陵辱フラグがとまらない!?TS転生したハンター、近未来で処女狙いの敵に無双します   作:わんた

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魔術銃AM-15

 防壁の外へ行くため、下着を身につけたイチカはワンピースの上にショルダーバッグをかけ、ゴーグルを着けると、視界に追加情報が表示された。

 

 右上には都市内の地図があり、意識するだけで拡大、縮小、移動が容易にできる上に色分けされたマーカーがある。赤は魔物、それ以外は人間で武装の危険度によって青、黄色、紫といった順番で危険度が上がっていく。

 

 すべてはリアルタイムで更新されているため、自動で索敵されている状態である。

 

「ゴーグルにでている情報はアルゴスが送っているんですか?」

「そうよ。私が都市中央のサーバーにアクセスして更新しているわ。住民の個人情報も手に入れているけど、防壁外の人たちはそもそも管理されてないから、精度についてはあまり期待しないでね」

 

 管理が甘いからこそエンの目からも逃げられるのだ。

 

 イチカとしては、感謝はあっても非難する気持ちはなかった。

 

「詳細な地図と人の動きが分かるだけで十分ですよ」

「そう言ってもらえると助かるわ」

 

 空中に浮かんでいるアルゴスは静かに動いてイチカの前で止まる。

 

「防壁を出るルートは送っているわ。武器を手に入れてから、外へ逃げましょう」

「今の私に武器なんて必要なんですか?」

 

 魔物の血に目覚めたイチカが魔力による身体能力を強化すれば、殴りつけるだけでコンクリートの壁すら破壊できる。また脳の処理は早くなり、感覚は鋭くなっているため、条件さえ揃えば銃弾すら避けられるだろう。

 

 武術の心得がなくても、そこら辺に歩いている人間に負ける気はしなかった。

 

「血に目覚めたぐらいじゃスタートラインに立っただけよ。パワードスーツを着ているか、サイボーグ化している人間ならイチカと同じことはできるの。武器がなければ生き残れないわよ」

「あぁ、そうでしたね、技術力が高いんでした」

 

 魔力を持たない者は技術によって、劣った身体能力をカバーしている。

 

 今のイチカだと、完全武装した純血の人間に勝つことは不可能だ。

 

「でも武器ってどうやって手に入れるんですか? 魔力と科学兵器って相性が悪いんですよね?」

「そうよ。だから魔術を発動させるのに特化した武器を手に入れるの」

 

 使用者の魔力を使って発動する武器がある。武器の一部に魔術文字が刻まれているため、高度な知識は不要。振るうだけで自動処理され、混血であれば誰でも魔術が使える優れものだ。

 

 アルゴスの計算上では、イチカは素手だと数日も持たずに死んでしまうため、どうしても手に入れておきたかった。

 

「そういったのがあるのでしたら、手に入れておきたいですね」

「でしょ。その辺はすべて私に任せなさい。強くしてあげる」

 

 自信ありげに言ったアルゴスは廃墟ビルから出て行き、イチカもゴーグルの地図を見ながら後を追うことにした。

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 複雑な裏路地を進んでいる。深夜であるため人は少ないが、騒いでいる若い男女やクスリの売買をしている人もいる。

 

 アルゴスは監視カメラ経由で状況を把握しているため、他人と遭遇しないよう案内し、何事もなく倉庫の前に付いた。

 

「ここに武器があるんですか?」

「そうよ。解錠するから、イチカは周囲を監視してて」

 

 アーム状の腕を出したアルゴスは、鋼鉄製の重厚なドアの隣にあるタッチパネルに触れた。

 

 機械音が聞こえる中、イチカはゴーグルに映っている地図を見ながら警戒を続けている。

 

(もしかしてではなく、あれって盗みに入ろうとしているんだよな? 審判をする立場なのに良いのか?)

 

 疑問は残るが、今はアルゴスに従うのがベストだ。

 

 良心のざわめきを無視して警戒を続けていると、黄色いマーカーが二つ近づいてきていることに気づく。一定の武装をした人間が向かってきているのだ。

 

「こっちに近づいている人間が二人います。逃げますか?」

「その必要はないわ。解錠できたから中に入るわよ」

 

 イチカが振り返るとドアが開いていた。アルゴスは既に中に入っている。

 

 黄色いマーカーは足音が聞こえるまで近づいており、もうすぐ見つかってしまう。悩む時間はない。不法侵入する覚悟を決めると、イチカも倉庫の中へ入ってすぐにドアを閉めた。

 

「照明を点けるわね」

 

 倉庫内が明るくなった。床や天井、壁は真っ白なタイルで作られていて、銃器が壁にずらりと並べられている。中心には人型の大きなロボットが座っていて、イチカは個人や企業が持つにしては過剰なように思えた。

 

「ここは誰の倉庫なんですか?」

「マフィアよ。違法な手段で集められた物だから気兼ねなく盗めるわね」

「盗んだから報復されません?」

「監視カメラには偽の映像を流しているし、在庫管理のデータも改ざん済み。武器の一つや二つ減ったところで気づかないわよ」

 

 戸惑っているイチカを置いて、アルゴスは壁に掛けられている武器を吟味している。

 

 多くが純血や魔物の血の薄い人間向けが多い中、数丁の魔術銃を見つけた。

 

「威力も欲しいけど連射性も重要よね……」

 

 今後の予定を考えながら、アルゴスはアーム状の腕で一丁の魔術銃を取った。

 

 AM-15と呼ばれていて、1秒間に10発の魔力弾を放つのが特徴だ。魔力量の多いイチカであれば30分は撃ち続けられるだろう。

 

 威力も高く、小さい魔物相手なら容易に体を貫通させられる。また頑丈なことでも有名で、鈍器として使っても故障しにくい。

 

 素人が最初の武器として選ぶには最適な銃であった。

 

 他にも長距離用のライフルを手に取ると、アルゴスは二丁とも本人認証機能を無効化する。これで誰でも使用可能となった。

 

「人が倉庫の中に来そうです。どうします?」

 

 必要な物は手に入り、後は出るだけだったのだが、イチカが緊張した声で質問した。

 

 武装していた黄色いマーカーがドアを開けようとしているのだ。

 

 窓はなく出入り口は一つしかない。すぐにロックは解除される。だというのに、アルゴスは慌てていなかった。

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