄に一人で長尺喋りやがって!」

 

コナンは巨大なちんちんの体に自分の素顔が生えていて、しかも自分の声で話しているという異常事態を前に、どうしてこうなったのか真剣に過去へと問いかけたくなった。

 

「なんだよ、俺が汚いトーマスだっていいたいのか?銀魂のマヨネーズ王子でもいいけど」

「うるさい黙れ」

「…へっ、バーロー」

「困ったらバーローしとけばいいみたいなのやめろ!それ別に万能用語じゃねえから!」

 

いや、ほんとに。

さっきまで自分の正体がバレるかもという事態だったはずが、どうしてこうなったのか。

それは3日ほど前に遡る。

 

 

 

 

黄昏の獅子から暁の乙女へ 

秒針のない時計が12番目の文字を刻む時 

光る天の楼閣から 

メモリーズ・エッグをいただきに参上する 

 

───世紀末の魔術師 怪盗キッド

 

そんな怪盗キッドからの予告状。

その予告状の暗号の答えに、コナンたちは犯行時間のギリギリにたどり着いたが、それはつまり一歩出遅れたということであり、コナンたちは信号が止まり、電気の消えた大阪の街をかき分けながら必死に白くキザなシルエットを追いかけていた。

 

そして、キッドを追う影がもう一つ。

 

「───ガッチャマンだぁぁぁああ!白い翼のガッチャマンだぁぁああ!」

「もう追いついてきたのかよ!」

「てえええい!ヒーロー参上(本日3回目)!地球は一つ!真実も一つ!金玉は2つ!ちんちんイアーは悪党の息遣いを聞き逃さない!さぁ、キッド!裁きの時間どわああああぁぁぁぁぁ…」

 

開幕1秒で着地をミスって高層マンションから落下していく猥褻物には目もくれず、キッドはすぐに方向を変えて飛び立つ。

 

「ああくそ、なんで大阪に来てまでいつもの展開に…!」

「───HAHAHA!逃げ切れたと思ったかね!?」

「思ってねえよ!」

 

今日の舞台は大阪。

マジックショーとか使わずに変電所を爆破するとかいう、いつもとは異なるシンプルな盗人キッドは、現在警察だけでなくいつも通り猥褻物に追われていた。

高層マンションから落下して、地面に叩きつけられて普通に起き上がってまた追いかけてくる下手なホラーよりもホラーなちんちんは、今日も今日とて元気だった。

つーかチャリ走でもしてんの?みたいな挙動をするちんちんは、普通に二段ジャンプとかして追いかけてくる。

 

お前米花町のご当地ヒーローじゃなかったのかよと言いたいところだが、本人曰く地球は一つなんだし実質ここも米花町だろみたいなクソ電波を垂れ流されたのでキッドは考えるのをやめた。

どうせ気まぐれ。

その場のテンションで生きるバカにとって理屈など関係ない。

 

「やっと分かったんだ」

「なにが!?」

「俺たちにはたどりつく場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけでいい。止まんねぇかぎり、道は続く…」

 

いつもの戯言かと思いきや、キッドのクラスメートの魔女が使うそれと同じように、なにか魔法の詠唱だったのかもしれない。

脳内に唐突に肌の焼けた関西弁の探偵が現れて叫び、平成のシャーロック・ホームズが諦めたように笑う。

 

───謝ったら許さへんで、工藤!

───ああ、わかってる

 

「俺は止まんねえからよ、だからよ───」

「いや、何だ今の映像!?急に人の頭に意味わからない映像流すんじゃねえ!」

「止まるんじゃ…。…映像?え、知らん…なにそれ…こわ…」

「くそ、これだからお前の相手嫌なんだよ!意味わかんない展開になるから!」

「いやいや、君の脳内の妄想にまで俺の責任にされては困るんだが…」

「だぁぁ!正論ムカつく!」

 

いつもの展開。

いつものじゃれ合い。

たまにカメラを向けてくる通行人に二人ともファンサをしながら、バイクで追いかける二人の探偵を引きちぎる勢いで加速していく。

 

だが、いつもの展開を阻むものがいた。

 

「私の正義が真っ赤に燃える。悪を叩きのめせと轟き叫ぶっ!食らいなさい!制裁キック!!」

「なに!?」

 

突如、糸を操る何者かが卑猥物へと飛び蹴りをかまし、そのまま二人揃ってビルの屋上へと着地する。

しめた。

猥褻物の足が止まった隙に、キッドは一気に引き離しにかかる。

 

それを追いかけようにも、ちんちんライダーの前に立ちふさがる不審者のせいでそれも難しそうだ。

ビルの下をコナンと服部平次という探偵がバイクで追いかけるのを見て、ちんちんはキッドをその二人に任せることに決めた。

サムズアップするちんちんを視界に入れた二人は、心底嫌そうな顔をしていたが。

 

「くそ…さすが大阪。不審者のひとりや二人当然いるか…!」

「悪いけど、私に浪花節は期待しないでちょうだい。ここには今日貴方を待ち構えるために訪れただけなのだから…」 

「ふむ、厄介ファンか…」

「ある意味、否定はしないわ」

 

猥褻物は疲れたようにため息をつくと、その不審者を睨みつけた。

身長はとても小さい。

子どもだ。

あとなんか、聞いたことのある声をしている。

 

ちんちんは内心で吹き出す冷や汗に気付かれないように、あくまで尊大に言い放った。

 

「コスプレがしたいならコミコンに行きたまえ。スパイダーグウェンのファンガールが来る場所ではないぞ、ここは」

「あら、意外と話がわかるのね。…でも、これはコスプレでもないし、似てるとしてもたまたまよ」

「…いやまぁ…うん。絶妙にクオリティ低いもんね…」

「…ぶっ飛ばすわ」

 

思わず素に戻ったちんちんの一言にキレたしーちゃ…低予算コスプレイヤーは叫んだ。

 

「私の名前はアドニス。通りすがりのヒーローよ…ヒーローを履き違えた貴方は葬るわ、今日ここで」

「ふむ、名乗られたなら返そうか?俺の名前はちんちんライダー。ここ10年で最低と言われた去年よりも出来の悪いコスプレ女には負けないと宣言してみよう」

「人を最低なボジョレーヌーボーに仕立てあげるのはやめなさい!」

 

結局、場馴れしたちんちんが命からがらなんとか逃げ切ってその最悪な再会はお開きとなったわけだが、常人の数倍の身体能力を持ち、割と無法な強さをしているはずのちんちんが普通にボコボコにされたことに、中のバカはとてつもなく肝を冷やしたという話は置いておこう。

 

 

 

 

イースターエッグにまつわる事件は解決した。

クライマックスで唐突に城に現れたちんちんライダーを見てなんかこいつ小清水涼じゃね?みたいな疑惑を抱いたコナンの前で、ちんちんの…なんか、首というか、段差みたいなその…まぁ。なんか。

人間で言うところの顔みたいな位置から禿げたおじさんの顔が出てきて、「なんか知らないおじさんの顔出てきた!」みたいな下りがあったりしたが、まぁ置いておこう。

 

「おっさんってなんだおっさんって。俺はこれでもナイスガイで噂のスーパーヒーローでだな。だいたいこのスーツ耐熱性にしたはいいけど今度は熱こもるようになってマジきついんだよな。きつい。まじきつい。ぶっちゃけありえなーい」

「なんだその口調!あと聞きたくなかったそんな愚痴!」

「いやヒーローだって人間ですからね?ヒーローは愚痴も許されねえってか許せねえな。愚痴だけじゃなくて、手を出したっていいんだぞ。だいたいあんな口調が素のやつなんているわけねーだろ。頭悪い悪いちゃんか?」

 

顔が出た途端口調が変わって愚痴も喚き散らして、最悪のちんちんコスプレおじさんとかいう目を背けたくなる化物は、駆けつけた白鳥刑事に連行されたことだし。

 

問題は、この一連の事件の間に幼馴染の毛利蘭が江戸川コナンの正体にほぼ気づいていて、その弁明を諦めて正体を明かそうとしたところ、新一の顔が生えたちんちんが事務所に乱入してきたということだ。

お前捕まったんじゃないのかよ。

 

「…どうしよう、思い返しても意味わかんない」

 

とはいえ、こうして思い返している間に、蘭も気絶から回復して拳を構えているので、時間稼ぎとしては十分だったと言えるのかもしれない。

 

「…蘭。信じられねーかもしれねーがほんとなんだ。俺がこの姿になったのは黒の組織っつー変態集団に捕まったからで…俺が脱走してることに気が付かれたら奴らに周りの人たちの命が狙われる…。だから今までちゃんと会いに来れなかったんだ…!すまない…!本当に申し訳ないだわん!ふんにゃー!まじめにやりなさいよ!ちくわ大明神!誰だ今の…おっと、ごめん。ちょっと人格の混線が。やっぱ違う顔使うとだめだなぁ」

「普通にホラー」

 

今日のこいつはいつも以上にやばい。

実際のところ、生きてるとは思っていても消息不明でもう会えないかもと思っていた幼馴染と再会できて、しかもどさくさに紛れて匂いもかげてテンションが馬鹿みたいに上ってるだけではあるのだが、端から見ると本当に怖さしかないテンションだった。

 

そんな言動に冷や汗をかくコナンは、同時に城で見た顔が素顔でないことにも気がついた。

ようはあそこの顔は好きにすげ替えることができるのだろう。

 

「つまりアンパンマンだった…というわけなのさ」

「二度とヒーロー名乗んなカス」

「言葉強くなぁい?なんか辛いことあった?どしたんはなし聞こか?うんうん、それは彼氏が悪いね。じゃあいれるね…」

「二度と口開くなカス」

「もう…そんなこと言うなら増えちゃうんだからね!」

「増えちゃうってなに?……!?お、新一兄ちゃんの顔の下から新一兄ちゃんの顔が!」

 

そして、顔は増やせるらしい。

ちんちんに生えた工藤新一の顔の下から、もう一つ工藤新一の顔が生えてきたのだ。

 

工藤新一トーテムポール。

しかもちんちんの形したトーテムポール。

最悪だった。

あと、蘭は再び気絶した。

性格が良く、誰かを守るためなら勇気を振り絞れる素敵な女の子である彼女は、しかし普通に女子高生であり、猥褻物とかいうゴミで下劣でカスな存在は許容できなかったのだ。

気色悪い存在から思いを寄せる男の顔が生えてる悪夢とか誰が耐えれるんだ。

 

SAN値チェックで一時的狂気不可避な化物は、ドヤ顔で反り返った。

 

「くっくっく、俺達は言うなれば工藤新一II。頭が2つあれば頭脳も2倍。下半身脳という言葉もあるので実質3倍…最強の工藤新一と呼んでもらおうか」

「そこまでにしとくんだな、ちんちんライダー」

 

誰でもいいから助けてくれ、という思いが通じたのか。

工藤新一の姿をした誰かが現れる。

 

「な、本物だと…!?くっ、これでは家主の想い人に化けて飯をたかるという俺の崇高な計画が台無しではないか…!」

 

お前もしかしてなんか協力してる?みたいな棒読みのセリフにコナンはそういや白鳥刑事に怪盗キッド化けてたな、と思いいたり。

あーこいつ逮捕免れるために協力してんのか、と理解して。

 

いや協力するにしたって方法間違ってない?キッドの変装の説得力を増すための泣いた赤鬼方式にしたってひどくない?みたいな諦めは、最終的に誰にも届くことなく夜空に消えた。

なにせ、ちんちんライダーの力なら別に強引に警察をケチらせたろうに、普通に協力してくれたのだから。

 

「じゃ、この顔で街駆け巡ってくるか!」

「おいやめろまじで!」

「ひゃははは!さぁ!私を捕まえてご覧なさぁい!うふふふふふふ!ヒャッホウ!私は流れ星!うわぁぁぁぁ!足首をくじきました!」

「お前ほんと今日のテンションどうなってんの!?」

 

 




熱出てる時に書いたりしてたからか、いつも以上に言動が怪しいシーンが生まれましたが、まぁ…いつものことか…。
全文ではないんで、全文意味わかんなかったらもう作者が壊れてるだけです。
それにこの小説ってタイトルからして意味わかんねえもんな…。
やっぱいつものことか…。
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