もし個性の伸ばし方を指南してくれる教本があったら 作:毎日がチートディ
とある式場で・・・
「やあ、二人とも幸せそうで何よりだ。結婚の祝いに何を贈ろうか悩んでいたんだが、二人には明るい未来を贈ろうと思うよ。白いのに(息子さんの困った声による)未来視で確認させたが、ポークビッツ君の今後生まれてくる息子さんは将来ナンバーワンヒーローになるそうだよ。そしてヒーロー名は“Mr.BIG”だ。未来はユーモアに溢れているね。あと巨大子ちゃん。君にも特訓を付けてあげようかと思ったけど、どうやらエンデヴァーによるマンツーマンによる地獄の花嫁修業で寝る暇もないようだから、代わりに君の可愛い丁稚君を鍛えてあげるよ。それでどんな感じにしようか。大事に大事に傷も付けないように優しく導く事も出来るけど。・・・え? 地獄を見せてやれって? 私がこんなに苦労しているのに何をたわけたことを言っているだって? OKOK。お茶子ちゃんと笑顔で殴り合える程度には鍛えてあげるよ」
Side:峰田
――願いを――――
うう・・・ん・・・
――――さぁ、君の願いを言うんだ――――――
なんだよぉ、もう少し寝かせてくれよぉ・・・。
――――――なんでも一つ、君の願いを叶えてあげるよ。さぁ、君の願いを言うんだ。そして僕と契「ギャルのパンティおくれーーーーっ!!!!!」・・・え? そんなので良いのかい? はいどうぞ。ここまでどうでもいい願い叶えたのは初めてだよ。これはエントロピーには期待できないだろうね。僕は頼まれただけだからどうでもいいけど。
なんか、よく分からないけど、ついさっきまで誰かの人肌で温められていたようなぬくもりで、そして甘酸っぱいとてもいい匂いがする布が顔にパサリと被さるのを感じ、オイラはまた夢の中へと落ちていった。
どこかからヤオモモの悲鳴が響いてきた気がするけど、この耐えがたい眠気には抗えなかったよ。
「起きなさい! 丁稚!」
なんかオイラを呼ぶ声が聞こえたけど、まだ寝たりなかったため、無視していたらいきなりの全身を貫く衝撃と痛みで意識が闇へと落ちていき・・・(1死目)
「起きなさい! 丁稚!」
なんだったんだ、今の痛み。先ほどの痛みに悶えていたところに、またもや同じ声が。そして先ほどと同じ耐えがたい痛みが・・・(2死目)
後2回ほど繰り返し、どうやら声をかける前にその場から離脱しなければ延々と痛みを受けると判断し、痛みを耐えつつもなんとか飛び退く。
自分が寝ていたであろう場所に、化け物のような何かが激突していった。
きっとさっきまでオイラはアソコで潰れて死んでいたんだな。
死んだのに生き返っているという謎の現象には、今のところ目をつむる。突撃した化け物がユックリと此方へと首を向けてくる。どうやら危険はまだ去っていないようだ。
オイラはすぐさまモギモギを手に取って、化け物の動きに対応出来るように身構える。
パジャマで寝ていたはずなのに、何故か雄英の制服でも無いレトロな学ラン姿だ。
『チュートリアルを開始します』
どこからか変な声が聞こえてきたが、それを気にする前に化け物が飛びかかってきた。
なんとか紙一重で避けて、そのまま化け物の顔面にモギモギを吸着させることができた。
化け物はモギモギを顔に付けたまま、地面へとダイレクトアタック。そのまま吸着して藻掻いている。
「丁稚! でかしたわ!」
そこに飛び込んできた声の主。赤いボディコンギャルが警棒のような物を持って、化け物を叩き斬った。
「チチシリフトモモーーーー!!」
オイラは喜びのあまり、そのボディコンギャルの尻へと飛び込んで、そのまま返す刀で叩き斬られ、またもや意識が闇へと落ちていった。
『チュートリアル、クリア。お疲れ様です』
また死んだと思っていたら、今度は何やら不思議な空間へと転送されてきた。
『やぁやぁ、最初の数回はしょうがないとして、状況を把握してからは1回でクリアするなんてどうしてなかなか筋が良いじゃないか』
先ほどのシステムチックなアナウンスと違い、やたら陽気な女性の声。嫌な予感がビンビンに感じられる。具体的に言えばお茶子ちゃんのスカートの中身を覗こうとしたときに感じる濃密な死の予感。オイラ、アレに気圧されて一度も決行できずにヤオモモのスカートの中へと逃げ込んでる臆病者さ。
『とりあえず、巨大子ちゃんの希望通り、丁稚君には熱烈スペシャルもう助からないゾ♡ コースで鍛えてあげるよ』
「えっと・・・辞退とかは」
『うん、電波が遠くて聞こえないなぁ。ここはソウル・トランスレーターとムーンセルを宝石翁がノリノリで魔改造した特別なゲームで、何度死んでも蘇られて、クリア後にはゲーム内で培った能力を肉体面に反映させることができる画期的なシミュレーション特訓ゲームさ』
無視かぁ・・・でも死なないならなんとか・・・
『だけど、痛みは現実と据え置きで、クリアするまで絶対終われないから発狂しないように気をつけてね。デバックで放り込んだ組員には8番出口の方がまだマシって感想を貰ったよ。ちなみに君は巨大子ちゃんの希望通り、誰もクリアさせる気が無い頭おかしい難易度に設定しておいたから、そこの所よろしく』
「ちょっ! 待ってくれよ! オイラ、明日にはまた学校が」
『ああ、大丈夫。この世界は精神を超加速させているから、この中の100年は現実では1秒さ。通常の難易度でも1日でクリア出来てたから安心してくれ。ちなみに君の身体は既に特殊な処置を施している。魂が絶望しない限り死にはしないし、その魂の方も円環の理の魔法で常時浄化されているから魔女化する心配もない。至れり尽くせりって奴だね』
なんか嫌な情報が盛りだくさんなんだが。え、1秒100年で、クリアに1日かかったの? それで通常難易度?
『ちなみにコースは君と色々共通点のある丁稚君のサクセスストーリーを題材にしているよ。さっきの特殊な処置のおかげで魔力が使えるようになっているし、例の鉢巻もゲーム内に持ち込みさせているから割とイージーだよね。僕は初心者に優しいのさ。ちなみに、丁稚君同様、ゴーストスイーパーとして活躍しつつ、最終的にはアシュタロスを“ソロ”で撃破して、その後は隠しボスの斉天大聖孫悟空もソロ撃破がクリア条件。ソロだからね、他のキャラの協力ありだとやり直しだから気をつけて。ちなみに特別コラボキャンペーンとして斉天大聖孫悟空は破壊神ビルスを打ち倒して昇神した常時超サイヤ人4のカカロットになってるからファンもニッコリ、楽しみにしていてね』
こうして、オイラの地獄が幕を開けた。
ここから少し先の話。
春が過ぎ、Aクラスの生徒が本来なら2年に上がっている季節。
ベッドには未だ眠りから覚めないパンティを頭から被った葡萄頭の少年。
そして、その少年を見つめる少女。
「峰田さん。峰田さんが眠りについてもう半年ですわね。私のおパンツ、何度も頭から剥がそうとしましたがモギモギがあまりにも強烈でもう諦めましたわ。Aクラスは今日、最終決戦に向かいます。峰田さんの目が覚めたときにはまた笑顔で会えるように、絶対勝ってきますわ。もう、誰も死なせません。待っていてください」
悲壮な覚悟を秘めた、ヤオモモは戦場へと向かっていった。