転生したら蛇だった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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魔王達の宴(ワルプルギス)』へ

〈リムルside〉

 

 ラミリスから招待状を受け取った後、俺たちは早速会議をしていた。

 

 議題は、クレイマンへの対応である。

 

 クレイマンを潰すことは既に確定しているが、明確にどう潰すかを決めていなかった。

 

 その話し合いの中で、『魔王達の宴』が行われるその時に、クレイマンが支配する国『傀儡国ジスターヴ』に少数精鋭で向かい、国取りをすることになった。

 

 ジスターヴは、戦争の準備らしきことをしているが、未だどこにも進軍する様子がない。

 

 おそらく、戦争を仕掛ける相手は魔国かユーラザニアだろう。

 

 そして、未だ戦争を仕掛けていないのは、ジスターヴとユーラザニアの間には魔王ミリムが支配する『竜の都』があるため、クレイマンはそこを通れず、魔国には、一応弱体化したと嘘の情報を流したものの、ヴェルドラがいるからだろう。

 

 だからこそ、今回の『魔王達の宴』を利用し、暴風大妖渦(カリュブディス)の強さを魔王達に知らしめ、力で魔王達を支配し、万全の状態で魔国、もしくはユーラザニアに侵攻し、自らの覚醒の養分にする。

 

 これが、『智慧乃王』の予想だ。

 

 多分合ってると思う。

 

 もっとも、ラミリス曰く、暴風大妖渦程度では覚醒している魔王を力で支配することは出来ないらしいけど。

 

 俺は、みんながジスターヴで国取りをする間に『魔王達の宴』で魔王としての地位を確立し、可能ならそこでクレイマンを殺す。

 

 ジスターヴに向かうのは、魔国(テンペスト)からはベニマル、ソウエイ、ハクロウ、ゲルド、ガビル、そしてシュナ。

 

 ユーラザニアからは、アルビスとスフィアの2人だ。

 

 『智慧乃王(ラファエル)』が開発した転移魔法で、全員を一気にクレイマンの居城に転移させ、最速で決着まで持ち込む。

 

 魔法陣そのものは、事前に作成し、クレイマンの気配がジスターヴから消えた、つまり『魔王達の宴』に向かったその時に、その魔法陣をヴェルドラに発動してもらう。

 

 俺は、その時既に『魔王達の宴』に向かってるだろうしな。

 

 正直、シュナを向かわせるのは不安だが、シュナの覚悟も見せてもらったし、ハクロウもいることだし、大丈夫だろう。

 

 ハクロウは覚醒した俺が究極能力まで使ってなお、勝利出来ず、毎回引き分けになってしまう程の強者だからな。

 

 『魔王達の宴』当日までに、戦いで最善を期すために、クロベエたちによって、武器の手入れなどを行ってもらった。

 

 

 

 

 

 

 そして、ついに『魔王達の宴』当日になった。

 

 

 

〈フィアラside〉

 

 『魔王達の宴(ワルプルギス)』当日、ボクはギィの居城を訪れていた。

 

 2人連れて行ける配下はセツナとクオンにした。

 

 2人は、白と赤を基調とした狩衣を着て、狐のお面を被っている。

 

 セツナはまだしも、クオンは正体を知られる訳にはいかないからね。

 

 この仮面には認識阻害の術が仕込んであり、現状最古の魔王とヴェルザード以外には決して正体がバレることがない。

 

 ちなみに、ディーノも一緒に来た。

 

 ディーノは、ボクの世界で生活しているため、一緒に連れて来た。

 

 ディーノは既に『至天乃王(アスタルテ)』を『怠惰乃王(ベルフェゴール)』と統合し、『堕天乃王(アスタロト)』に進化させているため『正義乃王(ミカエル)』に支配されることはなくなった。

 

 『星候補』に修行をつけ始めてからのディーノの成長速度はあまりにも早く、既に『双星』と同等の強さになっている。

 

 正直唖然とした。

 

 これが意味するのは、ディーノは最古の魔王以外の魔王を全て相手取って勝てるということだからだ。

 

 まあ、ディーノが強くなり、更に支配されることもなくなったのは良いことだろう。

 

 それだけ、天魔大戦の勝率が上がるのだから。

 

 ボク達最古の魔王は、埒外の力を持っている。

 

 正直、これだけの力があれば、天魔大戦なんて余裕で勝てる。

 

 そう、驕ってしまいそうになる程の力だ。

 

 しかし、忘れてはならないのがこの世界が『転スラ』の世界であるということ。

 

 リムルのような尋常じゃないスピードで強くなる存在がいきなり発生してもおかしくはないのだ。

 

 まあ、そんな訳で絶対に驕ったりしない。

 

 勝利をこの手に収めるまで、驕りという名の油断なんてしてはいけないのだ。

 

 

 

「よう、よく来たな」

 

 『魔王達の宴』が行われる円卓の間に入ると、既にギィとミリムが来ていた。

 

「早いね。2人とも」

 

「そりゃ、俺は自分の城だしな」

 

「ワタシは、リムルの驚く顔が待ちきれなくて、眠れなかったから早く来たのだ!!!」

 

「ちゃんと寝なよ」

 

「ワッハッハッハッハ!大丈夫なのだ!!!一昨日は丸一日寝てたからな!!!」

 

「寝れなかったのそれが理由じゃない?」

 

 丸一日寝るって……

 

 ミリムの現状って、多分リムルの理想だよな。

 

 ミリムは、君臨すれども統治せずってスタンスを一切崩さないからな。

 

 仕事は配下に全て任せ、自分は魔王という力の象徴として君臨することで他国に侵略する気を無くさせる。

 

 一時期は『竜の都』に宣戦布告する国があったのだけど、その全てがミリムによって滅ぼされている。

 

 魔王全体に対する宣戦布告をした国は、ボクとギィのどちらかが対処(滅ぼ)し、ミリムは飛びかかる火の粉を火元から消滅させていたため、ボク達3人は人間からは手を出したら必ず滅亡する恐怖の象徴として知られていたりする。

 

 まあ、この話はどうでも良いか。

 

 ちなみに、この世界でのミリムは『魔王達の宴』にいつも配下を連れて来ている。

 

 やっぱり、君臨者としての自覚があるからだろうな。

 

 ミリムが連れてくるのは決まった2人だ。

 

 『武竜将』ミッドレイと『智竜将』ヘルメスだ。

 

 原作にはそんな二つ名はなかったはずだけど、ミリムはこの2人を最高幹部『双竜将』と定めている。

 

 『武竜将』は、『竜の都』の軍事などの武力の最高幹部であり、『智竜将』は、内政や外政などの政治の最高幹部である。

 

 この2人にはミリムが直接稽古をつけている。

 

 ミッドレイは、原作でミリムの遊び相手を務めることが出来るほどに強かったのだが、この世界ではミリムがありえないほど強くなってるから、一時期力の差がとんでもなく開いていたのだが、なんかミリムに修行をつけられてからとんでもなく成長しており、ミリムの遊び相手に返り咲くことに成功している。

 

 まあ、あくまで遊び相手でしかないのだが。

 

 『智竜将』ヘルメスの方は、原作ではそこまで強くはなかったのだが、ミリムの修行を受けたために『竜の都』ではミッドレイに次ぐ強者となっている。

 

 ギィは、原作通りミザリーにラミリスとリムルを迎えに行かせている。

 

 ラミリスは、どうやら原作同様にトレイニー達と再会し、この『魔王達の宴』にはベレッタとトレイニーを連れてくることにしたらしい。

 

 情報源?

 

 リムルに仕掛けてある監視カメラからだよ?

 

 まあ、そんな訳で、あとは始まるまで待つか。

 

 あ、そういえば、リムルはミザリーに驚くかな?

 

 

 

 

〈リムルside〉

 

 『魔王達の宴』の日がやって来た。

 

 『魔王達の宴』には、配下を2人連れて行けるらしく、シオンとランガを連れて行くことにした。

 

 ヴェルドラには、街の防衛を任せ、ディアブロには、ファルムス王国へで向いて貰い、ファルムス王国潰しを任せた。

 

「プハー!このホットミルク美味しいのよさ!おかわり!!!」

 

 『魔王達の宴』当日だというのに、緊張感の欠片もない声が響く。

 

 当然ラミリスである。

 

 どうやら、『軍団蜂(アーマーワスプ)』の蜂蜜入りホットミルクが気に入ったようだ。

 

 『軍団蜂』のアピトを見た時は少し驚いていたものの、すぐに興味は蜂蜜に移っていた。

 

 まあ、そんな呑気なラミリスを見ることで、なんだかんだ緊張せずに済んでいるのだけど。

 

 何せ、俺は魔王の中でも突出した強さを持つという最古の魔王全員に目を付けられているのだから!!!

 

 クレイマンと会うことよりも、最古の魔王と顔を合わせることの方が憂鬱である。

 

 でも、気を引き締めよう。

 

 クレイマンは殺す。

 

 確実に。

 

 可能なら、今日の『魔王達の宴』で殺す。

 

 そう、覚悟を決めていた時、空間の歪みが発生した。

 

「リムル様!!!」

 

 慌てた様子でシオンが部屋に入って来た。

 

「大丈夫。迎えが来ただけだ」

 

 不気味な装飾の門が出現し、その門が開き、緑色の髪をした女性が現れた。

 

 この雰囲気……悪魔か?

 

 それも、おそらくディアブロと同等の。

 

 ディアブロは、名付けをすることによって『悪魔公(デーモンロード)』に進化した。

 

 この気配は、それと同等……

 

〈否、この者は『悪魔公』よりも上位……『悪魔王(デヴィルロード)』だと断定します〉

 

 ………………はあ!?!?!?

 

 どういうことだよ?

 

 なんでここでそんな存在が!?

 

「おー、ミザリーちゃん!!!お迎え感謝するのよさ!!!」

 

 ラミリスが女性に声をかける。

 

 どうやら、本当にこの悪魔王が俺たちを迎えに来た存在らしい。

 

 悪魔公でさえ、覚醒魔王と渡り合える存在だ。

 

 それなのに、それよりもさらに上位の悪魔王を配下にする。

 

 そんなことが出来るのは、おそらく、最古の魔王なんだろうな。

 

 最古の魔王は、魔王の中でも突出した強さを持っている。

 

 それは誇張でもなんでもなく、ただの事実。

 

 いや、突出という表現は、なんなら謙遜ですらあるのかもしれない……。

 

 

 

 

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