転生したら蛇だった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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ハクロウ、やばい刀を手に入れる

〈リムルside〉

 

 フォビオの来訪から少し経ったある日、獣王国ユーラザニアから使者がやって来た。

 

「突然の来訪、誠に申し訳ございません。本日は、フォビオの件の謝罪に参りました」

 

 アルビスと名乗った女性が頭を下げ、それに倣うように他の獣人達も頭を下げる。

 

 どうやら、フォビオとは違って良識があるらしい。

 

「謝罪は受け入れる。だが、心証は依然として悪いままだと理解してくれ」

 

「承知しております。フォビオのやった事は明確な敵対宣言もいいところ。謝罪一つで心証が良くなるとは考えておりません」

 

「なら良い。とりあえず、場所を移そう。今の時間なら会議室が空いている」

 

「承知いたしました」

 

 

 

 会議室で向かい合って座り、今回の件の落とし所を話し合った。

 

 結果、ジュラ・テンペスト連邦国と獣王国ユーラザニアで同盟を結ぶことになり、その同盟もだいぶこちらが有利なものに出来た。

 

 どうやらアルビスは全権代理として来ていたらしく、その場で同盟書の調印をし、正式に同盟は結ばれた。

 

 フォビオの件があったために心証は最悪と言っても良いほどだったが、調印が終わる頃にはだいぶ打ち解けることが出来、獣人のイメージもだいぶ改善された。

 

 そして、スフィアと名乗る虎の獣人とハクロウが試合をすることになった。

 

 うん、なんで?

 

 本当に唐突に決まったため、訳が分からなかった。

 

 ただ、ハクロウも納得の上だったため、試合を行うことに反対意見はなかった。

 

「それじゃ、試合開始ッス!!!」

 

「全開で行くぜ!!!」

 

 ゴブタが開始を宣言した次の瞬間、スフィアが体の一部を獣のものに変え、一気にハクロウに迫った。

 

 しかし、次の瞬間にはスフィアは倒れ伏し、気絶していた。

 

「勝負あり!師匠の勝ちッス!!!」

 

 一瞬で着いた決着に、獣王国の面々は唖然としていた。

 

 まあ、獣王国の最高戦力とも言うべき三獣士が一瞬でやられたらそりゃそうなるか。

 

 

 

 スフィアは、それから10分後に起きた。

 

 どうやら直ぐに目覚めるように手加減していたらしい。

 

 手加減であれって……ハクロウ強すぎない?

 

 

 

 獣王国の使者達は1週間ほど滞在した後、ベニマルを連れて帰って行った。

 

 ベニマルには、ジュラ・テンペスト連邦国の使者として獣王国に向かってもらった。

 

 そのタイミングで、フィとミィも旅に戻ることになった。

 

「それじゃ、ボク達はそろそろ旅に戻るね」

 

「それは……寂しくなりますのう」

 

 ハクロウが名残惜しそうにそう言うと、

 

「ハクロウにはこれあげるよ。ハクロウが強くなっていくのを見るのは随分楽しかったからね」

 

 フィは、そう言って一振りの刀をハクロウに手渡した。

 

「その刀には、『真名』があってね。刀に認められると自然と『真名』を知ることが出来る。次会う時までに、使いこなして見せてよ」

 

「フォッフォッフォ。それはそれは、楽しみにしていてくだされ」

 

「うん。それじゃあね」

 

「また会いに来るのだ!!!」

 

 そう言って、フィとミィは旅立った。

 

 

 

〈フィアラside〉

 

「フィアラよ。さっきハクロウに渡した刀って、もしかしてフィアラが創った生物なのだ?」

 

 魔国(テンペスト)を出た後、ミリムがそう尋ねて来た。

 

「うん、そうだよ。武器の等級で言うなら神話級以上創世級(ジェネシス)未満ってところかな」

 

「随分ハクロウのことが気に入ったのだな」

 

「うん。あの調子なら、ハクロウは多分竜種を超えるよ」

 

「あー、確かに。いずれそれほどの強者になりそうなのだ」

 

「でしょ?」

 

 ボク達が滞在した短期間でハクロウは覚醒魔王に対抗できるほどに強くなった。

 

 後一年もすればおそらく竜種に並ぶ。

 

 いやー、才能って怖いねー。

 

 強すぎたよハクロウ。

 

「フィアラはこの後どうするのだ?」

 

「そうだね。とりあえず、少し不安の芽を摘んでおこうかな?」

 

「帰らなくて良いのか?」

 

「うん。だってボク『並列存在』を置いて来たからね」

 

「なっ!?ズルいのだ!!!」

 

「ミリムも使えるでしょ?進化した(・・・・)あの究極能力(・・・・・・)の権能には『並列存在』もあった筈だよ?」

 

「それはそうなのだが、演算とかがめんどくさいのだ!!!」

 

「使えるようになれば楽なのにね」

 

「むー」

 

「拗ねないでよ」

 

「むぅ。……それじゃ、ワタシはそろそろガイアにも会いたいし、帰るのだ。また会おうなのだ!!!」

 

「うん。またね」

 

 別れの挨拶を交わし、ミリムは竜の都へと帰って行った。

 

 

 

 

 

 転スラ世界において、1番邪魔な存在は誰だろうか?

 

 考えた事はあるかい?

 

 転スラに登場するキャラに不要なキャラはいない。

 

 ボクはそう考えている。

 

 しかし、それはあくまでも一読者として物語を楽しむ場合の話……。

 

 この世界がボクにとって現実となってからは、どうしても許せないキャラがいる。

 

 それは、最終的に不老不死となった怪物。

 

 ラミリスの迷宮を侵食し、竜種に匹敵する存在となった者。

 

 そう、今後ボクの友人(ラミリス)に迷惑をかける可能性がある存在。

 

 ボクは自分でも世界を創れるからこそ、創った世界が創造主にとってどれだけ大切か分かる。

 

 世界を奪われたらどんな気持ちになるか……考える事は容易に出来る。

 

 だからこそ、

 

「君はここで死ね。ヴェガ」

 

 『三巨頭(ケルベロス)』がボスの1人。

 

 『力』のヴェガの存在をボクは許せない。

 

 ヴェガを捕捉し、呪い殺す。

 

 こいつは今までも反吐が出ることを沢山していた。

 

 だからこそ、苦しめて殺す。

 

 生まれて来たことを、せいぜい後悔しながら死ぬといい。

 

 

 

〈ユウキside〉

 

 『三巨頭』のボス……『金』のダムラダ、『女』のミーシャ、そして『力』のヴェガを招集し、会議を行なっていた時のこと。

 

「グッ……ガアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 突然ヴェガの身体中に紫色の斑点が出現し、ヴェガはこの世のものとは思えない苦痛の叫びを上げた。

 

「これは……呪い……ですか?」

 

 ダムラダが冷や汗をかきながら恐る恐る口を開いた。

 

「ああ、多分呪いだね」

 

「それも、苦しめることを目的とした呪いのように見えるわね」

 

 ミーシャも恐怖に顔を引き攣らせながら口を開く。

 

「何者かが『三巨頭』を狙った?」

 

「いえ、それならば我々に呪いが来ていないのが不自然です」

 

「となると、これはヴェガのみをターゲットにした呪いか」

 

 この呪いは見た限り、俺でも解けない強力なものだ。

 

 ならば、ヴェガを助ける事は諦めて、この呪いの種類と発動者の特定を急ぐべきだろう。

 

「ダムラダ、ミーシャ!!!鑑定を頼む!!!僕は近くを探ってくる!!!」

 

「「かしこまりました」」

 

 

 

 しかし、呪いの種類も、発動者も結局分からず、この事件は迷宮入りした。

 

 

 




タグに『ヴェガ死亡』を追加しました。原作で生きていたキャラがこれ以上死ぬ予定はないのですが、もし死ぬようなら『ヴェガ死亡』を『原作生存キャラ死亡』に変えます。
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