『生』永遠を紡ぐジンチョウゲ   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第三生 暴力の集い。

 

 

幻霊獄島。

 

それは日本という国においての絶対の墓場であり、その『生』に終わりを告げる。もしくは告げられた者のみ(・・・・・・・・)が送られる絶対の監獄でもある。故にこの島に入れられた。これが表すのはその者がその国にとっての大罪人に他ならないと言うこと...

 

だが...

 

彼女にとってそれは違った。自身は何も間違っては居なかった。あの時、自分はただ襲われそうになった男性を修道服の集団から助けただけ(・・・・・・・・・・・・・)。故に咎められる事は無い。しかしその数刻後に『奴等』がやってきて彼女はこの島に連行された。

 

しかし、だ。たとえどんな事になっても彼女は諦めない。彼女の...風鳴翼の目からはまだ光は失われていなかった。信頼する仲間達や友がいる限り絶対に諦めという感情は出ず、ましてや...

 

「...いい加減にしてくれますか」

 

「...なあ、翼よ...脱糞と野糞(くそとクソ)の違いを知っておるか?」

 

「やめてくださいよッ!本当にッ!?」

 

何処かで見覚えのある老人。彼は自身の知っている姿からは遠く離れた姿で目の前の牢の中で今にも汚物を噴出しようとしており、翼は本当にこいつは私の知っている『あの人』なのか?と思い始めていた。というか、以前の事も加算してもう死んで欲しいとすら思っていた。

 

つまりだ。翼が未だ諦めない理由。

 

それは仲間達の存在だけでは無く...

 

こんな奴と一緒に同じ場所で死にたく無いと思ったからである。

 

「だが...何故貴方が...風鳴訃堂(かざなりふどう)ともあろう方がこの様な場所に...そもそも幽閉されていたのは違う場所ではなかったのですか?」

 

「フッ翼よ...その問答に意味があるとでも...儂は確かにお前達に敗れた後此処とは別の監獄に投獄された。だが...お前が投獄されるより更に三日ほど前...『奴等』が出張ってきたのだ」

 

「!まさか、貴方も...」

 

風鳴訃堂。翼の実の父にしてかつては彼女を含めるシンフォギア奏者達とも相対した怪物にして護国の鬼を名乗る猛者。本来なら人智を超える力を持つシンフォギアの奏者達を相手に生身で圧倒する程の力を持つ者。そんな彼がここに投獄された理由も...

 

否、彼を投獄したのも。

 

また、『奴等』...

 

「そうだ。そしてそれより更に前日...この世界で貴様らがよく知るあの聖遺物...ギャラルホルンと特徴が一致する反応が検出された事、更に貴様が投獄された原因であるもう一つの組織。その組織がその反応があった場所に出現し、政府が秘密裏に送り出した精鋭部隊の100人余りを殺し逃走。政府は奴等に...天照院奈落に依頼を出しかの組織の追跡を依頼した」

 

「そしてその結果私は捕らえられ、貴方もそれ以前にこの場に捕らえられたと...」

 

「その通りだ...だが、真実はより異なる」

 

「は?...それは...どう言う?」

 

翼と訃堂。二人の投獄。実はこの二人の件には大きな違いがある。まず、翼は奈落と呼ばれる組織の計画通りにこの場所に送られた。だが、訃堂は奈落の思惑で送られた訳では無い。そして...

 

「奴等はまだ気付いていない...何せ奴等の計画にあの組織...黒薔薇の庭園(シュヴァルツローゼン)の参戦は想定外であり、更に儂をここに投獄したのは...いや、入り込ませたのは...」

 

「?父う「おい、貴様ら...」!?」

 

どうやら彼等が喋っている間に看守の者が二人、その場の見回りに来た様なのだが...

 

「ん?...なっなんだ貴様『グサッ』は...」

 

「っ!?」

(一瞬で身体が元に戻って!)

 

「おっおい!何「儚きかな」」ひぃ!?」

 

「悪いが...消えてもらおう」

 

「やめっギャアァァァァ!?」

 

「なっやめろ!?殺す必要など「戯言を抜かすなッ!この程度の事では護国どころか貴様らの言うくだらぬ繋がりすら護る事もできぬッ!!」ッ」

 

「翼...篤と知るが良い...ここからが本当の地獄。その始まりであるとな」

 

「父上...」

 

やって来た見張り達が訃堂の存在に気づくと、彼は細々しくなっていた体を一気に元の太さに戻し、彼等が反撃するまでも無く、訃堂は一人の脳を隠し持っていた愛刀の群蜘蛛で刺し殺し、もう一人は瞬時に懐から横に一閃。あっさりとその胴体を真っ二つにした。

 

そして彼は翼に語る。敵を殺さない。その程度の覚悟ではダメなのだと。自身の大切なものを守る為なら時には捨てる事もまた不可欠だと...

 

そして...

 

「儂をここに入れたのは政府でも奈落でも、ましてや黒薔薇の庭園を名乗る集団でも無い。数日前...儂はある人物に声をかけられた。そしてここにて貴様らの...いや、貴様らを利用した奈落の計画...立花響の捕獲(・・・・・・)を阻止する様に指示されたのだ...」

 

「なっ!?立花を...捕獲ッ!では、私がここに入れられたのは...」

 

「そう、本来は別口で貴様か、他の奏者を捉えようとしたが...あの事件があったが故にそれを利用し、貴様を投獄。そしてそれを餌に立花響を他の奏者ごと呼び寄せようとしたのだろう...」

 

「そんな...「だが」ッ」

 

「流石にその様な事はさせん。奴等の計画で護国が無くなると言うなら尚更な...」

(次期にあの者達(・・・・)もここに来る。問題はそれまでに何を為すか...)

 

「お父様...?」

 

 

告げられたのはあり得ざるものにして奈落の本当の目的。

 

そして今ここに集うのは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AMEN(エイメン)!!!」

 

 

鋭く火輝る銃剣(するどくひかるやいば)だった。

 

 

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