メイデンがミリィ達を追い込む事態において、Uは咄嗟に撤退の選択を選ぶ。メルヘン総帥はUの判断を嘲笑う様子を見せていたが、メイデンは何故かUの判断を懸命なものとして認める様子を見せたのだった………
その後、メイデンはメルヘン総帥の城へ共に行き、玉座の間でメルヘン総帥の座る玉座の前に立っていた。
「………久しぶりのこの場所はどうだ?」
メルヘン総帥はメイデンが久方ぶりにここを訪れた事からそう問いかけた。
「………以前よりも広く感じる」
メイデンは僅かな無言の時間の後にそう答えた。
「そうか………」
メルヘン総帥はフッと笑いを零した後、一度咳払いを挟むと………
「ゴシック………私はお前に対し意図的に言っていなかった事があった。お前がメイデンゲームを制した後に話すべきだと考えていた為だからな」
メイデンに対して、まだ語っていなかった事があると話題を変えた。
「話していなかった事………?」
メイデンは首を傾げながらメルヘン総帥へ問いかける。
「………メイデンは人の死体にマテリアルを埋め込む事で生み出される。それはゴシックやあのNo.2とて例外では無い………」
メルヘン総帥はメイデンを生み出す為の方法について改めて語り始める。
「そう………それで?」
メイデンはその話の意図が読めず、思わずそう問いかけた。
「無論これだけの話ではない。メイデンシリーズは生み出されると同時にそれ以前の記憶が消去されてしまう。それはお前も良く知っているはずだ」
メルヘン総帥は続けてメイデンが生み出された際にその影響で記憶が無くなってしまう話をする。
「そんな話もあったわね」
メイデンは続けて言葉を返す。そしてメルヘン総帥は口を開くのを僅かに躊躇ったがやがて口を開き………
「………お前の元の記憶についてだが………それは私の娘の能力だ………!」
メルヘン総帥はメイデンの持っていたかつての肉体の記憶を語った。
「お父様の………娘………!?」
それを聞いたメイデンは、自身が本当の意味でメルヘン総帥の娘である事に大きく動揺していた。
「そうだ。そして私が何故お前をメイデンゲームで勝たせたかったのか………今となってはもう分かるだろう?」
メルヘン総帥はそう言うと、自身の動向の意味を理解したか問いかける。
「………それと同時に私に肩入れするような行動が多かったのも………そういう事ね?」
メイデンはそれを理解した上で続けてそう問いかける。それを聞いたメルヘン総帥はフッと笑いを零し………
「よく分かっているじゃないか」
そう言葉を返すと共に、玉座を立った。そして懐から新たに白い鍵を取り出すと………
「我が娘よ………私と共に来て欲しい………この世界に復讐する………その為にも………!」
そう言って、白い鍵をメイデンに向けて差し出した。メイデンはこの鍵を受け取ると………
「………それは構わない。けれど1つだけやり残した事もある。お父様を手伝うのはその後で………ね」
そう言って、了承こそすれどやり残した事があるとしてメルヘン総帥に猶予期間を求めた。
「良いだろう………やり残した事を終えたらここに戻って来い、我が娘よ………」
メルヘン総帥はメイデンを疑う事無く、一旦彼女のやりたいようにやらせる事を決め、彼女を見送るのだった………
メルヘン総帥から真実を聞いた上で、彼に協力するよう求められるメイデン。しかし、メイデンは後1つやり残した事があるとして、その目的の達成を果たす事を優先する選択をしたのであった………
To Be Continued………
次回予告
一方、『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』のアジトにおいてミリィ達はメイデンの裏切りに絶望を隠せずにいた。だがその中で、Uの無線機にある人物からの連絡が入ったのだった………
次回「無線からの呼び出し」