鉱石と破壊の戦士達〜鍵の戦士達〜   作:Uさんの部屋

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※本作はフィクションです。また本作と第0話は時系列が繋がっています。


第1章 2人のモンスターウォーリアー編
第1話 モンスターウォーリアー


ここは小さな村モーグル。この村は特に娯楽施設も無く、特別裕福でもないものの、人々は生活基盤を構築して過ごしていた………

 

「………はあっ」

 

しかし、そんな現状に溜息を吐く女性がいた。その女性に男性が近づくと………

 

「おい、リヴィス。後で薬草取りに行けよ。お前が今日の担当なんだから」

 

そういって、リヴィスと呼ばれた薬草取りに行くよう言ってきた。

 

「………はいはい、分かってるってば………!!」

 

リヴィスはどこか鬱陶しそうに返事をしたのだった………

 

 

 

それから少しして、リヴィスは近くの森へやってきた。ここは村で使われている薬草が取れる森であり、基本的には平和な所だった。

 

「はあっ、嫌になっちゃう。こんな生活、何も面白くないし………」

 

しかし、リヴィスはこの現状に不満を抱く様子を見せていた。

 

「………なら、その退屈を裏返したいか?」

 

そんな中、リヴィスに向けて声が聞こえた。

 

「誰………!?」

 

リヴィスは困惑した様子を浮かべながら周囲を見回す。すると彼女の目に、赤い鉱石のようなものが落ちているのが見えた。

 

「な、何これ………?」

 

リヴィスは困惑しながらその鉱石を手にする。

 

「………俺と契約しないか? 契約すればこの退屈な生活は大きく変わるぜ?」

 

すると鉱石から声が聞こえた。それを聞いたリヴィスはにわかには信じられない様子を見せていたが………

 

「………退屈、そうね。退屈じゃなくなるなら契約でもなんでもしてやるわよ」

 

リヴィスは退屈を変えたいという気持ちからあっさりと契約に頷く様子を見せた。

 

「………交渉成立だ」

 

それを聞いた鉱石はそう言ってリヴィスの身体の中に入っていく。

 

「ううっ………!? あああっ………!?」

 

するとリヴィスの身体は変異していき、異形の怪人の姿へ変貌してしまった。完全に変化した後に怪人は笑い声を上げると………

 

「………ふはは、馬鹿な奴だ。俺たちに取り憑かれた人間は意識を俺達に奪われるというのに、そいつの悩みを餌にすればあっさり契約に乗るんだからなぁ………」

 

そう言って、リヴィスを最初から騙す気であった様子を見せる。怪人は自らの思った通りに事が進んだのを喜んでいたが………その直後、怪人に近付く足音が聞こえた。

 

「あ………? 誰の足音だ………?」

 

怪人は首を傾げる様子を見せる。すると怪人の前に不思議な雰囲気を漂わせた少女が近づいてきた。

 

「………マテリアルビースト………」

 

少女は目の前の怪人に対してそう呟いた。

 

「マテリアルビーストだあ? 俺達にそんな名前を付けるとは心外だなぁ」

 

怪人はどこか嫌そうにそう呟いた。

 

「………誰も教えてくれないからね」

 

少女はそう言って自分で付けた名前である事を遠回しに語る。

 

「ふん、生意気なガキだ。このまま食い殺してやるよ」

 

怪人は少女の言葉を聞き、彼女に殺意を向ける。

 

「悪いけどその人は離してもらうよ」

 

しかし、少女は怪人に対してのみ敵意を向ける様子を見せた。それを聞いた怪人は彼女を嘲笑う様子を見せる。

 

「ふはは! たかが人間風情にどうやって俺を倒せるというのだ!? それに万が一俺を殺せば、取り憑いた人間も死ぬのだぞ!!」

 

どうやら、怪人は普通の人間を超越した強さを持つ上、万一倒された際には、取り憑いた人間ごと死ぬ事になるとも語った。

 

「なら分離させるだけだよ。私にはそれが出来る力がある」

 

少女はそう言って、別の解決策を語った。するとその直後、彼女の身体の中から光が漏れ出し、腰にベルトが出現する。

 

「な、何だそれは………!?」

 

怪人は驚きを隠せない様子を見せた。少女は服の中から鍵形状のアイテムを取り出す。その鍵の頭にはヒーローのマントのようなアクリルがくっついており、少女はキーの先端部分をベルトの頭部に存在する穴へ差し込んだ。

 

『ヒーロー!』

 

ベルトから音声らしきものが流れると、少女の身体を白い光が覆い始める。少女はマントをかき上げるかのように右腕を上げながら真横に伸ばし………

 

「………変身」

 

そう言って左手で鍵を回した。

 

『アーマーオン!! ………ジャスティスウォーリアー! ヒーロイック!!』

 

すると、ベルトの変身音と共に光の鎧が形成。彼女の顔や身体を全て覆い隠す戦士の姿へと変化した。

 

「な、なんだ貴様は………!?」

 

怪人は少女の姿に驚く様子を見せ、彼女の名を問いかける。

 

「………名前なんて無いよ。私はただ、貴方のような悪意ある怪人を倒したいだけ………!!」

 

少女はそう言うと、常人を上回るスピードで怪人に接近。素早い動きでパンチを放つ。

 

「ぐああっ!!」

 

怪人は大きく吹き飛ばされ、近くの木に激突する。

 

「な、何だこのパワーは………!?」

 

怪人は動揺する様子を見せていた。更にそこへ少女が追撃をかけ、鋭いパンチを怪人のボディに叩き込んだ。

 

「うぐうっ!?」

 

怪人は胸を通り越すショックに思わず膝を着いた。

 

「これは………!?」

 

怪人は身体に違和感を感じる様子を見せた。

 

「………マテリアルビーストは確かに人間の身体を乗っ取っている。けどそれは人間の心臓をマテリアルに変化させているが故の話。私の力なら、人間の心臓を傷付ける事無く貴方の本体………鉱石の形をしたマテリアルを潰せる!!」

 

少女はそう言って怪人側の絶対優位を崩す術を語ると、大きく飛び上がり、そのまま急降下キックを放つ。

 

「ぐああああ!!」

 

怪人は大きなダメージを受ける様子を見せる。

 

「ふ、ふざけるな………こんな形で私が負けるはずがあるかー!!」

 

怪人はそう言うと、両手から炎を放つ。これにより近くの木や草が燃え、辺り一面が火の海になった。

 

「………炎の能力があるんだね。でも生憎、これを手に入れたばかりの私には無意味だよ」

 

しかし少女は冷静な様子で、ベルトの横に装備されたホルダーから、水のアクリルが付いた鍵を取り出す。そして、ベルト頭部に元々差していた鍵を外し、今取り出した鍵をセットする。

 

『エンチャント!』

 

少女はそのまま鍵を捻った。

 

『ウォーター! エンチャント!!』

 

すると少女の両手から多量の水が放出される。これにより近くの火は瞬く間に消化されると同時に、少女の水の勢いに怪人は吹き飛ばされた。

 

「ぐおおおっ!?」

 

怪人は大きく吹き飛ばされ、地面に倒れた。少女は鍵を元のものへ差し戻し、一度捻った後に再び鍵を元の方へ回すと、ベルトの左部分にあるボタンを押した。

 

『フィニッシュモード!!』

 

ベルトから音声が鳴ると同時に、少女は大きく跳躍する。そして、鍵を再度捻ると………

 

『ヒーローイックストライク!!』

 

右足にエネルギーを集中させた必殺のキックを発動し、怪人に直撃させる。

 

「ぐあああああ!!」

 

するとこの一撃が当たった直後に、怪人の身体が外側から崩れ落ち、その中から取り憑かれていた人間、リヴィスの身体が出てきた。それと同時に鉱石のような物が放出され爆発した。

 

「うあっ!」

 

リヴィスはここまで自我を失っていたのか、目を開けた際には周囲で何が起きていたのか分からない様子を見せた。そんな中、少女は黒焦げになった鉱石のような物を手に取る。するとこれが形を変え、炎のアクリルが付いた鍵へと変化した。

 

「思った通り炎の鍵になったね………」

 

少女は一言そう呟いた。そんな少女の姿を見たリヴィスは驚く様子を見せた。

 

「だ、誰………!?」

 

リヴィスは驚きを隠せない様子を見せた。

 

「………知らない方がいいよ、私なんか」

 

しかし、少女は素っ気ない様子でそう言い放つと、その場から素早い動きで逃亡してしまった。

 

「あっ! ちょっ!! せめて名前を!!」

 

リヴィスは追いかけようとしたが、あまりの速さに間に合わなかった。しかし………

 

「(よく分からないけど………私の命の恩人なら、せめてお礼がしたい………!!)」

 

リヴィスはこの頃から正体も顔も分からない戦士に対して興味を抱く様子を見せ初め、リヴィスは無意識の内に彼女を追いかけ出したのだった。そして、この一幕を密かに見ていた者がもう1人、近くの木から様子を見ていた。

 

「………こいつは驚いた」

 

その人物は白い髪をした男であり、この状況を密かに見ていた。そして、左耳に装着された機械のダイヤルを弄ると………

 

「………僕だ。ああ、変わった女の子が目の前に現れた。例の怪人についての話も幾らか語ってたよ。これから接触をしてみる」

 

そう言って連絡を取った後に、左耳の機械を外すと、近くの木に向かって大きく跳躍。人間離れした跳躍力で木に登ると、近くの木に飛び移る形で連続して飛び越えていった。そのスピードは人間離れしたものであったのだった………

 

 

 

リヴィスを助けた謎の変身する力を持った少女。そして、彼女に興味を持った2人の人物。この3人の人物を巡る戦いの物語が、今始まろうとしていたのだった………

To Be Continued………




次回予告
謎の少女の前に現れる白髪の男。彼は怪人についての情報を集めている事を語った。少女は彼に自身の知り得る情報を彼に語るが、そんな彼の元に別の怪人が現れたのだった………
次回「謎同士の2人」
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