転生したら蛇だった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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開宴

〈フィアラside〉

 

 あれは、1000年ほど前のこと。

 

 ボクは、現在の『星候補』を覚醒魔王に進化させた。

 

 元々『冒涜者』の時から他者が殺した者の魂を覚醒のためのエネルギーに変換することが可能だったため、同じ要領で、貯蔵してあった魂を上位存在に名付けられた者の覚醒のための養分に変換し、『星候補』に与えることで進化させた。

 

 そして、それがギィにバレた。

 

 他者が殺した者の魂でも、適切な養分に変換してしまえば覚醒に使えると知ったギィはすぐにそれをレインとミザリーで実践し、成功してみせた。

 

 ヤバいよ。

 

 だって、ボクはその魂を養分に変換するところを見せてないもん。

 

 ただ、そういうことが出来るという情報から、ギィは成功してみせた。

 

 おかしいだろう!?

 

 まあ、そんな訳で、レインとミザリーは悪魔王に至っているのだ。

 

 そこで、1つ問題がある。

 

 リムルが悪魔三人娘を覚醒させるために使う魂をギィから騙し取ることが出来なくなったのだ。

 

 正直焦った。

 

 悪魔三人娘が覚醒しないと、帝国戦は厳しいだろう。

 

 ただ、現状では何も出来なかった。

 

 まあ、なんとかなるだろうと、その時は現実逃避した。

 

 なんとかならなかったら、何かと理由をつけてボクがプレゼントすれば良いだけだ!!!

 

 そう考え、とりあえずこのことは頭の隅に追いやった。

 

 

 

 話は戻り、現在。

 

 門が開き、ついに『魔王達の宴(ワルプルギス)』の場にリムルが入って来た。

 

 

 

 

 

〈リムルside〉

 

 ラミリスに続き、シオンとランガを連れて門に入ると、豪華な装飾の施された円卓の間に着いた。

 

 そこには既に4人の魔王がいた。

 

 ラミリスから聞き出した特徴から判断すると、おそらくギィ、ミリム、フィアラ、ディーノだろう。

 

 ……………………あれ?

 

 なんか見覚えがある奴が2人いるんだけど!?!?!?

 

 『智慧乃王(ラファエル)』先生!!!

 

 あの2人って!!!

 

〈解、フィとミィであると断定します〉

 

 やっぱりそうだよな!!!!!

 

 え……ちょっと待って……頭が混乱する!!!

 

『やあ、久しぶりだね。リムル』

 

 突然、頭の中に直接声が響いてきた。

 

 念話か?

 

『お……おう。フィとミィ……で合ってるんだよな?』

 

 とりあえず、聞いてみる。

 

『そうだよ!改めて自己紹介しようか!ボクの名はフィアラ!『根源恐怖(オリジン・テラー)』の異名を持つ最古の魔王の1柱!よろしくね!』

 

『ワタシの名はミリム・ナーヴァ!!!『破壊の暴君(デストロイ)』の異名を持つ最古の魔王の1柱なのだ!!!よろしくなのだ!!!』

 

『よ、よろしく』

 

『むー、反応がぎこちないぞ!!!リムルよ!!!』

 

『仕方ないだろ!!!情報が多過ぎて頭がまだ混乱してんだよ!!!』

 

『びっくりしたのだ?』

 

『びっくりどこじゃないぞ?』

 

『ハッハッハッ!!!ドッキリ大成功!!!なのだ!!!』

 

 情報量が多過ぎて何が何だか、もう訳が分かんないよ。

 

 ……とりあえず、魔王の中に知り合いがいたのを喜ぶべきか?

 

 いや、というか、もし、あの場で対応を間違えてたら俺死んでた?

 

 魔国滅びてたんじゃないか?

 

 ナイス!当時の俺!!!

 

『さて、びっくりさせることも出来たし、ボクは満足だよ』

 

『教えてくれてもよかったのに』

 

『ハハハ!こういうのは後から分かるから面白いんじゃないか』

 

 久しぶりの友達との会話は、随分と楽しいものだな。

 

 そんな時、門から続々と魔王達が入って来た。

 

 最初に入って来たのは、その巨体から予測すると、おそらくダグリュール。

 

 ヴェルドラの喧嘩友達だな。

 

 出鱈目な魔素(エネルギー)量を隠すことなく放っている。

 

 次に入って来たのは犬歯が目立っているため、おそらく吸血鬼族の魔王であるロイ・ヴァレンタインだろう。

 

 ………なんかその後ろのメイドの方が魔素量が多い気がするが?

 

〈測定可能な下限段階でも対象者の魔素量は当代の魔王より多いと推定されます〉

 

 だよな。

 

 ただ、魔素量の大小は参考程度にしかならない。

 

 その証拠に、俺はスキルを使わないとハクロウに敵わず、スキルを使っても引き分けにしか出来ないからな。

 

 ……ハクロウやばくない?

 

 まあ、だからこそ、安心してみんなをクレイマンの城の攻略に送り出せたんだけどさ。

 

 次に入って来たのは翼の生えた女性の魔王。

 

 多分、この魔王がカリオンを匿ってるフレイだな。

 

 ……フレイの従者のライオンのマスク被ってる奴ってもしかして、魔王カリオンだったりする?

 

 正直分からないんだよな。

 

 俺、カリオンと会ったことないし。

 

〈解、少なくとも有翼族(ハーピィ)ではありません。魔王カリオンである可能性が高いです〉

 

 あ、やっぱり。

 

 とりあえず、無事なようで何よりだ。

 

 そして、次に入って来たのは……

 

 気付くと俺は、その入って来たの魔王の前に立っていた。

 

「お前がレオンか?」

 

「そうだ。お前がリムルか?」

 

「ああ、そうだ」

 

「随分と、懐かしい姿をしているのだな」

 

「覚えているのか?シズさんを」

 

「ああ」

 

「そうか。良かったよ。覚えていなかったらこの場で殴ってた」

 

「お前に殴られる謂れはない」

 

「シズさんは死んだぞ?」

 

「知っているさ。彼女は望み通り人間として生き、そして死んだ。イフリートを受け入れ、生きながらえることを選ばなかったのは彼女の意思のはずだ」

 

「…………」

 

「……殴られる謂れはない。……が、お前には興味が湧いた。招待してやるからワタシの国に来い。拒否してくれても構わない」

 

「招待を受けてやる。招待状でも送ってくれ」

 

「ああ、そうするさ。お前がこの場を生き残れたらな」

 

 レオンとの会話が終わると、白いタキシードに身を包んだ男が入って来た。

 

 おそらく……いや、確実にこいつがクレイマン!!!

 

 俺が潰すと決めた魔王。

 

 楽に死ねると思うなよ?

 

 今日がお前の命日だ。

 

「皆さんお集まりのようで何よりです。それでは、早速『魔王達の宴』を始めましょうか!」

 

 クレイマンが上機嫌な様子で、そう高らかに宣言すると、

 

「今回の『魔王達の宴』の召集をかけたのは俺たち最古の魔王だ。お前じゃないぞクレイマン。勝手に進行役をするな」

 

 ギィに睨まれ、その口をつぐんだ。

 

 こうして、『魔王達の宴』は始まった。

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