〈リムルside〉
ダンジョン攻略を始め、早くも1日が経とうてしていた。
「こ……ここが最奥か?」
『ピンポンピンポン大正解!!!」
なんとかダンジョンの最奥に着くことが出来た。
「そろそろ姿を現せ!」
ストレスのせいで大分怒気をはらんだ声が出た。
『仕方ないなー』
その声が聞こえると同時に、数10人の精霊を伴って、1人の小さい精霊が現れた。
「お前がリーダーか?」
「そっ!アタシの名はラミリス!!!十一大魔王が一柱!!!『迷宮精霊』のラミリス様とはアタシのことなのよさ!!!」
「魔王ぅぅ?」
どう見てもただの子供なんだけど?
〈告、個体名・ラミリスの魔素量は、測定可能な下限段階で
はあ!?!?
えっ……そうなの……自信無くすんだけど……。
「なによ?」
「いえ、何でもないです」
「そっ、なら良いのよさ!」
「ところで、これでダンジョンクリアなのか?」
「チッチッチッ、甘いね。ここからボス戦なのよさ!!!」
「ボス戦?」
「出でよ!
ラミリスの声と共に、上からゴーレムが降って来た。
「こいつに勝てば良いのか?」
「そうなのよさ!あ、別に倒さなくても良いから。行動不能にすれば良いから。それと、ここに円があるでしょ?」
「ああ」
確かに、この広場には結構大きな円が書かれていた。
「ここには特殊な結界が張ってあるから、ここから外には被害が出ないのよさ!だから、思いっきり戦えるってわけ!!!」
「……なるほど……あっ、なら俺の生徒達を結界の外から見学させても良いか?」
「ん?ああ、あの入ってきた時に一緒にいた子達のこと?良いわよ別に」
やっぱり、最初から見られてたんだな。
そんなことを考えながら、みんなを胃袋から出す。
胃袋から出たみんなは何故か全員が上機嫌だった。
理由を聞いても
「秘密ーー」
としか答えてもらえない。
一体、胃袋の中でなにがあったのやら。
まあ、良いか。
それよりも今は、散々馬鹿にされた分このゴーレムを圧倒して目に物見せてやる!!!
なんて思っていた時期が、俺にもありました。
「それじゃあ!『守護者』聖霊の守護巨像対『挑戦者』リムル・テンペストの戦い……始めーーー!!!」
ラミリスの宣誓と共にゴーレムが一気に俺に迫る。
「速すぎだろっ!!!」
なんとか避けながら『粘鋼糸』を発動させ、ゴーレムに巻き付ける。
しかし、巻き付いたそばからゴーレムに引きちぎられる。
「力も強いのかよ!」
そう、愚痴りながら刀でゴーレムを切りつける。
しかし、かすり傷すらつかなかった。
そして、次の攻撃に入る前にゴーレムの拳が俺に迫り、それを避けても今度は蹴りが飛んでくる。
攻撃方法も多彩だし……強すぎだろこのゴーレム!!!
流石は魔王の作ったゴーレムってとこか?
『大賢者』さん!
何か対策あったりします?
〈解、刀による攻撃も、ほとんどの魔法もおそらくあの装甲を抜けません。しかし、最大威力の『黒獄炎』ならば、おそらく攻撃が通ります。そのため、『黒獄炎』発動までの一瞬だけ動きを止めれば勝てます〉
なるほどね。
だったら!!!
「『獄炎』!!!』
一気にゴーレムの上空に飛び、威力の低い小さな獄炎ゴーレムの周りに撒き散らす。
最大威力の『黒獄炎』で倒せるなら、小さな『獄炎』でも傷は付くはず!!!
その考えは正しかったようで、ゴーレムの動きが止まった。
「『黒獄炎』!!!」
魔素を大量に使った最大威力の『黒獄炎』は、ゴーレムを包み、炎が晴れた頃には、ゴーレムは跡形もなく消滅していた。
よしっ!!!勝ったー!!!
そんな達成感には長く浸れなかった。
「ア……ア……アタシの聖霊の守護巨像ーーー!!!」
「え?」
「ひっ……酷いのよさ!!!なにも完全に消滅させなくても良いじゃないのよさ!!!倒せば勝ちなんだから、なんなら四肢燃やすだけでよかったじゃないのよさ!!!それで行動不能にすれば勝ちだったじゃないのよさーーー!!!」
急にラミリスが泣き叫び出した。
「えっ……いや……そんな余裕は……」
「あんたの魔素操作技術なら簡単だったでしょうがーーー!!!」
えっ?
そうなの?『大賢者』さん!!!
〈解、可能でした〉
M・A・Z・I・D・E?
え?これじゃ俺が悪いみたいじゃないか!
「あーあ、泣かせたー」
子供達が冷ややかな目を向けてくる。
違う!違うんだよー!!!
なんとか名誉挽回をしなくては!!!
何かないか何かないか!?!?!?
〈解、代わりのものを作れば良いのでは?〉
それだー!!!
「か、代わりのゴーレム作ってやるから泣かないでくれよ。な?」
「むー、分かったのよさ。それで勘弁してやるわ」
こうして、俺はラミリスの新しいゴーレムを作ることになった。
「それで、俺たちがここにきた目的なんだけどさ」
ゴーレム作りは後回しにして、本題に入る。
「あー、知ってるのよさ。あれでしょ?その子達の魔素を制御するために上位精霊と契約したいんでしょ?」
「知ってたのか?」
「ふふん!あんたのことは随分前から注目してたのよさ!」
「え?随分前?いつ頃から?」
「あんたがヴェルドラを捕食した時から」
「え?」
「あ、ちなみに私以外の3人の魔王もあんたのことはその時から知ってるから」
「えぇ……」
俺……魔王に目をつけられるの早すぎじゃない?
流石にヴェルドラ食った直後からとか速すぎるでしょ。
なんか……どっと疲れた。