才能はすべてを巻き込む   作:メガシャキ

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52話目です
主人公黒幕


地雷

side???

 

そこは周りが石壁に覆われた場所だった

 

スパァン

スパァン

スパァン

 

何かを叩く音がする

 

スパァン

スパァン

スパァン

 

「あぐっ、ぐぅ、ぅあ」

 

叩かれていたのは、人間だった。その人間は平時だったら美しかっただろう

 

いや、どちらかというと可愛らしいほうだ

 

しかし、その人間は服を着ておらず、両手を上にあるレールに手枷ごと鎖で吊り下げられていてで足はつま先立ちになるように拘束されている

 

普通に暮らしていたらきめ細やかで白い肌が美しかっただろうが、今やその肌は背中もお腹も乳房も、女性としてデリケートな部分も顔と吊り下げられている腕以外、ミミズ腫れや打撲、切り傷でいっぱいだった

 

ここには、その女性の他に鞭や棍棒などを持った者たちが多くいる

 

その者たちがそれぞれの獲物を振るうたびに、あちこちで悲鳴があがる

 

ほとんど男の悲鳴だったが、少し女の悲鳴も混じっている

 

全員拷問のような、いや拷問を受けていて、拷問をしているほうも仕事だとばかりに痛みを与えていく

 

中には嬉々として、拷問を行っている者もいたが

 

そう、ここには多くの囚人と看守がいたのだ

 

そして、最初の女性も囚人で今まで数え切れないほどの拷問を受けてきたのである

 

ーーーーーー

 

私の名前はマイン・クラウト

 

元海軍本部少将だった女だ

 

弱冠20歳で少将に昇進し、悪魔の実や六式を収めた将来有望な女海兵だった

 

そんな輝かしい昇進街道を登っていた私だが、ある日上司である中将に任務が言い渡された

 

この任務は極秘にある王国に向かい、そこの王に助力せよという任務だった

 

任務内容は、行ってからというのが中将から申し付けられていた

 

早速、件の王国に向かい、極秘に王に会ったが王は側近も含めて殺されていたのだ

 

そこに王弟である男が入ってきて、兵士に私を拘束するよう命令したが、私はもちろん抵抗した

 

だがなぜか私にこの任務を申し付けた中将がいたのだ

 

中将は部下に命令をして、私が王殺しという冤罪を撤回することもなく拘束するよう言っていた

 

私は何がなんだかわからず、必死に事情を説明するが、見てしまったのだ

 

王弟も兵士も中将も部下の海兵も全員が、私を見て笑っていたのだ

 

嘲笑うように

 

捨て駒のように

 

馬鹿な正義の味方を見るように

 

その後は多勢も無勢、私は王殺しという汚名を受けて、インペルダウンへ収監された

 

インペルダウンは地獄だった。最初の身体検査は屈辱的だったし、釜茹での消毒も泣きそうになった

 

何よりも看守が屑を見るような目で私を見てくるのだ

 

私はやってない。私は騙されただけだと言っても犯罪者の戯言のように流される

 

階層はレベル4だった

 

海軍本部少将というのを加味したのだろう

 

しかし、階層が低いほど拷問の質は高くなってくる

 

最初は地獄だった

 

今でも地獄だが、最初は慣れない拷問で毎日涙を流していた

 

レベル4は灼熱の階層だ。いるだけで肺が焼けてしまいそうになるほどだ

 

これはデフォルトだが、拷問の内容は多種多様だった

 

鞭打ちは服が駄目になるのがもったいないのと、痛みが伝わりづらいということでほとんど全裸だ

 

当然、看守も男が多いのでじろじろと裸を見られるし、同じ囚人にも見られる

 

水責めはかなり辛い。私は悪魔の実の能力者だ。分娩台みたいなところで無理やり頭を水桶に突っ込まれて溺れさせられるし、水を飲みすぎておしっこを漏らしてしまう

 

これを、100回単位でやられるのだ

 

電気椅子は看守の機嫌で回数が変わってくる

 

体中、いや脳まで痺れるし、自分で抑えられず漏らしてしまう

 

それを見て看守たちや獄卒たちが嘲笑をしてくるのだ

 

熱湯地獄は能力者の私には命にかかわることだ。

 

熱いのはもちろんだが、私は溺れないようにしないといけないため命がけだ

 

他にも、極寒地獄、毒責めによる病気や腹痛、爪を剥がすなど数え切れないほどの拷問を5年、受けてきた

 

囚人なかには、途中で命を落とす者が多くいる

 

私が5年も生きているのは、努力と運があったからだ

 

あとは、私をインペルダウンに落とした中将やその部下、王国の奴らに復讐する気持ちだけで私の心は均衡をギリギリで保っていた

 

 

「ぅぁ、」

 

私は今鞭打ちが終わり、全裸で鎖に吊り下げられたままだ

 

鞭打ちの拷問のあとは、何時間かそのままにされる

 

看守もいなくなるが、誰も逃げ出す気配はない

 

逃げ出す体力も、気力も全部持っていかれるからだ

 

私の裸を見て騒いでいた囚人も、今はそんな元気さえないのだ

 

どれだけインペルダウンの拷問が厳しいかわかる光景だろう

 

私も虚ろな目で痛みに呻くだけで、絶望が支配していた

 

いつまでこの地獄は続くのだろう。私はいつまで生きられるのだろう。私の復讐心はいつまで保っていられるのだろう

 

絶望だけが、私を構成していた

 

『助けてほしいか?』

 

絶望していた私にそんな声が聞こえてきたのは、鞭打ちが終わって1時間後のことだった

 

ーーーーーー

 

レベル4の拷問室に来た時に、おもしろい女性を見つけた

 

ーーーーーーー

 

マイン・クラウト

 

年齢:25歳

 

体力:A

 

力:A

 

知力:S

 

素早さ:A

 

才能:A

 

能力

メタメタの実モデル水銀

 

備考:復讐者

 

ーーーーー

 

ステータスが結構優秀だし、悪魔の実の能力者でもある

 

それに、この復讐者という称号もおもしろい

 

この女性、マインの物語を覗くと冤罪でインペルダウンに収監された元海軍本部少将だったことがわかった

 

だから、魔が差した俺は変な遊びを思いついてしまった

 

鎖に吊り下げられているマインに向かって俺は

 

『助けてほしいか?』

 

と、謎の声ごっこをした

 

「だ、れ?」

 

『今のままでは貴様は復讐を果たすことは一生出来ないぞ?』

 

「ッ…」

 

『どうする?最初で最後のチャンスだ。ここから脱出したければ願え。貴様はどうしたい?』

 

「わ、わた、しは、出たい、ここから出て、あいつら、に復讐を!」

 

『いいよー』

 

ーーーーーー

 

sideマイン

 

「うぁ…」

 

私が起きたとき、そこはどこかの部屋だった

 

ここはどこだ?私は、インペルダウンにいたはずだ

 

…まさか、あの声は本物だったのか?

 

このベッドは柔らかくていつまでも寝ていたいが、ここがどこかなど調べなくてはならない

 

そして、起き上がろうと思うが、体力がないのか体が動かない

 

「くっ」

 

「1週間も寝てたんだ、ゆっくりしてな」

 

「っ!?」

 

私がベッドから起き上がれないでいると、横のソファにひとりの男がいた

 

その男はスーツにワイシャツという簡素な服装で、顔はいわゆるイケメンというやつだろう

 

そんな男が気配もなく、横にいた

 

私の見聞色の覇気が未熟でも、まったく気配を感じさせなかった

 

少し恐怖を覚えたが、今は聞かなくてはならないことがある

 

「すまない。ここはインペルダウンではないのか?」

 

「ああ、ここはインペルダウンじゃない。安全な場所だ」

 

「そうか、あのときの私に問いかけていた声はあなたか?」

 

「ああ、そうだ。それと君のことは調べさせてもらった」

 

「っ…」

 

「安心しろ。お前が冤罪だってことはわかっている」

 

「え?」

 

「大将灰熊、いや当時は中将か、それとオーバン王国がマッチポンプをして罪をお前に擦りつけたことはわかっている」

 

「え、あの、冤罪はそうなんですが、なんで知っているんですか?」

 

「俺の能力だ」

 

「はぁ」

 

彼の簡潔な説明に私はどこか納得いってないような返事をした

 

「さて、マイン、君に選択肢をあげよう。このまま俺の力を借りて、復讐を終わらせるか、それとも、時間をかけて復讐をするか」

 

彼はすぐに復讐するか時間をかけて力をつけた後復讐するか選択を迫ってきた

 

「今すぐお願いします」

 

「…回答早いな」

 

「はい、復讐相手がいついなくなるかわかりませんし、あなたに手伝ってもらったほうが確実だと判断しました」

 

そう。私は私自身の手で復讐をしたいが、それでも確実に殺したい

 

あいつらを、私を地獄に落とした奴らを絶対に逃したくない

 

だから、この人に手伝ってもらってでもあいつらを地獄に落としたい

 

「いいよー」

 

あのときと同じ軽い返事がきた

 

 

「ぎゃあああああぁ!?」

 

あのとき王弟だった男の悲鳴が聞こえる

 

私は彼、ゴジョウ・ガードナー様の提案を承諾したあと、体調を回復させてすぐに行動に移した

 

私の体は普通に言って、重症だった

 

私が起きた後食事や休息をある程度取った後、ゴジョウ様が緑色の炎を私に放ってきたと思えば、私の体はシミ一つない健康な体になっていた

 

不思議に思ったが、私には得しかないので歓迎した

 

そして、ゴジョウ様に頼んでまずは灰熊の復讐からはじめた

 

元海軍本部少将の私と現海軍本部大将の灰熊、実力差は歴然だ

 

だが、ゴジョウ様が完璧なバックアップをしてくれた

 

灰熊が任務でとある島に行った時に、任務が終わりひとりで休憩中にゴジョウ様が灰熊を誰もいない無人島へ誘拐してくれた

 

誘拐してくれた時に、なんと海桜石の手錠を嵌めてくれたみたいで、灰熊の戦力は大幅に下がった

 

灰熊は動物系クマクマの実モデルグリズリーだったが今は、それが足枷になっている

 

それでも、大将というのは強い

 

能力が使えなくなっても、中将くらいなら勝てるだろう

 

元海軍本部少将で、インペルダウンで鍛える暇もなく、拷問で体が弱っていた私にとっては到底勝てる相手ではない

 

だがゴジョウ様は復讐させてやると言っていたのだ

 

私はその言葉を信じている

 

もう私にはゴジョウ様しか信じられる相手はいないのだ

 

ドロ

 

そして、灰熊が私の姿を見て目を見開いた後、貴様の仕業かと聞いてきた

 

さすがは大将。海桜石を嵌められてどこかもわからない場所にいるというのに、状況判断が早い

 

私は、それに答えずメタメタの実モデル水銀の能力を使い、攻撃を仕掛けていく

 

状況は私が圧倒的に有利

 

だが、それでも勝てる見込みがない

 

徐々に押されていく

 

そして、トドメを刺されると思ったときに、灰熊の右腕が切り飛ばされた

 

アハ

 

「ありがとうございますゴジョウ様っ」

 

驚いていた灰熊の心臓に水銀を形状変化させた腕で貫く

 

一矢報いようとでもいうのか、残った左手で私に掴みかかってくる

 

しかし、私は貫いた腕をそのまま引き抜き、もう一度、灰熊の左眼へと突き刺した

 

灰熊が一度びくんと震えた後、前のめりに倒れた

 

「アハ、アハハハはハハハ!」

 

私は灰熊の頭を蹴りながら、笑っていた

 

どれくらい笑っていたのかわからないくらい笑っていた

 

ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと

 

インペルダウンで復讐することだけを支えに拷問を耐えていたのだ

 

その復讐がやっと一つ、遂げられたのだ

 

これで笑わない奴はいないだろう

 

そんな私に声がかけられた

 

「おめでとう」

 

「あ、ゴジョウ様♡」

 

ドロ

 

そこには私の信じられる人がいた

 

「あ、うん。一つ復讐を終えたみたいだな」

 

「はい!あとはこいつの部下とオーバン王国の奴らですねっ」

 

なぜかゴジョウ様の顔が引きつっているが、私は気にせず、これからのことを話していく

 

私は気づかなかったが、ゴジョウ様の綺麗な青い瞳に映った私の目は濁っていた

 

ドロ




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