『死』辺獄のスノードロップ 作:ある日そこに居たであろうクマさん
『時』は世紀末...
この世界とは別の世界で『彼』は...
天へと...背負いし
だが...
『死』が動き、『時』が動き出した今..,
その
目指す果ては..,
星達は未だ...歩み続けるのだ...
至る所から煙と炎が上がる飛行船の中...
「きひひひっでは第二ラウンドと行きましょうか!」
「ぬうッこれは...!?」
向き合う最死のロンことロン・ゾルディックと突如として現れた異界の存在ことかつて拳王と呼ばれた男 ラオウ。
二人の戦いは新たな局面へと移行しようとしていた。
「おいでなさい...わたくしたちィィッッッ!!!」
「「「「「きひひひひっ」」」」」
「これも念能力とやらの産物か...」
「その通り、これもわたくし能力の一つ。名を
「エクスバタリオン...だと?」
ロン・ゾルディックの能力の一つ 刻まれた大隊。ラオウが見た先には無数の人影がロンの影の中から這い出てきており、更にその数は優に五十を超えるほどになっていた。
そして、よく周囲を見ると...
「ッ飛行船の外にも居るだと!まさかッ!?」
「その通り、今出した者達だけでもざっと五十体ほど...ですが、この外にも後百体ほど分身を出しております」
彼とロン。二人が乗り、今にも墜落しそうでありながら空を進み続ける飛行船。その周囲の空中に無数の分身達が待機しており、当人と同じように銃口をこちらに向けている。
だが...
「チッ!」
(だが、なるほど...読めたわ。貴様が外に分身を出したのはただ周囲からおれを囲んで蜂の巣にしようとしただけでは無い。万が一おれが逃げ...もしくは
「貴様のその分身とやらは先程の様な能力を使えない。何故なら強大な力にはそれ相応の
「ッ!」
「つまりそれを同時に行える様な事があるとすればそれは
これこそがラオウの推測。ロンの狙いはあくまで彼の打倒では無く、彼を『撤退』に追い込む事。もしくは
そしてその情報から自身か場合によっては他のロン達を通じて自身達を排除しようとする気なのだろうと...
「まったく...人が隠している事をベラベラと。ただ敢えて言うならその推測は半分...いえ、
「?八割だと...それも能力に関して...」
「ええ、能力に関しては八割型正解。でも、貴方の言った
その推測は確かにロンにとってどれもが的確なものであり、100%当たっているものもあった。能力に関しては一部の例外を除き全て当たっている。
だが、その中で唯一的外れと呼べるものがあるとしたら...
「あの方...オリジナルは、理から外れたのでは無い。
「なんだと?」
オリジナルのロン。ラオウが言った理から外れた者と評されたのは間違いなくその人物であろうと彼は察した。
だからこそ、その発言だけは許してはならない。
彼を知った者なら良い。彼の全てを知っているなら良い。あの方の全てを
しかし、何も分かっていない。その言葉から感じ取れるのはあの人を自身の理解の及ばないナニカとしか見ていないもの。それは冒涜でしか無い。
故に...
「
「ッ!」
「
絶対に
「ならば「きひひひっさせませんわ!」!こやつらッ!」
「あらあら、早くもチェックですか?」
再び動き出したロンの発射した一の弾。それが三発と自身の方向と別の方向を含めて三発。それに対しラオウは自身の身体から闘気を周囲一体に向けて放とうとするが、それに対してロンの分身達が十体ほど彼の腕にしがみつく様に纏わりつき、そのまま動きを封じられている隙に本人と他の分身がこちらに銃口を向けていた。
「ッさせぬわ!ヅアァァァッッ!!」
「「「「ッ!?」」」」
「ッこれは!?」
それに対しラオウが何の反撃もしない筈も無く。彼はその腕を反対側に寄せたと思いきや、すぐにその腕を背後に向かって薙ぎ払うかの様にして自身の腕にしがみついていた分身達を振り払ったのだ。しかも瞬時に『ある技』を使い、銃口を向けていたロンとその隣にいた数人の分身達の周りを囲む様に残像を残していく。
「「「「「ガアァァァァッッッッ!?」」」」」
「その程度でこの拳王を...この北斗の長兄ラオウを殺せると思うなッ!!」
北斗神拳の奥義の一つ 七星点心。かつてラオウ本人の拳を封じようとした彼の師でもあった人物の北斗神拳63代目継承者ジュウケイ。彼がラオウに対して使った技であり、人間に存在する七つの死角に残像を生み出しつつ移動し、そこから同時に秘孔を突くという技である。
そしてそれを喰らった分身達や先程の腕にしがみついていた分身達もその場で溶けるようにして消えていくのだが...
「ッ!これは...!」
(おれとした事が...ぬかったわ。あそこに奴の本体は居なかった、アレも分身だったのだ!そして本体は...)
突如としてラオウの足元から無数の手が伸びてきて彼の身体全体に巻き付いた!そしてその直前にはロンの声が聞こえてきており、よく見れば先程吹き飛ばした本体と思っていたロンも他の分身達と共にその姿を泡のように消していっていた!
つまり...
(おれが奴の分身に気を取られた瞬間に奴は自身の分身の一体を影にし自身は影の中に潜り込み、気を伺っていた訳か!なるほど、分身が影の中から出てきたのだ。奴が影に入れない筈もなく...そもそも念能力とやらもまだ未知な部分が多い、そこに関しても奴に一日の長ありという訳か...)
最初から本体は影に隠れていたのである。そしてラオウの考えはまたもや当たっていた。分身達が彼に抱きついたと同時にロン本人は移動した地点の分身を壁にする様にし、自身は影の中に移動し、分身に自身の銃を持たせて影の中に待機し分身が消える前に具現化した銃を
「先ずは確実に手足を頂きますわッ!」
「ぬうっ!」
そして影から出てきたロンと飛行船の中と外。全ての分身達が影とそこから出てきた手によって動きを封じられたラオウに銃口を向け、そのままその身体を蜂の巣にしようとした...
その時ッ!
「これはッ!?」
(今のは...
「ッ拘束が緩まった!」
(今の力は奴か!?おのれ、邪魔をしおって...だが、情けなくも助けられたのはこのおれ!故に...)
「このラオウ!恩を返すと言う訳ではないが、勝手な貸しを作ったまま死に絶える様な事はせぬッ!」
「不味いッ!」
彼等の間に...ロン目掛けて発射されたそれは
次なる技の命中へと繋がる事となる!
「天将奔烈!!」
「ガアァァァァッッッッーーーー!?」
天将奔烈。ラオウが得意とする技の一つであり、剛衝波を超えるほどの闘気を込めたエネルギーの塊を敵に放つ技である。それに対しロンは無防備な状態でその技を正面からもろに喰らってしまった。
だが...
「ぐっこん、な...もの!」
「ハァハァ...何と言う男よ。おれの天将奔烈を受けてまだ立ち上がれるとは...」
「馬鹿を仰らないでくださる?わたくしはまだ闘えますわ!」
そう。彼はまだ諦めては...
「...ならば容赦はせぬ。いや、そもそもこれほどの
「喰らうが良いッ!北斗剛衝波ッ!!」
(...狙い通り。来ましたわね...本来ならこの方の目的やどの世界からやってきたのか。そして
滅茶苦茶諦めていた!だが、それはただの逃亡では無い。これ以上自身がラオウと争うほど...メリットとデメリットが釣り合っていないからである。
明らかに本来のソレより強くなったラオウと更に謎の霊力の使い手。彼もそれらを相手にしてまで情報が欲しい訳ではない。何よりこの戦闘自体があちら側から仕掛けられたものであり、彼もナックル達との戦闘に割って入られた事とラオウの狙いが自身であるから応戦していただけである。
故に...
「.....その技、
「これはッ!?」
迫るラオウの剛衝波。その迫り来る巨腕に対し彼が取ったのは両手を広げてそれを受け入れるというだけの簡単な動作。
だがこの同作...それだけでありながら
これは技なのだ。相手の攻撃に対する一見自殺、もしくは自滅を選択したかの様な行動...それは全て。相手の意識に...世界そのものに干渉する為のもの。相手の攻撃に対しての危機察知能力を...本能全てを完全に消し、『死』を受け入れた状態で相手の『生』であるが故の
つまりは死んだフリ。これの更に上位互換。
「名を
「
「ぬおぉぉぉッッ!?これは、これはッ!」
そして再び生きた『時』へと転じた彼が放つのは技を外し、無防備になったラオウの腕を掴んで行われる投げ技。
「グガアァァァァッッ!?」
彼のその投げはラオウの腕を掴みながら四方八方に数十回以上連続で回り続け、流石の拳王と呼ばれた男もその技によって並行感覚と片腕を犠牲にするハメとなった。
そして、一方のロンはというと...
「っこの技、自分も慣れない点が厄介なのですわよね」
(ですが、
「開きなさい!ウェルム!今から一名!時間は二時間ですわ!」
いざという時に用意しておいた
響いた声と共に彼が消えるとラオウはそのまま大量の地を落としながらも立ち上がり、ロンが居た方向を見つめた。
「ぐっ奴め...逃げおったかッ!それに先程の声...」
(仲間が居たのか。それも奴の影などと同じ様な芸当が可能な者が...ここは引くしかあるまい。だが...)
「今宵は見逃すが...このラオウ相手に次は無いと思え」
そしてこの日。ハンター協会の飛行船が一つ、その姿を消し。ネテロ達の元へモラウ達からロンとの戦闘と謎の人物の乱入の連絡が入り、これを聞いたネテロとある人物達以外の全員が頭を悩ませていたという。
一方そのころ〜
別の場所では...
「やれやれ、アンタも無茶をするもんだ。お互いがまだ全力では無かったとはいえ、腕の一つをくれてやるとはな...」
「フン。貴様も人の事を言えた口か...それより、例の集団はどうなった?」
「問題は無い。もう見つけた...他の奴等はまだ動き出さないが、いずれは今回と同じ様に他の集団達とぶつかってもらい、『例のブツ』をつけてもらうつもりだ」
「そうか、だが侮るなよ。奴もそうだが、奴らも...」
「分かってるさ。それよりアンタは早くあのお嬢さんのところに行き、怪我を治してもらえ。いずれ来る戦いに備えて...」
「ああ...分かっている」
人知れず、更なる影も動き出す。
そしてロンはというと...
「...やれやれ、助かりましたわ、
「別に...構いません。それより何を飲みます」
「お酒は得意では無いのでオレンジジュース下さいですわ♪」
「了解」
ウェルム・バーテン。
時の死針のメンバーであり、今回唯一自身に同行...否。
そして...
「貴女の能力は移動にはもってこいですからね。いつも頼りにさせてもらってますわ♪」
「マスター...逃亡の協力とオレンジジュース代」
「...前言撤回。ちょっと苦手になりました」
(まあ、でも...)
無表情で喋る彼女を...彼女の首から下のある部分を少し不貞気味の様子で見つめる彼。
その視線の先には...
「やっぱり大好きですわッッーーー!!!!」
「?あっても邪魔」
「そんな事ありませんわ!ウェルカムトゥーメロンですわァァァッッ!!!!」
ポヨンっと揺れ動く大きな果実。ロンはメロンと称しているが実際のところはスイカかそれ以上の何かである。
*因みに大きさは121...と言う事と身長が192センチとだけ語っておく。
「ああっ!神はなんて残酷なのでしょう!わたくしはそう言った関係ではありませんので、貴女の天より授かりしその禁断の果実に触れれないのですわ!」
「...ところで、次の場所に送らなくていい?」
「ウェルム?もう少し心配致しましょう。わたくし重症ですのよ」
ロンが呑気に自身の胸について語っている間にウェルムは静かに自身の能力の一つである酒瓶を磨きながら彼に次の指示を尋ねる。
「後、一時間と少し。
「マスター...お金」
「分かりました。ですのでこちらを睨まないで下さい。」
(まったく。わたくしだって大変ですのに...後、先程の連絡からわたくしの第三から第四試験は合格と言われましたし...それでしたら今のうちにあの方と再会しておくのも...)
そんなこんなでロンはウェルムの能力で作られた『念空間』の中でオレンジジュースを飲みながら静かに今回の件についての考えとハンター試験への合流についての考え。そしてもう一つ。
ある人物との再会について考えについてまとめていったのであった。
次回 フリーダム×ナ×フリークス