自由惑星同盟のオムニ社   作:交響魔人

2 / 5
思いつきのネタでしたが、思った以上に好評だったので続きを書きました。
オリキャラ及びオリジナル設定が登場します。ご注意ください。


暴かれる「帝国領侵攻作戦」の裏

 同盟軍司令部へ訪れた第1艦隊司令官クブルスリー中将は、警備として配備されたED209を見る。

 デモンストレーションで実弾を装填し、不具合によりアンドリュー・フォーク准将を殺害というハプニングを起こした欠陥品を軍が正式に配備する、と聞いたときは唖然とした。

 その後も不具合が頻発しているが、いかつい見た目に対してそのポンコツっぷりに愛嬌らしきものすら感じるようになっていた。

 

 

『動くな。諸君は自由惑星同盟の軍事施設に無断侵入した。武器を捨てなさい。20秒だけ猶予を与える。命令に従わねば実力を行使する。』

 

 

 この警告と共に、銃口を向けられる瞬間までは。

 

 

「中将閣下!お逃げ下さい!」

 

 だが逃げようとすると、こちらの動きに合わせて銃口が向けられる。

 銃を捨てて武装解除しても、銃を捨てた事をこのポンコツは認識できない。

 

 

 覚悟を決めるクブルスリー中将のすぐ傍を、一人の軍人が駆けていく。

 即座にED209の足元にスライディングを決め、足元のパーツを外して手持ちの機械を接続すると操作を始める。

 

 

「な、何をしている?」

 

 足元の軍人に顔を向け銃口を突き付けるED209だが、発砲はしない。

 ややあって再び銃口をクブルスリー中将達に向け、無慈悲なカウントダウンを刻む。

 

「よし、間に合った!」

『5、4、子犬のように大人しくなる』

 

 

 そう言うと、ED209は動きを止める。

 

 

「…助かった、のか?君、名前は!」

 

 

 呼びかけられた軍人は茶髪を揺らしながら起き上がる。

 

 

「チーモンド・ホーランド中佐です。お怪我はありませんか?」

「だ、大丈夫だ…。一体どうやってこの粗大ごみを止めたのかね?」

「元々機器の扱いには慣れております。どうにも不具合が多いと聞いて、対策のために持ち歩いておきましたが、正解でしたね。」

 

 答えながら、手元の端末から情報を読み取ったチーモンドは結論を出す。

 

「誤作動により、すぐ近くにいた皆様方を侵入者と認識したようです。今は命令に従います。」

「今は命令に従うのか…なら。」

 

 次の瞬間、クブルスリー中将は冷酷な命令を告げる。

 

「そいつに階段を降りさせろ。」

「お怒りごもっともですが…。申し訳ございません、ここで失礼させて頂きます。帝国領侵攻作戦について確認しなければならない事があるので。」

「な、何?帝国領侵攻?何の事だ?」

「おや?第一艦隊司令官がご存じない…妙ですね。秘匿義務があるにせよ、フォーク准将が亡くなった以上秘匿する必要性は…。」

 

 

 そう言いながら、青年は施設内へ歩いていく。

 

 

「はぁ…。イゼルローンを攻略したのにまた戦争か。」

 

 

 空を仰いだクブルスリー中将は、自分を殺しかけたED209を睨む。

 

「だがその前に、苦情を入れるのが先か。」

 

 

 

 

 

 

 

「定刻です。それでは、これよりアンドリュー・フォーク准将が生前立案した『帝国領侵攻作戦』を説明いたします。」

 

 

 チーモンド・ホーランド中佐が解説を始める。

 

「作戦概要は、『大軍をもって帝国領土の奥深くへと侵攻。これにより帝国人の心胆を寒からしめる事』です。具体的には、第3、5、7、8、9、10、12、13艦隊の8個艦隊を投入。20万隻、総兵力3000万の将兵を動員する自由惑星同盟始まって以来の壮挙となるでしょう。」

 

 その発言を受けて、一人の軍人が声を上げる。

 

 

「第10艦隊のウランフだ。規模は分かったが、作戦上の目的が不明だ。敵軍と一戦する短期的な物か?それとも敵軍を壊滅させて和平交渉に持ち込むまで粘る長期的な作戦か?」

「申し訳ございません。立案したフォーク准将が生前用いていた端末から得られた情報はこれが全てです。」

「これが全てだと?一体どういうことだ?もっと具体的に話してもらいたい。」

「フォーク准将亡き今、この計画について最も詳しい方がおります。キャゼルヌ中将!」

 

 突然名前を呼ばれ、「えっ?」という顔を浮かべるキャゼルヌにチーモンドは言葉を続ける。

 

「この大侵攻を行うにあたり、私は『空前絶後の大規模な軍事作戦を行う以上、最優先で補給担当部署に話を通しておくべき』とフォーク准将に進言しました。准将からどこまで伺っておられますか?」

「そもそも。帝国領侵攻作戦自体、初耳だ。私はフォーク准将からそのような話は一切聞いていない。」

「えっ…?」

 

 そういうと、チーモンドは考え込む。

 

「クブルスリー中将閣下もご存じなかった、だが、投入予定では無い第1艦隊司令官でいらっしゃるから、知らない可能性も無くはない。だが、第10艦隊司令官のウランフ中将も、補給担当のキャゼルヌ中将までも知らないのは何故だ?物事には理由がある。何故、根回ししなかった?しなかったことでどんな利益が得られる…?!あっ!そうか、そういう事か!」

 

 

 

 一人で納得する中佐に、ビュコックが発言する。

 

「何を一人で納得している。我々にも話せ。」

「かしこまりました。結論から申し上げますと、フォーク准将はコネを使って統合作戦本部に帝国領侵攻計画を通そうと企んでいました!」

「なんじゃと!」

 

 

「まるで意味が分からない。何故その結論になる?」

「以前からフォーク准将はサンフォード議長と深いつながりがあり、ヤン中将をライバル視していました。」

 

 

 それまでフォークと一切関りが無かったヤンは思わず目を見開く。

 

「士官学校での成績は自分の方が優れているのに、ヤン中将が英雄ともてはやされているのは腹立たしい、そう本人から聞いています。同時に、ヤン中将に負ける帝国軍など恐れるに足りない、と。そんな弱い帝国軍を一気に叩き潰し、ヤン中将を超える英雄になる。その為に帝国領侵攻計画を立案したものの、細部についてや侵攻時期について詳細を詰められると話が流れる。故に、私的ルートで話を通そうと考えていたのであれば、フォーク准将が皆様方に一切根回しをしていない理由をすべて説明できてしまうのです。」

「なるほど。ワシやキャゼルヌが知れば、話は当然広がるからの。話さなくてもいずれ知れ渡る事になるが、その時にはなし崩し的に決定済みである、と持っていくつもりだったわけか。」

「はい。そういう魂胆であれば、根回しをしていない理由が説明出来てしまうのです。」

 

 

 ロボス派閥でフォーク准将のグループに居た事もあって、チーモンドはフォークの意図を看破し、暴露する。

 それを止めるフォークはすでにこの世にいない。

 

 

「こうなった以上、帝国領侵攻作戦は白紙撤回とします。そもそも、長期的か短期的かすら決まっていない以上、実行する必要もありません。」

 

 やれやれ、どうやらこれで小康状態を何とか維持できそうだ。

 安堵した空気が流れる中。

 

 

「待ちたまえ、チーモンド中佐」

「グリーンヒル大将?」

「君は帝国領侵攻作戦の為に情報収集してきたのだろう。ならば、帝国に関する情報を共有しておきたい。」

「…かしこまりました。私が注力したのは、ここ、『デトロイト星系』です。」

「ふむ?」

 

 提示された詳細なデータを同盟軍の幹部たちがじっと見つめる中、チーモンドは説明する。

 

 

「居住可能惑星デトロイトは現在、帝国貴族キューザック当主が統治しておりますが財政破綻を起こしており、変わって貴族のマグダゲットが私兵、リハップ隊により支配権を奪い取ろうと謀略を張り巡らしています。これです。」

 

 拡大された公文書の内容に、ビュコックは思わず声を上げる。

 

「何?『債務不履行の場合、マグダゲットは市の全資産に対し、無条件で担保権を行使する権利を有する。』という契約書にサインをしたのか?」

「はい。この契約を盾に支配権を奪おうとしています。警察機構を弱体化させるべく犯罪組織に麻薬が蔓延させており、市民は限界を迎えつつあります。」

 

 こんな政治家が居るのか?と訝しむも、署名されている以上事実なのだろうと受け止める軍上層部。

 

 

「私が注目した理由は3つ。一つ、政治的、道義的にも彼らを解放すれば自由惑星同盟の正義の宣伝になる事。二つ、同星系はイゼルローン建造に関わっており、現在でも開発が行われている資源惑星がある事。三つ、イゼルローン回廊から比較的近く、補給線に負荷を与えにくい。」

「なるほど…。」

 

 ヤン・ウェンリーは呟く。

 彼から見ても、良く調べ上げられている。こうしてみているだけで、攻略するとなった際の作戦案がスッといくつも浮かんでくる。

 

 

 

「チーモンド中佐。この情報収集に赴いたのは、君だけか?」

「いいえ。他のメンバーも赴いております。」

「なら、その情報も共有するべきだ。侵攻目標を決めるためにも。」

「ルグランジュ中将!イゼルローンの再奪取を目論む帝国軍に対し、『帝国領侵攻作戦』でさらなる一撃を加える事で帝国軍の戦意をさらに挫く事で和平路線を円滑に進める。そう説明された私達は現地に潜入し、情報を入手しました。ですがそれはフォークめの、あ、いえ。失言でした。」

 

 何とか取り繕うとするチーモンド中佐に、ビュコックは思わずつぶやく。

 

「構わん。もうこの世におらんのじゃから。」

 

 

「准将の自尊心を満たすための物でしかなく、侵攻を行うにしても時期尚早。確かに、デトロイトの住民は苦しんでいます。ですが停戦すれば彼らは銀河帝国が救うでしょう。我々は、その可能性に期待するべきです。」

「チーモンド中佐。壊したものは弁償する、罪を犯せば償う。」

「はっ、異論はありません。」

「ならば、帝国は払うべきだ。例えば、君の従兄を殺した償いを。」

 

 

 その発言でチーモンド中佐が顔を歪めた事で、ヤン・ウェンリーとウランフは思い出した。

 髪の色も、瞳の色も異なるが…。似ている。顔の輪郭や、鼻の造形があのウィレム・ホーランド中将に。

 

 

「…個人的な遺恨はありますが、私は軍人です。戦えと言えば戦い、調べろと言えば調べ上げて見せましょう。ですが、果たして大義名分の薄い戦いを強行するべきでしょうか?」

 

 

 顔を上げてはっきりと告げるチーモンド中佐の眼を、ヤン・ウェンリーは見つめる。

 ヤンの親族は帝国軍に殺されたわけでは無い。だから、同盟の人々と比べて帝国への憎しみは薄い。

 

 だが、肉親を殺された人々にとって帝国は憎い仇。チーモンド中佐はその憎悪を軍人という理性で抑え込んでいる。

 なら、市民はどうだ?すべての人々が彼のように振る舞うのは無理だろう。

 

 

 

「…シトレ元帥。私はこの後、サンフォード議長と最高評議会の方々に、亡きフォーク准将が立案した計画について説明しろと出向命令が出ていますが…。ありのままに答えるべきでしょうか?」

「断れないのか?」

「実は今回の調査にかかった費用は、最高評議会の特別会計予算Cから出ています。断れば横領罪で逮捕です。」

「ま、待て!最高評議会が特別会計予算とやらで、帝国の情報を軍人に調査させた?最高評議会の良識は昼寝でもしているのか?」

「議長から問われれば、軍は明確に反対していると伝えた上で言いくるめます。」

「百戦錬磨の政治家を君が説得?どうやって行うつもりだ。」

「考えがあります。そもそも、勝利とはなんでしょう。」

 

 

 その問いかけに、その場の全将校が動きを止める。

 静まり返った静寂の中、シトレ元帥が真っ先に口を開く。

 

 

「む。どうにも目の前の敵を倒す事、という事では無いようだが。」

「はい。何をもって、どのような形に持っていくのが最終的に同盟の勝利となるのか。そこを突けば説得できると思っております。」

 

 

 ふと、ビュコックは思い出した。そういえば、と。

 

「ああ、そういえばホーランド中将は『オーディンを制圧する事』と言っておったの。」

「はい。私の問いかけに従兄は『オーディンを制圧し、帝国皇帝に城下の盟を結ばせる事』が同盟の勝利である、と答えました。」

 

 

 城下の盟とは、最も屈辱的な講和条約だ。現状ではそれを結ばせるなどどう考えても無理な話なのだが…。

 それ程、ホーランド中将は帝国を敵視していた。

 

 

「…ところで、その質問は准将にも行ったのかな?」

「はい。フォークは『帝国領を全て征服し、完全に崩壊させる。帝国という悪夢が消滅して初めて、同盟市民は心安らかに安眠を享受できる。』と。」

「その志はともかく、もう少し現実を見てもらいたいものだ。」

 

 やや憮然とするウランフ。

 続いて、ヤンが問いかけをする。

 

 

「君の意見を聞きたい。君の中ではすでに答えがあるのだろう?」

「はい、ヤン中将。同盟の勝利とは、『負けない事』であると考えています。」

「負けない…事か。なるほどね。」

 

 

 それだけで、ヤンはこの中佐が何を言おうとしているのかを先に理解した。

 

 

「帝国の勝利条件とは、自由惑星同盟を併合し、民主主義を滅ぼす事。であれば、同盟を独立国として帝国に存続を認めさせることが、同盟の勝利。」

「…理解した。だが、事が事だけに議長への説明は私が行く。中佐、改めて話を聞くので呼び出しがあるまで待機するように。」

 

 

 シドニー・シトレ元帥としてはヤン中将ならまだしも、26歳の中佐に同盟軍3000万を出兵させる作戦案の成否を託す事はできない。

 故に、最高評議会へ「若者の尻ぬぐいは年寄りの仕事だ」と自分に言い聞かせながら赴く事にした。

 

 

 

 

 

 

 ロイヤル・サンフォード議長は機嫌が悪かった。

 溺愛していたフォーク准将はデモンストレーションの事故で死亡。彼からは、支持率を上昇させるための画期的で成功確実な「帝国領侵攻作戦」の存在を前々からほのめかされていた。

 成功すれば新たな英雄の誕生となり、その英雄はヤン・ウェンリーと違い自分の支持基盤を大いに固めてくれるはずだった。

 

 だが、それは永遠に失われた。彼の取り巻きが帝国本土へ潜入して収集した情報をまとめて計画を引き継ごうとしているが、その中心人物はチーモンド中佐という若者だ。

 直接話したところ「自由惑星同盟と民主主義の存続は、一個人の政治家の進退より優先される」と明言した。気に入らない。フォークより士官学校での成績が劣る上に性格まで悪い。

 

 フォークが生きていてくれれば。そう思わない日は無かった。

 

 

 そんなサンフォード議長はこの日、最高評議会へ新たな売り込みをかけてきたオムニ社のプレゼンテーションを受けていた。

 先ほどのデモンストレーションから、「予め録画した映像を流す」という形式を取らせるよう指示していたが。

 

 

「我がオムニ社はサイボーグ技術を開発し、今や大幅な進歩を遂げました。頑強なハードウェアと、有機体と集積回路のユニークな結合から生まれたソフトとのドッキング。皆さんにご紹介しましょう。ロボット警官、ロボコップです!」

 

 

 スクリーンの中で映像が流れる。

 アナウンスの後に、ゲートが開く。そこから人型の屈強なロボットが二足歩行で歩いて来る。

 

『お前を、逮捕する…。止まらないと、撃つ』

 

 そういうと周りを見渡した後に銃を取り出し、発砲する。

 一人の技術者がわき腹を撃たれて転倒。さらにもう一人に向けて発砲。

 転倒するなか、自らの頭に銃を突き付けて発砲。そのまま項垂れるロボコップ。

 

 青と赤のパトランプが点滅し、アラーム音が空虚に鳴り響く。

 

 

 相変わらずデモンストレーションで実弾を用いるという、何も成長していない事が暴露され、サンフォード議長はため息をつきたい気分になる。

 

 そんな中、彼の肩が叩かれる。

 

 

「遅刻だぞ、チーモンド中佐。」

「彼ではありません、サンフォード議長。」

 

 そう言われたサンフォード議長はようやく振り返り、発言者を見る。

 

「シトレ元帥?!な、何故君がここに!中佐は。」

「帝国領侵攻作戦についてお話ししたいことが。そうそう、特別会計予算で件の中佐に帝国領への潜入命令を下したという大変興味深い話もありますが…。」

 

 知られてはならない相手に知られたくない事がバレていることで、サンフォード議長は顔を歪める。

 チーモンドの役立たずめ、全て話したのか!ああ!これがフォーク君なら、絶対シトレ派には隠し通してくれていたのに!

 

 

 そんな中、次の動画が再生され、音声が流れる。

 

 

『自由惑星同盟の治安を守る未来の守護神、ご覧ください!』

 

 

 またしてもファンファーレが鳴り響き、ゲートが開く。

 歩いて出てくるロボットは、先ほどの物より小型だ。

 

 出てきたロボコップは周囲を見渡した後、両手で頭の外装を外す。

 外装の下から皮をはがされた髑髏が露出し、『あああああああああっ!』と叫んでそのまま左へ転倒。

 ドンガラ音が響き渡る。

 

 

 

 ジョアン・レベロは顔を背け、ホアン・ルイは絶句。

 

 コーネリア・ウィンザーは無表情でその惨状を見つめる。

 そして、トリューニヒトの口元にはかすかな笑みが浮かんでいた。

 

 

 

「…オムニ社はロボコップの開発に9000万ディナールをつぎ込んでおります。議長、足りないのは強靭な素体です。候補者のリストを作成しました、なにとぞお力添えを。」

 

 

 その倫理観0のオムニ社幹部の発言にシトレ元帥は激怒する。

 

 

「候補者のリストだと!君たちは警官を危険地帯に送りこんで殉職させた挙句、こんな体に改造しようというのか!」

「落ち着いてください。殉職した警官をロボコップにすれば、政府は遺族年金を払わずに済みます。ロボコップ計画が進めば、予算を12.25%縮小した上で警官の人手不足問題も解消できます。そのためには成功例が」

 

 オムニ社の幹部は、それ以上言葉をつづけられなかった。

 シトレ元帥の強烈な殺気に当てられ、思わず後ずさる。

 

 

 シトレ元帥はどこまでも冷え切った眼をサンフォード議長に向け、低い声で告げる。

 

「サンフォード議長、少し話し合いをしませんか?別室で。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 シトレ元帥が「オハナシ」をしている同時刻。

 ヤン・ウェンリーはED209に色々入力しているチーモンド中佐達を見かけた為、足を止める。

 あのポンコツに一体何をするのか、気になったからだ。

 

 

「…これでよし。セキュリティ面は弱体化しましたが、安全面は強化されました。」

「というと?」

 

 安全装置を外さずにブラスターをチーモンド中佐が向けると、ED209が反応する。

 

『武器を捨てなさい。君は』

「階段を降りろ」

 

 次の瞬間、ED209が動きを止め静かになる。

 

 

「緊急停止コマンドがこれです。折角のハードウェアです、有効に活用しなくては。」

「…君は。ハードウェアを重視しているみたいだね。」

「ヤン中将?!はい、その通りです。ですが、中将はそうでは無いようですね。」

「こういうのに頼るのは、好きでは無いね。」

「確かに、頼りきるのは問題です。しかし、ハードウェアをないがしろにしては勝てないのでは?」

「それは」

 

 だが、ヤンはそのセリフを最後まで言い切る事が出来なかった。

 またしてもED209が誤作動を起こす。

 

『武器を捨てなさ』

「「階段を降りろ!!」」

 

 ヤンとチーモンドが思わずハモる中、音声入力を受けたED209は再び動きを止める。

 

 

「お、おい!修理したんじゃあ?」

「緊急停止コマンドをプログラムしただけで、不具合を解消したわけでは無いです。」

「じゃあどうすればいい!」

「オムニ社へ問い合わせて頂きたい。私は軍人であり、オムニ社の社員ではありません。」




 という訳で、ロボコップとのクロスオーバーなのでオリジナル星系を巡っての攻防となります。


「帝国領侵攻作戦だけど、侵攻ルートの事前調査はしていた」→「事前調査した星系を全部制圧すれば大手柄」→「逐次投入は愚策!投入できる最大戦力を一気に投入しよう!」
とフォークが思いついたのではないかな?と思っています。「ならその事前調査の予算は誰が出したのか?」と考えた結果、「そこはサンフォード議長が予算こねくり回して出したんじゃないかな?」となりました。銀英伝での公式設定ではないので、悪しからず。

とはいえ、今回シトレ元帥にバレた話が表沙汰になったらサンフォード政権は選挙を待たずに消滅しますかね?場合によっては、物理的に。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。