〈フィアラside〉
「で、何してやがるテメェ」
現在、ボクはギィの城にお邪魔している。
そして、何故かギィに詰め寄られている!!!
「何って?用があって来たけどギィが部屋にいなかったからくつろいでるだけだけど?」
「だからって……本散らかしてんじゃねえ!!!」
ボクの周りに散乱する本を指差しながらギィが怒鳴って来る。
「いやー、面白い本だったから気になって全部読みやすい位置に置いてるだけだよ?ていうか、ギィもこういう物語形式の本読むんだね」
「俺の趣味じゃねえよ。ヴェルザードがたまに人間の国で買って来るんだ」
「あー、そういうことね」
「というか、散らかした謝罪はなしかよ……」
「世界の強度を試してやるとか言ってボクの世界を一回壊したお前に遠慮はしないことにしてる。というか、ボクの世界壊したお前も謝罪しなかったじゃん。創り直すの大変だったんだからね」
「……それで、何の用だ?」
「ギィも気付いたでしょ?リムル、そしてヴェルドラのこと」
「ああ、そういえば、リムルが覚醒して、ついさっきヴェルドラも復活したな。それがどうした?」
「リムルは魔王を名乗った。そのことについて話そうじゃないか」
「あー、そういう事か。分かった。それなら、ミリムとラミリスも集めて話そう。その方が良いだろ?」
「そうだね」
それから3時間後、ボク、ギィ、ミリム、ラミリスの最古の魔王全員がギィの城の一室に集まった。
「じゃあ、とりあえず結論から行こう。リムルが魔王を名乗ったことについて、お前らはどう思う?」
ギィの言葉から会議が始まった。
魔王の会議は3人の魔王の同意によって行われる『
ボク達最古の魔王でのみ行う会議もまた存在するのだ。
これが、それ。
まあ、『魔王達の宴』みたいに特定の名称はないけど。
最古の魔王同士で争えば、世界そのものが終わってしまう。
というか、ボクが転生した影響か、この世界線の最古の魔王は全員がとんでもなく強くなっており、一人で宇宙を消滅させることぐらい簡単にできるのだ。
そのため、最古の魔王間で争わないために最古の魔王は『魔王達の宴』が行われそうな案件が発生したら、会議を行い、意見を統一しておくのだ。
「ボクからすれば、まあ、リムルは良いやつだね。仲間思いで、仲間にも慕われてる。強さも申し分ないだろうし、魔王を名乗ることに異存はないかな」
「アタシも同意見なのよさ!あと、異世界召喚のせいで寿命が短くなってた子供達を救ってたし、随分お人よしなのよさ。それは良いことだけれど、優しすぎるのが仇にならないか心配なのよさ」
「それは大丈夫だろう。その甘さのせいでリムルは今回痛い目を見た。そして、敵に対する非情さも見せた。魔王を名乗るのに十分な精神性だ」
「ワタシとしては、覚醒した以上、魔王を名乗っても問題ないと思うのだ!」
「とりあえず、リムルが現在の魔王達に名を連ねることは別に問題ないって結論でいいか」
「だね。でも、別の問題がある」
「クレイマンだな」
「そう、リムルはクレイマンと敵対してる。何ならレオンとも敵対する可能性すらある」
「あー、そういえば、リムルはレオンの配下だった奴を食って、その姿を受け継いで人型を手に入れてたな。レオンは口下手だし……あの人間にも嫌われてただろうし……その意思を継いだリムルと敵対することもあるか?」
「あるだろうね。まあ、流石に殺し合いはなさそうな気がするけどね」
「ま、とりあえず、それは敵対した時に考えれば良いか」
「そうだね。で、クレイマンについてだけど、どうせ敵対するなら、もういっそのことボクらで『魔王達の宴』の開催を決定して、それに魔王達に加えてリムルも招待してしまおう。そして、本人達に決着をつけてもらった方が手っ取り早いと思うんだよね」
『魔王達の宴』をボクらで開催する。
これには理由がある。
『魔王達の宴』の開催には、3人の魔王の同意が必要である。
しかし、現在クレイマンが用意できるのは、自身とフレイの同意のみ。
そう、クレイマンは『魔王達の宴』を開催できないのだ!!!
そうなると、リムルの魔王認定が遅れ、色々と面倒なことになってしまう。
そのため、いっそのことボクらで開催した方が良いと思ったのだ。
……なんでクレイマンは、カリオン襲撃なんてしたんだ?
『魔王達の宴』が開けなければカリオンを悪に仕立て上げることなんて出来ないだろうに。
いや、リムルが魔王を名乗れば『魔王達の宴』が開催されるって見込みだったのか?
最悪の場合は、魔王を僭称したスライムへの罰を決めるためとか言って、他の魔王に『魔王達の宴』を開催する同意を募るつもりだったのかな?
クロエからリムルのことを聞いているであろうルミナスなら、リムルに会うためにロイに『魔王達の宴』開催に同意させることもあるかもしれない。
そこにクレイマンとフレイの同意を加えて3人分集まる……まあ、不可能ではないか。
「確かに。それが良いかもな」
「じゃ、決定なのよさ?」
「決定で良いと思うのだ!!!」
「よし、じゃあ決定!!!まあ、リムルにも準備はあるだろうし……開催は2週間後で良いかな?」
「よし、それじゃ2週間後、俺の城……ここで『魔王達の宴』を開催しよう」
「……それで、誰がリムルに招待することを伝えに行くのだ?」
「ボクとミリムは既に面識があるけど……『魔王達の宴』で正体明かしてびっくりさせたいんだよね」
「うむ!だからワタシとフィアラ以外で頼むのだ!!!」
「俺はリムルと面識がないし……となると、頼めるか?ラミリス」
「分かったのよさ!!!けど、今日は眠いから明日行くのよさ」
「よし、じゃあ解散!!!」
帰ってセツナとイチャイチャしよーっと。
そう思って解散宣言をすると……
「ちょっと待てよ。せっかく全員集まったんだ。呑もうぜ?」
「おー、良いぞ!!!ギィが持ってる酒は美味いからな!!!」
「アタシ眠いんだけどー?」
「ボク、帰ってセツナとイチャイチャしたいんだけど?」
「良いじゃねえか。ちょっとぐらい付き合えよ……いや、どうせなら俺もヴェルザード連れてくるし、フィアラもセツナ連れてきて良いぞ。賑やかに呑もうぜ?」
「よっしゃ!!!分かった!!!ボクとセツナのイチャイチャ具合を見せつけてやろう!!!」
「ほー、言うじゃねえか!!!俺とヴェルザードのイチャイチャ具合も見せつけてやろうじゃねえか」
こうして、ギィの城に、一晩中賑やかな声が響くことになったのだった。
翌朝、酔い潰れたボクとセツナ、ミリム、ラミリス、ギィ、ヴェルザード、レインがミザリーに介抱されることになるのだが、それはまた別の話である。
しれっと加わるレインさん。
ちなみに、今作でのギィとヴェルザードは、普段は酔い潰れませんが、古い友人達と呑む時は酔い潰れるまで呑むという設定にしてます。