『生』永遠を紡ぐジンチョウゲ 作:ある日そこに居たであろうクマさん
幻霊獄島で各々が様々な動きを取る中...
倒れ伏した響の元へ元着したのは...
「えっと、どうします?この人」
「とりあえず拾っておけ。素材は良さそうだから後で意思が我々と同じ『黒薔薇の意志』になりそうならば使おう」
「ふ〜む...ムフフ、これはこれは大層な果実をお持ちで、ど〜れお姉さんが鮮度チェックと糖度チェックをしてしんぜ「フレイグ」わっ分かったから睨まないでよ!」
数百人単位の謎の修道服の集団。その身にはそれぞれが独自の武器や道具などを装備しており、見る限りでは軍隊かそれ以上の統率力もある様だったその集団。
その名を...
「皆さん、何人かはこの方の手当をしてください。残りは周囲の警戒!」
「「「「「はっ!」」」」」
「流石は我が
「まあ、全てはシスターとRoseliaの為に動いてますからね〜それに賛同してついて来てる訳ですし...」
黒薔薇の庭園。それこそがその集団の名。異界においてとあるバンドを崇拝する為に『ある人物』が作った宗教団体の中の特殊部隊である。
そして...
「それで、本題だが...本当にここに我が教義に反する者が居るのか?」
「はい。報告によると以前戦った変な装束の集団。確か天照院奈落とやらの残りから暗示をかけて情報を吐かせた結果、我が教義に反する『異教徒』がこの島に来るとの情報が...」
とある団員とリーダーである彼...
No.1 頂点の神代行 ヴェルグ!!
「なるほど...
それに名前を呼ばれるのは...
「はい...来ましたね」
No.2 熱と戦の神代行 ヒノヅチ!!
「あはっ☆凄い気配だね〜...誰が殺る?」
No.3 愛と知の神代行 フレイグ!!
「どっちでも良いけど、手短にしたいよね〜」
No.4 死と音の神代行 シリス!!
「私は...分かっては居るのですけど...消して良いですか?」
No.5 運命と血の神代行 モレア!!
計五名の黒薔薇の庭園における最高幹部達。
それぞれが他の九つの組織のトップクラスに匹敵する程の力を持つ黒薔薇の庭園の最強達。本来なら軽々しくその力を振るえるものではないその様な存在。だが、今この場で誰よりも早く五人だけが感じ取っていた。
そこに...
「皆様?」
「皆離れろ。来るぞ」
「何『ドオォォォンッッッッ!!!!』!?」
舞い降りる敵の存在を...
「貴様らは...例の黒薔薇の庭園を名乗る集団か?」
そこに降り立つのは響の技で吹き飛ばされ、更にはその技の効果として自身の神経などを狂わされ動けない状態にされていた筈の灯。
彼女は既に自身の傷を回復させ、更には体内の神経もある方法で全て元に戻し、この場に帰還した。
だが...
「なるほど...その女の事もそうだが...ついでだ、お前達の命もこの場で頂くとしよう」
「ふむ...随分面白い事をほざいたな。お前程度の力で私達を殺す?...やめておけ、
何故なら...
「なんだとッ!なら「第一気付いてないだろ」?」
「縛られなさい...
「ッ!これはッ!?」
彼女は知らなかったのだ。この場の者達の真の実力を...
黒薔薇の庭園の実力を...
新生天照院奈落 その構図では一番上に首領 空亡 その下に奈落三鬼 そして他の『鬼の子』と呼ばれる部隊。そして一般の『名無し』と呼ばれる者達が存在する。
そして灯は奈落の中でも三鬼と呼ばれる幹部クラスであり、更には例の黒堕奏姫と呼ばれる新たな力を持つ唯一無二の存在。
早く言えば奈落における『三番目』の実力者だった。だが、彼女には致命的な弱点があった。それは黒堕奏姫の使用による人格の変化であり、それにより彼女は本来の『彼女』自身よりも油断などが多くなり、敵の実力を図る観察眼なども衰えていた。そして元の彼女より強い上に不死身の肉体を持つ彼女だが...
今回はその油断が...
「ぐあァァァッッッーーーー!!!!!」
「終わったな...」
灯がそれに気付いたのは一体いつだったのだろうか?気づけば彼女の体には千を超える細い糸の様なものが巻きついており、その身体を瞬時に締め付ける。そして本来なら黒堕奏姫を使用した自身に生半可な攻撃は効かぬ筈である。それなのにこの糸は...
(この糸はなんだ!?もう身体がちぎれかけてッ!なんで、黒堕奏姫の防御が効かない!最低でもシンフォギアなどより耐久性には優れている筈なのにっ!)
「貴様、もしかして馬鹿か?その程度の実力で本気で我々を殺そうとしていたと?...フッ笑い話にすらならんな」
そしてその姿を見たヴェルグからは失笑とも取れる笑みを浮かべられ、更には...
「なっなんッだと!」
「貴様の様な者に我々が殺せるとは到底思えんが...そうだな、ではモレア!離してやれ!」
「?よろしいので...」
「ああ、こいつは私が
その場を見逃され、挙げ句の果てには自分の相手を他の者の手を使わずに一人でしようと言ってくる始末。
「ぐっこのッ!」
そしてその拘束が急遽一気に解かれ、灯が地面に落とされると彼女の肉体は突如として蒸気の様なものをあげながら再生し、すぐに元の形を取り戻し眼前に立つヴェルグへと突撃していく!
そこから灯は自身の手に亜空間から取り出した自身の身の丈程の槍を取り出し、その鋒をヴェルグへと向けていく。
向けられる槍の名は
彼女の使う黒堕奏姫の力の元となった人物に因んで名付けられた黒き神の名を関する槍。その名は時に破壊や死などを表しすものであり、槍自体もその威力は制限を掛けられているものの、場に出しただけで周りの木々全てを吹き飛ばす程の存在として確立していた。
そして、それを見たヴェルグはというと...
「ふむ。それは再生能力か...何年か前の
(フフッ懐かしいものだな)
全く関心を示して無かった。寧ろ彼の興味は灯の再生能力の方に向いており、彼女の身体を見ながら竜宮館なるとある場所の事を思い出し、一人で満足げに笑みを浮かべていた。
そしてそんな姿を見て灯はその動きを止め...
「死に怯えろッ!」
る筈も無くッ!!
灯が槍の力を解放すると、黒神の槍の周りから黒紫の竜巻が発生し始めそれらはより勢いを強めながら槍の威力を高めていく。
だが、それを見て尚...
『彼』は...
「フッ」
「っ消え失せろッ!」
迫り来るは神殺しのやりをも超えた、概念破壊の効果を乗せたありとあらゆる防御を無視する槍。当たればどんなものであれ、それだけで一切合切を纏めて屠れるであろう鋭き一撃。
そうそれが当たる瞬間ッ!
崩れたのは...
「.....」
「ふっふふ...アハハハハッ!生意気な事を言っていた割には随分と早い沈黙だったな!」
ヴェルグ...
では無く。
「見たかッこれがっ...?アタシは、いや私、
灯の...
否、灯ともう一人。
それは...
「再生能力持ちは大抵意識を落とすか、その身体を灰にでもすれば良いと思い先ずは頭を木っ端微塵にしたら...まさかお前も二重人格か?あの『女』と同じとは不幸な奴だ...」
灯と
奈落三鬼の一人である灯。そして天羽奏であろう『灯』。彼女達は本来同一存在。だが、あのバイザー。黒堕奏姫の使用を試みた際に人間への不信を募らせていた彼女と黒堕奏姫に閉じ込められていた人格達が混ざり合いその結果生まれたのが現在の灯。つまりは奈落三鬼としての灯である。そして今問題なのはそのバイザー。
黒堕奏姫。最知のロンが開発した新しい異端技術。
それが今
そのせいか、バイザー内の
尤も本人は今し方気絶してしまったが...
そしてそれを成した者は...
「気絶した様だな。だが、これをどうするか?そもそも二重人格や多重人格は碌な奴に会った事が無いからな.....」
「殺すか?」
「「「「ダメに決まってるでしょ」」」」
「チッやはりダメか」
メチャクチャ灯にトドメを刺そうとしていた。というのも彼は多重人格や二重人格の相手に嫌な思い出があり、今の内に彼女を始末しようとしていたのである。
だが、彼にそれは出来ない。
否、それは犯してはならぬ禁忌だった。
何故なら...
「ヴェルグお兄さんさぁ...もしかして忘れちゃったの〜シスターの教えを...」
「くっそれは...っフレイグ貴様ッなんだその顔は!?」
「べっつにぃ〜ただまあ、そうだなぁ...シスターの教えを忘れるなんてNo.1失格かと思いまして...」
「なっ貴様!まさかッ!?」
「だってそうだよね〜シスターはこう言ってたよ」
『全てはRoseliaの為に...故に悪人、もしくは異形の存在や敵対生物など以外は殺しはしてはいけません。それは他者にも...ひいてはRoselia含む他のバンドにもご迷惑になります!控えなさいッ!』
「ってね☆」
彼等彼女等にとって絶対の存在であるシスターと言われる人物。彼の教え。その教えと共に更に黒薔薇の庭園メンバーの前世にはある特別な法律の様な協定があった。それこそ...
「
「ヒッヒノヅチ!お前もかッ!おのれっ」
厄災故の掟は黒薔薇の庭園を含む薔薇の十字界。そしてその他の八つの組織で決められた絶対のルール。それらは幾つかあるのだが、その中で絶対破ってはいけないのが、『関係無い他者を殺す事』。正確には悪人や自身に勝負を仕掛けてきた者以外は殺してはならないという事だ。これにより彼等は一般人などには基本的に手を出さないという事になる訳で...
だがしかし、今の彼の行動はギリギリだった。
そしてその行動と先程の言動を確認して...
「はいはーい!次はアタシがやる!」
「あっずるい!私もやりたい!」
「ッ!私もっリーダー!」
「皆さん、ダメですよ。私がNo.2だったのですから順番的に私が...」
「こっこのッ!馬鹿者どもがァァァァッッッ!!!」
幹部メンバーは滅茶苦茶争った。それはもう果てしなく...
特にヴェルグとヒノヅチはお互いに本気で戦おうとしていたが...
その時ッ!
「「ッ!」」
『ッ!?』
「嘘でしよ?」
「凄い、爆発...ですけど」
「うん。
自身達の居る島の北側とは反対側の山の向こう。島の南側の方へ凡そ約七から八km...それより少し離れた地点だろうか?そこでとてつもない爆発音と黒煙が上がっており...
更に...
「ヴェルグ様!あの二人は寝かせてありますが...その内の一人が!」
「?どうし「すっすいません!」...貴様は素材が良い女一号!目が覚めたのか!」
「そっ素材が良い女ッ!?それも一号!?」
そこへ今し方意識を取り戻した立花響が歩いてくる。ただしその足取りは...
「貴方達がっ誰かは知ら、無いです!でも...私には行かなきゃっ」
「おっと無理しちゃダメ☆」
「あっありがとうございます!でも...」
「.....」
自身の元へ
(似ているな...
とある『少女』の事を思い出し、そして...
「...お前、名前は?」
「っ!立花...響です!」
「そうか...なら決して戦闘はするな。そして私達の邪魔をするな。これが守れるなら連れて行ってやる」
「ッはい!わかりました!」
「はあ!?良いの、この子連れて行っちゃって!」
「仕方あるまい...このまま置いていくよりマシだろう?」
「それは...」
ヴェルグは何かを決心した様に響きを見つめ、その後響を戦場に連れていく事を選んだ。無論、他のメンバーはその事について驚いたが...
「今は一刻を争う!この気配の正体を突き止め、我々の教義を穢す...シスターとRoseliaの敵を排除するのだ!良いな!」
『ッはい!』
今の状況が故に彼女達もすぐにその様な考えは思考から排除した!
そして...
「ならば、皆!私に...我らが『意思』に...黒薔薇の『意志』と共に着いてこい!我らは己らに問うッ汝ら何ぞや...」
『我ら
「えっなにこれ?」
突如始まったのは謎の大合唱。響からしたら何それ状態のソレだが、黒薔薇の庭園メンバーは気にせずそれを続けていく。
「ならば
『大楯と心の臓なり!!』
「ならば
『十三の薔薇と逆十字なり!!』
「ならばッ!! ならば
「我ら使徒にして使徒にあらず!信徒にして信徒にあらず!教徒にして教徒にあらず!逆徒にして逆徒にあらず!」
「我ら
未だ明けぬ夜...
月夜の空に彼等は詠う。
自身達の...
『頂点への意志』を込めて...
我らが道は未だ途切れず...と。