麻帆良学園エヴァンジェリン邸
修学旅行での一件以降俺達は麻帆良学園に帰って来て、修学旅行の余韻が冷めて来たくらいだった
「ぐがぁーzzz」
いや、冷めて来たどころではなかったようだ。エヴァがログハウスのソファにて少女がしていい格好じゃなく寝ている
俺はそれでいいのかと思いながらゲームをしていた
みんな懐かしいゲームボーイのポ○モンだ
修学旅行から帰って来てから始めたので、やっと最初のジムリーダーを倒したところだった
フシギ○ネ選んだから、勝つまでに時間がかかったよ
そうして、休日である今日をエヴァンジェリン邸に住んでいる者たちがだらけきっていると、外から何人かの気配が来るのがわかった
「ぅあ?…誰か来たか?」
同じく来訪を感じたエヴァが目を覚まし、ソファから起きあがる
「ふむ。この気配はぼーや達だな」
俺もわかっていたことだが、ネギ含め、そのゆかいな仲間達もいるみたいだ
まぁそうか。ネギが来るってことは仮契約をしたクラスメートやその他魔法に興味津々な者たちも来るのはわかっていたことだ
そう内心で考えながら、エヴァが茶々丸に応対するように指示をだしている
ソファにて足を組みながら大物感を演じているが、俺は呆れながらエヴァに言う
「エヴァ、カッコよくネギたちを迎えたいのはわかるけど、先に口元の涎拭いたほうがいいんじゃないかな」
時が止まった
エヴァは俺の言葉に大物感を演じている様子のままに固まっていたが、数秒後テーブルにあった手鏡で自分の顔を確認した
本当に涎があったのがわかったのか、ソファから立ち上がったと思ったら、一瞬で洗面所へと向かっていくのだった
ーーー
「おじゃましま~す。…あれ?防人さん?エヴァンジェリンさんはいらっしゃらないんでしょうか?」
茶々丸が出迎えた後、エヴァが中に通すように命じたようにネギとゆかいな仲間達がログハウスの中に入ってきた
「あー、いらっしゃらい。エヴァは今ちょっと…いや来たようだね」
エヴァは少し外していると伝えようと思ったら、ちょうどエヴァが洗面所から戻って来たようだった
「ふん、私がどうかしたかぼーや」
さも、今来ましたが何かとでも言うようにソファに座ったが、俺がジト目でエヴァを見ていると、少し顔が赤くなっていた
その様子にネギたちは何かあったのだろうかという感じでこちらを見てきたが、エヴァがネギに早く用件を言えと促したので、ネギが代表してエヴァに話していく
「あ、はい。そのですね、えっと、その…」
ネギが用件を言うと思ったら、モジモジしながら中々話そうとしない
それを見かねたのか、隣にいた神楽坂が横から話をしてくる
「もう、ネギったら。えっとねなんかこの前の修学旅行でエヴァちゃんの戦いを見たネギがエヴァちゃんに魔法を教えてほしいって思ったんだって。だからエヴァちゃんお願いできないかな?」
横でネギが神楽坂が言ったことを裏付けるように、小動物のような顔でエヴァを見ている
それを聞いたエヴァは眉を動かしながら何かを考えている
沈黙が流れるが、誰も言葉を発しない
約1分後思考が終わったのか、エヴァが言葉を発する
「…なぜ私なのだ?」
先ほど神楽坂がそのなぜについて話したのにもか関わらず、エヴァはネギ達に問う
「あの、京都でエヴァンジェリンさんの魔法の使い方に感銘を受けたのでご享受出来ないかと思ったのですが…」
ネギが神楽坂が言ったことを丁寧に直して伝えてくるが、俺は呆れながらネギ達を見ていた
「(うーん。多分エヴァが聞きたいのはそこじゃないだろうなぁ)」
俺の考えを裏付けるかのようにエヴァがさらに言葉をネギ達にかける
「私が聞きたいのはそこじゃない。私が問うているのは私以外にも麻帆良にはぼーやたちよりもよほどうまく魔法を扱える者たちが多くいる。だからこそ、なぜ私なのだと聞きたいのだ」
そう。ここ麻帆良には学園長を始め、ネギ達よりも戦闘でも補助でも回復でも魔法が使える魔法先生達がいる
魔法を習いたいのならば、エヴァのような賞金を掛けられている者よりも、立派な魔法使いと言われている魔法先生たちに話を持っていくのが筋だろう
エヴァが聞きたいのは、なぜ人々のために動く魔法先生たちよりも、戦闘が得意な自分に師事したいのかということだろう
エヴァの言葉に返事を返せないのか、ネギは口を閉ざしてしまう
周りのクラスメート達もネギの様子に戸惑っている感じであった
ネギ達があたふたしているのを見て、ネギ達の中から一人前へ出てくる
「…そこは俺が話そう」
そう言って出てきたのはアルカであった
「確かに、魔法を習いたいのであればエヴァンジェリンじゃなく他の魔法先生に師事するのが王道だろう」
アルカの話にエヴァもネギ達も耳を傾ける
「でも、俺とネギが求めているのは王道の力じゃないんだ」
「ほぉ」
アルカの言葉にエヴァが興味深いように相づちを打つ
かくいう俺もアルカの言葉に興味が出てくる
「少し昔の話をしよう。あれは俺とネギが3歳の時だ。当時はイギリスのウェールズの魔法使いの村で過ごしていた。親はいなかったが親戚が大切に育ててくれた。だが、ある日村に悪魔が大量に攻めてきて村は壊滅した。まぁ俺とネギと親戚の従兄弟だけは色々あって助かったが。その時に俺とネギはまた強大な敵が来ても対応出来るような力がほしいと思ったんだ。そして、今回修学旅行で普通じゃない力を持った人物が現れた」
そこまで言ってアルカは言葉を止めた
今の話にクラスメート達は驚いたような沈痛したような雰囲気を出していたが、エヴァは特に気にした様子はなくアルカとネギに聞く
「ほぉ、つまりぼーやたちは都合よく私を利用したい
ということか?」
エヴァは少し魔力と殺気を乗せた威圧をネギ達に向けている
ネギ達は全員エヴァの威圧に驚いてしまっている
中には腰を抜かしている者もいるようだった
「…ああ、そうだ。あんたを使ってでも俺は強くなりたい。もう奪われないように」
そう言ってアルカは真っ直ぐエヴァを見る
エヴァは威圧を徐々に強くしながらアルカを見るが、アルカは怯まずエヴァと対峙する
ある程度時間が経った後、急に重苦しかった威圧感は消えた
威圧の発生場所であるエヴァのほうを見て見ると、口元が弧を描きながらアルカを見ている
「ふっ、アルカ・スプリングフィールド貴様は合格だ」
エヴァのその言葉にネギ達は嬉しそうな反応を見せるが、エヴァの次の言葉に固まってしまう
「アルカ・スプリングフィールドは合格だ。だが、それ以外は不合格だ」
「「「えっ!?」」」
自分たちも一緒に合格したと思ったのだろう。エヴァの言葉がそれをぬか喜びにさせた
「な、なんでですか!?」
ネギが思わずエヴァに言ってしまう
「ふん、簡単なことだ。貴様らには覚悟なかった。ただそれだけのことだった」
裏を返せばアルカには覚悟があったということだろう
「なんでよ!?いいじゃない!魔法を教えてくれたって!」
神楽坂が納得出来ないようにエヴァに反論する
他のクラスメート達もそれに同調するようにやいやい言ってくるが、うるさかったのかエヴァがもう一度威圧を出し脅す
「くどいっ!先ほども言ったが貴様らには覚悟がないと言っているだろう!わかったらさっさと出ていけ!」
先ほどの比じゃない威圧に一気にログハウス内は静かになる
ネギ達は最初の威圧が遊びだったような殺気に青褪めてる
俺は話はここで終わりかなと思いながらやっていたポケ○ンの続きをする
「(さーて早く進化させようっと)」
そうして、目線をゲーム機に移そうとしたところで、声が聞こえてきた
「待ってください!もう一度話を聞いてくれませんか!?」
俺はお?っと思い声の主を確認すると、ネギが青褪めたままにエヴァに言う
「ダメだ。アルカ・スプリングフィールド以外は不合格と言っただろう。帰れ」
「お願いします!もう一度だけでいいんです!チャンスをください!」
ネギは何をそんなに焦っているのかというくらい頼み込む
その様子にネギのゆかいな仲間達も一緒にエヴァにお願いと言っている
チャンスを貰えるまで帰らないと思ったのだろう。大きなため息をつきながらエヴァは言う
「はぁ、面倒臭い奴らだな。…2週間後だ。それまでに体術だけで茶々丸に一発当てられたら合格にしてやる。ああ、言っておくがぼーやだけでの対決だ」
もう言うことはないとばかりに奥へ引っ込んでいく
とりあえず何とかチャンスを貰ったネギ達はログハウスを去っていくのだった
アルカ君は精神年齢が高いのです