『夜』幻想に泣くユウガオ   作:ある日そこに居たであろうクマさん

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第五夜 問題児二人。ただし、最恐。

 

 

紅魔館。

 

そこに住まうは者は皆が従者。

 

主である吸血鬼。レミリア・スカーレッド。彼女に支える者であり、死するその時まで彼女と共にありし者...

 

だが...一人だけ。

 

紅魔館において特殊立ち位置の人物が存在した。

 

それこそが...

 

「アナタ...だあれ?」

 

「俺?...俺は小鳥遊ロンだよ。よろしくね〜」

(この子がパチュリーお姉ちゃんが言ってた子かな?)

 

「そう、そうなんだ...」

 

「?」

 

フランドール・スカーレット。ロンがパチュリーに頼まれた人物であり、紅魔館随一の危険人物。

 

有する能力は...

 

「きゅっとして...」

 

「...?」

 

ありとあらゆるものを破壊する程度の能力(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

そしてその直後...

 

「ッ」

 

「アハッ♪」

 

その場の全てが閃光に包まれた!!

 

 

 

ドオォォォォォッッッ

 

 

そして轟音は館の内外問わずに響いており...

 

「ッこれは...」

 

「何ッ何なの!?」

 

倒れ伏した咲夜とそこを後にしようとした霊夢。

 

「嘘...何で、運命が捻じ曲がってッ」

 

先程観測した運命とは違いロンと妹が出会ってしまった事を知ったレミリア。

 

「これは...まさかフランが...」

 

「おい!これは一体どう言う事だ!?説明しろ!」

 

侵入してきた魔理沙と弾幕ごっこでの戦闘を繰り広げていたパチュリー。

 

「それはこっちの台詞よ。あの眠そうな子は貴方達の仲間でしょ。私はあの子に自分の身体を治してもらった!だから私はあの子に頼んだの。フランを...あの子の破壊衝動を何とかしてって」

 

「なん...だと?じゃあ何かこれは...」

 

「そうね、おそらくあの子がフランの能力で木っ端微塵にされた音かも知れないわね。でも仕方ない事よ。あの子は貴方達に無理矢理連れて来られたと言っていた。つまりこれは貴方達のせいよ」

 

「それは...」

 

「そしてこれはあの子にフランの元に行かせた私のせいでもある。だからこそ、せめてもの報いとして私諸共貴方達には...」

 

「くっ」

 

そしてパチュリーが自身のスペルカードから再び攻撃を放とうとした次の瞬間ッ!!

 

 

ゴゴゴゴゴッ!!!!!

 

 

「嘘...まさかッ!?」

 

「マジか...」

 

再び鳴り響く轟音。そしてそれらはどんどん屋敷中を駆け回る。だが、それは地下からのみ。更にその音は自身達の下まで迫っており、気づけば...

 

 

 

あへへへへッッ!!!

 

 

アハハハハッッ!!!

 

 

自分達の背後に迫ってきていた。

 

「ふっフラン!?」

 

「ロン!?」

 

だが、二人には驚いている時間など無い。

 

それもその筈。こちらの二人は弾幕ごっこ。つまりそこに本気はあっても本気の殺意はない。だが、あちらは...

 

「あへへ〜」

 

「アハッ!」

 

スペルカードルール。幻想郷の賢者 八雲紫が定めた新しい幻想郷のルール。強大な力を持つ妖怪達が少しでも力を出し争えば幻想郷が危機に陥る。かと言って何もしないままでは妖怪達が弱体化しいずれは消えていくだけになってしまう。そんな中作られたのがスペルカードルール。それは決闘の際お互いがある程度のルールを設け、そのルール内で弾幕や自身の能力を反映させたスペルカードを使った戦闘を行い決着をつけさせる。これにより強大な力を持つ妖怪達もある程度までなら力を扱え、更に本来肉体的に劣っている人間でも弾幕の使用やある程度の能力さえあれば妖怪相手でもあるというものである。

 

まあ、今の二人の様に...

 

「シャア!」

 

「させない!」

 

本気の殺し合いをしている場合には妖怪も人間もルールも無いのだが...

 

そして戦闘は続いていくロンがフランの懐に飛び込み鋭い貫手を放ち、それをフランは空中で避け、逆にロンの腕を掴みそのまま勢いをつけて空中に飛び上がる!

 

だがフランが天井を突き破る前に...

 

「離してもらうよ〜」

 

「ッ!?」

 

ロンはフランに掴まれていた逆の腕で彼女の足を掴みそのまま吸血鬼のフランをして驚愕する程の握力で足を握り、更にフランが激痛で手を離した瞬間ッ

 

「二人で落ちよ♪」

 

「キャアァァァッッッ!?」

 

フランの頭を片手で掴み、そのまま図書館の中央に落下し始めた。

 

だが...

 

「ちょっ...」

 

「ちょっ...」

 

「「ちょっと待ってえぇぇッッッ!?」」

 

この場合、巻き込まれた二人が一番の被害者だった。

 

そして二人がぶつかる直前に魔理沙はパチュリーを拾いつつ箒に乗り退避しており何とか無事に紅魔館の外に避難した。

 

だが...

 

「あっァァァッッッ私の...知識...本...」

 

「...ご愁傷様」

 

図書館ごと自身の蓄えてきた全てを破壊されたパチュリーは脳を破壊されたが如く泡を吹いて魔理沙の背に倒れた。

 

そして当の二人はというと...

 

「禁忌 グランベリートラップ!」

 

「!」

 

次の戦闘を空中に移し、夜空での空中戦へと望んでいた。

 

先ずはフランが自身のスペルカードの一つ禁忌グランベリートラップを発動しロンを挟み込む様に周囲に複数の魔法陣が展開され彼目掛けて一斉に千を優に超える弾幕が降り注ぐ!

 

だが...

 

「ヒヒッ!」

 

「嘘ッ!?」

 

これには流石のフランも驚愕を隠さなかった。

 

何故なら彼がとった方法とは...

 

「確かに凄い数だけど...全部弾いちゃえば問題ないよね〜」

 

千を超える弾幕...その全てを弾く事。

 

何と彼はフランの魔法陣から放たれる光弾全てを己の四肢だけで弾き飛ばしていたのだ。あるものは殴り、あるものは蹴り、あるものは手刀で切り裂き、圧倒的な数に対して圧倒的な個で応える。フランの弾幕一つ一つその全てが大妖怪クラスでもまともに喰らえばノーダメージではいられない。それほどの弾幕を素手で...

 

「アアっそっか...そうなんだね...」

 

「?どうしたの」

 

「ううん、何でもない。じゃあ...続けよっか!」

 

そしてそれを見たフランは何かを確信して再びロン目掛けて舞う。

 

だが先程までとはまた違う。

 

今度は...

 

「「「「四人だけどネ!!」」」」

 

「へえ、凄いね〜」

(ああ〜もう夜か...そろそろ起きてきたし...終わっちゃうな〜)

 

「「「「いつまでそう言ってられるかな!」」」」

 

そう、今度はフランが四人に増えている。これはフランのスペルカードの一つ禁忌 フォーオブアカインドの力である。要は忍者などでいう分身の術。あれと同じである。ただ違うのは分身しているのが忍者ではなくそれ以上の怪物である点。

 

そしてフラン達はそれぞれが再び弾幕を放ってくる...

 

と、ロンは踏んでいた。

 

だが、帰ってきた答えは...

 

「禁忌...」

 

「!?」

 

「「「「レーヴァテイン」」」」

 

禁忌 レーヴァテイン。その威力は立ち塞がるもの全てを焼き尽くし、一度射程に入れば最後、その巨大な灼熱の巨剣によって姿形と精神を諸々焼き尽くされて残されるのは死か消滅か...

 

そして今、彼女の前に広がるのは...

 

射程上の全てが燃え尽きた跡だった。

 

 

「アァ...アァァァァッッッ!?」

 

消えた、全部消えた...

 

本当は消したくなかった。

 

初めて自分と遊べた人だった。

 

だから、嬉しくて...

 

彼女は知らない。

 

「ロン!?」

 

消えたものは帰って来ない...

 

彼女は知らない...

 

「嘘...だろ」

 

失ったものは取り戻せない...

 

彼女達は知らない...

 

「そんな...ごめんなさい」

 

怪物に常識は通じ無い(・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...随分、汚れてしまったなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今一度、月は上がり...

 

兎は跳ねる!!

 

 

「この代金は高くつくぞ...小娘!!」

 

さあ、宴の始まりだ!!

 

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