米花町でちんちん出したら逮捕された件について。   作:ひつまぶし太郎

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お待たせ、待った?
はい、すみません。
いっぱい書いたので許してください。


第十一話。ちんちん暁に死す。

 

今明かされる衝撃の真実ゥ!

クラスメートの江戸川コナンはなんとあの平成のバーロックホームズと呼ばれた工藤新一だったのだ!

 

は?

つまりどういうことだってばよ、となった僕を誰が責められようか。

変なテンションなのもあったけど、いまいち状況を理解出来なかったからあんな意味わかんない状況になったのだ。

蘭さんを気絶させたのはちょっと悪いことしたかなとは思う。

だが私は謝らない(鋼の意志)。

なぜなら、その恐怖心のお陰で状況を有耶無耶に出来てラッキーと思っているからだ(クズ)。

 

「じゃあなー!」

「また明日!」

「バイバーイ」

「バイビー!」

 

少年探偵団と別れて、コナンと二人きりになりながらそれにしても、と僕は考える。

リフティングしながら歩くという、ながらスマホならぬながらサッカーをしながら歩くマナーのなってない歩く犯罪の見本市みたいなガキが、高校生ねぇ。

キッドとの取引という名の普通に悪ふざけで知ったこの事実を、僕はどうしたら良いのだろう。

 

あちらの正体を知っていることがバレたら芋づる式にこちらの正体もバレるのが最悪すぎる。

普通に嫌だ。

超嫌。

いや僕の過去編の開示は別にいい。

だってなんかかっこいいし。

幼馴染のために命かけて死にかけましたみたいな話だし。

 

でも僕がちんちんライダーだってバレるのは普通に嫌すぎる。

絶対説教されるもん。

鬼ギレだよ鬼ギレ。

こえーんだよな、コナンの説教。

いつだったか、博士の後ろでなんか声変えて喋ってる時に『オッホ!』って声をねじ込みまくったとき、2時間くらい説教されて流石に懲りた。

 

「…なぁ、お前俺に隠してることないか?」

「ないよ」

 

…それにそもそも。

コナンが幼児化してたら何なの?という話でもある。

興味ないね。

───ほんとに?

全然興味ないね。

 

「なら俺の目を見ていってみな?怒んないから、ほら」

「───江戸川ちんちんリミットブレイク」

「は?」

 

クラウドのマネしてたら、僕の脳内でカカポみたいな鳥が虹色に輝きながら回り始めたけど、話を戻そう。

 

目の前には、停車中の懐かしい黒いポルシェ。

 

───歓迎するぜ、元ダディ。

 

僕は努めて無表情を維持しながら、今朝あむぴとヒロさんと立てた今晩の計画を復習し始めるのだった。

 

なお、僕は知らないことだけど、昨晩しーちゃんからうちの元保護者が米花町に来ていると聞かされているコナンは、盗聴器と発信器を仕掛けると同時に、しーちゃんの死んだ幼馴染疑惑の僕の様子を観察していたらしいが、僕が普通に「なんだこの車。ムカつくな…ここは日本だぞ日本車に乗れや」と帰り道に拾い集めていた犬のうんこを塗りたくって、ついでにスプレー缶でちんちんの絵を描くという暴挙に出たことで疑惑を深めていたらしい。

なんだよちんちんの落書きで深まる疑惑って。

 

捨てとけそんな物。

でも道端に犬のうんこは捨てるな。

 

 

 

 

 

拝戸シティーホテル。

映画監督酒巻昭を偲ぶ会。

故人を偲ぶだけあって皆が皆黒い服を着ている。

中には腹の中まで真っ黒などこぞの女優とそれに内心絶対嫌だろうに済まし顔で付き従う金髪の男、自動車メーカーの会長もいるが、それにしたって全員一癖も二癖もありそうな顔をしている。

中でも一番表立って黒いのは、収賄疑惑をかけられマスコミに追いかけ回されている議員だろう。

あ、金髪の男が日本の政治家のくせに舐めた真似しやがって殺すぞみたいな顔してる。

 

そして、誰が通報したのか会場内でさり気なく周囲を警戒する警察官数名が入場し、あたりを油断なく見回す子どもが一人。

 

そんな中で、殺人事件が起こったらどうなるか。

 

悲鳴、怒号。

避難しようと扉に殺到する一般人。

しかし、名探偵は満を持して言うのだ。

 

「動くな!!!!」

 

その声に、大きな部屋は静まり返る。

それに満足した僕…じゃないや。

名探偵はコツコツと無駄に足音をたてようとして、無理だったので口で言いながら部屋の中心に歩み寄る。

 

「諸君、落ち着きたまえ。良い年した大人がみっともない」

「…いやお前のせいだからな?」

「なんだと?」

 

何故か呆れたように呟くコナンと、回りを囲む警察官たち。

その名探偵は心底不思議そうに首を傾げた。

 

「…()()()()()()()()尿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう、このちん…間違えた、名探偵。

暗闇の中で落とされたシャンデリアの下敷きになり、先程まで大量出血でもう死んでるだろこれ…中身(中の人)見えてないけど別の中身見えてるよこれ…みたいな状態だったのだ。

それが急に痙攣したかと思えば、立ち上がり歩いているという状況は恐怖以外何者でも無かった。

 

目撃者全員に1/1d10のSAN値チェック。

ダゴンの目撃と同じ数値である。

 

「痛そう」

「むしろお前が邪魔」

「デカすぎて前が見えねぇ」

「存在が卑猥すぎてお前が犯罪者定期」

「頭大丈夫?めっちゃ血が出てんだけど…」

「やばい古傷が…」

「見た目痛々しすぎてちんちんないなった」

「先生!?言葉遣いを改めてください!」

 

一周回って正気が戻ってきたのか、それとも正気を無くしたせいで眼の前の化物が普通の存在に見えているのか、普通に会場内の人間から非難が飛ぶが、猥褻物はどこ吹く風だ。

 

「…探偵にそんな口聞いて良いのか?推理に私情を挟むぞ俺は」

「お前もう探偵降りろ」

「それに、あの呑口議員の惨状の説明もしてもらおうか。なにをした?」

「呑口議員?…ああ、そこの露出狂かね」

 

警部の声に、会場内の全員の視線が集まった先には股間を露出し泡を吹きながら気絶している収賄議員。

成人男性のそれなりに…たぶん普通くらいなはずの一物は、その目前にお前ドブ◯ックのネタの擬人化かよみたいなレベルで巨大なイチモツが鎮座しているせいで小さく見える。

最悪なトリックアートだった。

 

「なにって…殺されかけてたから助けるついでに暗闇の中で金玉握りつぶしてちんちん出しただけだが?」

「だけだがと言われてもだな…」

「しかしねぇ…収賄議員は制裁しないといけないわけだから…」

「私刑は犯罪なんだがね?」

「だからなんだ。収賄議員の仮性包茎ちんちんが剥き出しになって、玉無しになったところで誰も困らんだろうに。むしろ人命を救助した上に、無償で包茎手術とvio脱毛をしてやったんだから感謝して欲しい。麻酔はしてないがな!HAHAHA!」

 

「痛そう」

「ブラック・ジャックのブラックの方」

「じゃあジャックは誰なんだよ」

「ジャックスパロウ?」

「でもなんと、医療費はダダなんです!」

「良心的」

「今脱毛してくれる男性探してます!」

「広告ぶち抜いて結果だけ残す男」

「キング・クリムゾン?」

「その手に未来じゃなくて毛を掴むな」

 

高笑いするちんちんと好き放題喋る観客を忌々しげに見つめる男が一人。

興味深そうに見つめる女が一人。

そして、内心拍手喝采の保護者が一人。

 

そんな黒い奴らの前で、ちんちんの頭のてっぺん…その、あれ。唇みたいなとかいう最悪の例えすら浮かぶ場所から、FAXみたいな音とともに紙が吐き出される。

 

「お、見たまえ…裁判所へ送られた証拠のようだぞ。ふむ、収賄疑惑は本物…と。な、なにー!?しかもこの取引相手に、あの!有名な!しかもここにいる人物の名前があるではないか!」

「なんだと!?」

「それは…」

「それは…?」

「そう!ここには書いてあるんですよ、自動車メーカー会長の桝山さん!あなたの名前がねぇ!そして、このちんちんに刺さったシャンデリアの破片!これについた蛍光塗料!そこから導き出されるこの遠山のチンさんの結論は!」

「け、結論は…」

 

全員の注目が集まり、気持ちよくなった自称名探偵が少し痙攣する。

うわ…と、コナンだけが呟いたが、全員が息を呑む音にかき消された。

 

「桝山会長は蛍光塗料付きのおしっこが出る体質で!」

「「「…ん?」」」

「それを使ってシャンデリアを撃ち落としたのだ!!!」

「「「な、なんだってー!!?」」」

「そ、そんなバカな…」

 

呆然とするコナンを置いて、観客は場の勢いに流されて納得したらしい。

世界の不条理だった。

眠りの小五郎をこれほど熱望したのはあとにも先にもこの時だった、おっちゃんにはいつも感謝してるけどもっと感謝しようと心に決めたとコナンは後に語る。

 

「───そ、想像力が豊かだな探偵さん…小説家にでもなったほうが良いんじゃないかな?」

 

桝山さん、あんたもか。

コナンは思ったが、こんなトンチンカン推理に追い詰められるくらい自覚がある当たり、普通に犯人っぽかった。

なんだこれ。

推理間違ってるのに結論だけあってるとかふざけてんの?

 

「犯人しか言わないセリフ!語るに落ちたとはこのことよ!さぁ、スケベなカスさん!やってやりなさい!」

「……あ、俺のこと言ってる!?…俺が!?スケベなカスさん!?カスはお前だろうが!」

「うわー!なにをするやめろ!暴力は犯罪だぞ!それに貴様がスケベなのは事実だろうが!暗闇になった瞬間ちゅっちゅちゅっちゅと!イチャコラしやがって!中学生か!?発情期かてめー!大人ならホテルまで我慢しろ!」

 

ちんちんにスケベ呼ばわりされたカスこと音楽プロデューサーの樽見直哉が殴りかかるが、即座に反撃を食らって硬直した。

この男、暗闇になった瞬間作家の何条美香と抱き合っており、その写真をカメラマンに撮られてこのあと破滅するのだが、なんでほんとにこんなところで…?みたいな話だった。

 

「映画館でおっぱじめるハプニングバーじゃねえんだぞここは」

「はい…」

 

変態に正論パンチで黙らされる別の変態という絵面はさておいて、そんなことをしているうちに気付けば桝山が会場からいなくなっていたことに現場は騒然となる。

 

 

だが、ちんちんと金髪の男だけは、計画通り…と笑っていた。

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…!クソ!なんなんだあいつは!」

 

桝山憲三こと、ピスコは逃げていた。

自分が殺人者としてバレてしまったが、組織のことが明るみに出なかったのは幸いだった。

狂人のせいで計画は狂ったが、狂人の間抜けさに助けられた。

 

…そう思っていることが、悪ガキとトリプルフェイスの計画の内と気づく余裕はなかった。

ようは、組織の邪魔をしながら、組織に睨まれないようにする擬態なわけなのだが、あの方からの命令を失敗したピスコにそこまで考えろというのが酷なのかもしれない。

 

見た目のインパクトと意味不明な言語の羅列で誤魔化されてはいけない。

やっていることは、普通に真正面から組織の顔を殴りつけ中指を立てているのだ。

 

そして。

 

───日本で、殺戮者の雄叫びが上がる。

 

「兄貴!?…お前らなにぼさっとしてやがる!やれ!」

「ひぃ!」

「殺すぞ、びびんな!」

「は、はいいい!」

 

ピスコはジンに殺され。

警察が来る前にずらかるかと気を抜いた二人の頭上から、白が落下してくる。

カーネイジ。

組織がそう呼ぶ化物。

不意打ちにも関わらず致命傷を避けたジンではあるが、腹部が大きく切り裂かれた。

それを忌々しく思いながら、部下を盾に一歩下がる。

 

■■■■■■■■■■■ッ!

 

特殊な骨のような鎧で身を守り、その隙間から肉芽が伸び触手のような動きをしている。

 

拳銃程度では貫けない外骨格を盾に、襲いかかってくる化物は2メートル近くの巨体であり、腕の一振りで3人ほどまとめて吹き飛ぶ。

 

腕の先にある巨大な手には大きな爪が備え付けれれており、返り血を浴びて死体の上で咆哮する姿はまさに悪魔。

 

だが、ジンはすかさず懐から銃を取り出し電線を落とし、化物の動きを止める。

追い打ちをかけるように、脳幹の位置に鉛玉を叩き込む。

一発で足りないならもう一発。

ワンホールショットと呼ばれるその離れ業を当たり前のように披露する男は、悪魔が仰け反った瞬間を逃さずに手榴弾を投げ込む。

 

もはや、秘密組織としては逸脱した派手な戦闘はしかし、ピスコの逃げ込んだ場所が港だったこともあり、まだ警察が来るまでには時間的な猶予があった。

 

We are Carnage!!!!

 

爆発をもろともせずにピスコの遺体が投げつけられ、車がひしゃげて爆発する。

ウォッカがそれに巻き込まれて動かなくなるが、部下が必死に回収に向かってることを確認して後回しにする。

 

Give me the kid!(ガキをよこせ!)Philosopher's stone!(賢者の石!)

 

この化物が、いつか気まぐれに拾ってその後に殺したエデンの林檎の骸を食った化物だということは、これまでの言動からわかっている。

その失態をピンガに嬉々として責められたことを思い出し、苛立ち紛れに至近距離で早業で持ち替えたライフルをぶっ放して化物の右足を奪う。

 

「■■■■■■■…My father…!

「───!!」

 

自分の第六感に従って後ろに飛んだ直後、赤く伸びた触手が地面から貫通してくる。

力も再生力も化物が上回っているが、ジンはそれを殺意と素早さで上回ることである種の均衡が生まれていた。

 

自分を父と呼ぶその化物が、どういう出自なのかはわからない。

だが、少なくともあのガキの記憶が混じり合って、イカれているのだろう。

そのうち、侵食が進めばあのガキそのものに成り代わられるかもな、なんてことを思ってジンは眼の前の怪物を嘲笑した。

 

結局、警察のサイレンが聞こえてきたあたりでお互い逃走を開始し、その場は決着がつかずに流れる。

トドメこそ刺されなかったが、ジンとウォッカは行動するにはあまりにも重症であり、簡単な治療後日本から一度撤退することになる。

 

後日、彼らはなぜ見逃されたのかを悟った。

ジンとウォッカが運ばれた病院が襲撃され、組織の日本における拠点の一つが消滅したのだ。

その不意打ちのせいでいくつか組織の構成員の情報が漏れ、すぐさま理不尽な粛清が行われたわけだが、被害は決して小さくない。

各国の諜報機関が、組織の情報を確保しつつあるというのは、かなりの痛手だった。

 

全て計画通り。

なんならガキを食った化物ではなくガキそのものなわけだが、全てを偽装したまま彼らは事を成し遂げた。

かつて出来損ないの弾丸と呼ばれた少年は確実に、少しずつ。

組織を削っていた。

 

その帰り道。

 

「きゃぁああああ!助けて!痴漢よ!ああ!なんてこと!こんな強面の男を倒せるのは立派なイチモツを持つ男の人しかありえないわ!」

「はいはいはい!ちんちんライダーにお任せ!」

「…こ、こんな単純な手で……とりあえず確保ー!!」

「…え?」

「すまない、こんな方法を取った俺達を許してくれ」

「ごめんね、ほんとごめんね」

 

普通に体への負担があまりにもでかいというか、常に正気を失いそうになるレベルの熱と痛みに苛まれるカーネイジモードのせいでへろへろなのに、無駄に正義感出して路地裏に飛び込んだバカは、幼馴染の姉とそれに痴漢呼ばわりされて微妙な顔をするその彼氏の演技に騙され、後ろで映画監督みたいな格好してふんぞり返る幼馴染の計画通りに確保された。

 

「あれー!?」

 

 




ちんちん確保されるの巻。
という話でした。
作者のモチベのために感想やここすきたくさんいただけると嬉しいです。
いつも本当にありがとうございます!!!(土下座)

ちなみにカーネイジモードの見た目はだいたいエヴァ量産機で、そこから赤い触手が伸びてたり、ガンダムバルバトスみたいな爪がついてたりする感じです。
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