『自』奏者に寄り添うヘメロカリス 作:ある日そこに居たであろうクマさん
今ここに行われるはその大決戦。
それに向かう為の前哨戦に過ぎず...
今から始まるは単なる遊び...
その全てが無駄に過ぎず...
何故ならば...
迷宮都市オラリオ。
この都市にはその歴史上、最悪とされる事件が幾つかある。
一つは当時のオラリオ最大派閥。ゼウスファミリアとヘラファミリアの二大派閥による三大クエストの攻略。正確にはその三大クエストの最後の一つにして最難関のクエストである黒竜の討伐の失敗。これにより二つの派閥は大きく力を失い、それを狙ったオラリオに存在する他の勢力にウォーゲームを仕掛けられそのまま迷宮都市を後にした事。
二つ目はそれと同時期に起こった重要事件。当時のロキファミリアでその若さながら参謀として実力もあった最古参である
そして三つ目、その少し後にオラリオに訪れた暗黒期。
これは一つ目と二つ目の事件によって当時のオラリオの勢力が低下し
そこから更に数年後...
四つ目の事件。
二つ目の事件。これを起こした犯人。彼はその当時、派閥連合を蹂躙しオラリオ全ての勢力を相手取り、オラリオに攻め入ってきた闇派閥の主戦力を悉く蹴散らした。そしてその末に彼はギルドの主神であるウラノスが用意したオラリオのほぼ全ての
だが...
時は現代...
迷宮都市オラリオ。その中心とも言えるギルドの本部。そこではとてつもない騒ぎが巻き起こっていた。無論その影響は...
ギルドの地下...
かの神が座する玉座では...
「どう言う事やっウラノス!何でアイツが外に出たんやッ!!まさか封印を解いたんちゃうやろうな!!」
「そうね。これは明らかにおかしな事だわ。何故...あの怪物が封印の外側に出ているのかしら...ウラノス、当時の私達は全員...何の為に力を結集させたと言うのかしら」
「...すまん、これは私の落ち度だ。奴の力を甘く見ていた。私が言うのもなんだが...お前達も含めて、オラリオの全てを結集しても奴を縛る事など出来はしなかったのだ」
そこでは三柱の神々と影でその様子を見守る一人の人物が存在していた。
だが、その内の二柱。ロキファミリアの主神ロキとフレイヤファミリアの主神フレイヤ。彼女達はギルドの最奥で座り込むウラノスにここ最近に起こったある事件について問いかけた。
「何で...何でロンの奴が
それこそがこの先、オラリオ史上最大事件となる事件。
その前兆でもあった。
そして今回、その前兆たる事件の名というのが...
諸君にはこれからその一部をご覧戴こう。
さあ、目を閉じて...
目を閉じ、耳を傾け、心を燃やせ...
歌え!踊れ!奏でろ!
「戦争の音楽をな...」
真紅の影は満月を背に静かに呟いた。
そして時は変わり...
ベルと自然の冒険隊の一人。輝未が出会った少し後...
その場所へ...
「ケケケッッ!!その程度かよ!」
「ッそんな事ッ!」
「だろうな!だが...終わりだ」
「ッ!!」
そこはバベルの下のダンジョンの中...十七階層。そこにはある二人の人物が居た。それこそが今回の事件の中心人物達。一人はロキファミリア所属のアイズヴァレンシュタイン。そしてもう一人は...黒と白。そして紫の三色のオーラをその身に纏う漆黒の体毛の
そしてその存在こそ、かつてゼウス・ヘラ。この両名とその恩恵を刻んだ者達から最も危険視されていた存在であり、今一度オラリオに嵐を呼ぶ者の一人。
その名も...
「貴方がリヴェリアの言ってた...」
「なんだ、アイツはオレ様の事を話してたのか?」
「うん...仲間を殺して、オラリオを滅茶苦茶にした最悪の存在だって...」
人々は口々に言う。奴は化け物だと...
「なるほど...よくもまあ嘘をつく奴だ...流石は家出娘の王女様だ。人殺し...いや、
「恩人...殺し?...」
(それは...リヴェリアも何か隠してた様な...)
神々は恐怖する。次は我々の番だと...
「何だ、オレ様の事は知ってるのにその事は知らんのか?」
(でも、それとこれとは別ッ!!)
「...昔に何があったかは知らない。でも、貴方がリヴェリア達を苦しめたのは本当。だから...ここで貴方を倒すッ!!」
「ケケケケケッッ!!!オレ様を倒す?...寝言は寝て言えよ...
化け物達は嘆く...
自身達より哀れなそれを...
かの者、名を紅玉 ロン。オラリオ史上最悪の存在とされる猫人にして...
異界の存在。ロンの名を持つ者である。
何故全てが無駄なのか?
それは簡単な事だ。
それはね...
「やあ、神ウラノス。本来なら僕はここに入るべきでは無いんだろうけどね...ロキ...また、問題を起こしてくれたね」
「は?...自分...何で生きとんねん...」
「何故...貴方...」
(違うっこれは...不味いッ!!ロキ、ウラノっ...アァァァァッッッ)
「何故...この者が生きている。フェルズ、何故だ」
「何を言っている?彼は元々存命中だぞ...」
「なん...だとっ」
その場に居た各々が突如としめ現れたある人物の登場に困惑し、その内の一人は自身に...否、この世界に何が起きているのかいち早く察知しその現状を残り二人に伝えようとするが...それは最早手遅れであった。
「なんでや...何で生きとんやッ!?
「フィン!!」
かの者...『亡霊』につき...
しかし今は『生者』なれば...
「全てが無駄になる...当然の結果だ。何せ元の
真紅の影は不敵に微笑う。
そんな事は知らぬ...
自身はただ...