もし個性の伸ばし方を指南してくれる教本があったら   作:毎日がチートディ

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短いですがお茶子の心境です


ため息

「はぁ・・・今日もダメダメだったなぁ」

 

寮の自室に戻った私は思わずため息を吐いてしまった。

 

 

今日は仮免許試験があったのだけど、それで全然活躍出来なかったのだ。

1試験目は皆に邪魔にならないように後ろにいてワタワタしているうちに何故かポイントが入っていて合格。

2試験目の救出試験は頑張らないとと思ってたんだけど、焦れば焦るほどミスをしてしまい、何故か合格は出来たけどもっと頑張りましょうというコメントを頂いてしまった。

 

 

結局A組は1試験目にいつも通りやれやれ言いながら首筋を掻いていた轟君が、士傑高校の風個性の人が使った大規模攻撃に巻き込まれて脱落した以外全員合格できた。

だけど、私は何故自分が合格できたのかがさっぱり分からない。

 

 

不安定な重力バランスを発生させて作った亜空間に収納していた調理器具と調味料を取り出し、帰りに買ってきたごぼうの皮むきをしながら考える。

相澤先生に聞いても何故か目を逸らせながら将来性に期待しているからだとしか答えてくれない。

その後公安委員会の人から将来について不安があるなら尋ねてきてくれと色々公安委員会のパンフレットとかを渡された。

現役の公安ヒーローと一緒に実際に活動を通して学んでいける特別合宿とか用意してくれていた。私なんかが参加してもきっと役には立たないだろうし、足を引っ張って迷惑をかけるだけだろうから断ったけど。

デクくんとかこういうの好きそうだから参加するのかなって思ってけど、帰りに聞いたら他の子にはそういう話は無かったみたい。

やっぱり私みたいにダメダメな子に声をかけていたのかな。

 

 

調理を終えて私は窓の外、西側へと意識を向ける。

母ちゃんは・・・うん、家にいるね。

母ちゃんの重力を三重の実家に観測する。

 

 

私はいつも通り、母ちゃんの重力を目印にその側の重力と目の前の重力をチョチョイと弄くりワームホールを発生させてからヒョイッと実家へと移動する。

新幹線代が浮くから便利なんだよね、これ。

この程度皆出来るだろうし、個性の不正利用になるから誰にも言ってないけどね。

私以外が通ると潰れちゃうし、発生まで1秒ぐらい掛かるから戦闘には全然役に立たないからね。

 

 

「母ちゃん、キンピラ作ったから持ってきたよ」

 

「お茶子、あんたそれ使えるようになってからしょっちゅう帰ってきてるけど、学校は大丈夫なんかい」

 

「うっ、うん・・・がんばっては・・・いるよ。でもみんな凄くて、私はついていくだけで・・・でも、もっとがんばって一杯稼げるヒーローになるから!」

 

「無茶せんでも、うちは大丈夫だから。本当にキツくなったら何時辞めてもいいんだからね」

 

 

母ちゃんは何時も優しい。

でもこの優しさに甘えていちゃダメなんだ。

ご飯が炊き上がるまで実家の掃除を手伝う。

ヒョイヒョイと重力でゴミを集めては圧壊させてからゴミ袋に詰める。

 

 

「お茶子がいると掃除が楽で助かるわ」

 

「こんな程度しか使い道がないけどね」

 

「お茶子は良いお嫁さんになるわよ。好い人はいないのかい?」

 

「な、なにいうてんの母ちゃん! そ、そんなのいるわけないでしょ!」

 

 

毎日勉強と訓練で好きな人なんて、そんなの作る余裕もないよ。

そもそもうちなんて相手にされないだろうし。

それにデクくんは爆豪君とお似合いだし、最近は飯田君ともなんかいい仲だし。

私、この三角関係の間に挟まってお邪魔じゃないかなって時々思ってまうし。

あの3人がラブラブなのを想像するだけで私の顔は真っ赤になってまう。

そんなお子様な私には恋なんてまだまだ先の話だよ。

 

 

ご飯を食べた後、私は庭に出てきた。

重力を操作して、空へと墜ち、上空から近くの山へと移動する。

先輩との戦闘訓練、私は何も出来なかったけど、それでも経験値は積めたようで重力の操作が前よりもスムーズに行えるようになった。

一定空間内の時間を遅くしたりとかもできるようになった。

前まではやろうとしたら重力調整が難しくて範囲内の物が全部消滅しちゃって使い物にならなかったけど、今ならヴィランだけ時間の流れを遅くしたりもできる・・・かも。

ううう、この程度の能力、みんなに言ったら鼻で笑われるんだろうな。

「お茶子さん、動きを遅くするより直接捕縛できる能力の方が有意義ではありませんか」って百ちゃんに呆れられたり「合理的じゃない」って相澤先生に蔑んだ目で見られるのが落ちだろう。黙っていよう。

先生も能力を誇示するよりも先に基礎鍛錬が大事って言っていたし。

能力なんてただのスパイス。一番大事なのは相手の土手っ腹に思いっきりパンチして倒せるフィジカルだって。

今日もみんなのスピードに全然付いていけてなかったし、もっともっと身体に負荷かけて鍛えないと。

 

 

山の中、座禅を組ながら浮かび上がり、自身へと超加重の重力をかけながら、同時に周りの重力場を操って木々や岩などを操作してオブジェを作るという先生直伝のピッコロ修行(名称の由来は謎)をする。

これを毎日朝まで行うのがここ最近の私のルーティン。

今では寝ながらでも維持できるようになった。

今頃みんなも私なんかじゃ想像も出来ないハードな自主練しているんだろうな。

そんなみんなにこの程度で追いつけるとは思えないけど、少しずつでも強くならないと。

 

 

 

 

 

ちなみにお茶子ちゃんは寮のベッドで寝たことはまだ無い模様。

A組のみんなは帰宅して直ぐ部屋に引き籠もるお茶子ちゃんをどうにかして皆と一緒の食事に誘えないか検討しているとかいないとか。

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