自殺したいならメンションしろ   作:スマイルマン

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スマイルマンチャレンジ

「あんたなんて産まなきゃ良かった! 」

 

 甲高い声が閉鎖的な部屋にこだます。しなったベルトが私の頬に当たった。

 

「うっ」

 

 一発、二発と続いて母さんは私のことをベルトでぶった。これが私の日常……。毎日のように口にすることすらはばかられる暴言を私に対して吐く。私のことをぶつ。

 

 10分間この地獄は続いた。いつものことだ、夜遅く母さんはその日あった鬱憤を晴らすために私をぶつ。おかげで私の顔や体はアザだらけ。鏡を見るだけで毎晩のことを思い出してしまう。とても嫌な気持ちだ。

 

 私の家は母子家庭、母親がいないと生きていけない。児相に相談してもきっと無駄だ。

 

「辛いよ……」

 

 シャワーを浴びながら呟く。心の底から出た本音だ。内出血してアザになった部分がズキズキ痛む。その度に心もズキズキ痛む。

 

 私は自室にこもってスマホでSNSを見る。すると都市伝説の動画が流れてきた。なんとなくその動画を見る。

 

『ゆっくりマリーだぜ、今日はスマイルマンについてゆっくり解説していくぜ』

 

 合成音声のキャラクターがスマイルマンという都市伝説を説明し始めた。どうやら、今SNSに存在するとされているもので死にたいと書いた投稿をすると@Smile_manというアカウントからDMが送られてくるらしい。そして、彼から送られてくるDMの指示に従うと最終的に()()()()()()ができるのだという。

 

「はは、絶対嘘じゃん」

 

 もし、それが本当だったらどんなにいいことか。死ぬが痛くないなら怖くない。この地獄から抜け出せる。でも、これは都市伝説だ。作り話に決まっている、だって話として出来過ぎている。

 

「……」

 

 私は無意識のうちに死にたいという言葉を打ち込み投稿した、いるかもわからないスマイルマンをメンションして。そうして、柔らかくないベッドで眠りについた。

 

 次に日もいつもと同じだ。仕事から帰ってきた母さんにベルトで殴られた。しかも、ベルトの金属部分が額に当たり出血した。

 

「死にたい……」

 

 鏡に映った自分を見て呟く。もう限界だ。毎日、毎日、暴言、暴力。なんとか正気を保てていたがもう限界だ。死にたい、死にたい。

 

 スマホ見る。一件メッセージが来ていた。送ってきたアカウントの名前は……。

 

「スマイルマン……」

 

 あの都市伝説のアカウントだ。本物なのだろうか。メッセージを見る。

 

『死にたいですか? 』

 

 そのままのメッセージだった。返信する。

 

『はい』

 

 すぐ既読がつく、返信が来た。

 

『では今から送る指示にしたがってください』

 

 動画で見た都市伝説そのままだ。もしこれが本当なら楽に死ねる。藁にもすがる思いで私はしじを見る。

 

『まずはこの動画を見てください』

 

 URLが送られてきた。私はそのURLを押す、すると動画が再生された。内容は暗い海の動画だった、波の音がひたすら聞こえる。動画の時間は1時間、とても長い。

 

 1時間はすぐだった。最初は退屈に感じたが徐々に引き込まれる、いや引きずり込まれるというほうが正確だろう。なんだか不気味な気持ちだ。

 

『次はこの曲を聞いてください』

 

 またURLが送られてくる。今度は音楽のようだ、これも波の音。しかし、さっきの動画の音より音程が低い。なにかのうめき声のようなものも聞こえる。気持ちが沈んでいく。音楽も1時間続く。

 

『ベランダに立ってください、飛び降りれるようのしてください』

 

 言われるがままベランダに向かう。

 

『ゆっくり目を閉じず下を向いてください』

 

 なんだろう、ここは8階、すごい高いはずなのに怖くない。下には海が広がっているように見える。飛び降りても大丈夫なように感じる。

 

『飛び降りてください』

 

 メッセージを見る。ああ、これで解放される。やっと、やっと楽になれるんだ。

 

「あはは、なんだ全然怖くないじゃん」

 

 私はそういうと踏み出した。

 


 

 暗い部屋の中でテレビでニュースが流れる。

 

『昨日、XX県XXX市で飛び降り自殺があり、14歳の女の子が自殺したとされております』

 

 男はそれをみて満足そうに椅子から立ち上がった。

 

 今日も1人()()()、そんな気持ちで心が満たされる。男は言葉を漏らす。

 

「もっと、()()()()()()

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