転生したら蛇だった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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初投稿です!!!


転生時期がおかしい!!!

 血がドクドクと流れ、徐々に何も感じなくなる。

 

 視界が黒く染まり、何も見えなくなった。

 

 先程まで聞こえていた喧騒も聞こえなくなった。

 

 刺された事による痛覚も無くなった。

 

 口に広がる血の味ももう感じない。

 

 全ての感覚が抜け落ちる。

 

 ああ、死とは恐ろしいな。

 

 ああ、こんな事になるなら、家で大人しくしとけば良かったな。

 

 今日ボクは学校が休みだったため、好きな漫画の新刊を買うために外に出た。

 

 すると、いきなり通り魔が出現し、1人の男性が刺された。

 

 通り魔はその男性を刺すと、そのままボクまで刺してきた。

 

 ああ、最悪だ。

 

 せっかく第二の人生(・・・・・)を楽しく送れていたのに……。

 

 ……もっと抵抗すれば良かった……もし、次の生があるのなら、今度は誰かの生を踏み躙ってでも……命を冒涜してでも永生きしたいなぁ。

 

〈確認しました。ユニークスキル『冒涜者(ボウトクシャ)』を獲得……成功しました〉

 

 聴覚なんて無いはずなのに、何か聞こえてくる。

 

 幻聴だろうか?

 

 でも……そうだな、最期に少しくらい、この幻聴を楽しんでみるか。

 

 転生するなら、そうだな……今度は人間以外……蛇がいいな。

 

 狡猾そうだ。

 

〈確認しました。転生先の種族を『呪毒蛇(カーススネーク)』に固定……成功しました〉

 

 呪毒蛇かぁ……じゃあ毒関係のスキルも欲しいな。

 

〈確認しました。種族スキルである『呪息・毒息・腐食』を統合し、ユニークスキル『呪詛師(ノロウモノ)』へ進化……成功しました〉

 

 後はあれだな、演算系のスキルも欲しいな。

 

〈確認しました。ユニークスキル『聡明者(スグレシモノ)』を獲得……成功しました〉

 

 これぐらいかな。

 

 うん。

 

 最期に気分は優れた。

 

 満足し、ボクは闇の中へと意識を落とした……次の瞬間、

 

〈転生前準備が完了しました。これより、転生先の肉体に魂を定着させます〉

 

 その声が聞こえて少しすると、何故か視界が回復した。

 

 いや、視界だけじゃない。

 

 聴覚も嗅覚も触覚もある。

 

 ……この体……蛇……だよなぁ。

 

 ……何が起こった?

 

 ……そういえば、あの声『転スラ』の世界の言葉に似てなかったか?

 

 あれ、もしかしてこれって『転スラ』世界に転生したって事?

 

 ……もしかしてボクの前に刺されたあの人って三上悟だったりする!?!?!?

 

 ええ!?

 

 そういえばここ……洞窟……だよなぁ。

 

 もしかしてヴェルドラいる!?

 

 よし、とりあえずスキルの確認しながらリムルとヴェルドラを探そう。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 転生してから、1年が経った。

 

 ここに太陽はないが、『聡明者』の演算でどれぐらいの時間が経ったのか分かる。

 

 ちなみに、この間にスキルは大体使いこなせるようになった。

 

 まず、『呪詛師』は、呪いに関する事ならどんなことでも出来るというもの。

 

 これがなかなかのチートで、なんと血縁の者にまで広がる呪いとかも出来る。

 

 『聡明者』は、簡単に言えば会話能力のない『大賢者』だ。

 

そう、会話能力がないのだ。

 

 やはり主人公は別格だと思い知らされた。

 

 しかし、話さないというだけでこれも大分チートだった。

 

 最後に『冒涜者』。

 

 実はこれが1番チートだった。

 

 『冒涜者』は、簡単に言うなら生命に関することならなんでも出来るスキルだ。

 

 肉体や魂そのものの改造、即死攻撃、死者蘇生、そして生命の創造すらも可能だった。

 

 『なんだこのチート!!!』と叫びたい。

 

 一応、一通り使いこなせるようにはなった。

 

 ところで、実は1つ気になることがある……それは、この洞窟のどこにもヴェルドラらしき強大な魔力反応がないことだ。

 

 この世界に転生してすぐに『魔力感知』は取得し、それから常に発動させているのだが、どこにも強大な魔力反応がないのだ。

 

 そこで、3つの仮説を立てた。

 

 1つ目は、既にリムルはヴェルドラを捕食し、この洞窟から出ているという可能性。

 

 2つ目は、この洞窟はリムルが転生した洞窟ではない可能性。

 

 3つ目は、まだリムルが転生していないという可能性。

 

 違う世界なのだから、転生時間軸が違うことは十分に考えられるのではないだろうか?

 

 まあ、そんなわけで、この洞窟にはヴェルドラはいないものとして考え、つい先日ボクは洞窟を出た。

 

 そして、そこで見た。

 

 辺り一面の荒野を。

 

 ……うん。ここどこ?

 

「フハハッ!!!オレはツいてる!!!」

 

 突如、近くから声が聞こえた。

 

 見ると、そこには大鬼がいた。

 

 オーガだろうか?

 

 そう思い、『聡明者』で解析鑑定すると、『魔王種』であることが分かった。

 

 ……え?なんでこんなすぐに魔王種エンカウント!?

 

 ……というかこんな奴知らないんだけど?

 

 原作に登場しないキャラだ。

 

 ……そんなことより、こいつの状態だ。

 

 この大鬼は、何故か傷だらけだった。

 

「お前を食って、腹の足しにしてやる!!!」

 

 大鬼が勢いよく殴りかかってくる。

 

 なるほど、大体分かった。

 

 こいつは、何らかの理由で大怪我を負い、その傷を治すために腹を満たす必要があるのだろう。

 

 だから、ボクと会ってツいてると言ったのだ。

 

 うん。

 

 攻撃を仕掛けて来たってことは、殺される覚悟もあるんだろう。

 

 大鬼の拳を避け、大鬼の首に噛みつき、呪詛を付与する。

 

 呪詛の付与が終わると同時に飛び退き、離れる。

 

 さて、どうなる?

 

「グ……グアアアアアアアアアア!!!!!」

 

 大鬼の身体中に紫色の斑点が出現し、苦しみ出す。

 

 付与した呪詛は『苦死呪』と名付けたものだ。

 

 これは、文字通り苦しみの果てに死ぬという効果を持つ呪詛だ。

 

 どうやら魔王種にも有効なようで、大鬼は最期まで苦痛の声を上げて死んだ。

 

 大鬼の死を確認すると共に、大鬼の魂を『冒涜者』を使って確保し、その魂の中にある『魔王種』を取り出し、ボクの魂に移植する。

 

 これで、後は1万の人間を殺せばボクは覚醒できる。

 

 この世界では、強くならないと死んでしまうからな。

 

 強くなるために必要なことは何でもやると決めた。

 

 さて、これからどうしようかな?

 

 呑気にそんなことを考えていた次の瞬間、遠くから轟音が響いてきた。

 

 なんだこれ!?!?!?

 

 圧倒的なまでに荒れ狂う魔力の嵐。

 

 恐怖……ただそれだけがボクの心を支配する。

 

 ……まさか……まさかまさかまさかまさかまさかまさか!!!!!

 

 魔力感知と演算によって魔力の嵐の起こっている場所を正確に視覚情報として認識した。

 

 そこには、暴走したミリムと戦うギィとおそらくラミリスであろう女性がいた。

 

 ……………うん。

 

 これはあれだな。

 

 ミリムがペットのドラゴンを殺されて怒り狂ったっていう本編からめっちゃ前の出来事だな。

 

 おそらく、この大鬼はあの魔力の嵐に触れ、あんなに傷だらけになってしまったのだろう。

 

 ……うん。

 

 転生時期おかしいだろーーーーー!!!!!

 

 

 

 

 

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