『自』奏者に寄り添うヘメロカリス   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第四自 剣姫と猫と新世界。もれなく地雷も踏みました。

 

 

そこは一体何処なのだろうか...

 

天国?地獄?現世?それとも別の...

 

いや、例え何処だったとしても...

 

「シャアァァッッッ!!!」

 

「ぐっ!?」

 

変わる事はあるまい(・・・・・・・・・)

 

何故ならば...

 

「ケケケケケッッーーーー!!!」

 

「はあァァァッッ!!!」

 

この様な者達が居るのだから...

 

それはダンジョンの内側。その中の十七階層。その中を彼等は走り狂う!!

 

ゴアァァァッッッ!!!

 

「邪魔だッッ!!!」

 

「邪魔ッ!!」

 

ッッッーーーー!?

 

道中、イレギュラーであろう強化種のゴライアスらしき巨人が壁の中から現れるも二人は拳と剣。二つの異なる武器でその存在ごと漆黒の巨人を消し炭にした。そしてそれでも尚二人のスピードは衰える事を知らず、ましてやとんでもない勢いで加速までしていく始末。

 

「はあぁぁぁッッ!!」

 

「悪いが...貴様の剣がオレ様に届く事はあり得ねえ」

(まあ、本当はオレのオーラに阻まれてるだけだが(・・・・・・・・・・・・・・・・))

 

「ッ!?」

 

その中でアイズが幾度もロンに剣を振るうがそれは擦り傷一つ負わせる事は叶わなかった。だが、実際の所...アイズの剣はロンに命中していたのだ。正確にはロンがワザとにアイズの剣を避けなかっただけだが(・・・・・・・・・・)...

 

そしてアイズも一度、何かを考えたのか。そのままその足を大地に着けるべく降下する。だが...

 

「お前...死にてえらしいなぁッ!!」

 

自身の目前に敵が居るというのにその身を自然に任せて大地に落ちる。それも何の構えも無く。ましてや剣を鞘に仕舞った状態で...それは何と言うべき傲慢か、それは何と言うべき怠惰か、それは本来自身達のみが許される所業。強者達(俺様達)のみに許された至高の一手ッ!!

 

そしてその考えの元に彼は動くッッ!!!

 

「死に晒せェェェッッ!!!」

 

「ッ!!」

 

そしてそのまま...

 

 


 

 

なるほどなるほど...分かったぜぇ。何でお前が突然あんな行動を取ったのか。最初は勝機を失い諦めたか、それとも未だ俺様より強いと思ってんのかと思ったが...

 

 

「...投げ技か...ケケケッ意外だったぜ。奴の事は予め知っていた筈だが...投げ技は想定外だった。まあ、それはさて置き...俺様の体重のせいありきだが...早く戻るか!」

 

あの女、十階層下まで良く投げれたな。いや、その為に俺様に隙を見せたのか...とにかく早く戻んねえとなぁ...

 

まあ、どうせ...

 

「すぐに終わる遊びだがよぉ!!!」

 

出力は5%程にしとくか。あまり出し過ぎると後が面倒だし、今後のオリジナル達の事に支障が出るかもしれん。

 

という訳で...

 

魔猫解放(エンドブースト)ッッ!!!」

 

さあ、人形娘(アイズ)

 

たっぷりと痛ぶってやるよぉ〜...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルフィア達の分までなぁ(あいつらの分までなぁ)...

 

 

 

そして俺様は登り、上りッ!、昇りッ!!より高く...

 

より『自由』なる宇宙(ソラ)へと...

 

駆け上がるッ!!

 

 

そしてそこから約二秒...

 

みつけたぜぇ〜疲れてるみたいだが...

 

ドゴォォォッッッ!!!!

 

「嘘ッ!?全然効いてッ」

 

「休む暇はねえよなぁ?」

 

「グムッ!?」

 

今の俺様達は再び空中に上がっている。正確には俺様がアイズの野郎の顔面を無理矢理鷲掴みにして空中に運んだのさ。無論剣は使わせねえ。予めもう片方の手で取り上げてある。それに...

 

人にやった事は自分に帰って来る...

 

それをたっぷりと教えてやらんとなぁ。

 

「さようなら...アイズゥ」

 

「!」

 

俺様達ロンには様々な能力持ちが揃ってる。それは多彩でありそれぞれがありとあらゆる方向性の能力の最強クラスのものを有している。だが...俺様達には...『ロン』と呼ばれる存在にはある共通点が存在する。

 

顔でも無い、性格でも無い、知能でも無い、

 

『ロン』と呼ばれる存在にとって一番の共通点。

 

それこそが...

 

俺様達は全員...

 

「近接戦闘が一番強えんだよッ」

 

「なっ」

 

故に落ちろ!俺様より下に、俺様より深く、俺様より酷く、俺様より醜く、そしてあいつらの分まで...

 

 

魔降懺悔(バッドエンド)ォォォッッ!!!!」

 

「ガアァァァァッッッッ!?」

 

 

堕ちていきな...

 

 


 

 

ダンジョンという暗闇。そんな暗闇の更に奥まで落ちていく少女。アイズヴァレンシュタイン。彼女はその体勢のまま何とか上から降って来る光を目撃する。だが...彼女がその光を目撃するより早く、大きな影が自身の真上に現着する。そして彼女はその正体を知っているからこそ腰にある剣を振ろうとするが...

 

「お探しの物はこれかぁ〜」

 

「そんなっ」

 

自身の持つ武器は先程の投げ飛ばされた時点で既に没収されており今は敵対者である彼の手にその姿を確認できた。

 

「そして武器を奪われ、重傷を負い、泣きそうな所申し訳ないが...まだ全然終わってねぇ」

 

「!?」

 

「もう少しだけ、遊ぼうか」

 

そしてそんな中、再びアイズの前に現れた共に落下し始めたロン。彼はアイズと共に段々とその地下に落ちていくと思われたがそんな事は無く。ましてや彼の身体が揺れ出していきそのまま自身の形を取る複数色の分身を生み出しそのままダンジョン内部の壁を利用してそれぞれが超スピードでアイズに向かってその鋭い爪を翳すッ!!

 

 

ズドドドドッッッ!!!!!

 

自由猫の夢想撃(ノーキャットノーライフ)!!!」

 

「ガアァァァァッッッーーーー!!!!!」

 

 

それは正しく規格外と言わざる負えない技。自身の分身を生み出す。確かにこれも凄い。光速を優に超える速度を出す。これも凄い。そしてありとあらゆるものを貫通するであろう鋭き爪。これも凄い。だが...今ここで、この技が一番の規格外と呼べる理由がまだある。いや、違うのだ。

 

問題なのは...

 

未だ本人が本来の力の一割しか使ってなくてこの威力だという事...

 

本人からしたら手加減ありきの威力。しかし、ダンジョンの計四十階層近く。その全てが今の技の被害を受けており、最早その威力は他者からしたら天災そのもの。では、それを真正面から受けた本人はというと...

 

「よお、元気...では無さそうだな...」

 

「ぐっぐぅぅッッ」

 

ロンが巨大な結晶のある空間についた途端...見つけたのは四肢の殆どが回復不可能の大怪我を負い、更に顔の七割が焼け焦げているアイズの姿だった。そしてロンはそんな彼女の横にスッと座り掛けそのまま彼女に語りかける。

 

「お前...今日の事を疑問に思わなかったのか?」

 

「ぇえっ?」

 

「第一おかしいと思わんか?何故...フィンの阿保が居ないのにロキ・ファミリアがここまで続いた?何故ダンジョン内でお前がロキファミリアの者として俺様とあった(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「ッ!?」

 

「第一お前は拾われてないだろう(・・・・・・・・・)?」

 

「あっアァァァァッッッ!?」

 

「ようやく認識出来たか。そう、これはてめえらと別の世界のてめえら。幾つかある並行世界の情報。これらがてめえらにインストールされてるって事だ。俺様としてもやりたり事があってな、その為には一度正史のロキファミリアや歴史になって貰わんと困るんだ。だからフィンのアホにも復活してもらうし、俺様の立場も変えさせてもらう。まあ、尤も神々...その中でもロキとウラノス。そしてヘスティアとベルクラネル(・・・・・・・・・・・・)の認識は変えられねえだろうが...」

 

彼の話はアイズにとって訳の分からない事だらけだった。正史、並行世界、インストール。何を言ってるの?何故、こんなに...

 

「うぁぁぁァァァッッッ!!」

 

(ナニ...コレ、アタマガガッッッイタッィィィィッッッ!?ヤダヤダッ!!やたただだッーーー!!ああっッれ?ベルるっティオォなぁっべーっとぉれぃふぃやぁ...リヴェリ、あ?ろ...きたすけ...て)

 

 

「やれやれ...まあ、すぐに終わる事だ。それに恐らくさっきも言った通りこれは並行世界の情報。それを強制的にお前らに流し込んでるだけだ。それも外部の人間以外...つまりオラリオとその周囲の人間や神のみこの事象は起こる。ただ例外として術式を作った俺様とその俺様と過去に『契約』をした事のあるロキとウラノス。そして現時点で契約をしているヘスティアとアルテミス。そしてその契約内容にあるベル クラネル。これらは除外される」

 

その場に倒れ伏した少女(アイズ)を見ながら彼は語る。自身の結論を...自身の術式により起こるその結末を...

 

 

「にしても...さっきアイズと戦ってる時にベルの奴が居たよなぁ...うわぁ、時期を間違えたか...とは言ってもここに居たアイズは本来とは別物。仮に出会っていたとしても意味は無かったろう。むしろこれからだな。適当なタイミングで二人を出会わせる。んで...ベルを鍛え上げ『ドゴッッッ!!!』あ?なんだ...」

 

突然だが説明しよう。彼の発動した術式。それは簡単に言うと今いる世界。その一定範囲内の生物、無機物、概念、歴史、あらゆるものに指定した並行世界の同じ存在の情報(データ)を与えその情報のままに記憶や記録すらも変えてしまう。つまり、人の記憶は並行世界の同一人物と同じものになり、書物などの記録なども全てその並行世界のものに書き換わる。

 

だが...この術式には例外が存在する。

 

一つはロンと契約という行為を交わした者。この術式は元々別の世界の『最知』のロンの術式を彼が真似て作ったものであり、本来のものより精度が落ちる。故に彼はこの術式に特定の条件を設けており、それに該当するものには術式が効かないようになっている。そしてそれに該当するのがロンと契約をした事のある人間や神。もしくはその契約内容に入る生物。

 

そしてこれは本人すら分かっていなかった例外。

 

二つ目...

 

これは彼等全員が知らぬ事...

 

原因はオリジナルのロン。彼等が最も尊敬し、尽くす存在。その規格外さには彼等も驚きを隠しきれない程である存在だが...

 

今回はその強さが裏目に出た。

 

オリジナルのロンことロン・クロイツ。彼は生前、シスターと呼ばれその規格外の戦闘能力でその世界でも随一の存在とされた。そしてそれと並び称されるのが九つの組織。正確にはそのリーダー格達である。彼が作った組織も含めてその者達は特に異常な戦闘能力などを有しており周囲とは明らかに一線を画すものがある。だが...これにもちゃんと理由(ワケ)がある。

 

それは...

 

「ふぅ...いきなり床が崩れたからびっくりしたよ」

 

「全くだね。一体何...」

 

「どうしたの..なつ...誰?」

 

「待て待て待てッお前らこッちょっと待てよ...お前らのその見た目...まさか...」

 

そこから現れたのは見知らぬ少女達。だが...彼からすればそれは異常事態。何故なら今は恐らく丁度オラリオ全体に術式が効き、その中のほぼ全てが変わり始めている。故に契約内容の人物以外は動かないはずだが...そして彼は少女達を見て直感的ある事に気がついた。それは...

 

「まさかてめえら自然の探検隊(ブレイブラビット)とかいう名前の集団じゃねえよな?」

 

「「「「「えっ知ってるの?」」」」」

 

「やっぱりかよッ!?」

(こいつら、通りでこの特徴に見覚え...いや、聞き覚えがあると思ったらオリジナルの前世に居たっていう集団の一つか...そういやこの間のあの人もそんな事言ってたな...まあ、今のところ協力する気は無いが...)

 

「で、てめえらは何で平然と立ってられる...いや、そんな質問無駄か...てめえらが昔のオリジナルと張り合ってた連中なら尚更...」

 

「えっオリジナル?」

 

そしてロンはまさかの事態に多少呆れつつも戦闘態勢を取り、話を続ける。更にそこに向き合った自然の探検隊のメンバーは不思議そうにロンの方を向きオリジナルという単語と何故自分達の事を知っているのかという質問をしようとしたのだが...その前に相手側から答えが返ってきた。

 

「お前ら、最凶(シスター)って奴を知ってんだろ?」

 

「は...シスター!?何でアンタがあの化け物の事知ってんの!?」

 

「落ち着け、説明はしてやる。俺様達の名はロン。そして俺様は『最自由』のロン。お前らのいう最凶...シスターの転生後の人物、ロン・クロイツ。そのクローン。もしくは特別なコピーのようなものだ」

 

「「「「ハアァァァッッッ!?」」」」

 

その言葉は彼女達全員に驚愕を与え...

 

そして...

 

「シスターが...転生?」

 

「あれ?もしかして俺様やべえ事言った?」

 

探検隊最強(一番やべー奴)の心に火をつけた。

 

 

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