魔力嵐はどんどん範囲を広げ、今もなおボクに近づいて来ている。
どうする!?!?!?
本当にどうしたら良い?
このままここにいたら間違いなく死ぬ!!!
しかし、ボクのスピードでは、逃げるより先に魔力嵐に巻き込まれる!!!
とすると、どうにかして今すぐ覚醒する必要がある!!!
通常、覚醒するためには自分で1万の人間を殺さなければいけない。
しかし、『冒涜者』を使えばその限りではない。
『冒涜者』を使えば、赤の他人が殺した人間の魂を種の発芽に必要な養分に変換することが可能だ。
そして、現在あの魔力嵐に巻き込まれて数千万の人間が死に、ミリムの覚醒に使われなかった余剰分の魂がその場に漂っている。
既に霧散した魂もあるようだが、それでも残っているものがある。
ギィなら回収することも出来ると思うけど、ミリムの相手でそれどころではないのだろう。
だから、ありがたくボクが貰うことにする。
と言うわけで、全速力で魔力嵐から逃げながら魂を全て回収し、体内に取り込み、一部を純粋な魔素に変換する。
覚醒する前に自身への名付けだ。
名付けしているのとしていないのとでは力も大分違うしな。
さて、肝心のボクの名前だが、ボクは『冒涜者』や『呪詛師』など物騒な恐ろしいスキルを持っている。
そこから連想して、『恐怖』を題材にした名前にすることにした。
名前は『フィアラ』。
恐怖意味する『
と言うわけで、これで名付けを完了させ、次に覚醒に必要な量の魂を養分に変換した。
すると、すぐに世界の言葉が聞こえて来た。
〈告、
突如襲ってくるのはあり得ないほどの眠気。
しかし、何とか耐える。
悪魔たちには出来たんだ。
原初だから例外かもしれないが、それでも実例はある。
だから起きたまま覚醒を終わらせる!!!
〈種族・呪毒蛇から
ああ、やばい。
眠気が強すぎる。
〈新規耐性『自然影響無効・状態異常無効・精神攻撃無効・聖魔攻撃耐性』を獲得……成功しました。以上で進化を完了します〉
ここだ!!!
『フィアラより世界の言葉へ申請!!!『冒涜者』『呪詛師』『聡明者』に祝福を与え、さらに10万ずつ魂を生贄にして進化を申請!!!』
『聡明者』を使い、何とか世界の言葉へ介入した。
原作では、『大賢者』が祝福を得ることで『
それ故に、ボクもスキルに祝福を与え、さらに予防策として生贄も捧げる。
〈了、個体名・フィアラの申請を受理……『冒涜者』『呪詛師』『聡明者』が進化へ挑戦……成功しました。各種スキルは
よーし!!!
関門クリア!!!
覚醒もした、究極能力も手に入れた!!!
後は逃げるだけ!!!
そう、覚醒を急いだのは逃げるためだ。
あんな戦い、まだ転生して1年しか経ってないボクにはどうしようもない。
そう考え、一気に加速して逃げようとしたその時、轟音を立て、何かが近くに吹き飛ばされて落ちて来た。
「あの馬鹿力め!」
近くに落ちて来たもの……それは、転スラ世界において、常に最強格であり続けた存在……ギィ・クリムゾンだった。
「お?」
目が合った。
すぐに目を逸らし、逃走しようとした。
「おい」
しかし回り込まれた。
やはり大魔王からは逃げられないのか……いや、大魔王はリムルか?
まあ、そんなことは関係ない。
ああ、本当に嫌な予感がする。
「お前だな。突然現れてあの場にあった魂全て回収して行ったのは」
『さあ?何のことやら?』
知らぬ存ぜぬで押し切ろう。
「いや、そういうの良いから、それよりも手伝えよ」
『え?』
「あいつ……ミリムって言うんだが、暴走しちまってな。何とか殺さずに無力化したいんだよ。殺すのはおそらくオレ1人で出来るが、殺さずに無力化となると戦力が欲しい。お前覚醒してんだろ?手伝え」
『拒否権は?』
「あると思うか?」
『ですよね』
うん、諦めるしか無さそうだな。
とりあえず、まずは人型になるか。
『冒涜乃王』発動させ、体を人型に変化させる。
見た目は、150センチほどの身長の黒髪金眼の少女。
ちなみに性別は男。
見た目と性別や年齢が合ってないキャラってロマンあると思わない?
髪は長く、腰あたりまであり、下の方でゆったりと結ばれている。
服は、少し装飾を施した狩衣だ。
「……分かった……それで、ボクは何をすれば良い?」
「近接戦闘はいけるか?」
「無理!!!」
戦闘経験が足りなすぎる。
「じゃあオレが近接で戦うから、お前は後方から支援しろ」
「了解」
「ラミリス!!!聞いてただろう?これからはこいつに後方支援をやらせる!お前はミリムの精神を治すことに集中してくれ!!!」
「分かったのよさ!!!」
こうして、何故かボクとギィとラミリスVSミリムの戦いが始まった。
……なーんでこんなことになるんだろうなー。