もし個性の伸ばし方を指南してくれる教本があったら   作:毎日がチートディ

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焼け跡

「先生! この先が僕の家です! 家族も先生に会えるのを楽しみにしてるんですよ」

 

 

「おい、はしゃぎすぎだぞ口田。合理的じゃない。おい、ひっぱるな」

 

 

嬉しいな。先生が僕の家に来るなんて嬉しいな。

 

 

最近来客が全然無いから寂しかったけど、今日、先生が初めて僕の家に来てくれるんだ。

 

 

学校では色々あって大変だったけど、両親に会いに来てくれて嬉しいな。

 

 

 

今度はクラスのみんなも呼びたいな。

 

 

先生が来るって言ったら母さんも喜んでくれて、ごちそうも一杯作ってくれるって。

 

 

父さんも前まではお仕事忙しかったけど、最近はずっと一緒に居てくれるし。

 

 

「僕の家、兎もいるんです。結(ゆわい)って名前で、凄く可愛いんですよ」

 

 

嬉しいな。嬉しいな。

 

 

今度から寮生活だけど、兎なら連れて行っても良いって。

 

 

家族はずっと側に居るし、結も一緒に居れるなんて嬉しいな。

 

 

「弟と妹も家に居るんで会ってやってください!」

 

 

弟と妹も最近ずっと僕と一緒に遊んでいる。

 

 

雄英高校に入るまでは僕が受験でなかなか構ってやれなかったからね。

 

 

入学してからはずっと一緒に居るんだ。

 

 

「お母さん、ずっと笑ってるんですよ。僕が合格したのが凄く嬉しいみたいで。ずっと笑ってるんですよ」

 

 

嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。

 

 

みんなを幸せに出来るヒーローになってねって。

 

 

何時も、ニコニコ笑ってるんですよ。

 

 

嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。

 

 

「おい、口田・・・おまえ・・・」

 

 

ここが僕の家だよ。

 

 

そんなに大きくないけど、父さんが頑張って建てて、母さんがいつも綺麗にしてくれる僕の家。

 

 

父さんと母さんが手を振って笑ってるよ。

 

 

嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。

 

 

「先生! 僕の家だよ! 僕の家族だよ! みんな先生が来てくれて嬉しいんだよ」

 

 

「家って・・・家族って・・・なんで・・・おまえ・・・」

 

 

近所の人達は僕たちには冷たいけど、家族がいるから笑っていられるよ。

 

 

ほら家族もみんな笑ってるよ。嬉しいな。先生が来てくれたよ。嬉しいな。

 

 

「こんなになるまで・・・」

 

 

先生が僕を抱きしめて泣いているよ。

 

 

なんでだろう。みんな笑ってるのに。

 

 

ここにはワルイニンゲンなんて誰もいないのにナンデ泣いているんだろう。

 

 

誰も火を付けたりしないよ。そんなワルイニンゲンはみんな死んじゃうから。

 

 

誰もナイフで首を切ったりしないよ。そんなワルイニンゲンはみんな死んじゃったから。

 

 

ほら、母さんも父さんも弟も妹もみんな笑ってるよ。だから・・・・・・・・・

 

 

「これから・・・雄英の寮が・・・お前の家だ・・・クラスの奴らみんながお前の家族なんだ。だから・・・もう泣くな」

 

 

なんでそんなに泣いてるの?

 

 

僕、こんなに嬉しいのに可笑しいな。

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