転生したら蛇だった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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前話において、停止世界では魔法とスキルは使えないといった表現があったと思うのですが、ご指摘を受け、確認したところ、スキルは使用出来るようだったので、本編文章中の表現を改めました。
 また、あとがきの『WEB版にあった特殊な魔法が小説に登場していないため本作ではないものとします』というようなことを書いていたと思うのですが、小説には、『ほぼ使えない』というような表現があったので、WEB版の特殊な魔法が存在している可能性があるため、上記の表現の部分を削除しました。
 間違った情報を書いてしまい、申し訳ありませんでした。


刻一刻と迫る惨劇の日

〈リムルside〉

 

 色々あったものの、子供達全員を救うことができた。

 

「さて、それじゃあアタシの新しいゴーレムを作って貰おうじゃないのよさ!」

 

 感傷に浸る間もなく、ラミリスが急かしてくる。

 

 とりあえず、ゴーレムの素体となる人形を作った。

 

 球体関節を利用し、腕の可動域を大きくする。

 

 そして、顔は完全に俺好みのものを作り、さらにそれを隠すための仮面を作成。

 

 その後悪魔を召喚し、人形に受肉させ、そして『ベレッタ』という名を与え、ラミリスに従うように命令した。

 

「ラミリス様、以後、よろしくお願い致します」

 

「うんうん、これからよろしくなのよさベレッタ!!!」

 

 ラミリスも満足そうに笑っている。

 

「それじゃあ、俺たちはそろそろ帰るよ」

 

「うん!それじゃ、またね」

 

「おう!」

 

 そう挨拶し、子供達を連れて学園に帰った。

 

 子供達も救えたし、全てが順調だった。

 

 しかし、この時の俺は気づいていなかった。

 

 蠢く悪意に。

 

 

 

〈フィアラside〉

 

「ってなことがあったのよさ!!!」

 

 ラミリスがリムルとの出会いを楽しそうに語ってくる。

 

「フフッ、随分リムルのことが気に入ったんだね」

 

「うんうん。まだ魔王種だけど、結構強かったのよさ」

 

「確かに。聖霊の守護巨像を結構簡単に倒してたもんね」

 

「そうそう……ん?何で簡単に倒したって知ってるのよさ?」

 

「見てたからね」

 

 ボクはそう言い、異空間からディスプレイを取り出し、ラミリスに見せた。

 

 これは、クオンに作ってもらったあの追跡機能付きカメラで撮った映像をリアルタイムで見るためのディスプレイだ。

 

 今はちょうど子供達に授業をしていた。

 

「これ……魔素も感じない……もしかしてこれクオンが作ったやつなのよさ?」

 

「そうそう、凄いでしょ?」

 

「魔素を使わずこれほど鮮明に映像を撮って、さらに異世界であるこの世界に映像を飛ばすってどう考えてもおかしいのよさ」

 

「だよね。映像を撮るだけならまだしも異世界に送るって相当おかしいよね」

 

 そう、ここはボクの世界だからリムルがある基軸世界とは違う世界なのだ。

 

 それなのに、映像は鮮明に映っている。

 

 やっぱりクオンの技術力はおかしいと思うと共に、引き入れて良かったと思う。

 

「……まあ、クオンの技術力がおかしいのは今に始まったことじゃないし、別に良いのよさ。それより、リムルはどうなると思うのよさ?」

 

「どうなるって?」

 

「魔国を狙う存在は多い。多分、リムルはそれに巻き込まれるのよさ」

 

「そうだね、でも、それを乗り越えるぐらいしなきゃ、この世界では生きていけないでしょ?それに、今魔国を狙っているファルムスを退けられなきゃ、帝国には簡単に負けてしまう」

 

「確かに……そうなのよさ」

 

「それに、ファルムス如きだったらリムルでも滅ぼせる。ボクはさ、リムルに生きて欲しい。でも、ボクが力を与えると言ってもリムルは多分拒む。だから、リムルには自分で強くなって……覚醒してもらわなきゃならない。ちょうど良い機会でしょ?ファルムスには、リムルを怒らせ、リムルが覚醒するための贄になって貰う」

 

「なるほどなのよさ」

 

「だから、今回はボクはリムルの手助けは出来ない」

 

「分かったのよさ。でも……リムルの悲しい顔は見たくないのよさ」

 

「それはボクも同じ気持ちだよ」

 

 リムルの曇りは見たくない……けれど、これから先に登場する化け物達を知っている身からすれば、ここで覚醒しておいて貰いたいのだ。

 

 まあ、ボクがこの世界に来てしまったことで、何かイレギュラーがあるといけないから、リムルの仲間が死んだ場合、リムルが蘇生するまでの間、その魂が消えないように保護はするつもりだけどね。

 

 

 

〈三人称視点〉

 

「そう……シズ先生が……仇は取るわ。絶対に」

 

 聖人は誓う。

 

 目の前の男の仄暗い笑みに気付かずに。

 

 

 

 

暴風大妖渦(カリュブディス)も手に入れ、フレイさえも私に降った!!!フフフ、全てが順調です!!!世界は私に味方している!!!フハハハハハハッ!!!」

 

 魔王は笑う。

 

 そこに自分の意思は無いというのに。

 

 

 

 

「ヴェガを呪った存在……突然性格が激変したクレイマンの謎……分からないことが多すぎる……でも、最後に勝つのはこの僕だ!!!」

 

 野心家は策を練る。

 

 世界をその手に収めるために。

 

 

 

 

「ヴェルドラの消滅……しかし、新たな盟主がジュラの森を統べるか……ならばちょうど良い。新たな聖人を作り出すために、その盟主には強くなって貰わなければな。……全ては、我が目的を達成するために」

 

「ああ、我らは決してあの方を諦めない」

 

 皇帝と天使は笑い合う。

 

 友となら、必ず目的は達成されると確信して。

 

 

 

 

「転スラ世界に転生して100年……ようやくだ!ようやく物語は始まった!!!しかし、これはお前のための物語ではないぞリムル!!!お前を殺し、オレがこの世界の主人公になる!!!アハハハハッ!!!アハハハハッ!!!アハハハハハハハハハハハ!!!!!」

 

 転生者(イレギュラー)は、嗤う。

 

 物陰に潜む蛇に気付くことなく。

 

 

 

 

 斯くして、数多の悪意が牙を剥き、惨劇の日は訪れる。

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