『生』永遠を紡ぐジンチョウゲ   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第四生 海上での始まり

 

 

時間は翼と訃堂が幻霊獄島内で遭遇し、訃堂が翼に情報共有をすると同時にその目の前で看守達を抹殺するより少し前...響達 S.O.N.G所属の残りのシンフォギア奏者一同は既に翼奪還へと動いていた。

 

そして彼女達が今何処にいるのかというと...

 

「おい、オッサン。本当に大丈夫なんだろうな...むしろ潜水艦で来た方が安全だったんじゃ...」

 

「そうですよ。なんで今回はヘリでも無く、潜水艦でも無く、こんな小船で(・・・)...」

 

「すまんが、我慢してくれ。幻霊獄島は特別な島でな...まずそこいらの者ではその姿を見つける事も出来ず、レーダーなどを使っても特殊な霧に電波などを阻まれ外部との連絡すらできずにある者はそのまま寿命が尽きるまで迷い続けた記録すらある」

 

「ヒィッ...でも、待ってください...それなら余計潜水艦で来た方が良いんじゃないデスか?...」

 

「いや、それは不可能だ。あの島には特定の地図と指定された手段で辿り着く事以外は許されない。実際、奇跡的にヘリで辿り着いた報道陣がそのまま行方不明という扱いで消された(・・・・)

 

「それって...」

 

「ああ、殺された...それも死ぬ寸前の者達の中でも性犯罪などで捕まった者達に犯されながら...四肢と首を切り落とされ、更にその血肉を犬に食わされる...という映像を政府上層部に送りつけて来た」

 

「そっそんなッ...」

 

幻霊獄島。その未知の島までを小さな小船で進む奏者一同と今回、この任務に同行して来たS.O.N.Gの司令。弦十郎。今回は身内でもある翼の奪還。その数日前に起こったある事件についての事。そして自身の第六感が類を見ない程に警報を鳴らしていた為...彼は自ら奏者達に同行して来た。

 

そして彼から幻霊獄島の説明を聞いた奏者達。その中でも響と切歌、調の3人は顔を青ざめ、クリスとマリアの二人もあまりの悲惨な話に衝撃を隠しきれていなかった。

 

だが、彼女達のそんな反応もおいて船と言葉は更に先に進んでいく...

 

自身達の上からやって来る...

 

彗星に気づく事もなく(・・・・・・・・・・)

 

「でも、そんな島に翼さんを投獄するなんて...悪いのは例の集団なんじゃ...」

 

「ああ、響くんの言う通りだ。少なくとも『奴等』が...天召院奈落が争うべきはその黒薔薇の庭園(シュヴァルツローゼン)を名乗る集団。なのに奴等はその集団よりも現場で民間人を守った翼を捕らえた。それも公衆の面前でだ」

 

「確か、その奈落って言うのは国が抱える秘密結社で緊急時にしか出てこねえって言ってたよな。でも世界蛇含めるギャラルホルン関係や元々うちの世界のフロンティア事変や魔法少女事変...それについ最近で言うとシェムハの復活の時も全然出てくる気配が無かったし...それなのに今回は一般人の前で...それもアーティストとして名が知れてる先輩を捕まえるなんて」

 

「そうだな。だが...何故今までの事件に奴等が出てこなかったのか...俺もある人物にその事については聞いた事がある」

 

「?師匠、ある人物って?」

 

「お前達も知っている筈だ。何せ、マリア君と翼に限っては一度は戦ってすらいる」

 

「え...嘘よね、まさか...」

 

「それに並行世界でも君達とは対立していたな」

 

「あぁ...師匠。もしかして〜『あの人』ですか?」

 

「そうだ。その名は...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風鳴...訃堂」

 

『ッ!?』

 

 

陸を離れて一時間程...長き話に長き旅。彼と彼女達はこれから起こり得る全ての事象を想定し警戒していた。

 

だが...

 

「嘘...だ。なんで...」

 

「おいおいッなんでアンタがそこに嫌がるッ!確かアンタはッ」

 

「まっまた、並行世界...では、ありませんよね」

 

「うん...違う。あれは...」

 

「なんでッなんでよッ!!なんで貴女がここに居るの!?」

 

「...その装束。そうか...親父から聞いた話は本当だったらしいな...奈落は不死の集団。その理由は天召院奈落の首領。空亡(ソラナキ)と呼ばれる男にあると...その血を摂取すればどんな者でも不死になれる...」

 

「それが例え死者だったとしても(・・・・・・・・・)...そうなんだろ...」

 

 

まさか故人が...

 

風鳴翼。彼女の元パートナーにして元ガングニール保持者。

 

響に大切な言葉を教えてくれた彼女が敵として...

 

 

 

 

 

 

「奏ェェェッッーーー!!!!!」

 

 

「奏...さん?」

 

「.....捕獲対象、立花響を確認。これより...」

 

 

立ち塞がるとは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蹂躙を開始する...」

 

予想だなしなかったのだ...

 

 


 

 

そして響達のいた海域から離れた空の上...

 

そこでは...

 

「やれやれ...確かに私は夜の兎ではあるし、地球に行ってみたいという願いもあった...だが...これは夜の地球ではなく夜の魔鏡の間違いだ。そうは思わない?神父様...」

 

「口を慎めよぉ...貴様がどんな心持ちをしていようがその存在は化け物どもと同じダァ...それも不死の存在なら尚更なぁ。故に、今は見逃すが奴との契約が終わり次第真っ先に貴様の首も刎ねてやる」

 

「怖い怖い。肝に銘じておくよ...」

 

そこには空中に浮かぶ魔法陣とその更に上に立つ二人の人物。彼等はそのまま幻霊獄島。その近くの海上から少し離れた場所で遠目に光輝く何かを見た。それは...

 

「それより...どうやら例の小娘と敵の一人が接敵した様だ。我々もあの異教徒と合流し、速やかにあの小娘に『印』をつけなければならぬ。本来なら目的の『最生』とやらも殺したいが...無駄だろうからな」

 

「ああ、分かるよ。だって...私と彼は同じだからね(・・・・・・・・・・)

 

 

彼等の見た先...

 

その先にあったのは...

 

『あり得ざる存在』と相見える響の姿だった。

 

 

 

 

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