『夜』幻想に泣くユウガオ   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第四夜 門番とデコピン

 

 

君達は知っているだろか...

 

武術とは何か...

 

それは更なる強さを求める為のもの...

 

否。

 

それは何かを守る為にあるもの...

 

否。

 

武術。それは本来...

 

弱者が強者から己を守る為に得た力である。

 

故に...

 

「このお姉さんだあれ?」

 

「zzzz」

 

居眠り門番(弱者)居眠り兎(強者)は惹かれ合う。

 

そこは異変の元凶と思われる紅魔館の目前。

 

本来霊夢達と三人で空を飛んできたロンだったが...

 

「はぐれちゃった。でも...」

 

ロンが見上げた館。その周りから出る霧。

 

つまり...

 

「ここが異変の一番の被害者?」

 

*全然違う。

 

「まあ、いっか。お姉ちゃん!起きてー起きないとデコピンするよー」

 

そしてロンが目の前の門番と思わき女性に声をかける。だが彼女は相当深い眠りに落ちているのか目を開ける事は無く。なのでロンは起きないとデコピンをすると再度警告するのだが...

 

「ん〜起きないから仕方ない」

 

起きない彼女を見てロンはそのままゆっくりと自身の片方の手を彼女の額に当てがいそのまま出来るだけの手加減をして指を引き、解き放った。

 

まあ、力加減と言っても...

 

「てい☆」

 

「zz...グギャアァァァッッッーーー!!?」

 

ドガガガガッッッ!!!!

 

この男の力加減に信用など一ミリもないのだが...

 

そしておそらく手加減されたであろうデコピンを喰らい吹き飛んでいった 紅魔館の門番の紅 美鈴。彼女は本来なら太極拳の使い手で武術の達人。更に紅魔館の主に門番を任される程の実力者なのだが...本来なら彼女は眠っていても相手が門を潜ろうとした瞬間にその気配を察知する事が出来る。

だが、それは相手が門を潜ろうとした場合のみ(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

つまり、寝ている状態で相手が門を通る気がない場合は反応出来ないとも取れる訳だ。

 

そうして彼女はロンのデコピンに反応出来ずその核ミサイルか何かと間違える程に強い一撃によってその身体を紅魔館より少しそれた森の中へと吹き飛ばされた。

 

そして...

 

「貴方...何者?」

 

「え?侵入者」

 

紅魔館に入ったロンはそこにある廊下を進んで行くとある部屋に行き着いた。そしてその部屋に居たのが...

 

「侵入者って...それ、普通に考えて言っちゃまずいでしょ」

 

「だって本当の事だし...そもそも、俺も来たくて来た訳じゃないから...霊夢ちゃんが来いって言うから来ただけで...」

 

「霊夢ちゃん?それは貴方の仲間の名前」

 

「うん。博麗の巫女っていうのをやってるよ」

 

「そう...」

 

この図書館の主。パチュリー・ノーレッジ。

 

そして彼女は侵入者であるロンを迎え撃つ為に弾幕を...

 

と、思いきや...

 

「ふぎゅっ!」

 

「?どうしたの...」

 

「あぁごめんなさいね。私、元々身体が悪いものだから...」

 

「病気?」

 

「ええ」

 

そう、彼女は生まれつき病弱であり魔力は絶大でも身体能力面では一般人にすら劣る。それ故に本来はこの図書館の中に閉じこもっているのだが...

 

「お姉ちゃんの身体治してあげるよ〜」

 

「えっ」

 

そして突如として敵対者の筈の彼がパチュリーに近づいていき、更に自身の手を彼女に向けて翳しそのまま...

 

そして数分後、パチュリーにコーヒーを入れてきた小悪魔がやってきて...

 

「パチュリー様ーコーヒー、が...入」

 

そしてその光景を見た小悪魔は固まった。それはもう絶対零度の如く。カッチカチに...何故か、それは...

 

「凄いわ!身体が軽い!」

 

「そうでしょう!俺って凄いでしょう!」

 

そこには自信が見た事の無い様な姿で見た事の無い何者かと大量の本の上で飛び跳ねる主人の姿だった。

 

 

そして更に数分後...

 

「しっ侵入者!?良いんですか?そんな奴を見逃して...」

 

「良いのよ、別に...」

 

「.....はは〜ん。さてはあの男に惚れ「フン!」グハッ!?」

 

三人は図書館にあった椅子に座り話し込んでいた。

 

特にパチュリーは今までの病弱な身体が嘘の様に活発な姿を見せ、余計な事を抜かした小悪魔の肩にエルボーをかまして吹き飛ばし少し離れた本棚の下敷きにしてやった。

 

「さて、じゃあ本題に入りましょうか」

 

「あれは良いの?」

 

「ええ、放っておいて大丈夫よ」

 

そしてパチュリーは話出す。自身の彼に対する処遇を。

 

「私は貴方の事を同行する気は無いわ。ただその代わりお願いを聞いて欲しいの...」

 

「お願い?...」

 

「ええ、ここから行ける地下室にとある子が幽閉されている。そしてその子の所に行って貴方の力でその子も直してあげてほしいの」

 

「その子は病気なの?」

 

「いいえ、違うわ。ただ精神に異常がある子でね。破壊衝動とも呼べるそれを貴方の力なら治せるとふんだの」

 

「破壊衝動?まあ、治せると思うから良いけど...」

 

そう、それは自身がロンを見逃す代わりにある人物を直してほしいという依頼だった。そして彼はその依頼を引き受けたのだが、

 

その人物とは...

 

「この館の主、レミリア・スカーレットの妹。フランドール・スカーレット。その子の破壊衝動を消してほしいの...」

 

それは二人の最強の出会い。

 

その出会いのきっかけを作った言葉だった!

 

 

 

 

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