米花町でちんちん出したら逮捕された件について。   作:ひつまぶし太郎

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えーまず、はじめに。
ここが人によっては第1章第1話であり、第2章第一話でもあります。
あらすじにもある通り、ここからは雰囲気が全く異なります。
主人公も変わりました。
あらすじにある注意事項をよく読んでから先に進んでください。
そして、過去編を読みたくないって人はあとがきに簡単にまとめてますので読んでください。

余韻ぶち壊しタイム。
ちんちんを出すと言ったな!あれは本当だ!
シリアスを望む人はみんな避難してくれ!


第1章。知性ゼロの日常
第一話。やつは死んだ、もういない。


 

 

やぁ、みんな。

元気してるだろうか。

僕は一度死ぬような思いをして以降ずっと超元気だ。

元気すぎて、警察に捕まっちまうほど元気だ、と言えばどれほど元気か伝わるだろうか。

たぶん伝わらないだろう。

今の保護者いわくたぶん頭がぶっ壊れておかしくなったとかで、難しい話を抜きにするなら馬鹿なってるらしい。

なんて失礼なんだ。

というかみんなって誰だ。

流石に現実逃避しすぎ。

 

「元気いいわね?」

「超元気です」

「…元気なのはいいけど、あなたみたいな子がよりにもよってな罪で捕まってる事実にもっと目を向けてほしいのよね…」

 

眼の前でスーツをばっちり着こなした女の刑事さんが頭を抱えている。

その表情はとても深刻で、綺麗な顔が台無し…ではないな別に。

美人だからため息をつく姿も様になっている。

でも、そのため息は重く深い。

 

「それで、聞かせてくれるんでしょう?」

「まぁ、やぶさかではないですね」

「…じゃあ聞かせて」

 

女刑事さんは、覚悟を決めた顔で僕を見つめている。

 

「───なんであなた、あんなことしたの?」

 

その問いに、僕は至極真剣な顔をして答えた。

 

「むしゃくしゃしたからやった、反省もしてません。僕は悪くありません」

「高木くん!高木君早く来て!私もう無理耐えられない!」

 

錯乱する女刑事さんが見てられなくて、思わず目線を逸らせば、僕の今の姿をしっかりと映す大きな鏡が目に入る。

マジックミラー。

エッチな鏡だ。

反対側には大人たちがたくさんいるのだろう。

 

「警視庁ってエッチな場所だったんだ…」

「違うから!変なこと言わないで!」

 

ここは天下の警視庁。

なんで僕はここにいるのだろうか。

普通僕がしたことって連れてかれるの交番とかじゃないんですかね。

確かに悪いことはしたけれど、そこまで大それたことはしてないんですけど…。

 

どうしてこうなった?

僕はそれを思い出すべく、目と耳をしっかりと塞ぎ、厳しい刑事たちからの追求をシャットアウトするのだった。

 

「あ、こら!一人の世界に逃げるのはやめなさい!逃げても現実は変わらないわよ!」

 

 

 

 

春爛漫。

全ての人類が新生活を開始する、慌ただしくも何処か胸踊るような、やっぱりちょっと緊張でお腹が痛くなるような。

そんな季節。

 

今年18歳になる僕もまた、新生活が始まっていた。

新生活一発目の朝、調理中の目玉焼きが破裂したけど、僕の人生の中ではまずまずな滑り出しと言えるだろう。

 

破裂したというかなんかこう…ぼんってなった。

どうして…。

キッチンが汁まみれになり、フライパンは使い物にならなくなり、火災報知器もなった。

思い返すと普通に萎えてきたな…。

 

…その後、今の保護者に報告したら余計な騒ぎを起こすんじゃねえよクソが(意訳)という説教を頂いたのも納得がいかない。

保護者なら毎分毎秒優しくしてほしい。

 

そんな風にちょっと躓いたスタートになったものの、僕は今日面接に来ていた。

天気は雨ってのが素晴らしい。

それに、面接を担当してくれている社長さんも良い人そうで安心している。

待機中に出されたお茶菓子もめっちゃ美味しい。

ぼっきーにちんこすう、ぽてち。

これ以上ない完璧な布陣だ。

これだけもてなすということはもはや採用は確定された未来と言えるだろう。

 

この勝負、もろたで工藤!

やるやん工藤!

ついてるでこれは!

と、僕の内なる関西人も叫んでいるから間違いない。

 

…まぁ工藤って誰か知らないんだけど。

こないだすれ違った、松崎しげるみたいな色した高校生が呟いていたセリフを真似ただけなので。

 

「…あのねぇ、君。うちは掃除屋なんだけどそこのところよくわかってる?」

「わかってます」

 

もろたでではなかったかもしれない。

なんだか社長さんの顔が困惑気味だ。

だが、僕はしっかり募集要項を確認してから足を運んでいる。

当然仕事内容については把握している。

 

「…そう、なんだ…わかってるんだ?」

「ええ、まぁ。ゴミを片付けてみんなが気持ちのいい街にする…素敵なお仕事ですよね」

 

僕も昔は似たようなことをやっていたし、経験ありってのはいつだってどの業界でも重宝されるはず。

つまりは自分の過去の経験を社会に還元するという素晴らしい奉仕精神から来る志望動機であり、断じてうちの保護者に、このままニートを続けるなら俺はお前を社会のゴミって呼ぶからなと言われて、意趣返しにここに面接を受けに来たわけではない。

 

「お、おお…ははっ。そんな風に褒めてもらえるなんて嬉しいよ。いや、ほんとに。おじさんにも君くらいの()がいてね…こないだ臭いって言われて落ち込んでたんだ…」

「教育のなってねぇガキですね。臭いのは事実ですけど」

「違うんだよ。そこはそんなことないですよ、とか。思春期で恥ずかしかったんじゃないですか?とかが返って来る流れなんだよね、普通。喜々として傷口をえぐりに来るところじゃないから」

 

どうやらちょっと面接に緊張して飛ばしすぎてしまったらしい。

 

「…はぁ、えっと。すみません、よくわかんないっす」

「…いいたくないけど君の親御さんの顔が見てみたいよ」

「なら天国ですかね」

「ごめん。ごめんなさい。これはおじさんが悪かった…ちょっとどういう教育受けたのかなって思っちゃったおじさんが大人気なかった。ほんとにごめん」

「教育…教育はそうですね。たまに育ての親が帰ってきては殴る蹴るの暴行されて、痛くなきゃ覚えないの精神で育てられてきましたけど」

「この話ちょっとやめようか!ごめんねなんか。嫌なこと思い出させちゃって…」

「いつもその育ての親のことをぶっ殺す夢見ては目が覚める毎日です」

 

いやほんとに。

毎晩のようにあの育ての親との殺し合いの日の夢を見るんだよな。

…あそこでなぁ、ローが入ってたら僕の勝ちだったんだけど。

普通に体格差で足払い仕掛けにいった隙を狩られたよね。

そこからは画面端に捉えられた格ゲーのごとくボコボコにされ、最期は毒薬を飲まされて捨てられた。

ローが!ローさえ入ってたら!

 

でも夢でならローがめっちゃ入るので、いつも育ての親をボコボコにぶっ殺して快適な朝の目覚めを迎えている。

 

「あの…なんで泣いてるんですか?」

 

僕の言葉のどこに感動する要素があったのかはわからないが、社長さんはハンカチで目元を拭いながら自分の前にある皿を僕の前に差し出してきた。

 

「カステラ…私の分も食べていいからね」

「良いんですか?面接中ですけど…」

「ああ…たんと食べなさい」

「じゃあ頂きます」

 

美味しい。

甘みのお陰でようやく緊張もほぐれてきた気がする。

 

「…うん。それでね。うちの仕事内容を理解してるならちょっと履歴書の特技欄が意味わかんないだけど」

「…そうですか?」

「得意技にローって書いてあるね。これあれかな、ワンピースの声真似的な話?」

「違いますね。蹴りの方のローがめっちゃ得意です。次育ての親にあった時は必ず決めてやりますよ!」

「ううん、その心意気は買うけどね!?うちの職場じゃいかせないかなって!」

「…?むしろ使いまくるつもりなんですけど…」

「使いまくるつもりなの!?」

「ええまぁ。これで僕は社会のゴミを一掃してやるつもりです!安心してください、経験者なんで!殺しでもなんでもやりますよ!」

「不採用ー!」

 

…ん?

 

「すみません、今なんて?」

「ごめん。本当に心苦しいんだけどちょっとおじさんの会社じゃちょっと君は荷が重すぎるかな…ごめんね?うち本当に裏稼業とかじゃなくてただの本当に清掃をするだけの会社だから!」

「真心こめますよ?」

「ついでに銃弾も込めそうだからダメ」

「そ、そんな…!」

 

くそ、僕が大量殺人者だって言うのかよ(言ってない)!

まるで僕が社会に不適合なゴミってことみたいじゃないか!

 

畜生、ここでも僕の過去が足を引っ張るのか…!

畜生…!

許せねぇ…!

許せねえよ…工藤…!

お前誰なんだよ!

ほんとふざけやがって!

 

「あとね、ごめんだけど普通に年齢と性別も嘘だし採用できないかも」

「ほんとのことしか書いてないですけど」

「…君、子どもだよね?」

「18歳なんですけど!福祉…の大学?に通ってるんですけど!」

「しかも女の子だよね?」

「男ですけど!?」

 

やれやれ本当に。

このおじさんは本当にダメだな。

 

「僕の何処が女児だっていうんですか!」

「全部」

 

言われて、僕は自分の姿を省みる。

真っ白でふわふわの髪の毛。

ぺったんこな胸。

赤い瞳。

低い目線と高い声。

 

…変わり果てた、認めたくない現実がそこにはあった。

 

「ふざけんなバーカ!ああいいよ見せてやるよ!やってやるんだな!今、ここで!」

「ちょ、なにを…!」

「しゃぶれやオラァ!ちんちんはまだ健在じゃいボケコラァ!」

 

「───警察です!鎌田社長!あなたには殺人の容疑が…何だこれどういう状況!?」

 

こうして、僕は米花町で逮捕されて今に至るってわけだ。

そう、つまり。

僕が警視庁に連行されたのはあのひとの良さそうなふりして普通に人を殺していた社長のせいだ。

 

あと、僕がちんちんを出したから。

 

まったく、誰のせいだよこんなふざけた新生活のスタートになったのは。

5年前とかあんなにシリアスしてたじゃん僕。

 

やれやれ。

ついてない。

 

僕は、警視庁の取調室という選ばれしものしか入れないその部屋で、小さくため息をつくのだった。

 

「あーあ、先が思いやられる…」

「お先真っ暗っていうのよ」

 

 




やつは死んだ、もういない。
変わっちまったよ、お前…。

これがやりたいがためのなっがーい前振りでした。

過去編。
主人公再生能力&若干の若返り能力(細胞分裂を自在にあやつる能力)持ち。
この世界のアポトキシンはこいつの細胞のせいで生まれた。
そして、組織に父親が歯向かったせいで家族は全滅、銀髪で目付きの悪い男に育てられることになる。
主人公はそんな折に宮野志保と出会い、命懸けで彼女と彼女の姉を組織から逃がしきった。
あたかも死んだかのようなエンディングのあと、普通に生きていて、ちんちん出して捕まった。

はい、反省してます()
でも感想と評価ください。
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