転生したら蛇だった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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ハクロウ到着

〈三人称視点〉

 

 魔国(テンペスト)を包む結界の楔を守る結界展開基点にいたファルムス軍の先遣隊は、絶望的な状況にあった。

 

 北の基点は、ソウエイたちによる急襲を受け、何の抵抗も許されずに殲滅された。

 

 南の展開基点は、空から襲来したガビルたちによって陣形を組む間もなく壊滅に追いやられた。

 

 東の展開基点では、悠々と歩いてきたベニマルただ1人に蹂躙され、全てを斬られ、燃やし尽くされた。

 

 そして、3人の召喚者がいる西の展開地点では……

 

 突如隊長が頭を撃ち抜かれ死亡した。

 

「て、敵影確認……その数……3名!?」

 

「へへっ、遊べるなぁ」

 

 ショウゴは不敵に笑い、

 

「あんなに一方的にやられたのにたった3人で来るなんて……バカだね」

 

 キョウヤが呆れたと言いながら愉しそうに嗤い、

 

「どうでも良いから、早く皆殺しにしておいてよ。私は天幕で休んどくから」

 

 キララは欠伸をしながら伸びをした。

 

「さあ、開戦ッス!!!」

 

 ゴブタのその発言と共に、ゴブタとリグルは散開し、ファルムス軍の兵士たちを殺し始める。

 

「お前たちの相手はオレがする。覚悟せよ。楽には殺さぬ」

 

 ゲルドは、盾を構え、ショウゴとキョウヤの前に立ちはだかる。

 

「ハハッ!!!雑魚が!!!粋がるなよ!!!!!」

 

 ショウゴの激しい蹴りがゲルドの盾に直撃し、そのままショウゴは2撃目の蹴りを盾にぶつけ、盾を破壊した。

 

「ハハッ!どーだ間抜け!!!」

 

 ショウゴが勝利を確信し、笑うとゲルドは異空間から新しい盾を取り出し構える。

 

「なるほど、実力は確かに本物か。しかし、それでも勝つのはオレだ」

 

「チッ!ふざけるなよ!盾補充とかチートかよ!!!」

 

「まあまあ、落ち着きなって、僕たち2人なら簡単に殺せる相手だろ?」

 

「そうだな」

 

「じゃ、殺そっか。『天眼』」

 

「ああ、なぶり殺しだ。『金剛身体』」

 

 2人はスキルを解放し、ゲルドへと攻撃を開始する。

 

「オラァッ!!!」

 

 ショウゴが盾を殴りつけ、たった一撃でゲルドの盾を破壊した。

 

 その隙をついてキョウヤはゲルドの背後に周り、ゲルドに斬りかかる。

 

 ゲルドは体勢を崩しながらも何とか斬撃を避ける。

 

 しかし、その隙をついたショウゴの蹴りがゲルドの顔面に直撃した。

 

 ゲルドは無言のままショウゴの足を掴み、そのまま地面に叩きつける。

 

「グァッ!!!」

 

「油断したねショウゴ」

 

 キョウヤがショウゴの足を掴むゲルドの腕に斬りかかる。

 

 即座にショウゴを放り捨て、それを回避したゲルドはキョウヤを殴りつける。

 

「チッ!!!弱体化していないとそこそこ強いのかよ面倒だな」

 

 キョウヤはそう言いながらも余裕の表情を崩さずゲルドを見据える。

 

 その直後キョウヤの腹にゲルドの拳が直撃し、キョウヤは顔色を悪くしながらうずくまる。

 

「立て。戦場において、まだ死んでおらぬのならそれは戦えるということだ」

 

「よそ見してんじゃねえ!!!」

 

 キョウヤを睨みつけるゲルドの隙をついたショウゴの拳がゲルドの後頭部に直撃する……直前にゲルドはショウゴの腕を掴み、そのままショウゴをキョウヤに叩きつけた。

 

「奇襲をするのなら声を出すな」

 

「ふざけやがってーーー!!!」

 

 ショウゴは、バカにされたと憤り、その激怒のままにゲルドを蹴り付ける。

 

 しかし、その蹴りはゲルドに当たることはなく、足を掴まれすぐそばの岩壁に叩きつけられる。

 

「何なんだよ!!!俺たちが何したって言うんだ!!!俺たちは命令されたからやっているだけなんだぞ!!!」

 

 苦し紛れの逆ギレ。

 

 しかし、それには何の効果もない。

 

「そうか、では死ね」

 

 ゲルドは斧を取り出すと、勢いよくそれを振りかぶり……

 

 ガキンッと音を立て、キョウヤの剣とゲルドの斧がぶつかり合う。

 

「吸収も早い。隙をつく技術もこれほど早く上達するとは。強さに関しては見込みがある。しかし、それでも届かぬ存在を知れ」

 

「グッ……ググッ……」

 

 徐々にキョウヤの剣が押し込まれる。

 

 そのまま剣ごと斬り潰してしまうつもりだとキョウヤは理解した。

 

「ショウゴ!!!打開策考えろ!!!今すぐに!!!」

 

「打開策……打開策ったって……ああ、そうかキララだ」

 

「なるほど、キララがいればこの状況も……」

 

「キララを殺して……俺が強くなれば良い!!!」

 

「何?」

 

 ショウゴはそう呟くと共に駆け出した。

 

「おい馬鹿野郎!!!ここは3人で戦った方が勝てる可能性が高いだろうが!!!戻れ!クソッ!錯乱してやがる」

 

「あれは武人ではなかったか。では、さっさと貴様を殺してあれも殺すとしよう」

 

 ゲルドは更に押し込む力を強める。

 

「チックショウ……まだ……死にたくなんてないんだよ!!!」

 

 キョウヤは、そう叫ぶと、抵抗する力を強める。

 

 死の直面に立ったことで、僅かばかり脳のリミッターが外れかけた。

 

 それによって、通常よりも力が強くなったのだ。

 

 しかし、それでもどう足掻いてもゲルドには勝てるわけもなかった。

 

 それほどまでにゲルドとキョウヤの実力には差があった。

 

 そして、ついにゲルドの斧の刃がキョウヤに触れた……次の瞬間、

 

「待たせたな!!!」

 

 自信満々といった表情のショウゴがゲルドに踵落としを叩き込む。

 

 ゲルドはそれを難なく受け止めるも、キョウヤはその隙にゲルドから距離をとる。

 

「あの天幕から気配が一つ消えた。本当に仲間を殺したようだな」

 

「当然だろ!俺は俺さえ生き残れば良いんだよ!!!」

 

「外道め」

 

「キョウヤ!!!俺は『生存者(イキルモノ)』を獲得した。俺がこいつの攻撃を受け止める!お前はその隙にこいつを殺せ!!!」

 

「なるほど、キララを殺して得られるものもちゃんとあったんだ。それは良かった」

 

 キョウヤはそう言うとゲルドに斬りかかる。

 

「遅い」

 

 ゲルドは迫るキョウヤに斧を振り下ろす。

 

「あっと!ダメだぜそれは!」

 

 しかし、その攻撃はショウゴが体を張って受け止める。

 

「痛みはある……だから本当は嫌なんだぜ?でもさあ、自信満々に粋がってるお前を絶望させることが出来ると考えたらこれぐらいの痛みへでもねえや」

 

 ショウゴは、そう言うとゲルドの腕を掴む。

 

「やれ!キョウヤ!!!」

 

 キョウヤの剣がゲルドの首に迫る。

 

 リミッターが外れかけているキョウヤのその剣撃はゲルドの首を斬り裂くには十分な威力を持っていた。

 

 しかし……

 

「危ないのう……間に合って良かった」

 

 その剣撃は突如現れたハクロウによって受け止められた。

 

「何でお前がここにいる!?!?!?」

 

「時間はかかったが、帰ってきたまでのことよ」

 

「チッ!!!だが、あの時とは状況が違う!!!『生存者』を持つショウゴと俺なら、お前程度どうということもない!!!すぐに殺してやるよ!!!!!」

 

 恐怖を振り払うようにキョウヤはそう言った。

 

 しかし、

 

「どうやって?」

 

「は?」

 

「だから、すでに死んでおる貴様らが、どうやって儂を殺すのじゃ?」

 

 次の瞬間、キョウヤとショウゴは細切れの肉塊となり、肉塊はグシャリと地面に落ちた。

 

 

 

 




次回、リムルを殺して主人公になりたい転生者がやっと登場する予定です!!!
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