子どもたちがある程度キュラソーと遊んでいたところ、公安警察が来て、面会の時間はおわった
子どもたちは悲しそうにしていたが、外に出ると、何やらまた何かを企んでいる顔をしていた
俺は気づいていたが、そっちのほうが面白そうなので、知らないふりをしながら言われた通りに阿笠博士家へ送っていった
その後帰った俺は、準備をしてその時を待つのであった
ーーー
俺は光彦、歩美、元太が家に帰らないというので、探偵団バッチを辿ってトロピカルランドに来ていた
そうして探し回っていると、3人の探偵団バッチの反応が観覧車から鳴っている
そして、観覧車の中には3人と記憶喪失の女性がいた
「あいつらっ」
コナンは眼鏡のズーム機能を見てみると、様子がおかしいことが見える
「なんだ?あの人の様子があのときと同じだ」
キュラソーが観覧車で取り乱したときよりも、さらに苦しんでいる感じだ
それを見ながら、探偵団バッチに声をかける
「こちらコナン。お前ら今どんな状況だ?」
「あ、コナンくんっ!急にお姉さんが苦しみだして、前よりも痛そうにしているんです」
「助けてコナンくんっ」
「おい、姉ちゃん大丈夫か!?」
それぞれが混乱しながら連絡を取り合う
全員どうすればいいかわからないまましていたとき、なぜか観覧車が止まってしまう
さらに混乱してしまう子どもたちいた
そしてそれを遠くから双眼鏡で見ているブロンドの外国人がいた
ーーー
場所は観覧車から少し離れた飲食店で、その人物は日本人から見ても美しいと表現出来る外見をしていた
実際そうなのだ。彼女はハリウッドで女優をしており、人気もある
しかし、それは表の姿、彼女の正体はコナンや灰原を薬で小さくした黒ずくめの組織の幹部ベルモットなのだ
なぜ彼女が子どもたちを双眼鏡で見ているかというと、一緒にいる組織の幹部キュラソーから任務達成の報告がいつまでもないため、様子を見に来たのだ
そして、組織が睨んだ通り、キュラソーの様子がおかしいことを双眼鏡で確認したところだった
観覧車を突然停めたのもベルモットの仕業である
内部に細工をして止まるよう遠隔で設定出来るようにしたのだ
そうして、彼女がさらに次の行動を取ろうとしたとき、自分が座っているテーブルに誰かが座る気配がした
「こんにちは、クリス・ヴィンヤードさん」
座った人物は美女だった
ベルモット自身、自分の容姿が優れているのは分かっていたが、目の前の女はさらに美しいと感じた
髪はピンクと少々派手だが、逆にそれが彼女の魅力を引き出しているようにも見える
そして、ベルモットはこの人物のことを知っていた
というより、界隈で彼女のことを知らない者はいないだろう
「防人コンシェルン会長の…」
「あら、ご存知でしたか」
ご存知もなにも、自分たちの組織がどれだけ工作やスパイを送り込んでも、一向に情報を抜き取れない巨大かつ堅牢な会社の会長夫人を知らない者は、自身の組織にはいない
ここに来て超大物が来て、ベルモットは冷や汗をかく
「なぜあなたが…」
「いえ、実際にあなたという人物がどんな人間なのか知りたかっただけですよ」
「ふふ、光栄ね。天下の防人コンシェルンの会長夫人にわざわざ調査されるなんて。それで、私はお眼鏡に叶ったかしら?」
たまの淡々とした返答にベルモットは自分の内情を悟らせないように、演技めいた様子で聞く
「ええ、まぁ人間にしては合格ですね」
ベルモットは人間にしては部分に疑問に思ったが、気にせず余裕の表情でいる
「それはよかったわ。ところで今日はあなた1人で来たのかしら?噂の会長さんがどれだけの人物か見たかったのだけれど」
ベルモットがそう言った瞬間彼女の全身が硬直した
たまから発せられる威圧感に本能的に身体が防衛の構えをとったからだ
「ずいぶんと上から言うではないか下郎。貴様ごときが我の夫を試そうとするなど、その魂、消え去っても構わないのだな?」
その時ベルモットは幻視した。たまのお尻くらいから九本の尻尾が生えているのを
圧迫されて数十秒、たったそれだけでベルモットの心身はマラソンを走ったときのような疲労を感じていた
「はぁはぁ。い、今のはいったい」
ベルモットは息を荒げながらたまに問う
「ふぅ、少し興奮しちゃいました。失礼しました。あなたが無防備にもわたくしの旦那様を試すようなことを言うのが悪いんですからね!」
「…」
たまの言葉にも彼女は反応しない。反応出来ない
この女は危険だ。野放しにしていれば絶対に自分たちの障害になる。それも最大級の厄介なバックがついている障害だ
「もう、反応くらいしてくださいよ。まぁいいです。では最後にわたくしの愛しの旦那様からの伝言です」
「『俺は特に邪魔はしない。あ、でも気分によっては介入するかも。ぜひこの世界をおもしろくしてくれ』だそうです」
「わかった。肝に命じておくわ」
ベルモットがそう言うと、たまは席から立って去っていく
たまが去って見えなくなったあと、ベルモットは大きく息をつく
「…はぁはぁ。なによあの化け物は。あんなの同じ人間としておかしいじゃない」
監視の任務も放棄してもベルモットの頭の中にはたまの姿が残っている
白いパーカーにショートパンツのラフな格好だったのに、ベルモットにはまるで圧倒的上位者から言葉をかけられているように感じていた
「ふふ。本当に化け物の類だったかしらね」
自嘲気味にそう言うと、彼女は再び組織の任務に戻るのであった
ーーー
「安室さん!ここの電気回路に爆弾が取り付けられているんだ!」
「なんだって!?」
コナンは観覧車が止まってしまった原因を探しに観覧車内部へ侵入していた
そしてそこに、公安警察所属で黒ずくめの組織に潜入している警察官の安室透がいた
彼も監視対象であるキュラソーが黒ずくめの組織に奪還されそうになっているので、出張ってきたというわけだ
そしてもう一人、コナンには味方がいた
FBI所属の赤井秀一だ
彼も黒ずくめの組織に潜入していたが、あるとき潜入がバレてしまって追われた過去がある
安室透、本名降谷零と赤井秀一はある事件を通して犬猿の仲となっている
いや、安室が個人的に赤井を嫌っているのだが
今は黒ずくめの組織の目的を阻止するために、協力してコナンと行動している
だが、そこでさらに妨害があった
黒ずくめの組織が軍用ヘリを用いて、観覧車に機関銃を撃ちまくりだした
その銃撃によって、観覧車は蜂の巣になっていく
その中をコナンたちは走っていく
安室は爆弾を解体するために
赤井は軍用ヘリを止めるために
コナンは黒の組織の目を眩ませるために動いていく
「堕ちろ」
コナンが目眩ましに蹴った花火型サッカーボールが炸裂して、視界を確保した赤井が軍用ヘリのプロペラの部分を撃ち抜き、軍用ヘリを撤退させていった
だが、固定していた軸が外れて、観覧車が回りながらベルモットがいた飲食コーナーに向かって転がっていった
「まずいっ!」
コナンがそう言って、ベルト型の伸縮自在の発明品で止めようとするが重さに耐えられず切れてしまった
「くそおおおぉぉぉぉぉ!」
コナンが慟哭するように叫ぶ。それもそのはず、まだ飲食コーナーには多くの人がいたのだ
観覧車が近づいていて、誰も彼も逃げ出すが、このままでは間に合わないであと少しでぶつかってしまう
もう誰もがダメだと思ったとき、一機のクレーン車が観覧車を止めた
誰がこんなことをしたのか
それはキュラソーだった
実は彼女、記憶が戻っていたのだが、子どもたちの純粋さに当てられて組織から抜ける覚悟をしていた
だがそこで観覧車が外れて多くの人を襲っている
彼女は動いていた
工事中だったクレーン車を運転して、観覧車に当てて止めようとした
しかし、そこは巨大観覧車だ
クレーン車では止めきれない
それでも彼女はクレーン車を走り続けさせる。すべては自分を慕ってくれた子どもたちのために
そうして、観覧車の重さにクレーン車が耐えきれず潰されてしまう
もうダメだというところで、観覧車は止まった
「やぁ、キュラソーくん」
なんと、白髪の男が片手で観覧車を止めていたのだ
「あ、あなた、確か以前あったゴジョウさんっ」
そう我らが白髪バカだった
「さて、キュラソーくん。君には選択肢がある」
ゴジョウはそう言って指を2つピース状にする
「1つはこれから組織に戻って前と同じ暮らしをする。もう1つは俺の会社に入って、働くか。さあどうする?10秒で決めろ」
それを聞いたキュラソーは唖然としていたが、慌てて返事をする
「あ、あなたについていくわ」
「おっけー」
戻ったところで自分は組織を抜ける覚悟をしていたのだ
ならば、この規格外で金も権力もある男について行ったほうが周りにも迷惑がかからないだろう
そう言って、キュラソーはゴジョウと姿を消すのであった
ーーー
「風見、彼女の遺体は見つかったのか?」
「いえ、残っていたのは黒焦げになった誰かわからない遺体とトロピカルランドで子どもたちとお揃いでもらったというキーホルダーだけです」
安室は風見の報告に違和感を覚えた
いや、灰原という子どもの話では、クレーン車に乗っていたキュラソーは観覧車を止めていたが、そのまま潰されたと言っていた
だが、そこに違和感を覚えたのだ
自分でもわからないが、残っていた黒焦げの遺体に彼女のものと思われるキーホルダー
普通は黒焦げの遺体が彼女だと思うだろう
しかし、出来過ぎている
まるで彼女はここで亡くなったということを誰かに伝えたいように
「ふっ、気のせいかな」
「え?安室さん何か言いましたか?」
「いや、何でもないよ。それよりも風見、今回の件の隠蔽は出来ているか?」
安室はさっきまでのことは隅において、観覧車が観客を襲った今回の件をちゃんと世間から隠せているか確認する
「ええ、上も今回の一件は事故にしたいようで対応は迅速に行われました」
「そうか。じゃあ僕はまた潜入に戻るから連絡は例の方法で」
「わかりました。では失礼します」
ピッと電話を切って安室は仮の職業である喫茶店のバイトに行くのだった
ーーー
「たま〜耳掃除して〜」
「はーい♡では頭をちょっと上げてくださいねぇ」
俺は今、会社の会長室にあるソファでたまに耳掃除をしてもらっている
この会長室は、会社の1番上にあって、広さ20畳の高級ホテルのような作りをしている
「ちょっとたまくすぐったいって」
「もう旦那様ったら、動いたらメッですよ」
「はーい」
俺とたまがいちゃいちゃしている様子をジト目で見ている女性がいた
「ふぃー、うん?どうかしたの天海ちゃん」
「…」
「おーい、キュラソーから天海祐ちゃんに名前を改名させた秘書くーん」
「はぁ、そのちゃん付け止めてくださいって言っていますよね」
そう、キュラソーはあの後、名前と顔を変えて俺の秘書になっていた
顔を変えたと言っても、たまの道具作成の能力でボタン1つで顔を変化させるものを開発させたのだ
今は俺たち3人だけなので、元の顔で過ごしている
「でもさぁ、天海ちゃん俺の部下だし」
「それはそうですが…」
「じゃあいいじゃん」
うぐって言って、キュラソーいや天海は口を閉じるしかなかった
「いやー、それにしても暇だなぁ」
「それは会長が能力を使って自動で処理出来るようにしているからでしょう。会長1人でグループ会社の社員全員分の仕事回せますもんね」
天海にはゴジョウとたまがどういう存在かや能力を一部教えたりとしている
「まぁね、あぁそういえば、子どもたちと会ったんだって?」
「はい。正体は隠していますが」
なんか、仕事で出張に行ったときに偶然少年探偵団のみんなとあったそうだ
そこで事件に巻き込まれて、一度犯人扱いさせられたらしく、あとで誤解は解けたみたいでまた仲良くなったそうだ
本人も違う形になったが、仲良くなれたのを興奮気味に報告してくれた
よかったねと優しい顔で言ったら、自分が興奮しているのがわかったのか、顔を赤くしていた
「じゃあ、今後は気にせず少年探偵団と関わっていいからね」
「あ、ありがとうございます」
天海ちゃんは今日1番の笑顔でお礼を言ってきたのだった
「あ、旦那様動かないくださいって」
あ、すいません
ベルモット→( ゚д゚)