『死』辺獄のスノードロップ 作:ある日そこに居たであろうクマさん
そこはある地下施設...
ハンター試験会場より少し離れた長い通路。
そこに彼等は居た。
正確には居たでは無く...
走っていたのだ。
「おいおい、今一体何キロ走ってんだ!?」
「さあな、だがこれからだろうぜ」
そしてそんな中...
「うおぉぉぉッッッ!!!」
「なっ何じゃありゃあ!?」
その場を走る何人かの受験者の
「こっ今年の受験者はある意味凄いな」
「せっ正確には...面白いのが混じってると」
「言うべきか?」
そして彼等に珍獣でも見るような視線を向けられている当の影はというと...
「こなくそオォォォッッッ!!!この程度で諦めてたまるかァァァッッッーーーーー!!!!!」
受験者の大半がドン引く程の勢いで爆走していた。
そしてその少し後方では...
「♪ おっさんも案外捨てたもんじゃねえな」
そこを走っていたのは先程ゴン達と知り合い、その後一緒に並走していた少年。キルア。彼もまたハンター試験の参加者であり、
そして...
「ええ、ええ。確かにあのレアライドさんも貴方も...ましてやそれを監視するよう言われ派遣されたわたくしも捨てた物じゃありませんわねぇ」
「いや、でも結局はオレの方が強い訳だし問題...あれ?ゴンお前、なんか話し方変わった?」
キルアが隣から聞こえた声に違和感を感じゴンに話しかけると...
「違うよキルア!今のオレじゃなくてそっちのロン・ぞるでぃっく?さんの声だよ」
ギギギギギッ
「...あっあれぇ?」
「あらあら、キルアったら照れてしまって」
突如蘇る記憶。それは間違い無くトラウマと呼べる代物であり、ある時はランニングと称してバイクから垂らした鎖に縛られそのまま実家の山の中を執事達に追われながら引きづられ、ある時は目隠しをされながら振り下ろされる大きさと重量が自身の十倍はあるハンマーを躱す修行(仮)をやらされ、またある時は自信を女装させた後に数百メートル高い空に投げ飛ばすなどなど...自身の嫌う家族の中で最も
「あっ兄「ふん!」グボォッ!?」
「きっキルア!?」
「兄貴では無くお姉様と呼ぶように教えたでしょう!全くキルアったらッ次言ったらメッ!ってしますからね!」
そう...そこに居たのは彼等に並走しながら話に紛れ込むロンの姿。そしてその姿を見てキルアは兄貴と呼ぼうとすると横から肘打ちを喰らい、ゴンはその様子を見て心配しながらキルアに呼びかける。
「ぐっ相変わらずどんな怪力してんだよ!?そもそも何で兄「ああ!?」ねっ姉ちゃんがここに...」
「チッ...まあ良いでしょう」
だが、そんな事は露知らず...キルアは状態を起こしながら今度は何とか隣の自称姉に何故ここに居るのかを問いかけた。
そして帰ってきた答えは...
「そんなものお父様から頼まれたからに決まってますわ。逃げ出した貴方を監視する様に、と...」
「まっまじ?」
「本気と書いてマジです」
キルア 思わぬ返答に内心大慌てである。何せ生まれた頃から自身の兄弟の中でも次男とは別ベクトルで苦手とする兄。それが自身の身柄を拘束しに来た。それも父の命令で。そう...父の命令で!!
大事な事なので2回言ったがキルアの中では三十回くらいこの言葉が反響していた。だが、今の発言には少しおかしい部分があった。そして間も無くしてキルアは更に気づいた。
(待てよ...今、監視って...)
「...監視?拘束じゃなくって?」
「ええ、貴方の事を監視してその動向を見張る様にと」
「?」
そしてそんな話の中...
「それってどう「キルア!先の道が見えたよ!」えっああっと「構いませんよ、行ってあげなさい」ッ!?いっ良いの?」
「ええ、あの子は面白い子ですからね。貴方にとっても良い刺激になるのでは...」
ゴンの声に反応するとそこには先頭のサトツとその先から溢れる光がありキルアは一瞬どうしたものかと悩むが横に
そしてキルア達が先に急ぐ中...
「きひっきひひひ.....いやはや、流石は主人公とやらですわ。あそこまで上質なら食べ応えがあるというもの...それで何用ですの?トキナガ」
『お嬢様、お忙しい所大変申し訳ございません。ですが、緊急の連絡がありまして...』
彼が自身の影に向かい話しかけるとそこから彼の率いるある部隊に所属する男性の声が響き、彼が何用かと尋ねると...
『至急お嬢様と旦那様...ひいては
「はあ?わたくし達だけでは無くオリジナルにも...一体何事ですの?それ相応の事で無ければオリジナルには報告は出来ませんわよ」
そして部下の男性の口から語られたのは...
『...以前、オリジナルのロン様とご一緒に皆様やそして後に我々、それぞれの配下にありとあらゆる事を叩き込んでくださった『最厄』のロン様、あのお二人が以前話していらっしゃったものと同じ名を名乗る団体の殺しの依頼が届いております』
「.....は?」
『詳しい事はまだ分かりませんが今は依頼を受けず調査という名目で
そしてその驚愕の報告を聞きながらもロンは一度呼吸を落ち着かせトキナガと呼ばれた彼に返事を返す。
「ふぅ、分かりましたわ。その件に関しては貴方達に預けます。引き続き調査をお願いしますわ。それと...オリジナルと他のロン、そして
『それは...』
「おそらくこれは相当な厄ネタか何かです。特に最厄...詳しくは知りませんが奴はオリジナル以外...我々他のロンや貴方達にすら何かを隠している。そして以前聞いたオリジナルの前世に関わる話。ひいては例の集団...下手に関わると碌な目に合いませんわ。もし報告するとなっても時期を遅らせる事にしてください。分かりましたわねトキナガ」
『かしこまりました』
「ええ、良いお返事ですわ。それではご機嫌よう」
『失礼致します』
これ以降彼の影からは声は聞こえなくなってしまった。
そして...
「あらあらジメジメとした場所です事...」
二時試験会場への次なる道のり...
ヌメール湿原 到着。
そして試験官のサトツがこの場所の詳しい説明。中でもこの地に生息する擬態を得意とする生き物など...それぞれの生き物があらゆる方法で自身達を騙し、欺き、捕食しようとすると説明していた。
だが...
「嘘だソイツ『バンッ』は?...」
『え?』
「アァ♪イイネェ♥︎期待以上だよ♠︎」
突如として先程までの通路...その出口の横から謎の男性が現れてサトツの方を指差しながら何かを叫ぼうとしたものの何処からか飛んできた一発の弾丸に頭を射抜かれ絶命してしまった。
そして一番にそれに反応したのはレオリオとハンゾウだった。
「おっおい!何でこいつを撃ったんだ!?まだ何もされてねえってのによぉ!」
「そうだぜ!いくらなんでも「臭い」え?」
そうして彼に撃たれた男の事について物申す二人だったがロンから帰ってきたのは臭いという一言ととんでもないこの世の全てを蔑んだような表情だった。しかも若干殺気も洩れていた。
『ひいッ!?』
そして
「猿臭いんですのよ...わたくし、昔からジメジメした場所と猿などの品のかけらも無い生物が大っ嫌いですの...ですのでこういったゴミク...失礼、クズヤロウを見ると気色悪くてすぐに撃ち殺してしまうんですの」
「つっつまり...今のは...」
「...結果オーライですわ♪」
『勘じゃねえか!?』
要するに男を撃ったのは彼の嫌いな生物が近くに居た事で直感的に嫌悪感を示し射殺しただけであった。まさしく無茶苦茶。いや、この場合理不尽そのものである。そしてそれに皆がツッコミを入れるが...
だがその勘自体は間違いでは無かった様で...
「キキキキキッッッ!!!」
「おっおい!あいつの隣に居た試験官そっくりの猿が逃げたぞ!!」
「何!?あっちの猿は死んで無かったのか!?」
そして逃げた猿の視界の先には...
ビュン!
瞬間ッ皆の横から鋭い何かがその場から猿目掛けて飛んでいったッ!!
「キキッ!?...」
「ザンネン♣︎もう少しで逃げれたのに♠︎どれだけ頑張っても所詮は猿♦︎殺されても仕方ないよ♥︎」
自身の首に鋭い痛みを感じ、その正体が一枚の
そしてそれを成した人物は...
「どうかな?これから二人っきりで話をしないかい♥︎」
「それは
絶賛自身の股間から
これが奇術師と時の姫。
二人の初の直接対面の瞬間だった。
尚...
「ピエロは気色悪りぃのであっち行けですわ」
「残念♦︎だけどそれはそれとして君...口悪いよ♠︎」
「余計なお世話ですわ」
普通にフラれていたのであった。
補足一、ロンのキルアの教育について。
これはロンが弟にどう接して良いか分からず迷っていた時にある人物から接し方を教えると言われた結果、間違った方法を教わりそれを実行した末に起こった事故である。
因みにその人物に関してはこの下をスクロールして欲しい。
補足ニ
まだ、どのメンバーも本格登場はしない予定である。本格的に出てくるのはゾルディック家のキルア救出前後である。
補足三(一話参考)。
まず、これは作者の別作、ドラゴンボールシュヴァルツローゼンの設定に出しているがオリジナルのロンと呼ばれる彼の前世に居た集団の一つでありある意味とんでもない集団である。そしてその登場はまだ少し先になる。
過去〜
ゾルディック家の自身の部屋で一人悩ましげな様子を見せる人物が一人。その人物こそ何を隠そうゾルディック家長男。ロン・ゾルディック。正確にはその分裂体とも言える存在。
そしてその彼がそんな姿を見せる理由とは...
「あらあら、困りましたわねぇ。あまり弟や兄弟などと言ったものに馴染みがありませんから...どう致しましょうか?」
そう、兄弟として弟達。特に生まれてからその才能を高く評価され次期当主間違いなしとされるキルア。そしてそのキルアの面倒を自身が頼まれている。だが...この現状彼にとってはとてつもなく厄介な状況であった。何故なら彼には.....家族というものが分からないからである。だからこそどうしたものかと思っていたのだが...
その時ッ
「ふっふっふ♪お悩みの様だね、最死君!」
「そっその声は...ウサーダ博士!?」
そう。それはこことは別の世界に拠点を構える...
「やあ!」
「その通り、私こそ今まで数々の
「わた...わたくし、は...」
こうして
因みにその後真実を知った最死のロン(時)はブチギレながらウサーダ博士(最知のロン)のラボに殴り込みに行き見事その身体を穴だらけにした